浪速の味

先日の第29回すきや連の記事が産経新聞大阪版に載りました。東京の方は読めませんので以下に転載しますね。
「すき焼きには難波葱」
全国各地のすき焼き料理店や農畜産関係者でつくる「すきや連」の例会が大正8年創業の「はり重」(大阪市中央区道頓堀)で開かれ、昨年「なにわの伝統野菜」に認証された、「難波葱」を使ったすき焼きが会員ら約60人に振舞われた。
すきや連は平成20年に東京在住のフードジャーナリスト、向笠千恵子さんが『すき焼き通』(平凡社新書)を刊行したのを機に、「すき焼き文化をもっと広めよう」と設立。東京や熊本など各地で年3回、例会を開催している。
今回の会場は、かつて難波葱の産地だった大阪・ミナミ。「なにわ伝統野菜復活の会」の難波りんご事務局長(63)が
「明治初期の難波駅周辺には広大な難波葱の畑が広がり、鴨なんばの由来になったとされている。強いぬめりと香り、濃厚な甘みが特徴」などと紹介した後、参加者は「浪速の味」を堪能した。(終わり)
この記事に掲載された写真には私も写っていましたが、このブログは「字だけブログ」なので悪しからず。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.033日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

あんこう鍋とワイン

「いせ源」さんのあんこう鍋とワインを合わせて来ました。
神田連雀町の「いせ源」さんは、天保元年(1830年)のご創業。あまりにも有名な、あんこう専門店です。
当代のT川さんは同窓で、最近「料飲三田会」に入会して下さったので、メンバー有志で行くことにしたのですが、同行の諸氏はワインの専門家。
うーん、日本の、醤油ベースの鍋物って、ワインと合わせ易くはないですよね。
あんこうは勿論魚で、しかも身の味わいが淡泊ですから、ワインは白かと思いきや、味つけは割り下です。その割り下というものは、醤油という醗酵食品がベースですが、そもそも日本の醗酵食品は、味噌も納豆も、ワイン特に白ワインとは合わせづらいと思います。
醤油には、熟成の進んだ赤ワインで、担任が弱めのもの、いや、タンニンが弱めのものが良いと勧める人が多いようです。
すき焼きも、肉だからといって強い赤ワインを当てるとダメでして、「割り下による煮物」という性格が結構感じられますので、穏やかな赤が良いのです。肉自体も養殖ですしね。
今回は5本ほど試しましたが、北海道余市ピノ・ノワールが良いように思いました。
意外と合ったのはシャンパンでした。シャンパンは醗酵過程がワインと少し違い、旨味成分、糖質、乳酸が多いので、同じく糖質と乳酸が多い割り下に合うと言えます。
あー、結構飲んだなあ。うーい、ひっく。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.031日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

Filed under: 色んな食べ物,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

素敵なパパの歌

6月17日は「父の日」です。
「父の日」にはすき焼きを!
と言いたいところですが、テレビでは
「父の日」にはステーキソースを!
と言っています。
言っているのは日本食研さん。
女の子に「素敵なパパの歌」という歌を歌わせ、その歌をYouTubeにもアップして連動させる方式の広告のようです。
このソースが結構なのか、私は食べていないので存じませんが、ソースのベネフィットとして「娘さんとの楽しい食事」を設定するという方向性は結構なものだと思いました。
でも、「父の日」にはすき焼きですよね、やっぱり。
娘さんとすき焼きを!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.030日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

Filed under: 色んな食べ物 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

「Riceyな酒」と「適サシ肉」の会!

「Riceyな酒」と「適サシ肉」の会!
~あまりに似ている酒と肉、一気に腹に収める日
を開催します。

磯蔵酒造創業150年記念
+日本酒文化専門店・浅草「窖」開店1周年記念
+住吉史彦ブログ連続更新3.000日記念
です。

このたび磯蔵酒造・磯貴太さんにお願いして、磯さんの「Riceyな酒」と、弊店の「適サシ肉」を合わせる会を開催させていただくことになりました。どうぞ、ふるってご参加下さいまし。

この企画を思いついたのは、磯さんが150周年を機会に作られた冊子『これだけは一斗句(言っとく)』を拝読した時です。「Riceyな酒」の考えと「適サシ肉」の考え方が酷似していたのです。そして、商いについての考え方も。

およそ、旨い食べ物を造るには、バランスあるいは塩梅が大事ですが、
当節「売り」(=セールスポイントのこと)を際立たせるために、過剰な「こだわり」を言いつのる造り手さんが増えました。
肉の場合、「こだわり」は「A5」(=過剰なサシ)でした。

私は昨年1月に、霜降りと赤身のバランスが良い肉を使うと宣言(=「適サシ肉宣言」)して、その流行りから脱出させていただきましたが、その件は、おそらく各種の報道やネットの拡散でご高承と存じます。

そして酒の場合は超高精米(=「磨き」)が、それですね。
過剰に磨けば、たしかに希少性は増しますが、米の表面にある、苦味・渋味・酸味が全く無くなってしまい、甘辛いだけの飲み物になってしまいます。

それを持て囃しているのが、当節の東京市場ですが、
皆さん、自分の舌で味わって、心底、その酒が旨いですか、ね?
その点、磯さんの「Riceyな酒」は旨いです。「Ricey」の字義通り、米の多様な魅力が割拠していて、それがバランスしています。

その酒を、今回は初夏ですが、「ぬる燗」も致します。
超高精米酒は甘辛いだけの飲み物なので、どうしても冷やすのが良いわけですが、「Riceyな酒」は旨いので、「ぬる燗」が良いです。
初夏に、すき焼きと「ぬる燗」!
自分で言うのもなんですが、粋な催しですねえ。

冊子『これだけは一斗句(言っとく)』(磯貴太著)
もちろん当日配布いたします。

シニアな酒徒のご参加を期待しています。

<「Riceyな酒」と「適サシ肉」の会>
日時:平成30年6月24日(日曜)15時30分受付開始、16時開会、19時30分閉会予定
第一部:磯貴太VS住吉史彦トークショー(1時間程度)
第二部:すき焼き大宴会
*他の参加者の方と、四人一組で鍋を囲んでいただきます。席割りは主催者に一任願います。

会場:浅草「ちんや」
東京都台東区浅草1-3-4 浅草雷門通り
電話:03-3841-0010
http://www.chinya.co.jp/
会費:10.000円(すき焼きと日本酒3合程度)
*当日現金で申し受けます。
会場:和室、着席性
定員:40名様、先着順
主催:株式会社ちんや、磯蔵酒造有限会社

申し込み方法:以下のメルアドへ、ご芳名・住所・電話番号・参加人数をお知らせくださいませ。
chinya@alto.ocn.ne.jp
準備の都合上、21日木曜日までにご連絡下さい。

Filed under: 今日のお客様,色んな食べ物 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

てまえ味噌

テレビの散歩番組って、意外と侮れないと思うことがあります。参考になることが、たまにあります。
今回は、味噌を売っているのではなく、「味噌作り」を売っている味噌屋さんをテレビで発見しました。
それは菊名(横浜市)の「小泉麹屋」さん。
キャッチコピーは、
「味噌作りを伝授!あなたの家庭の好みにあう手作り味噌を無添加の麹(糀)とセットで販売。味噌、作り方はおまかせください。」
おうちで「てまえ味噌」を作れる「味噌作り簡単セット」を売っていたり、
手作り味噌講習会もやっています。
こちらは創業明治元年の老舗店ですが、昨今の日本人の味噌離れの中で、やはり苦戦を強いられてきたようです。で、味噌をただ並べて売るだけではダメだと気付かれたようです。
普通の人が家で味噌作りに取り組めるようにして、
「手作り味噌でつくる料理に家族の笑顔があふれますよ。」
と誘っています。
ベネフィットは「家族の笑顔」なのですね。
だから、味噌を売っているのではなく、
「味噌作り」を売っているのでもなく、
「家族の笑顔」を売っている味噌屋さんだったのです。
参考になりました。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.026日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

Filed under: 色んな食べ物 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

料亭のような鮨店

大森海岸の「松乃鮨」さんを訪ねました。ここは料亭のような鮨店です。
「松乃鮨」さんは、明治43年(1910年)に東京の芝で屋台の鮨屋としてスタート、昭和11年(1936年)に大森海岸に移ってきました。
当時の大森は花街として繁栄していて、大きな料亭が立ち並び、芸者衆も400名以上在籍していたと言います。「松乃鮨」さんも繁盛して、数奇屋造り二階建ての店を建てたそうな。
その後火事に遭ってしまいますが、往時の雰囲気を残して再建を果たして、今日に至っています。で、「料亭のような鮨店」なのです。
今も大森には何人かの芸者衆が活動していて、もちろん「松乃鮨」さんに呼べるのですが、私が訪ねした日は、踊りの会ではなく落語の会でした。
「鶴齢」の青木酒造さんが、今勢いのある春風亭一之輔師匠をお招きし、鮨をツマミに飲みながら気楽に落語を楽しもうという会でした。
美味しく、楽しい会でした。お誘いありがとうございました。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.025日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

Filed under: 色んな食べ物,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

1周年記念酒

磯蔵酒造さんが浅草2丁目にオープンさせた日本酒文化専門店「あなぐら」が開店1周年だということで、「1周年記念酒」を売っていたので、買ってみました。
記念酒は、酒造好適米「愛山」を使った、冷酒用のお酒と言います。
購入しまして、「冷酒用」だということでしたので、燗をつけて飲んでみました(笑)
だって、指定通り飲んだら、「おいしいね」だけで終わってしまい、そのお酒の特徴がつかめないですから。
さて燗をつけますと、冷やした時より、酸味・旨味が多いことに気づきます。なんか、養分が多い感じ。「スッキリ」を好む人は、こういうお酒を嫌うかもしれません。
ボトルをしげしげと見ますと、精米歩合は60%でした。「愛山」はかつては「山田錦」に並ぶと言われた酒造好適米なので、削り込めば「スッキリ」した吟醸酒が造れるのですが、あえてそれをやっていないようです。磯さんらしいなあ。
度数は16度。少々高めですね。しかしアル添はしていなくて、加水もしていないそうな。
つまり、これはどういうことかと申しますと、醗酵させて行って16度に成ったところで止めているのです。
普通の日本酒は18-19度まで醗酵を進めてアルコールをたくさん作り、それでは強過ぎるので加水するのです。これで薄い酒=「スッキリ」した酒が出来ます。養分が醗酵によりアルコールに変わっているところへ、加水までするので、当然「スッキリ」に成るのです。
記念酒は、その真逆です。
米に由来する色んなものが混在していて、複雑でどっしり。
これを燗つけすると飲み辛くなってしまうので、「冷酒用」なのです。冷やせば酸味・旨味も、スーっと入ってしまいますからね。
それにしても、あえて貴重な酒造好適米で、飲み易くない酒を造るとは、まったく酔狂です。
あ、酒は飲んで「酔狂」に成るもので、造る時はシラフか。どういう状態で造るのかなあ。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.022日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

Filed under: 浅草インサイダー情報,色んな食べ物 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

東京発のおいしい豚肉

「すきや連」で旧知の植村光一郎さんが、
『東京発のおいしい豚肉』という御本を出されました。(ISBN978-4-904733-06-6)
植村さんと言えば、最近は和牛の輸出でも知られていますが、やはり何と言っても、TOKYO―X豚の開発が有名です。この御本は、TOKYO―Xが誕生してから有名になるまでの苦労ものがたりと言うことが出来ます。
さてTOKYO―Xは、1997年に東京都の畜産試験場が開発し、高級豚肉の先駆けとなった品種です。
その美味しさを知った植村さんは、経済効率ばかりを追求してきた、それまでの豚肉業界を転換しようとします。
TOKYO Xの生産やブランド管理は、豚さんの健康に配慮し、肉のおいしさと安全性にこだわることにして、 それを支える「4つの理念」を発表します。それが「安全性(Safety)」 「生命力学(Biotics)」 「動物福祉(Animal Welfare)」 「品質(Quality)」 です。この理念に基づき、TOKYO X は育てられているのです。
Safety 安全、だから安心です
豚の健康状態を良好に保ち、病気への感染を防ぐよう努めています。 肥育期間は抗生物質を含まない指定飼料を使っています。
Biotics 本来の生命の力を活かします
指定飼料はポストハーベストフリー、つまり収穫後に農薬を使用しないで、遺伝子組み換えを行っていないトウモロコシや大豆を採用しています。
Animal Welfare 快適な飼育環境の中で育てます
動物本来の生理機能に沿った飼育管理を行い、より健康な豚に育つよう心がけています。ゆったりとしたスペースと充分な換気、採光を保った豚舎で育てています。
Quality 3品種の交雑による新しい品種です
脂肪の質と味が良い北京黒豚、筋繊維が細かく肉質が良いバークシャー、脂肪交雑が入るデュロックの3品種から、それぞれの良いところを取り込んで改良しました。
・・・この開発とブランデイングが行われたのは、1997年から。つまり景気が非常に悪かった頃です。そんな中でいくたのご苦労があったことが、この御本で分かります。当時スーパーのバイヤーは日々の売り上げを作ることに疲弊していて、その上の役職者に巡り合えて、ようやっと商談が進んだと聞きます。
そして、逆に、厳しい環境だったからこそ関係者が鍛えられたとも言えます。今やTOKYO―Xアソシエーションという立派な組織が出来ています。
不景気は、しっかりしたブランドを創り、
バブル景気は、いい加減なブランドを創る、
という一つの事例と言うこともできると思います。
植村さん、出版お芽出とうございました。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.021日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

Filed under: 色んな食べ物,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

あなぐらの一年

「あなぐら」1周年イベントに参加しました。
「窖(あなぐら)」は、笠間市の磯蔵酒造さんが浅草2丁目にオープンさせた日本酒文化専門店です。そのお店が開店1周年になったのです。
茨城県の酒蔵が浅草に新店と聞いただけで、インバウンド狙い・オリパラ狙いの出店なんだろ。どうせ、2021年には撤退するだろうさ!と思う方がおいでと思います。
が、違うのです。磯蔵の蔵主・磯貴太さんと浅草とのご縁は、弊ブログの2017年6月5日号に書きましたので、詳しくはそちらをご覧ください。
さて、その「あなぐら」が芽出たく1年となり、結構なことだと存じます。
このイベントの間、1周年と磯蔵酒造150年を記念した、冊子「一斗句!」(言っとく!)が配布されていました。
磯さんは、この冊子「言っとく!」の中で、自社の醸造方針「ライスイ」をハッキリと打ち出されました。「ライスイなお酒」の件は弊ブログの4月6日号に書きました通り、「適サシ肉」に実に似た考えでして、私は1周年よりも、この冊子が出たことの方を面白く思ったくらいでした。
皆さんも、是非お出かけ下さい。住所は東京都台東区浅草2-2-1 伝法院通り東 森田ビル1Fです。
酒粕とカレー粉を使った、新作スイーツもあります。
あ、この文を読んでも、なぜ浅草の酒の新店が「あなぐら」なのか、意味が分からなかったと思います。それは、まあ、行ってみての「お楽しみ」ということで。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.019日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

Filed under: 浅草インサイダー情報,色んな食べ物 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

切腹最中

今年初の購入でした。
切腹最中。
新橋・新虎通りの「新正堂」さんの、お詫び用の菓子としてあまりに有名な最中ですね。
私は平均すると、年に2~3個買っていますが、今年は5月末が1個めなので、遅めのペースと言えるかもしれません。
もっとも「新虎通りの」という表現は「新正堂」(しんしょうどう)さんにとっては不本意かもです。そんな通りはごく最近出来たもので、このお店のある辺りは元々「新橋田村町」と言っていました。「田村町」と言ったのは田村右京太夫の屋敷跡を街屋にしたからです。
そして、その右京太夫の屋敷で浅野内匠頭が切腹させられたのが、元禄14年(1701年)のこと。
それで、切腹最中なのです。
このたびは大チョンボで誠に申し訳ありませんでした。切腹最中をお納め下さいませ。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.016日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

Filed under: 色んな食べ物 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)