改修工事

雷門に改修工事が入っています。

ご観光に見えた方が、

ああっ、なんだよ、工事中かよお! ついてないなあ!

と言っておいでなのが聞こえてきますが、逆ですよ、逆。

普通の雷門は、ここに来ればいつでも見れますが、工事中なんて滅多に見られません。むしろラッキーと思いますよ。どうぞお出かけ下さい。

さて、雷門の工事とは何の関係もありませんが、私が住んでいるマンションにも修繕工事が入ることになりました。築15年を越したので外壁の亀裂を直したりするそうです。

鉄筋コンクリートの建物と申しますのは、文字通り鉄筋をコンクリートが覆っていますが、そのコンクリートに地震や風雪の力で亀裂が生じますと、そこから中へ水が浸透してしまいます。水が鉄筋に接触するといけませんので、修繕するわけです。私も店のビルのオーナーですので、その辺りの事情は分かります。

しかし、困りましたのは、ベランダを空にするよう、管理組合から命じられたことです。

す、すっかり空に、ですかあ。

困りました。ベランダは第二の物置と化していますから、色んなモノを撤去しないといけませんし、それ以上に困りましたのは、スノコも取り外すようにと命じられたことです。

そのスノコは、新築の時にオプションで付けてもらったものですから、15年以上付いたままでして、外し方も知りませんし、それにスノコと床本体の間には、長年の間に堆積した土砂があります。

8月から気管支炎を患っていますので、取り外し作業にかかるのを避けておりましたが、ついに「明け渡し日」が来てしまいました。

それが、この前の定休日の日でした。

仕方ないので、その日は朝からモノの撤去とスノコの解体に従事しました。

スノコの外し方を会得するのには時間はかかりませんでした。

スノコはちょうどエクセルの表のような形をしていて、6センチ角のピースが組み合わせられています。1×1ピースだったり、1×3ピースだったり、3×3ピースだったり、パターンが色々ありまして、それをベランダの形に合せて繋げてありました。

組み合わせ方の見当をつけて外して行けば、気持ち良くパキパキと外れて造作もないことでした。

ただし、この作業は腰を落として床を睨みながら進めるわけですから、腰を炒めるイヤ腰を痛めないように注意して進めます。結局120ピースほどのスノコをとり外すことに成功しました。

難儀しましたのは、やはり土砂でした。

鼻の穴にチリ紙を詰め、勿論マスクをして完全防備で臨みましたが、この土砂を取るのは実に重労働でした。

途中から家庭用の箒では埒があかないと思い、店に行って、雷門横丁一斉清掃用の箒を借りて来ました。よく公園で落ち葉を掃いている、あの大きい箒です。

その大きい箒を使って、土砂を掃きます。掃いても、掃いても粉塵が舞って、しばらくするとまた床に落ちますから、また掃きます。

解体工事の現場みたいに粉塵が舞いますが、これしきのことに負けてはいられません。

調子に乗って興奮してくると、徹底的にやらずにはおられない性格なのです、私は。

掃いても、掃いても粉塵が舞って、しばらくすると床に落ちますから、また掃きます。

ゼッタイ気管支炎が再発すると思いますが、また掃きます。

この作業に従事すること3時間半。

ベランダは、まったく何も無い、まさにすっかり空の状態になりました。

目出度し、目出度し。

いやあ、筋肉痛一直線だなあ。

体力回復に、すき焼きでも食うか!

なお、雷門の改修工事は11月末日まで、我がマンションの改修工事は26年1月末日まで続きますので、ご承知おき下さいませ。

 追伸①

単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。

21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。

時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。

くわしくはこちら↓です。

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

現在の笑顔数は366人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.306日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

 

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すき焼き三昧

変なニュースを見つけました。

「医師は粥すすり、薬剤師はすき焼き三昧」

というニュースです。

「医療経済社」によりますと、

「日医・鈴木常任理事 “敵陣”日薬学術大会で分業批判の大立ち回り」

「日本医師会の鈴木邦彦常任理事は22日、大阪市で開催された日本薬剤師会学術大会で「医薬分業のあり方」をテーマに講演。“敵陣”に乗り込んで、分業、調剤報酬、薬剤師会をばっさばっさと切り捨てた。」

「鈴木氏は、突出した伸びを示す調剤報酬について、総医療費、1日当たり医療費、受診日数、1施設当たり医療費などを挙げて糾弾」

ということがあったそうです。

以前に「塩じい」こと塩川正十郎・財務大臣が、日本の特別会計のムダづかいについて、

「母屋でおかゆをすすっているときに、離れですき焼きを食べている」と表現したことがありましたが、久しぶりの、すき焼き=贅沢論ですね。

この発言ですき焼きが目立って良い半面、

すき焼きは、過剰に値が高いという印象が流布されるので、マイナス面もありますねえ。

私個人も、一度も「ちんや」に来たことがない、学校の先輩から直接に、

すき焼きというものは、とにかく高すぎると思う、というメールを貰って、憤慨したことがありました。

だからと言って、安くする気は毛頭なく、適切な価格で営業するだけですけどね。

高いという先入観から入っていただくと、チト困ります。

それに、だいたいですよ、薬剤師さんに、そんなに御利用いただいている、っていう実感はないんですけどねえ。

どこの店で、すき焼き三昧なんだろう?

 追伸①

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ビールかけ

親会社のネットの「楽天」社の手法は、正直、あまり好きになれないのですが、野球の「東北楽天ゴールデンイーグルス」の優勝は、心からお祝いしたいと思います。

選手の活躍は勿論スゴかったですが、そもそも、

・球団をゼロから創ったこと

・本拠地を仙台に置いて「東北楽天」と名乗ったこと

・キャンプ地として離島の久米島を選んだこと

・初年度97敗もして「史上最弱」「むこう10年間は毎年最下位だろう」と言われても諦めなかったこと

こうしたことも皆、素晴らしかったと思います。

さて、優勝と言えば「ビールかけ」です。

「ビールかけ」は食品のムダ使いですから、その中継をテレビで視るのはチト複雑な気分ですが、この日は嬉しくて、つい視てしまいました。

すぐに目に入りましたのは、5.000本のアサヒビール。

選手宿舎のホテルはアサヒさんの取引先だったんですね。祝勝会はホテルの地下駐車場で行われたのですが、その会場の端から端まで、ビールがズラっと陳列してありました。担当の営業さんは、並べる作業が大変だったでしょうね。

しかし、久米島の酒もありました。泡盛「久米島の久米仙」が2樽。

沖縄本島の那覇市にも久米仙酒造という泡盛の蔵がありますので、区別するため「久米島の久米仙」と呼びます。

嶋・選手会長が「魂込めて乾杯しましょう」と声を上げて、ビールかけがスタート。ベテラン選手が悲鳴をあげるほどの大はしゃぎだったとか。

関係者の皆さん、おめでとうございました。

そして、負けても負けても応援して来たファンの皆さんにも、本当に感心しました。おめでとうございました。

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ネコババ=おもてなし論

なんでもかんでも「お・も・て・な・し」につなげるのは、いかがなものだろう?!

「おもてなし」という言葉を拡大解釈し過ぎじゃないの?!

と思っておりましたら、私と似た意見が出て来ました。

しかし、それは中国から。

報道によりますと、

「中国の「新浪網」は20日、2020年夏季五輪招致のための最終プレゼンテーションで、フリーアナウンサーの滝川クリステルさんが「東京では財布を落としてもそのまま戻ってくる」と「おもてなし」精神をアピールしたことに対して、「日本人が拾った財布を届けるのは民度の高さもあるが、容赦のない法律のおかげでもある」と指摘する記事を掲載した。」

「日本の刑法には「遺失物等横領罪」が規定され、拾ったものを7日以内に警察に届けなければ1年以下の懲役、または10万円以下の罰金となる可能性がある。もしも落し物をネコババして犯罪を指摘されれば、住宅ローンや就職、結婚などで信用がないために苦しむことになるのだ。」

「日本はまた、「遺失物法」で落し物を届けた人が報労金を求めた場合には、その物の価格の5~20%に相当する額の支払わなければならないと規定している。」

「こうしたアメとムチの、容赦のない法律があるため、日本人は財布を拾っても届ける習慣がついたと言える。」

だから一概に日本の民度が高いと言うことはできない、という内容のようです。

まあ、そういうことはあるかもしれませんね。

しかしですよ、同じ法律を中国で施行したら、どうなりましょう。

違反者を警察がキチンと確実に逮捕できますかね。

逮捕できたとして、その違反者の親族に共産党員がいたら、釈放しちゃうんじゃないでしょうかね。

民度には為政者も含めて考えるべきなのであって、そう考えるとやはり日本の方が高いと言わざるを得ないでしょう。

と書くとなんか、私も「ネコババ=おもてなし論」に加担しているようですが、クドイですが、それは私は言葉の拡大解釈だと思うんですよ。

このままだと治安強化=おもてなしってことに成りそうです・・・

・・・てなことを言っていると、世の中に乗り遅れますかねえ。

そもそも言葉はうつろうものですから、これを機会に変えちまえば!ってことですかねえ。

 追伸①

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贅沢のための贅沢

今は亡き日本社会党は「反対のための反対」を唱える党だと批判されましたが、その点を改めようとした民主党が政権を獲って⇒あえなく下野した今「反対のための反対」という表現もレトロな感じに成ってしまいました。

さて似たような表現で「贅沢のための贅沢」という言葉がありますが、今日は、その「贅沢のための贅沢」について、です。

肉の業界で最近どうしても「贅沢のための贅沢」を見つけてしまうから書くのです。つまり、所謂「希少部位」に過剰にコダわる業者さんのことです。

ここで「部位」と書いていますが、実は正確ではなく、彼ら業者がコダわっているのは、部位の中のまた一部を子割りして、その部分肉を、さも「希少」だと言っているわけです。

マル(半マル)の牛

⇒(パーツ)肩

⇒(部位)肩ロース

⇒(小割り)「ザブトン」

というのが正確な分割方法でして、子割りの「ザブトン」が彼らのコダわりの対象です。

「稀少度」を独自に判定して、サイトに公開している店もあります。なんでも「稀少度」とは「牛一頭から取れる重量と部位に対する人気の度合いとを、その店が独自に勘案している」のだそうですが、「人気度合」という部分がひどく根拠不明瞭です。

それに、ですよ、希少と言われている部分の味が、周りの部分の味に比べて格段に美味しくなければ、希少じゃないですよねえ、そもそも。

「希少希少」と唱えている人には申し訳ないですが、ザブトンが、そのまわりの肩ロースに比べて格段に美味いとは思いませんね、私は。

肩ロースをまるごと、すき焼きにして食べれば良いんじゃないでしょうか、普通に。肩ロースは最初から全体が美味い部位です、特にすき焼きにした場合に。

美味いのに名前が「肩ロース」と今市魅力的でないから売りにくく、それで高く売ろうと邪道な作戦を思いついたんじゃないか、そう勘ぐられても、不自然ではないと思います。

もう一つ、「それに」を言わせていただきますが、いくら「希少部位」を取り出しても、その牛全体が残念だったら、その一部である「希少部位」が美味いはずがありません。

「希少希少」にコダわるヒマがあったら、牛全体のこと、つまり、

肥育期間は長いのか、

気温何度くらいの所で飼われていたのか、

水は、どういう水を使っていたのか、

飼料は、どういう飼料を使っていたのか、

熟成期間は長いのか、

にコダわってみてはいかがでしょう。

ここで断言します。牛全体にコダわるなら、贅沢ですが、

たかが部位にコダわるなら、「贅沢のための贅沢」ですな。ふん。

 追伸①

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掲載辞退

何かの取材をする場合、段取りとして取材対象に声をかけていくことになろうかと思いますが、その場合、

採り上げることが既に決定しているのか、

あくまで候補に過ぎず、リサーチ段階なのか、

是非ともハッキリさせるべきだと思います。

そこをハッキリさせずに進むと残念なことになってしまうことがあり、先日も、そういうことがありました。

それは、とある公的機関が作成する観光情報サイトだったのですが、担当の人が、

住吉さんのブログを拝見しました!

と連絡を入れてきて、「ちんや」さんを採り上げたいのは勿論、浅草の他のジャンルの料理屋さんも紹介していただきたい、とおっしゃいます。

たしかな身元のサイトで、担当の方も浅草が好きとかで熱心で、無料でしたので、喜んでお引き請けしましたが、しばらくしてビックリな展開が待っていました。

「ちんや」以外の店が不採用になったと言うのです。

で、担当の方は下請けとしてその仕事をしている関係で、版元に意見が言えないようです。

この場合「ちんや」だけ出るわけには行きませんね。紹介した他の御店さんの手前、こちらだけが出るわけには行きません。

断腸の思いながら、「ちんや」も掲載辞退です、とお伝えしました。

良くないのは身勝手な版元なのであって、担当さんには気の毒なことです。実際、ご丁寧にお詫びの手紙などをいただいてしまい、同情いたしましたが、仕方のないことです。

残念なことですが、辞退で仕方のないことでした。

 追伸①

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リニア礼賛

オリンピックに続いて、リニア新幹線の計画が発表されまして、奉祝ムードが高まっています。

技術大国・日本の威信を世界に誇示できる、という点では、たしかに気分が良いですね。

しかし日本国中全面礼賛とはいかないようです。

まず、先日一緒に飲んだ、名古屋の社長さんの御意見。

この方は名古屋が地元ですが東京に支店を置き数人の社員さんを常駐させています。リニアができれば支店を廃止して、その維持経費が削減できますから喜んでおいでかと思いきや、

まあ、たしかにウチの経費は削れるかもしれませんですけどね、その逆もあるわけで、名古屋にある支店が廃止になる方が数としては多いと思うんですよ。

そうするとですね、名古屋経済の一部は支店経済なわけで東京から転勤して来ている人がペイする金が名古屋にたくさん落ちているわけですけど、それがなくなります。そのマイナス分が馬鹿にならないとみてるんですんよ、私は。

なるほど、たしかに、そういうことはあるかもしれません。

一方、私が懸念しますのは、途中の通過県で「一番」とか「高級」とか評価されている料理屋さんのことです。

1時間以内に東京に行けるとなれば、何かの記念日とか美味しい物を食べたい時は、リニアに乗って地方から東京に出て来る人が増えるに違いありません。

食と申しますものは、地方・地方に根差しているからこそ素晴らしいのですが、そういう文化を担う御店に落ちる金が減るのも、また確実でしょう。懸念されます。

政策学の立場から反対を唱えている先生もいます。

千葉商科大大学院客員教授の橋山禮治郎さんは、東京湾アクアラインに必要性や採算性が乏しいことを指摘し、ズバリ当てた方だそうですが、今回も強い懸念を表明しておられます。

この巨大プロジェクトについて、

「夢を見るのもいいが、覚めてしまえば夢は終わる」

「速さだけが夢なのか」

「リニアは確かに速い。だが、優位性はそれだけだ。事業の失敗は目に見えている」

速くて、しかし失敗した事例として「コンコルド」があることを、私も忘れておりましたが、この先生に指摘されて思い出しました。たしかに「速い」は、優位性の一種でしかないことに気づかされます。

作り手の夢というものは浪漫をかきたてますが、芸術作品ではない以上、そこに採算性を付け加えないといけません。

この件で、私は勿論何も出来ませんが、JRさんには、よほど知恵を出していただきたいものだと思います。

 

追伸①

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禅問答

文字にできなければ無いのと一緒です。

チト言いすぎかもしれませんけどね、無いのと、ほぼ一緒です。世間の人に気づいて貰えないからです。

陶芸とか塗り物とか、モノづくりの職人さんなら、自分の仕事について自分で文字に出来なかったとしても、作品そのものが画像として見えますから、その画像が自然に語りだしてくれますね。

ところが食の職人さんの場合、作るものは所謂「消え物」で、目に見えない味こそがポイントですから、そこに非常に難しい問題があります。努力していても、表現が下手なために気づいて貰えないことがあります。

例えば、肉の「目利き」。

どんな肉が良い肉なのか、自分で文字・言葉に出来ない人が多いです。いや、この業界、私も含めて、そんな人ばかりです。

この業界の問答は、こんな↓経過を辿ります。

Q本物の肉って、どんな肉でしょうか。

Aそれは味が良くて、脂が良い肉です。

Qでは良い脂って、どういう味ですか。

Aそれは脂が良い脂に決まってますよ!

ほとんど禅問答ですな。

これではラチがあきませんから、学者さんに頼んで、「良い」とか「美味い」を数値化しようという試みも行われています。

山形県で牛を飼っている方から聞いたのですが、山形県畜産試験場では「優秀」とされている牛の脂を集めて、脂肪酸の組成比を出したり、融点を計測したり、しているそうです。鳥取県ではオレイン酸の含有量を増やそうとしています。

それは勿論素晴らしいことなのですが、学会以外の人間にも、その数値が理解できるよう、文字に表現できないと、最初に申しました「無いのと同じ」状態に成ってしまいます。

それが、なかなか学者さんには難しいんです。

学者さんがクールな表現を考えてくれないので、再度職人さんに表現するよう強要すると、逃げられてしまいます。

「オレ、頭悪いから、そういうの、無理っす!」

それじゃあ、売れないでしょうが!

どうしても、売るためには一般人に分かるように表現しないといけません。文章表現力が要るんです。

詩心をお持ちで、肉が大好きで、マーケテイングのことも勉強している人、いないかなあ。

 

追伸①

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5代目と3代目

河路和香先生の長篇時代小説『どぜう屋助七』は、「駒形どぜう」さんの4代目を主人公にした小説です。文芸雑誌「Jノベル」に連載されてきて、9月号で無事最終回を迎えました。

この小説には、狆を売っていた頃の私の祖先・住吉やすも登場するのですが、やすはあくまで脇筋なので、いつかお話しするとしまして、今日は最終回の、4代目が亡くなる前後の、本筋の部分を読んで気づいたことをお話ししたいと思います。

さて、料理屋の店主としては破天荒な生涯を送った4代目が39歳の若さで亡くなったのは明治4年、明治維新の直後のことでした。

この時点で、「駒形どぜう」さんには、ご隠居すなわち3代目と、修行を終えて戻って来たばかりの若旦那すなわち新5代目がいました。

若旦那はまだ若くて父から充分な事業継承を受けておらず、しかし新時代の新しい発想だけは吸収しています。その5代目と3代目の対話の部分が、事業継承の物語として、興味深く読める部分です。

5代目は、4代目の四十九日を終えると店をぬけることが多くなり、いったい何をしているか、と申しますと、

不動産経営や、米の相場。

当然、その様子を見た3代目が苦情を言いますが5代目は独自の理論で反論します。曰く、

「金儲けは別のところでやって、(どぜう屋は)一種の道楽で、損をしてもいいように、安い値段で続けたい、っていうことなんだよ」

「だからどぜう汁も鍋も値上げはしない。世の中のために、安くてうまい店を続けたいんだ。だから、それを別のところでがっちり手堅く稼ぐんだ」

これには、真面目は3代目は「そんな・・・」と絶句してしまいます。

さらに5代目は、購入した農地で農業を始めてしまいます。「川上との統合」ですね。

材料は出入りの業者から買うもの、と考えている3代目から見たら、おそるべき発想です。

ダメ押しで「おじいさん、もう昔とは時代が違うよ」

「どぜう屋は一種の道楽」というのは、現当主6代目が言っておいでのことに近いですが、こんな昔から言っていたんですね。

もっとも6代目は不動産とか相場ではなく、外食産業を展開することで、利益を出しておられるようです。

さてさて、この5代目と3代目の対話、どちらにも理がありますが、皆さんはどう読まれましたでしょうか。

 追伸①

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200歳

「敬老の日」にFBを見ていて、「すき焼き通検定」に合格している知人の投稿を見つけました。

「祝200歳! 今日は祖父母の合計200歳を祝う集まりがありました。」

へえ、合計200歳とはスゴいの一語です。

正確には103歳+97歳なのだそうで、結婚なさったのは1937年。

「叔父が祖父母の結婚の時の写真をキレイに復元し、素晴らしい記念品として用意してくれました。中には2人からのメッセージなどが書いてあります。」

「現在の祖父の好物は、肉と鰻とビール。今日もお祝いのお重をペロリ。本人曰く、長生きの秘訣は腹八分目とのことでしたが、衰えない食欲こそが力の源泉でしょう。」

そうです、そうです、元気に長生きしている方は、肉を食べておいでです、たいてい。そこで、

「長生きには肉と鰻と酒ですね、やはり。」

と私も書き込みましたら、

「住吉さん、先日は従兄弟が送ったすき焼きを美味しくいただいたそうです。」

で、次なる目標は「オリンピックを見ること。」

スカイツリーが開業した時も「メイドの土産ができた」いや「冥途の土産ができた」と言いながら観覧なさっている方に出会いましたが、その時点ではオリンピックが来るなど想像の外でした。あの方にも次なる目標が出来て、2020年まで死ねなくなってしまいましたねえ。

肉と鰻を食べて頑張っていただきたいです。

ともあれ、200歳とは素晴らしいです。

いつまでも、お元気で!

追伸①

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毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)