新時代の福袋

ほお、その発想良いですね。
たぶんマネすると思います(笑)
発想が良いというのは、銀座松屋さんの来年の福袋です。報道によりますれば、
福袋のテーマは「新時代の福袋」。「インターネットで買い物の時代に、あえて初売りの店頭に来るからこそ楽しめるライブ感を追求」し、体験・ゲーム・カスタマイズなど参加型要素を取り入れた「店頭で選ぶ、その場で作る、楽しめる」だとかで、具体的には、
「松阪牛と国内産黒毛和牛を試食し味当てした後、正解なら「松阪牛 すき焼き用800グラム」が、不正解だと「国内産黒毛和牛 すき焼き用800グラム」が当たる「新春『銀座の味覚王』福袋」(1万800円、限定5点)」です。
良いですね。たぶんマネすると思います。
例えば、ちんや地階の、肉の食べくらべレストラン「ちんや亭」で、
「肉の味見チャレンジ」(仮称)をやったら面白いですね。
1「ちんや」の「適サシ肉」Ⓡ
2「ちんや」以外のイマイチな肉
を、それぞれ生の肉片の状態で30グラム程度用意し、鉄鍋と脂も用意しますので、ご自分で炒めて、1・2のどちらが「ちんや」の肉か当てて下さいませ。
塩と割り下も用意しますが、使うかどうかはご自由です。制限時間は5分。お仲間との相談は禁止です。
見事に正解であれば戦利品として、ちょい食べすき焼き(7.970円相当)をプレゼント。その場で召し上がっていただきます。ちょいご飯・みそわんもお付けします。
不正解の場合は残念賞としてハンバーグ(1.070円相当)を召し上がっていただきます。
参加費は770円(税込)です。つまり不正解の場合でも300円は得します。
戦利品のすき焼きを「ちょい食べサイズ」から「レギュラーサイズ」に変える場合、差額の1.980円はお客様がご負担下さいませ。ステーキなどすき焼き以外の、ちょい食べメニューに変更することも出来ます。ただし差額の返金はありません。
味見のポイントは事前にお教えします。
<肉の赤身部分の色>小豆色が「ちんや」の肉です。
<脂の融け具合>室温で融け始めるのが「ちんや」の肉です。
<乾き具合>しっとりと乾いているのが「ちんや」の肉です。
以上、食べずとも目視で分かります。
どういう牛さんの肉だと、そうなるのか、その理屈は以下の通りです。
<肉の赤身部分の色>
長期肥育した牛さんの肉の色は小豆色で、短期肥育の場合はピンク色です。また熟成させた肉の色は小豆色です。「ちんや」は長期肥育(30ヵ月以上)した牛さんだけを買い、熟成させますので、その肉の色は小豆色です。
<脂の融け具合>
長期肥育した牛さんの脂はやわらかくて、融点(ゆうてん)が低く室温で融け始めます。特にメス牛の場合融け易いです。短期肥育の場合はかたくて融点が高いので、なかなか融けません。かたい脂は消化しづらく胃モタレするので、「ちんや」は長期肥育(30ヵ月以上)したメス牛だけを買います。よって、その脂は室温で融け始めます。
<乾き具合>
「ちんや」は肉を4~6週間熟成させます。しかも最初の内はパックに入れず、一頭丸ごと熟成させるので、その間に水分が飛んで肉は乾いて行きます。ある程度乾いた時点でパックに入れて、今度は逆に乾き過ぎないようにします。一方他店さんは、熟成させない内にすぐパックに入れるので、水分が肉に残ったままになります。よって「ちんや」の肉はしっとりと乾いています。
あ、この件は未だ思いついただけです。いつかやるか分かりませんし、価格も「イメージ価格」です。

ところで、話しは松屋さんに戻りますが、松阪牛と国内産黒毛和牛の区別は簡単につきますかねえ。マイナー銘柄の国内産黒毛和牛でも探せば美味しいものはありますよ。美味しい「国内産」が来たら判別は難しいと思いますけどね。それより、ウチで考えている「ちんや」の肉かどうかの方が分かり易いと思いますよ。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は3.563本目の投稿でした。

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社会的意識の高い飲食店

最近海外の記者さんからの取材が入ることがあります。オリンピックの関連でしょうか。
今回はシンガポールの方でしたが、滞日3年半で日本にくわしくなっているのは凄いです。
【取材テーマ】社会的意識の高い飲食店の取り組みについて
と着眼点で面白いので、ご紹介します。
【質問事項】
Q1.他のすき焼きレストランとは一線を画す貴社の取り組みと、その取り組みを始めた理由について教えてください(適さし肉宣言、 肉のフォーティエイト など)
A1.それは、こちら↓をご覧ください。(やや長いです)
http://chinya-blog.com/?m=20170610
Q2.環境活動家が牛肉の生産が環境に悪影響を及ぼすという主張や、小泉環境相が「毎日でもステーキを食べたい」と言ったことに対する批判がありました。貴社の取り組みが、環境への影響をどのように減らすことができるか、お話しを伺いたい。
A2.系列のレストラン「ちんや亭」で肉の少量メニューを提供しています。「食べ放題」の対極として必要な分だけ食べる習慣が定着したら良いと思います。
Q3.貴社の取り組みが、利益/収益/人気/顧客レビューに与える影響はどの程度ありますか?また、業界のトレンドやコミュニティに影響を与える上で、この対策はどれほど効果的だと思われますか?
A3.適サシ肉宣言の件は2017年に50回以上メデイアに採り上げられました。入店客数が30%以上増えた月もありました。その割には口コミサイトに大きな変化はありませんでした。収益は、高いA5等級を仕入れませんから、当然改善しました。
Q4.「適さし肉宣言」や「肉のフォーティエイト」などの取り組みは、近年の取引において、貴社の競争力を維持するのにどのように役立っていますか?
A4.お客様が店を選び易くなったと思っています。そして自分の好みの店に確実に行けるのですから当然満足度が高まり、再来店していただける可能性が高まります。
ご満足のいく回答だと良いのですが・・・

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ハタチの小宴

「乃り江ハタチの小宴」にお招きいただいたので参加しました。浅草芸者・乃り江さんの、芸者としてのお披露目から20年を記念する会でした。
乃り江さんは曽祖母も祖母も浅草芸者という家に生まれ、デビュー以来着々と支持者を増やしてきました。
40歳までに自分の店を持ちたいという目標も達成。その時は開店資金の調達の仕方がニュースになりました。融資を受けようと大手行など5~6か所をまわったものの断られ、それでもあきらめずに信用組合から融資を受けて、開業したのでした。何かと話題になるのも、一つの才能と思います。
さて「ハタチの小宴」ですが、「小宴」どころか、ド派手な大宴会でした。
著名な日本舞踊家なども出演。
浅草ビューホテルでこれだけ日本酒を飲む会もあまりないのでは・・・と思います。
このたびは20年、誠にお芽出とうございました。ますますご活躍下さい。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は3.561本目の投稿でした。

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お宝食材

「すきや連」でお世話になっている向笠千恵子先生の新著
『ニッポンお宝食材 風土がつくり、人が育てる郷土のお取り寄せ帖』
が出ました。
47都道府県のよく知られた名品から、隠れた絶品まで。「宝」というのは「本気で未来に残していきたい食材」という趣旨で、そういう食材が集められています。
元々はJR東海のPR誌『ひととき』の連載で2013年11月から5年にわたって生産者やその食材を使った料理店を取材したものです。
「すきや連」メンバーも近江牛、千住葱、下仁田コンニャクなど登場しています。
皆様、是非ご購読を。
刊行:小学館
ISBN:9784093887373

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弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は3.560本目の投稿でした。

完食

今月のある日同期生がご高齢のお父さまと一緒に来店してくれました。
1965年生まれの私の同期ですから、今年で54歳。その御父上ですから、かなり高齢です。
無事お食事いただいて翌日、
「最近、食が細くなりつつある父が、おいしいおいしいと完食してくれました。」と御礼のメールが来ました。
ブログをやっているとこういうことが記録できます。
在り難いですね。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は3.559本目の投稿でした。

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忘年会のテーマ

本日浅草料理飲食業組合の年内最終の役員会があり、続けて早めの忘年会を「ちんや」で開催します。
せっかくの料理屋の集まりですから、テーマを決めて忘年会をします。
本日のテーマは、
ぬる燗ワインと、ヨーグルトすき焼き!
です。
すき焼き好きで、同時にワイン好きでもある皆さんが、すき焼きを召し上がる場合、溶き卵にヨーグルトを入れることを私は、昨年より全力で推奨致しております。
以前でヨーグルトすき焼きについて、「サッパリ」「マイルド」「食べ易い」と言って来ましたが、今回よりは「ヨーグルトすき焼きはワインに合う」です。
ワインに合わせるために、すき焼きという料理を積極的に改変しようと言いだしたわけですから、革新度が進行したわけですね。
振り返りますと、「ちんや」の営業で、卵にヨーグルトを入れ始めたのは、2016年10月8日。
ヨーグルト卵にワインが合うと言い始めたのは、2018年11月3日の弊ブログ。
昨年の今頃ヨーグルト卵にワインの件を確認するため、3人のワイン専門家に「ちんや」に集まっていただきました。ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日のことでした。
解禁日にしたのは、もちろん理由があります。「マロラクティック発酵」させたワインがヨーグルトすき焼きに合い、「マロラクティック発酵」させていないボジョレー・ヌーヴォーが、さほど合わない件を体感で確認するためでした。
結果は予想通り・理屈通りでした。
ボジョレー・ヌーヴォーは卵にヨーグルトを入れても入れなくても、ほぼ同じ感じ。しかし、「マロラクティック発酵」させたワインは、明らかにヨーグルト卵に合いました。
1+1が2以上になったので、「マリアージュ」と称して良いと思います。一方のボジョレー・ヌーヴォーは「同居」という感じでしょうか。
ヨーグルト卵と「マロラクティック発酵」させたワインが合う理屈の一つが乳酸である件は2018年11月3日の弊ブログに書きましたので、詳しくはそちらをご覧いただきたいですが、ざっくり書きますと、ワインの樽にいる乳酸菌が、ワインのリンゴ酸を食べて→乳酸と炭酸ガスにします。それが「マロラクティック発酵」でして、これでワインの中に乳酸ができるのです。
ところでワインがすき焼きに合わない、そもそもの理由は、ワインが生卵に合いにくいからでした。
一般に糖質の多い酒は生臭い食材に合い易いです。日本酒が、その典型です。糖質がワインの2~3倍入っているからですね。ワインの中ではシャンパーニュやスパークリングワインに糖質が多いので、普通のワインより合わせ易いです。
で、そういうワインに合わせにくい食材、例えば魚卵を合わせる場合の調理方法は、伝統的にマヨネーズやサワークリーム、ヨーグルトソースなど少し酸味のあるソースで和えること、でした。
そう、ここでヨーグルトが出てくるのです。皆さんもカナッペなどでこれをやった経験がありませんか?
レモンやライムをかける手もありますが、酸の種類が違うので、乳酸であるヨーグルトがベターと思います。
この理屈について私は迂闊にも最近まで気づいておりませんでしたが、今回ハッキリしました。両方の問題の解決策が、たまたまヨーグルトだったという次第です。ラッキーとは、このことですね。
色々申しましたが、以上の二つの理由つまり、
1ヨーグルトの乳酸がワインとの間の「つなぎ」に成ること。
2ヨーグルトの乳酸が生卵の生臭みを抑えること。
によって、ヨーグルト卵のすき焼きはワインに合います。
よって、すき焼き好きで、同時にワイン好きでもある皆さんが、すき焼きを召し上がる場合、溶き卵にヨーグルトを入れることを私は全力で推奨致します。
ワインに合わせるために、日本料理であるすき焼きを改変するという考え方は、なんか、日本を失うようで、批判を招き易いかもしれませんが、実はヨーグルトすき焼きは、日本酒にも今までより合うようになるのです。
日本酒づくりにも乳酸は欠かせないからですが、それまで書くと長くなるので、その件は、2018年11月4日の弊ブログをご覧ください。
さて、忘年会の支度をしなくちゃ。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は3.558本目の投稿でした。

60年続く伝統の味

レトルトすき焼きを支援するクラウドファンディングが11月28日までだと言うので私も、何の御縁もありませんが、一口支援してみました。
支援を募っているのは、
「60年続く伝統の味をご家庭で! 大和高田市立高田商業高校のすき焼き」です。
開発したのは奈良県の高田商業の「まち部」の現役高校生。これまで地域の魅力発信のため活性化イベントを主催したりしてきましたが、今回は商品開発に挑戦しました。
その商品がレトルトすき焼きなのですが、すき焼きになったのには理由があります。高田商業では毎年4月、校庭に七輪を並べ、上級生がすき焼きで新入生を歓迎する習慣があります。昭和35年から60年近くにわたって続いている伝統行事なんだとか。それを製品化したわけです。
もちろん高校生だけでレトルトは出来ないですから、地元スーパーや総菜メーカー、パッケージ業者などが協力を申し出て、実現に漕ぎつけたそうです。芽出たいです。
中身には、地元の伝統野菜「大和まな」と「一光ネギ」が入っているとかで、それも興味深いポイントです。「大和まな」とは「小松菜」のようなアブラナ科の野菜だそうですが、すき焼きにすると、どんな感じなのでしょうか。
私は大和高田に一口支援してみました。納品は年末だそうで楽しみです。
「我も」と思う方はMakuakeで28日までやっています。

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ニッポンチ!⑤

小学館の文芸雑誌「qui-la-la」(きらら)で河治和香先生の新連載「ニッポンチ!」が好調です。
和香先生が、「駒形どぜう」の三代目を主人公にした小説『どぜう屋助七』(2013年)にウチのご先祖を登場させて下さって以来、新しい連載が始まるのを楽しみにしておりますが、今回は明治の浮世絵師を主人公にした小説です。登場する絵師の作品がウチにあったりしますので、なおさら楽しみなことです。
登場するのは歌川国芳門下の絵師たち。国芳には歌川芳虎、芳艶、芳藤、落合芳幾、さらには月岡芳年、河鍋暁斎といった弟子がいましたが、国芳が幕府に逆らう位の人だったので、弟子達の性格も皆ユニークで。その人物描写もまた、この小説の面白いポイントだと思います。
連載5回目の12月号では国芳関係で一番出世した人物・竹内久一(1857年~1916年)が登場します。竹内は東京美術学校教授、帝室技芸員までになりますが、浅草の「田蝶」という提灯屋の息子でした。父親は提灯屋のかたわら国芳に絵を習っていて、竹内は、提灯屋の息子であることから国芳門下では「小ちん」と呼ばれていました。
「小ちん」は提灯屋も絵も継がず彫刻の道に進みますが、なかなか仕事がなく、その貧窮時代を門下の人達が支えました。
やがて、そんな「小ちん」にも運が向き、「虎屋」の看板用の虎の像でメジャー・デビューします。「虎屋」というのは両国の煎餅屋なのですが、その軒先の装飾の為に「小ちん」が彫った虎が大評判になり、東京帝室博物館館長の目にとまって出世して行くわけです。
それでも「小ちん」竹内は江戸時代の職人そのまんまの気質の人で、岡倉天心など美校関係者を心配させたそうです。
衣服にまったく気を遣わず、学校の用務員より貧相な格好で登校したため、制服を着せられてしまったそうです。技術はありながら、格好や生活態度が残念な教授は他にもいたため、天心は天平時代の官服を模した制服を制定して、学生だけではなく教授たちにも強要したとか。
しかし竹内は、その制服が大嫌い。制服で浅草を歩くと「天神様みたい」とからかわれるので、家を出る時はいつもの着物。上野に着いてから持参した制服に着替えたと伝えられています。
面白い話しですね。連載の続きが楽しみです。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は3.556本目の投稿でした。

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檜扇型

今年は20日が「二の酉」の日でしたので、仕事を終えてから鷲神社に出かけ、今年も松下商店さんの熊手をいただいてきました。
「酉の市」に熊手を出している熊手商は100軒ほどありますが、その中でも松下さんは四代続く老舗です。膨大な数の飾りのパーツを手作りなさっていて、台東区からは「優秀技能師」の認定を受けています。
特に檜扇型の熊手が独特のデザインで、ウチでは毎年、その檜扇型をいただいています。
これで今年も年を越せそうですが、近年夜中に行っても寒くないのは温暖化なのか。そこが気になっています。

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嗚呼 昭和天皇

琵琶の友吉鶴心さんの公演「花一期」を拝聴して来ました。会場は国立能楽堂でした。
鶴心さん、いや、友吉君は私の浅草小学校の同級生で、「台東区アートアドバイザー」の同僚でもあります。
2015年に、「ちんや」創業百三十五年を記念して、『読み継ぎたい すき焼き思い出ストーリーの本』を刊行した際には、特別対談「浅草小学校同級生が語る、愛すべき浅草とすき焼き」に出ていただきました。
が、近年琵琶の演奏だけでなく、NHK大河ドラマの邦楽監修の仕事を何年も続けて引き受けていて、すっかり有名人に。今回の公演も大盛況。タメ口をきけなくなる日も近いと思われます(笑い)
「花一期」は、当初勉強会的な性格だったのが、次第に大きな会場に移り、27回も続いていて、大変なご努力だと思います。
さて今回は大きな目玉は、
「嗚呼 昭和天皇」の初演でした。
この作品は鶴心さんの師匠・鶴田錦史の、上演されなかった作品です。昭和天皇崩御のおりにテレビの追悼番組の中で上演される予定が、実現しなかったという作品です。
詞は、なかにし礼。太平洋戦争の戦況が劣勢になってから、天皇が終戦の決断をするまでを主に扱っています。
愛知では昭和天皇の画像の扱いで騒動があったと聞きますので心配もしましたが、今回は問題ないようでした。一個人の民間のコンサートと言え、こういう内容の作品がトラブルなく上演できることに、御代がかわったことを実感します。
琵琶という楽器は、何故だか鎮魂曲に向いた楽器です。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
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