ナッツリターンの悪夢再び
旧臘の話しですが、韓国の大韓航空で「ナッツリターンの悪夢再び」という事件がありました。
「ベトナム・ハノイ空港から出発した大韓航空KE480便で、搭乗前から酒に酔っていたイム・ボムジュンが、「話しかけたのに無視された」という理由で隣の席に座った乗客につばを吐き、顔を殴るなどし、さらには静止しようとした客室乗務員と整備士らにまで殴りかかり、2時間ほど暴力をふるった」
「たまたま、同じ便に乗り合わせたアメリカのシンガーソングライター・リチャード・マークスがこのトラブルについて自身のツイッターとfacebookに投稿。世界中に知られるようになった」
この事件は、舞台が大韓航空だったということと、騒ぎを起こしたイム・ボムジュンが社長の息子すなわち「ボンボン」だったということで、「ナッツリターン」を思い出してしまった、というわけです。
今年に入ってからは、大手財閥ハンファグループのキム・スンヨン会長の三男・ドンソン氏が5日、バーの従業員を暴行し、パトカーで暴れて器物を破損するという事件もありました。
なぜ韓国の社長の息子って、こういう事件を起こすんですかねえ。
韓流ドラマの視過ぎでしょうか(笑い)
私が思い出すのは、昨年の8月に日本の老舗について研究なさっているという、奇特な韓国の大学の学生さんが「東都のれん会」を訪ねてきた時のことです。
その時の詳細なやりとりは、こちらをご覧いただきたいのですが、Q&Aの中に、こういう↓のがありました。
Q「日本において、有名一流大学を出たにも関わらず老舗を引き継ぐというニュースが韓国でしばしば報道される。韓国においては、それは個人の「成功」とイメージされないので驚かれる。日本における個人の「成功」とは何を意味するのか。何を意味してきたのか。」
それに対する、私の答えは、これ↓です。
A「何が成功かを他人や社会に決めて欲しいと思わない人も多くいます。自分の成し遂げたいことを成し遂げたら、それを「成功」と思えば良い、それだけです。日本でも以前は商業に従事することが卑しいこととされてきましたが、1868年に明治維新という革命があり、ほとんどの武士がクビになった後意識に変化がありました。クビになった武士たちが民間に入っていって、武士の価値観を持ったまま、(=「士魂商才」「論語とそろばん」で)民間産業に従事するようになり、営利会社に従事する人生が卑下されなくなりました。「一身独立して一国独立す」と言って、それが国益にかなうことだとも言われました。」
日本でも、親の会社や店を継いだ人を低く見る傾向は一部にあり、私も若い頃はイヤな思いをした経験がありますが、韓国ほどひどくないのは在り難いことだと思います。
韓国の後継ぎさんが、自分の人生に誇りが持てるようにしてあげること、それがとても大事なような気がします。
追伸①
今年も「ミシュランガイド東京2017」に載せていただきました。 3年連続掲載です。ありがとうございます。
追伸②
拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』
浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。
東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。
四六判240頁
価格:本体1600円+税
978-4-7949-6920-0 C0095
2016年2月25日発売
株式会社晶文社 刊行
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.530日連続更新を達成しました。