共用トイレ

私の通っている美容院のトイレが女性専用に成りました。

じゃあ、いったい男はどうするのか?

その美容院が入っているビルにはテナント共用のトイレが在り、普通の利用客はそこを使うのです。テナントの中で美容院だけが自分の敷地の中に特別にトイレを持っていたのですが、それが今回女性専用に成ったので、男はテナント共用のトイレに行くことになった次第です。

その、美容院の中のトイレは小さい個室で一人用ですから、男女が同時に中に入ることはありません。

それなのに専用にするって、潔癖も良い加減にして欲しい!

そう思う人が多かろうと思います。

実は弊社の地下の「レストランちんや亭」のトイレも、一人個室の男女両用トイレです。

しかしですね、この問題は潔癖症の問題ではなく、ランキングの問題なのです。

店を評価する際に、共用トイレが在る、というだけで店の評価がグンと下がるのです。一人個室だから、男女が同時に中に入ることはないと言ってもダメなのです。

弱りましたねえ。

「ちんや亭」が在る地下一階は、大冷蔵庫や機械室があって、トイレを造る場所が無いんですよね。

エレベーターに乗って「ちんや」のトイレへ行くことは出来ますが、遠いですし靴を脱ぐのが面倒です。

それに、男女どちらの専用にするか、それが大問題です。

美容院と違って、「ちんや亭」は男女どちらも多いですからねえ。

弱りました。

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毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

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統合型リゾート

カジノ解禁法案が通るかどうかが、今国会の焦点なのだそうです。

「統合型リゾート」推進法なる奇っ怪な名前が付けられていますが、カジノをも「統合」しているのですから、要するにカジノ推進法案です。

政府は、これを「成長戦略」の目玉と位置付けているとか。

私の周りには、

カジノが無ければ日本に外人客を呼び込めないなんて、なんたる浅はかな考えなんだろう!

と考える、真面目な観光業者の人が少なくなく、そういう方から、

住吉さんもカジノは反対でしょう!ブログにそう書いて下さいよ!

と言われたりします。

うーん、そうですねえ、私は結論から先に申しますと、

条件付き賛成です。それもかなりハードルの高い条件付きです。

まず、大衆賭博はいけません。

現状の公営賭博=競馬・競輪みたいに誰でも出来るのはダメです。

大金持が余った金を散財するなら良いのですけど、現状の公営賭博には、むしろ所得の少ない皆さんがハマってしまっています。

日本にギャンブル依存症患者が多いのは、ああした公営賭博のせいであることは明らかでしょう。

カジノを造るのであれば、金持だけが参加できるように金額のハードルを、ぐぐっと上げるべきです。具体的には高率の税を課すべきでしょう。

もう1点。

カジノの収益の相当割合を公益に投じるよう義務化するべきです。

そうすれば、そのカジノで散財することイーコール公益に資することになるのです。

例えばです、収益の相当割合を、日本の美術品・工芸品の購入に充てるよう義務化します。で、その美術品で賭場を飾り立てます。

そうすれば、そのカジノで散財することイーコール日本美術の振興に資することになるのです。名誉じゃないですか。

だいたいですよ、カジノなんてものは、世界中にはもういくつも在ります。国際観光という観点で考えた場合、日本のカジノがいったい魅力的に見えるのか、私はとても疑問に思います。日本美術で飾りたてる位のことをしないと客は来ないと思いますよ。

ここはむしろ、カジノを観光と考えるより金融と考えた方が良いのではないでしょうか。

そもそも賭博は確率論を使った、究極の金融です。

ワルからアブク銭を巻き上げて、病弱な子に融通する賭場の兄さんは、江戸の昔から芝居のヒーローでした。

そういうのを造ったらどうなんでしょう?

統合型リゾートなんて止めて、

任侠型リゾートにしましょう。

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後援会

後援会の旅行の食事を、弊店でも承っております。

もっともオブチ先生ほどの大規模な旅行ではないです。

明治座さんを借り切るとなると、1.000人規模でしょうね。流石は総理候補。そんな人数は弊店には入れません。

さて、今回の問題の焦点は、

感激会いや観劇会の収支に差額が在って、それが「有権者の買収」に該当するかもしれない。しかも、その額が数千万円単位だ、ということですね。

『週刊新潮』がそれを「デタラメすぎる『政治資金』」と書いたわけです。

うーん、これは、まあ、「買収」に当たるんでしょうねえ。

この件は「旧い体質」「本来あるべき姿から乖離している」

とも書かれているようです。世論も70%以上が辞任すべきと考えたようです。まあ、辞任が相当なんでしょう。

でも、ちょっと考えてみて下さい。買収はマズいにしても、後援会旅行自体がマズイのか、ちょっと考えてみて下さい。

そこは区別したいです。

だいたい人間って、親しみを感じない人の話しって、あんまり聞かないと思うんですよね。

政論を聞いていただくにしても、まず、人間的に信頼してもらってからの方が、やはり上手く伝わります。

肉の話し程度でもそうなんです。肉の旨さの本質はアミノ酸や脂肪酸ですが、そういう話しは、なんとも、コ難しいんです。

人間的に信頼してもらってから話す方が、我慢して聞いて下さるので、上手く伝わりますが、それがない場合は、そういう話しをすること自体嫌がられてしまいます。

買収はマズいですが、旅行とか人間的な触れ合いを完全否定するのは、どうも、私は賛成できません。

二世議員、上州戦争、 旧い体質とメデイアの叩きたい要素がテンコ盛りでしたから、ああいう論調になりましたけれど、適切な運営の旅行なら、悪くはないのでは、と思ったりしています。

旧いですかねえ。

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パワースポット

「東都のれん会」の研修旅行で出雲大社を訪ねました。

六十年に一度の遷宮が去年終われましたが、「ご成婚」の影響なのか、大社を始め出雲ノ国の観光地は、どこも大盛況・大混雑でした。

パワースポット・ブームはまだ終わっていないのですねえ。

最近では「御朱印」を集めて周る女子会があるとかで、「御朱印」の受付には長い列が出来ていました。

最近、日本人の気分が変わったのかもしれません。

東日本大震災や、うち続く異常気象を目の当たりにして、自然を畏敬する感情が湧いてきた方が多いのかもしれません。

特に社長などをしておりますと、どうしても、

店と従業員を、どうか護り賜え。

という気分に成ります。

たまに祈らないことには、一年中不安な気持ちで過ごさねばなりませんから、神様に詣でることは精神衛生上良いことだと言えます。

特に私のような小心者の者には、そうした機能=まあ、鎮静剤のようなもの=は在り難いものです。

いったい、ギリギリの効率性を追求している社長さんなんてのは、内心どんな気分なのか、私には恐ろしくて恐ろしくて想像もつきません。

たった一人の従業員に店を任せている、その時間帯に何か天変地異が起きたら、一体どうなるんだろう!と思うと居ても立ってもおられないというのが、私あたりの神経なのですが、おそらく成長する会社の社長さんは神様など必要ないのでしょうね。

結局薬局、私は神様必要派です。

それだけに、神社の周りをあまり観光地っぽくして欲しくないです。

まあ、この話しは、浅草の人間が強く言える内容の話しではないですけどね。

話しは参拝した時の様子に戻りますが、出雲は神職の方が随分と親切でした。御垣内で我々に詳細に説明をして下さいました。

あそこは神聖な場所ですよね。ご本殿を前にして縷々説明して下さり、ちょっと驚きました。

なんでも出雲の遷宮は伊勢の遷宮と違って、作りかえではなく修理であるとか、本殿の軒の厚みには下から見た時美しいように、遠近法が知られいない時代に遠近法のような手法を使って作られたとか、説明して下さいました。

ふーん、へええ。

でも、

もう少し怖くして欲しいというか、虐めてもらっても良いような・・・

なんだかMっぽい気分。

あ、それは広島のミヤザワ先生だったか。

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人治主義

人治主義の人っていますよね。

その店にはその店のルールがあるのに、

客の俺が良いって言ってるんだから良いんだ!って言い張る人のことです。

元々ルールなんか守りたくないタイプの人なんでしょう。飲めばお姐さん相手に若い頃のヤンチャ自慢を始めてしまうタイプと言っても良いでしょう。

こういうタイプの方は、ルールが在るとあえてそれを破ろうとなさいます。

先日、国際観光日本レストラン協会の研修会で、弁護士の先生に来ていただいて、

「料理屋・レストランの法務」

という題で話していただいた際、クロークでの業務について、こんな質問がありました・・・

貴重品はお預かりできません!と言っているのに、

金は入ってるけどさ、俺にとっちゃ「はした金」だからさ、構わず預かってくれよ!

と言う人がいるんですけど、その金を預かって、それをなくしてしまった場合、責任は生じますか?

弁護士さんの回答は、

そう言われた場合でも、金をなくしてしまったら責任が生じる、でした。

うーん。そうですよねえ。

だから客の俺が良いって言ってるんだから良いんだ!

って言われても、ひるまずに貴重品預かりの正式な手続きをするか、完全に断らないといけません。

似たような話しとして、狭い部屋に入ろうとする人がいます。

こちらが狭い部屋しかないと言っているのに、

狭くても良いんだよ。客の俺が良いって言うんだから良いんだ!って言い張る人がいます。

これも、かなり困ります。

結局机の上に料理を並べ切れなかったりします。

やがて本人もイラついてきて、怒り出したいのだけれど、「狭い」を理由にすることはできません。

それで、店員の態度が悪いとか別の理由で怒り出したりします。迷惑至極です。

結論として、合理的で必要性のあるルールは、断固守らせた方が良い、という結論に辿りつきます。

ああ、つまんなかったですね。今日の、このブログ。すみません。

これに懲りず、引き続きヨロシクです。

 

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群馬の名産

あらら、岐阜県のセンセイは、下仁田葱をご存知なかったんでしょうか?

こともあろうに、国会審議中に、

「下仁田葱」を、

「下ネタ葱」と言い間違えてしまったそうです。

「下ネタの…、しも、下仁田葱・・・」と発言し、あわてて「口が回らなかった。失礼しました」と撤回したとか。

さて、この審議で、不正な政治資金を使って「下仁田葱」を購入したと追求されていたのはオブチ・ユー子大臣。目玉閣僚だったのに、ご愁傷様でした。

一方、追求中に口が回らず、「下ネタ」発言をしてしまったのは、

イシンの党の、イマイ・マサト衆院議員。

衆院経済産業員会で、大臣に関係する政治団体の不透明な収支を追及する際、大臣の地元・群馬の名産品を言い間違えてしまったのです。

イマイ・マサト先生の経歴を調べてみますと、

1962年2月 岐阜県下呂市生まれ

■学歴

下呂中学校、東海高校、

上智大学(文学部英文学科)卒。

■経歴

1985年三和銀行入行。

とあります。下呂の方でしたか。

下呂には「ネギ味噌天ぷら」という面白い食べ物がありますが、材料はたしか、普通の白ネギだったはず。

東京時代に下仁田を召し上がらなかったんでしょうかね。

イマイ先生、

11/23には、是非是非「全国ねぎサミット2014inぐんま下仁田」を観にお越し下さい。

「すき焼きシンポジウム」もやりますよ!

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もうすぐ締め切り~すき焼き川柳コンクール

今年も「すき焼き川柳コンクール」をやっています。

投句していただいた川柳の中から、優秀句を選んで、その川柳を「ちんや」の包装紙に刷り込む予定です。

去年版は、去年の今頃募集して、今年の三社祭の日にデビューさせましたが、今年も同じ日程で、今月末募集を締め切りたいと思っています。

川柳好きの皆さん、是非今月中にご投句下さい!

(ネットでの投句はやっていません。浅草の店にリアルに来た方のみ投句できます。悪しからず。)

 

<以下は現在までにいただいた川柳の一部です>

すき焼の 具材知らべは スマホでシュ

ちんやなら 僕も行くよと 孫は云い

ちんやさん 肉で一番 名で二番

風神も 雷神もすきか すき焼

つれられて つれて浅草 ちんやまで

やわらかい 肉大口で 八十才

連れ立った 孫に連れられ ちんやへと

なつかしい 姉妹で戦 母の鍋

子供の頃 肉屋で育ち なのもいえぬ肉の味

鍋囲む 主役はまだ見ぬ 四代目

“今日も食べるよ ”ちんや”のすき焼

老いの体に ちんやちんや”

夫婦して ちんやで食事 湧く笑顔

肉採ると 妻から野菜が 10倍返し

向き合って すき焼きつつく 月の夜

すき焼きは はしとはしとの いくさなり

ちんや肉 家族と川柳 うち揃う

すき焼の 鍋を囲んで 和楽かな

すき焼は 元気の源 今日も喰う

ほおばって 日本味を 堪能す

浅草ちんや 美味しかったよ 又あした

すき焼きの 前じゃけんかも なかなおり

気合い入れ ガッツリ食べる すき焼よ

今日も又 一家団らん 鍋囲む

傘寿祝し 牛鍋囲んで 米寿待つ

のれん押し 今日はすき焼き うれしいな

喧騒を 忘れて楽しむ 肉の音

すきやきは こいめがすきな わたしです

すき焼きが また食べたいな 給料日

外人も 必ず納得 ちんやなり

牛鍋や 夫と子らに 笑みこぼるる

浅草寺 二番目にして まずちんや

大奥へ タイムスリップ ちんやなべ

(以上)

 

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ヒール役

このブログで年回か採り上げております、下仁田での「すき焼きシンポジウム」ですが、結局私も登壇することになりました。

群馬県庁が正式にリリースしたところによれば、

<趣旨は>

「富岡製糸場と絹産業遺産群」がユネスコの世界文化遺産に登録され、国内外から本県に注目が集まるなか、本県を訪れる人への「おもてなし料理」の創出が急務となっています。そこで、本県が、質とともに知名度の高い「下仁田ネギ」を筆頭に、牛肉、こんにゃく、しいたけなど、すき焼きの具材をすべて県内産で揃えることができることに着目し、「群馬のすき焼き」について考えるためのシンポジウムを開催します。

<シンポジウム名>

「群馬県すき焼きシンポジウム」~地域の特産品から、群馬のおもてなし料理を考える~

<日時>

平成26年11月23日(日) 午後1時30分~3時30分

<会場>

下仁田町文化ホール(甘楽郡下仁田町大字下仁田682)

<内容>

【基調講演】

「“食財”の王国・群馬県の食文化」

講師 向笠千恵子 氏(フードジャーナリスト、食文化研究家)

【パネルディスカッション】

「ぐんまのすき焼きとは」

・コーディネーター

藤井浩 氏(上毛新聞社論説委員長)

・パネリスト

向笠千恵子 氏

鳥山 真 氏(鳥山畜産食品(株)代表取締役社長)

田中芳重 氏(下仁田ねぎの会 会長)

小金澤 定夫 氏(群馬県蒟蒻協同組合 副理事長)

住吉史彦 氏(浅草 すき焼き店「ちんや」 社長)

<定員等>

300名(先着順)・参加費無料

以上の通りです。

参加費が「定員等」に入っているところが県庁文学ですが、まあ、そういう細かいことはさておきまして、

要するに、私が県外から群馬の牛について、あーだ・こーだ言う立場のようです。

弱りましたね。

勿論、基本的に私は今回群馬県が「すき焼き応援県」宣言したことに賛成です。

従来私は、食のブランド作り・産地作りをする場合、どんな食べ方で食べて欲しいのか、ハッキリさせるべきだ、と言って来ました。

だから、「すき焼き応援県」宣言は基本的には結構なことと思いますが、とにかく、宣言が唐突に出たので、畜産の現場ですき焼き向きの牛の育て方が出来ているかを申しますと、「まだ、これから」でしょう。

念のため、私の好みを申しておきますと、

・熟成させ易い牛

・脂肪の融点が低い牛

です。細かいことはシンポジウム当日に話したいと思います。

それから、もう1点。

群馬の皆さんが、まず肉を食べることが大事だと思いますよ。

牛肉消費量ランキングで47都道府県中45位(2013年)というのは、なんとしてもいただけません。

食べないと旨いも旨くないも分かんないですからね!

そこは、何卒よろしくお願い申し上げます。

ん?

これって、所謂「ヒール役」?

参加ご希望の方は、私まで連絡下さい。

 

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毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

恋心

すき焼き思い出ストーリー投稿サイトに、新着ストーリーの投稿がありましたので、早速UPしました。

題して『恋心』。

今回は、とてもお若い方からの御投稿でした。是非お読みください。

<『恋心』>

好きだった人に思いを打ち明けられなかった19歳の私はなんとか勇気を振り絞り彼を食事に誘った。

だけど、告白は出来ない…。どうしても振られた後の事を考えてしまうからだ。

付き合いたいけど、振られたら友達にも戻れなくなる。そんな思いが私にはあった。

その時、一緒に食べたのがすき焼き。すき焼きという言葉は何回も彼に言えるのに好きという言葉だけは彼に最後まで言うことが出来なかった。

彼が美味しそうに食べるすき焼きに焼きもちをやいた。

だけど、すき焼きは悔しいけど美味しかった。

 

その他にも40話以上のストーリーがありまして、こちらでご覧いただけます。

 

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HRSnews

8月に「ちんや」で開催した食育イベント「親子体験食味学習会」に参加なさった方が、その様子を「HRSnews」(日本ホテル・レストランサービス技能協会の会報誌)に書いて下さいました。

嬉しいことです。

<以下原稿です。是非お読みください>

 

(タイトル:すき焼が教えてくれたこと)

 

「問題!日本人が牛肉を食べはじめたのは、いつからでしょ~か?」

小学生の息子が突然こんなクイズを出して来たことには訳がある。それは、浅草老舗

すき焼屋のちんやさんで開かれた夏休み食味体験に参加させて頂いた事に他ならない。

 

2005年に食育基本法が施行されて約10年。

食育とは「生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるものであり、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てること」とあります。

 

法と聞いてしまうと何だか難しくとらえがちですが、簡単に言えば「食に関心を持ち心身ともに豊かに味わう事」と言ったところでしょうか?個人的には実際に触れ、聞き、味わい興味を持つ事が食育の根幹では?と考えます。それは大人も子供も、現代人も古代人もたぶん変わらない事で、「これは食べられる物」「こうすると美味しくなる」「これを食べると元気になる」「これは特別な時のご馳走」「これは皆にも食べさせたいなあ」なんて事が繰り返され、引き継がれ今の食文化があるのではと思います。

 

「正解は明治時代でした~」

「でーはー、なぜ牛肉を食べるようになったのでしょ~か?」

 

雷門の並びに建つ、モダンな総煉瓦造りのちんやさんの創業は明治13年。

のれんをくぐると今では珍しい下足番の方が迎え入れ待合へ案内してくれます。

心配りの行き届いた接客は文明開化の面影ある造作や調度品と相まって、

いつもとはひと味違う特別な雰囲気。これから始まるすき焼への期待感が膨らみます。

 

「正解は~…。西洋人にも負けないくらい大きくて強い体を作るためでした~」

「では〜、なぜちんやと言う名前なのでしょ〜か?」

 

クイズは食味体験の冒頭にちんやのご主人が出題してくれた問題の一部。

歴史的な話しを交え食肉の事、すき焼の事を楽しく紹介してくれたそうで、

当日留守番だった私に早速試したという訳です。

 

クイズの後は作業着に着替え支度場での実習。普段は立ち入れない場所で、

我家ではまず見ることが無いビックリする程大きな和牛肉を切り出す大仕事です。

筋を綺麗に外し成形された大きな肉に、職人さんの手を借りながら入れた包丁は

す~っと落ちて行きその切れ味の良さにも驚いたと言います。

 

実習の後はいよいよ実食。

自分で切り出した牛肉を使い、仲居さんが「ちんや」伝統のすき焼を教えてくれます。

美味しそうなすき焼を前にすれば当然ですが、文明開化で始まったすき焼について

書き込まれた息子のレポートノートは残念ながらここで終わってしまいます…。

すき焼を通じて食肉の歴史を知り、食材が形を変えて料理になるまでを学び、受け継がれてきた味、技術を体験し、すき焼はノートの記録と一緒に記憶となって息子の特別な料理となりました。

 

「いただきます」は食材の命を頂く事、食材を育ててくれた人、食事を準備してくれた人の時間を頂いた事への感謝の言葉。家庭で最初に学んだ食育だと思います。海外にはそれに当たる言葉は無いそうで、「いただきます」は最初に覚える日本の食文化であるかもしれませんね。食事を有り難く味わうことは相手を思う気持ちでもあり、テーブルマナーにも繋がる基本的なことです。

青空市や観光農園、職場体験などを通じて生産者や製造者、販売者との交流の場も増えました。地域のお店や学校給食では地元の食材、旬の食材、行事の料理など、食べることに興味が沸くような工夫が伺えますし、楽しい発見もあります。

 

家庭で家族揃って食事を摂ることさえ難しい多様な現代社会では、外食産業も食育を支える大切な要素であり大切な場です。お客様が心身ともに豊かに食事を楽しむ事は、お客様が食事の記憶や発見を積み重ねて行く事。安心感や信頼感を積み重ねる事でもあるようです。

それは、生産者と消費者を結ぶ外食産業が日々繰り返す大切なミッションのひとつなのでしょう。

 

「正解は~、すき焼屋さんになる前の江戸時代は、ちんという小犬を売るお店だったからでした~」

 

クイズに答えながらつまむ今夜のお酒の肴は牛肉のしぐれ煮。

ちんやさんで食べたしぐれ煮を思い出しながら、留守番だった私に作ってくれました。

そして息子は大人になったらちんやさんのすき焼をご馳走してくれると言います。

そのいつの日かを楽しみに、では「いただきます!」

 

なお、日本ホテル・レストランサービス技能協会については、こちらです。

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