立派なビルが建っちゃって

 先日、お取引先の紹介のお客様が見えたので、その部屋へ挨拶にうかがったら、年配の方でした。その方が、おっしゃったことは「いやあ、「ちんや」さん、こんな立派なビルが建っちゃって驚いたよ!」

  こんな立派なビル?

  最近、浅草界隈には、高層マンションがたて続けに建っているので、そういうビルの話しをなさっているのか、と思ったら、違うのです。どうも「ちんや」がビルになったことを言っておいでなのです。と、いうことは、昭和50年以前の(=先代の)建物と、今のビルを比較して「立派」とおっしゃっているわけです。

  先代の建物は、先々代の建物が、太平洋戦争で焼けた後、終戦直後に建てられたもので、およそ30年間使われました。私はそこで生まれ育ったのですが、お世辞にも「立派」とは言い難いものでした。

 昭和50年竣工の、今のビルと比較しても、戦争前の結構立派な先々代と比較しても、見劣りがします。だから、今のが「立派なビル」というのは間違いではないのですが、それにしても、今頃そう言っていただいてもねえ、という感じです。

  現在のビルも、既に築35年が経過して老朽化し、実は、あちこちに不具合が出てきています。メンテナンスに毎年多額のお金を投じているのが実態ですから、今頃「建っちゃって」というのは、当事者としては、かなり違和感があります。

  そう思っていたら、翌日も、店の玄関で、ほとんど同じ趣旨のことを、別のお客様から言われました。

 「40年ぶりに、思い出の「ちんや」さんに来たんだけど、いやあ、この前と随分変わっちゃったねえ。」

 実は、こういう話しは、結構頻繁に聞かされるのです。こちらとしては、「うーん」という感じですが、そういう感覚の方がたくさんおいでなのだと思います。

  ご来店の頻度が、「数十年に一度」という極端に低い頻度でも、思い出の中の印象は、薄いわけではないらしく、良い印象であった場合は鮮明に覚えていただいているようです。その、思い出の中の「ちんや」と現物が違ってしまうと、残念に思って、「変わっちゃったねえ」という御発言につながるようです。現在が「立派」であっても、あまり嬉しくはないようです。

  思いまするに、建物=半永久・人間=はかないもの、ではなく、その逆のようです。人の一生の間に、実際、先代の建物は築30年で取り壊しとなりましたし、築35年で、先代より長生きしている、現在のビルも、維持するのに難儀しています。

 むしろ人間の思い出の中の、「ちんや」が半永久で、現物の「ちんや」の建物の方はと言うと、永久ではないのです。

  先代の建物は取り壊されましたが、お客様の思い出の中に、半永久に生きていることを、つくづく有り難く思います。

  それにしても、そういうお客様には、もう少し頻繁に来ていただけないもんでしょうかねえ。

 毎月来て欲しいとは、申しませんから。

 3年に1度くらいで結構ですから、なんとかひとつ、よろしくお願いします。

 *太平洋戦争前の建物をご覧になりたい方は、いったんこちら(=「ちんや」サイト表紙)を開け、表紙>ちんやへのご案内>外観 の順で開けて下さい。

Filed under: すき焼きフル・トーク,今日のお客様 — F.Sumiyoshi 9:13 AM  Comments (0)

みついし牛 

 5/26より「今週の特撰牛」が変わりまして、北海道浦河町の「みついし牛」をお出ししています。「みついし牛」をご存じの方は多くはないだろう、と思いますが、トライしています。

 有名ブランド牛ばかりを売るのは、「ちんや」として、さほど面白くありません。そこで、実は、「有名産地でなくて、育て方に独自のこだわりのある生産者の牛を売りたいんだ」ということを、「ちんや」へ肉を卸してくださる、問屋の「アマイ」さんにしていました。

 特に、「①子牛から出荷まで一貫生産をしていて、②飼料にこだわっている、生産者がいいですね。」と要望をしていたら、「アマイ」さんが推薦してきたのが、この牛です。

  みついし牛の産地は、北海道の浦河町・えりも町・新冠町です。みついし農業協同組合のホームページによれば、本格的に肉牛生産に取り組み始めたのは、昭和63年のことだそうなので、新しい産地です。この年から、優秀な繁殖雌牛をそろえるため、町営の和牛センターが受入施設となって、島根県経済連より毎年50頭づつを導入し、そこから各農家に供給するようになりました。

 平成4年には農家6戸が牛の肥育を始め、平成6年に肥育牛を初出荷。それ以来、次第に各地の市場で高い評価を受けるようになり、農家数は、素牛生産が48戸、肥育農家が12戸まで増えてきました。総頭数については約1340頭となっているそうです。(素牛生産というのは、出産から子牛まで育てる農家のことで、肥育農家というのは、その後、出荷まで育てる農家のことです。)

 品質向上を図るために平成8年から枝肉研究会を開催し、「みついし牛枝肉共励会」(=優秀牛を集めたコンクールのこと)も開催し、肉質の向上とブランド確立に向けて取り組んでいるそうです。

  「一貫生産の中心に(!)経営している」、と書いてあるので、完全に一貫生産ではないのかもしれませんが、今回の牛は、もちろん、浦河生まれで、東京食肉市場へ出荷されるまで、浦河で育っています。一貫生産により、風土の特性が肉の味により濃く反映されていれば嬉しいことです。

  それから、飼料についてですが、茨城県畜産農業協同組合連合会が作る「名人」という名の資料を使用しているそうです。

 茨城畜連さんは、飼料の中の、ミネラル・ビタミン等無機質にこだわっています。ビタミンCを特別添加・ビタミンAやEも添加。またミネラルを強化するため、貝化石(=数百万年の歴史を持つ、魚貝類・海草・プランクトン等がそのまま化石になった、天然総合ミネラルのことだそうな)を飼料に混合しているそうです。

 また面白いのは、茨城畜連さんは、配合飼料「名人」を使用して肥育・出荷された牛肉に、そのことを証明する証明書を付けていることです。「名人」を使用した、という情報が、多くの消費者に届くような、取り組みをしているわけです。こうした証明書は、実は私も初めてみました。

  本当は、私としては、地元産の飼料を使っている方が良かったです。ミネラルを強化するにしても、地元由来のミネラルなら、さらに風土の特性が肉の味に、より濃く反映されて、さらに面白かったですね。

 フランス人は、海風の強い土地で育った牛を珍重しますが、それはミネラルの影響だと思います。日本の隠岐牛も、同じ理由で旨いです。今回は、その点が今一歩ですが、まあ仕方ありません。北海道の飼料の、今後の発展に期待します。

 今回の牛は、味事自体は旨いので、まあ、良いでしょう。

  是非、ご賞味を。なお、個体識別番号は、02056-50772です。

 値段についても、毎度のブランド牛より良心的です。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*「ちんや」流の個体識別表示方法については、このブログの5/10号をご覧下さい。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 9:27 AM  Comments (2)

高橋是清

 5/24の新聞各紙に、カードのJCB社が全面広告を出していましたが、その広告の内容に驚いた人もいると思います。文字だけの広告で、その文字は1929年の、宰相・高橋是清(たかはし・これきよ)の言葉の引用でした。長いですが、転載しますと、

 「仮に或る人が待合(まちあい)へ行って、芸者を招(よ)んだり、贅沢な料理を食べたりして二千円を消費したとする。是れは風紀道徳の上から云へば、さうした使方をして貰ひ度くは無いけれども、仮に使ったとして、此の使はれた金はどういふ風に散らばって行くかといふのに、料理代となった部分は料理人等の給料の一部となり、又料理に使はれた魚類、肉類、野菜類、調味品等の代価及び其等の運搬費並に商人の稼ぎ料として支払はれる。此の部分は、即ちそれだけ、農業者、漁業者其の他の生産業者の懐を潤すものである。

 而(しか)して是等の代金を受取たる農業者、漁業者、商人等は、それを以て各自の衣食住其の他の費用に充てる。それから芸者代として支払われた金は、其の一部は芸者の手に渡って、食料、納税、衣服、化粧品、其の他の代償として支出せられる。(中略)

 然るに、此の人が待合で使ったとすれば、その金は転々して、農、工、商、漁業者等の手に移り、それが又諸般産業の上に、二十倍にも、三十倍にもなって働く。

 故に、個人経済から云へば、二千円の節約をする事は、其の人に取って、誠に結構であるが、国の経済から云へば、同一の金が二十倍にも三十倍にもなって働くのであるから、寧ろ其の方が望ましい訳である。」

 この話しは、経済学部に行ったことのある人は、産業連関の話しだよね、とすぐ分かりましょう。そうでない人も、景気が悪いのは、皆が節約ばかりするからだ、と理解できましょう。

  そして「理解できましょう」程度の話しではないのは、飲食業であるところの「ちんや」で働く、我々のような者です。この話しは、大変身近な話しです。

 時代が違うので、今時の風俗産業の主力は、「待合」ではありませんで、違うタイプの店ですが、是清的な男がそういう店に行く前に、店のお姐さんを誘い出して、少し高級な飲食店で食事をし、その後、男女同伴で出勤する=いわゆる「同伴需要」というものが、我々の業界には、結構有ります。いや、有りました。

  ところが、ご存じのリーマン・ショック以来、そういう行動をする男がめっきり減ったようで、その結果、世の中への金の回りが悪くなっています。お姐さんの店で金を使わなくなったのは勿論、少し高級な飲食店、例えば「ちんや」で食事もしなくなっていますから、経済への波及効果が、ダブルで小さくなっているわけです。

  そんな御時勢に掲載されたのが、この全面広告ですが、それではここで、この広告が利いたか、どうかをご報告したいと思います。結果は=結構、利いたかもしれません、はい。

 この前の金曜の夜、店の玄関に立っていたら、結構ご来店があったのです。「お、同伴だな」「いやあ、ケバいねえ」というタイプの。店の外の、雷門通りを通る人の中にも、そういった方面の方がチラホラと。

  え? なんで、同伴かどうかわかるのか、って?

 まかせて下さい。その鑑定の眼力については天下一の自信があります。私と「ちんや」の下足番Iが二人がかりで、鑑定すれば、まず間違いはありません。

  ひとつだけ、手法をバラしますと、靴に注目することがポイントです。「ちんや」は靴を脱いで入っていただきますが、靴の趣味が、男女で同じか、それともまったく違うかを見ると分かるのです。当たりますよ、これは。

  ちなみに、わが地元・台東区の地場産業である、皮革産業にとっても、お姐さん方は、上得意中の上得意です。何足もの靴を次から次へ、どんどん購入してくれるのは、彼女たちくらいのものです、世の中で。

 そういう意味でも、是清男には、いっそう奮励努力して、散財していただきたいものです。

  料理・サービスとも差は有りませんから、正真正銘のご夫婦でも、同伴でも。

  本日も下らない話しを最後まで読んで下さって、ありがとうございました。カリスマ同伴鑑定士の、住吉史彦でした。

「狆屋」の後継者

 「ちんや」の玄関の、下足番の席にはビーフ・ジャーキーがストックしてあります。人間用ではなく、犬用のビーフ・ジャーキーです。可愛いワンコが散歩で周って来て、「ちんや」の前を通りかかると、下足番のオジサンは、外へ飛び出していって、ワンコにジャーキーを与えています。

  「狆屋」の後継者たる、「ちんや」だから、必須の業務として餌付けを遂行している、わけでは勿論なく、単に彼が犬好きなのです。

 餌付けの最中に、偶然「ちんや」へ入ろうとした、お客様が可愛いワンコに気がつき、一緒になって、そのまわりを囲み、餌付けに飛び入り参加、なんて言うこともたまにあります。

  そのように餌付けをしているワンコの中に、柴犬の夫婦がいました。そして、この春、その夫婦の間に、それはそれは可愛い子犬が5匹生まれ、飼い主の方は、夫婦の柴に加えて、子犬をカートに乗せて周ってくるようになりました。

 やがて、3ヶ月くらいが経過し、子犬たちには里親が決まり、カートの中の子犬の数はだんだんと減っていきました。

  そんなある日、下足のオジサンは、いつもの飼い主さんが、ワンコを連れずにやって来て、「ちんや」の中へ入ろうとするので、驚きました。

 どうしたんですか? と尋ねると、

 イヤ、今日は、すき焼き食べに来たんだよ。入っても良いんでしょ?

 ええ、ええ、それは、いらっしゃませ、どうぞ、お入り下さい!

  というわけで、飼い主さんと一緒に入店された、もう一人の方は、子犬を引き取った、里親さんのようでした。係になった、仲居の話しによると、最初から最後まで、犬の話しで盛り上がっていたとか。なんとも、微笑ましいですね。

 これも、ワンコの取り持つ御縁と言うのか、有り難い話しです。

 今度から、正式に「ワンコ受付」を造って、組織的・徹底的に餌付けするか!

 なんたって、われらは「狆屋」の後継者だし、売上につながりそうだし。

 ひひひひ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*「狆屋」については、いったんこちらを開け、表紙>ちんやへのご案内>沿革の順で開けて下さい。

Filed under: 今日のお客様,憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 10:17 AM  Comments (0)

友三角、上三筋

 私が日頃お世話になっている、「浅草うまいもの会」のK子会長(=鰻「川松」社長)から、質問メールが来ました。

 「ある焼肉店に行ったら、「座布団」とか「友三角」「上三筋」など部位がメニューに書いてあるんです。店の人から、モノ凄く貴重な部位と聞かされたんですが、どういう部位なんですか?」という御質問でした。

  「友三角(トモサンカク)」「上三筋(ウワミスジ)」・・・ですか。

  肉の業界で、一般に表示することを求められているのは、「もも」とか「かた」とか「リブロース」とか、そういう大分類でして、表示方法が決まっています。しかし、最近、さらに細かい、小分類の部位名を消費者に表示することによって、それがとても旨い部位であるかのように思わせる手法が、一部で流行っているようです。小分類の部位名が消費者になじみがないのを利用しているわけです。

  もちろん、細かく表示して悪いわけではありませんし、「友三角」「上三筋」というのは、マズい部位ではありませんが、「友三角」は「もも」の一部、「上三筋」は「かた」の一部でして、たしかに焼肉向きの部位ではあるものの、「格別上等」の部位というわけではありません。

 モノ凄く貴重な部位、というのは、チョッと言い過ぎでしょう。言葉のパフォーマンスのような気がします。

 「座布団」「徳利」なども、やはり部位やパーツを示す隠語ですね。これも「格別上等」と言うのは、少し大げさと思います。

 「友三角」(「もも」の一部)

 「上三筋」(「かた」の一部)

と表示するのが、最も正確かつ正直と思いますが、そうはやらなそうですよね。

  一般の方が、肉のことを体系的に学習する機会などはほとんどありませんから、こういう手法を考えつく業者がいるのだと思います。

  「大人の食育」もしないとなあ、と思う今日この頃です。

 特に、焼肉店などに行く機会の多いのは、男性ですから、「男が肉を学ぶ会」なんていうのを、やらないといかんのかなあ、と思ったりしています。

 あ、しまった、K子大明神は女神様だったか!

 「肉を学ぶ会」には、もちろん、御参加いただけるようにいたしますので、御許しを!

 御気の短いのはいけませんよ。 乱暴なことは御考え直しを! ぎゃあああ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*「浅草うまいもの会」については、こちらです。

ブロガー?の喜び

 私がこのブログを始めてから、もうすぐ3ヶ月になりますが、嬉しかったことは、しばらくの間ご無沙汰していた知人・友人から、連絡や書き込みをもらったことです。

 私の学生時代の友人にはサラリーマンも多く、転勤を繰り返す内、疎遠になってしまいがちですが、こちらは全く異動することなく、同じ土地に居続けています。だから「浅草+ちんや+住吉」と入れて、ネットで検索してくれれば、簡単に、こちらが何をしているか、わかってもらえます。

 毎日が年賀状みたい、と言えなくもありません。便利ですね。

 ネット上に、完全に個人名を出すことには、実はかなり抵抗感がありました。でも、既にマスコミ取材等で、しばらく前から自分の名前や肖像が掲載されていましたので、どうせなら、どーん、と公開して、書きたいことを書いてやれ! そう思って、このブログを始めた次第です。

 今のところ、デメリットよりメリットの方が大きいようです。

 それから、このブログを始めてから、気のせいかネオン街での、私のモテ具合がUPしたように感じます。

 「あらあ、住吉さんじゃないの、ご無沙汰だわねえ! アタシ読んでるのよ、住吉さんのブログを、ま・い・に・ち!」

 「ま・い・に・ち!」は、もちろん営業的なデフォルメでしょうが、まあ、そう言われて悪い気はしません。

  それに飲んでいる間、会話のネタを、こっちが一生懸命考えなくて済むので、気が楽です。「先週のブログに書いてあった、○○のことを、もうチョッと教えてほしいわ」と言われたら、それに答えていれば座持ちがします。

 座持ちしないことを心配するより、むしろ、私が話題を独占してしまい、同席している男前諸侯のご機嫌を損ねないよう、心配する必要があるくらいです。

 いやあ、人気ブロガーは、辛いなあ。ひひひひ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Filed under: ぼやき部屋,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 6:30 AM  Comments (2)

人出と人手②=ニッポン5分割計画

   日本の祝日を、地域によってズラす、ということが真剣に議論されているのをご存じでしたか? 日本を5分割して、ある地方=5月第1週がGW連休、その南の地方=5月第2週がGW連休・・・という具合に順番にズラしていくのだそうです。

  5/19の国際観光日本レストラン協会の理事会に、私も理事ですので出席したのですが、そこへ政府観光庁・観光産業課長のS氏が来場されて、このプランを説明されました。はやければ、今年秋の国会に法案を出す、というスピードなのだそうです。

  そのご説明の中で、うーん、とうなってしまったのは、日本人の休日が集中しているせいで、観光関連産業の接遇レベルが上がらない、というご指摘でした。

 日本人の有給休暇取得率は、もともと低いのに、またそこから下がり続けているそうで、正月・GW連休・お盆くらいしか休みを取らない人が多いようです。この短期間に、多数の観光客が観光地へ殺到するのですから、現場はたまりません。人手が足りませんから、レベルの低い接遇になってしまいがちです。このブログの、4/6号に書いたことを、そのまま政府観光庁のお役人様に指摘されてしまった次第です。

  さらに悪いことに、正月・GW連休・お盆はホテル代がピーク料金ですから、日本人は、高い値段で、レベルの低い接遇を受け、観光というもの自体に嫌気がさしてしまっているらしいのです。完全な悪循環で、たしかにマズいですね。

  本来なら、有休取得率を上げれば良いわけですが、政府内では、それについては半ば諦めムードのようです。そこで代わって登場するのが、祝日ズラし作戦です。フランスなどでは、既に実行されているそうで、観光産業課長氏は真剣です。熱弁を振るって、「是非、レストラン協会さんの御協力を!」とよびかけて帰られました。

 この件、基本的に、私は賛成です。

  たしかに、祝日がズレたら、全国展開している大企業は大変でしょう。でも、既に海外と取引きしているのであれば、先方の国の祝日にあわせて仕事をするわけで、似たような話しです。

  それより、日本人が観光を、今より安い価格で、ゆったりと楽しめるようにすることを重視していただけると有り難いです。経済成長にもゼッタイ寄与します。それに観光の現場が、モーレツに忙しい日に、辛い思いをしなくて済みます。是非進めていただきたいと思います。

  ただですねえ、5分割っていうのは、どうにも細か過ぎやしませんでしょうか。たとえば、山梨県が「南関東」か「中部」か、即答できますか? わかりませんよねえ。

 3分割くらいが、いいところのような気がします。あるいは、東の都市圏とそれ以外+西の都市圏とそれ以外、で4分割とか。

 え、4はマズいだろう? やっぱり、そういうこと気にするんですかねえ?

 こちとら、ス・ミ・ヨ・シ+フ・ミ・ヒ・コ、で4+4ですけどね、普通に生きてますよ。 

 ふん!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

このブログの4/6号も、是非お読み下さい。

Filed under: ぼやき部屋,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 7:09 AM  Comments (0)

逆転の発想=浅草寺平成本堂大営繕美観プロジェクト

 中学時代の友人が、このブログの5/17号に、こんな投稿をしてくれました、

 「浅草寺の葺き替え工事、あの防音幕というのでしょうか、あの幕の竜の絵、あれはあれで迫力があり、終わったら処分してしまうのか、もったいない と思ってしまいます。
だからと言って、「じゃぁ 持って行くか」と言われても、即答でお断りするしか。。。
11月末までですか…、完成する前に、カメラ持って行かないと。」

  この「幕」というのは、いま本堂周囲を覆っている工事壁のことですが、その工事壁に素晴らしい加彩がされているのです。以下、浅草寺のホームページから転載ですが、

  「この度の本堂大営繕では、ご参詣の皆様の安全を第一に考え、また建築上の必要性を満たすため本堂周囲を完全に工事壁で覆っております。
  当山といたしましてはこの外観に彩り(いろどり)を添えたく考え、この度「平成本堂大営繕美観プロジェクト」 としまして、多くの企業・団体のご奉納を受け、日本を代表するデザイナー山本寛斎氏率いる「株式会社寛斎スーパースタジオ」にご協力を依頼いたしましたところ、本堂外陣天井にあります、川端龍子画の「龍之図」 をモデルとした巨大な金龍の絵が山本寛斎氏のプロデュースにより本堂正面に掲げられることとなりました。」

 そういう次第で、本堂正面の工事壁に描かれた、金の龍は、縦:10.2m×横:32.7mもあって、それ自体が、かなり立派で見ごたえあります。(その写真は、浅草寺のホームページでも見ることができます。)

 実は、浅草に居る我々としては、「今年は観音様(=浅草寺のこと)が工事中だから、観光客が減るに違いない、当然営業的には寂しいだろうなあ。」と思っていたわけです。

 でも、発想を逆転すると、この龍は、この時期(=今年の秋まで)しか見られない、期間限定の、貴重なものです。本堂が完成してしまうと、なくなってしまいます。

 東京スカイツリーについても、「建設中の姿を見ておきたい」という方がたくさん見えていますから、建設中の、期間限定の龍を見ておきたい、と思う人がいても当然ですよね。

 そういう発想がなかったですね、浅草的には。

 このブログを読んだ方が、龍見物に、お越しいただけたら有り難いです。

 ところで一番気になる、本堂が完成した後、龍の命がどうなるのか、ですが、

  それはですねえ、

 「天空に舞いもどる」ということで、よろしくお願いいたします。

 正確にお答えすると夢を失っちゃいますからね。仲見世商店街のF会長に確認したところ、捨てるわけではないそうですので、ご安心を。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*観音様(=浅草寺のこと)のホームページはこちらです。龍の写真も載っています。

このブログの5/17号も、お読み下さい。

男もすなる、アクセス解析

 男もすなる、あくせす解析というものを、女もしてみんとてするなり。(『土佐日記』) 

 て言うから、アタシもしてみたのよ、このブログのアクセス解析。

 まずは、ここへ入ってくる時の、キーワードについてなんだけど、ずばり「住吉史彦」と入れて、検索して来てる人が多いわ。チョッと恥ずかしいわ。

 次は「すき焼き、ちんや、浅草」「六代目、ブログ」とかで入ってきた人ね、この辺も多いけど、まあ、当然ね。

 それから、事務局長をしている、「すきや連」が結構多いわね。この辺もフツーだわ。

  あとは、このブログに書いた、御店や人物を入れた人たちね。「太田なわのれん」「江知勝」「聖橋亭」・・・

  「末光 靴」って入れた人も多いらしいけど、これはカリスマ靴職人の末光宏さんのことね。人気あるのね、あの人!

 まあ! 「美人女将 荒井屋牛鍋店」だって、イヤらしいわ。誰かしら、これ入れたの?

 えーと、それから、ビジット数が大事なのよね。1日平均は228人みたいね。ということは、毎日228人も、知らない人がアタシのこと見に来てるのね。ますます恥ずかしいわ。

 あら! 481人も来てる日があるじゃない。凄いことね。

 1日の平均ページ数は、702ページね。ビジット数が平均228人なんだから、みんな3ページくらい読んでくれてるってことかしら。

 ここは、チョッと寂しいわねえ。見に来てくれた人に、もう少したくさん読んでいってもらえるように、改善するわ、アタシ!

 えー、ゴホン、おネエ言葉で書くのが、だんだん面倒になってきたので、「女もすなる」はこの辺で、やめにして、浅草「ちんや」六代目の住吉史彦に戻します。

 先日、このブログを管理してくれている、スタジオdpのU社長から、アクセス解析のマニュアルが届いたので、やってみました。このブログの5/19号に書きました理由で、今のところ、「ちんや」の自社サイト(http://www.chinya.co.jp/)から、このブログへのリンクは張っていないのですが、それにしては、結構な数の人が来ていて、有り難いやら、お恥ずかしいやら、です。Uさんからは、

 「殆ど告知の無い個人のブログとしては、かなりのアクセス数だと思います。毎日書かれているのが大きいのではないでしょうか。特に文字だけのブログでこのデータは凄いの一言だと思います。ある意味、オンリーワンなブログになっているのだと思います。」

などど、お褒めいただき、少々頭にのっているところです。

 今後も、読者の皆さんを笑わせることだけを考え、精進してまいりますので、ご愛読賜りたく、お願い申し上げます。

 でも、「すき焼き」+「市川海老蔵」って入れた人は、まだほとんどいないのね。関連性が深いのに、おバカねえ、みんな。

 え? アタシ? 住吉貫子よ! 覚えときなさい!

*このブログの検索ランキングについては、5/19号をご覧下さい。

 
Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 10:17 AM  Comments (0)

修学旅行

 5/21は、月に1回の「雷門横丁一斉清掃」の日でしたので、朝から出動しました。先月とは違って、暑くも寒くもない陽気で、気分良く運動不足解消させてもらいました。

 ところで、5月の浅草は、修学旅行シーズンです。私たちが中高生の頃は、修学旅行と言えば、夏場の7月がお約束でしたが、昨今は5月です。教員をしている友人に聞いたところでは、4月にクラス変えをして、そのクラスの中に派閥ができない内に、つまり5月中には、修学旅行に連れていく必要があるんだとか。中高生も厄介になったものです。

  それと、もう一つの変化は、生徒全員が一箇所で食事するわけではないことです。生徒がグループにわかれて食事するようです。だから、食べる店は、大きな店でなくても良いわけで、雷門横丁(「ちんや」のすぐ北側)の、もんじゃ焼き「おすぎ」さんなどは、この時期大繁盛です。

  「おすぎ」さんと言えば、そうです、このブログの4/17号に書いた、浅草雷門横丁振興会会長の、U子ちゃんの御店です。修学旅行生の間では、なぜだか、もんじゃ焼きが大人気だそうで、出勤途中にチョイト覗くと、朝から大忙しの様子です。

  「食育」という意味でも、中高生は大事ですから、もんじゃ焼きに対抗して、すき焼きも頑張らねば、と思い、「ちんや」も「手作り工房マップ」に登録しました。「手作り工房マップ」のことは、3/13号にも書きましたが、台東区役所が作っている、見学・体験をできる区内の工房のリストのことです。

 見学は大人数で一度にはできないのですが、このマップで「ちんや」を見つけて来た人は、修学旅行生はもちろん、歓迎したいと思っています。

  小さいうちから、すき焼きなんて贅沢は教えられない、という親御さんもおいでのようですが、お子さんが、変な味覚を身につけてしまってからでは遅いと思います。昨今では、いくらでもバケ学的に味を作り出せますから、そういう味を覚えていただいては困ります。

 是非、伝統的な調理方法の現場を、一度は見学していただきたいと思っています。

  先生が、キレイな女の先生なら、さらに大歓迎なんだけどなあ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 *「手作り工房」マップについては、こちらです。 

*浅草雷門横丁振興会については、このブログの4/17号をご覧下さい。