ご清聴ありがとうございました!

100年経営研究機構さん、ハリウッド大学院大学さんが主催する、「100年経営アカデミー」で、ゲスト講師として講演をさせていただきました。

100年経営アカデミー」は“100年経営を科学する”をテーマに、長寿企業から長く続く経営の秘訣を体系的に学び、経営の中で実践していくことを目的とした、日本で初の講座です。

講演全文を、6/10から6/26までに分けてUPしましたので、ご覧いただければと思いますが、以下は受講生さんからの感想です。拙い話しをお褒めいただき、実に在り難いことでした。

 

(福島県の伝統産業の方)

本日は貴重なお話をいただき誠に有難うございました。本日のお話かなり心に残るものでした。私も震災に負けず、必ず生まれ変わり持続させようという想いが一層増しました。

今度、機会がございましたら、お店にお伺いさせていただければと思います。引き続きどうぞよろしくお願いいたします!

 

(ベンチャー支援企業の方)

本日は、貴重なお時間いただき、大変面白くお話してくださってありがとうございます。日頃の向学心からくる博識と、お考えをストレートにお伝えくださるお人柄に、感銘を受けました。

2021年、どうなるのか、私も模索しておりますが、またお話できれば幸いです。浅草はよく行きますので、今度ぜひすき焼きも伺わせていただきます。

 

(埼玉県の農業関係の方)

本日は貴重な時間を割き、お話ありがとうございました。お客様の「おいしい」感覚に合わせた「適サシ肉宣言」や「思い出に残る店」を目指す姿勢など、派手に特別なことをするのではなく、ちょっとしたことのようで実は大変な、利他、後利の精神の徹底が、「ちんや」を形づくっていると感銘を受けました。浅草訪問の際には是非立ち寄らせていただきますので、そのときはご挨拶させてください。本日は有難う御座いました。今後とも宜しくお願い致します。

 

ご清聴ありがとうございました!

 

追伸1

6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。

今回の特集は、なんでも婦人画報社さんが「総力をあげた特集」だそうですが、題して、

「世界が恋するWASHOKU」。

旨味とか醗酵とかを採り上げた後、しんがりがWAGYUです。

 

追伸2

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.677日連続更新を達成しました。

 

Filed under: すき焼きフル・トーク,憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

100年経営アカデミー⑰

100年経営研究機構さん、ハリウッド大学院大学さんが主催する、

「100年経営アカデミー」で、ゲスト講師として講演をさせていただきました。

「100年経営アカデミー」は“100年経営を科学する”をテーマに、長寿企業から長く続く経営の秘訣を体系的に学び、経営の中で実践していくことを目的とした、日本で初の講座です。

6/11から講演全文を公開してきましたが、本日が最終日です。

<「100年経営アカデミー」住吉史彦講演(2017.6.10)>

さてさて、時間も押してきました。

日本は災害大国なのに老舗が多い、のではなく、災害大国だからこそ老舗が多いということは、今やパラドックスでもなんでもなく、納得的な話しとなりました。

『老舗企業の研究―100年企業に学ぶ伝統と革新』(横沢利昌・編著)の68ページには「ピンチの裏にチャンスあり」というように、ある面で危機はチャンスといえる。危機の「危」は脅威を意味するが、「機」は機会である。実際、創業以来の危機を転機として乗り切った老舗企業も数多く存在する。」と書いてありますが、同じことと思います。

そして災害の記憶は、この国に「木の発想」として継承されて来て、今後も継承続けるだろうと思います。が、では、さて、平時はどうなりましょうか。そこが今日の最後のポイントです。

災害と老舗の関係を考えてみた結果、リスクを経験しないことは、むしろリスクである、とすら思えます。オキシトシンの出てないの脳で社訓を読んでも、全然ピンときませんから、災害の時あれだけ結束した社内も緩み、近隣との関係も熱が冷めた感じになってしまていませんか。所謂「平時の人心の緩み」ですね。

景気良さげなムードは人心を緩ませます。

今日本はオリンピックを梃に、建設ブームとインバウンド・ラッシュを巻き起こし、景気を浮揚させようと必死です。超金融緩和で、金融面でもそれを支えてもいますが、大丈夫なんでしょうか。

経営者と銀行家がゆるゆるの投資計画に夢中になっていませんか。スキルが「いまいち」な労働者が、こんなオレでもどっかの会社で働けるだろうよと楽観していませんか。

実際、緩くて使命感の乏しい不動産投資計画が街を壊すことがあります。

花柳界を観て下さい。花柳界には総合的な日本文化が集積していますが、その文化に日本人が金を惜しむようになった結果、長期衰退の傾向にあります。そして、その料亭さんに今緩い投資ばなしが舞い込んで来ます。

そんな儲からない商売をなさっているより、広い土地をお持ちなんですから、いっそのこと廃業して、マンションを建てて不動産経営をなさいませんか?

マンションたった1棟を建てるために、芸事に励んできた芸者衆の出先が無くなるんですよ。結果、花柳界のド真ん中にマンションが立って、新住民は夜間の喧騒にクレームを入れてきます。何言ってんの?夜賑やかなのが花柳界でしょうが!!

街が壊れるというのは、こんな感じです。

後藤俊夫先生が嘆いておいでのように、企業を長生きさせることに意義はない、経済というのは新陳代謝を良くした方が良いんだと考える人がいます。新陳代謝した方が経済成長が高まると考える人たちですが、そういう輩がこういうことをするのです。

しかしですね。冷静に考えてみますと、景気が良い時だけ成立する仕事って、景気が良くなくなったら、成立しなくなりますよね。環境が良い時だけ成立する仕事って、環境が良くなくなったら、成立しなくなりますよね。

なのに日本人はムードに流されます。日本人の集団志向・絆の強さは、災害時には良い方向に作用しますが、同時に日本という国は、その集団志向による失敗をし易い国であって、平時や景気良さげなムードの時には特に気をつけないといけません。

逆に生き残った老舗はこれまで、そういう失敗から身を守って来ました。平時の老舗の姿勢の根本は懐疑主義あるいはバランス感覚であるべきだと私は考えています。

災害時に地震の揺れや津波は建物を破壊しますが、それは本当の資産ではありません。日本人が「木の発想」を持ち続け、本当の資産であるソフトウエアとお客様との関係を大切にし続ければ、老舗はこれからも残って行くと思います。

しかし、浮ついたムードは人の心を壊します。

地震は人の心を壊せません。津波も人の心を壊せません。火山も、台風も、戦争も人の心を壊せません。なのに、それらが壊せなかった人の心を、いっときの利益の為に失ったらかなり悲しいと私は今深く心配しています。

『長寿企業のリスクマネジメント』の166ページにあります通り、「倫理性はリーダーシップの最も重要な要素であり、組織の強さの源泉である」と私もまったくそう思うのですが、それが大丈夫?という感じになっているのが現在という時かと思います。

えー、時間となりました。本日の講演を終えるに当たり、この災い多く危険極まりない国土で、会社や店を永続させているこの国の、大勢の経営者達のために万歳を唱えたいと思います。

日本の老舗、万歳。

本日はご清聴ありがとうございました。

<これにて終わり。全部お読み下さった皆さん、誠に在り難うございました。>

追伸1

6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。

今回の特集は、なんでも婦人画報社さんが「総力をあげた特集」だそうですが、題して、

「世界が恋するWASHOKU」。

旨味とか醗酵とかを採り上げた後、しんがりがWAGYUです。

 

追伸2

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.676日連続更新を達成しました。

Filed under: すき焼きフル・トーク,憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

100年経営アカデミー⑯

100年経営研究機構さん、ハリウッド大学院大学さんが主催する、

「100年経営アカデミー」で、ゲスト講師として講演をさせていただきました。

「100年経営アカデミー」は“100年経営を科学する”をテーマに、長寿企業から長く続く経営の秘訣を体系的に学び、経営の中で実践していくことを目的とした、日本で初の講座です。

6/11から講演全文を公開しています。長いので16回に分けて少しずつUPしております。

<「100年経営アカデミー」住吉史彦講演(2017.6.10)>

さて、次に老舗の社訓を考えてみます。老舗の社訓に書いてある利他主義あるいは後利主義の文言は、平時に読むとひどくマヌケに見えます。営利企業は利己主義の筈なのに、なんでまた建前を書いちゃってるんだろう・・・と思います。

しかし逆境と絆ホルモンの大量分泌を経験した店主が、その強烈な経験を書き残した文書だと思って読めば、すんなり読めます。

災害の時に自社をさて置いて利他的に行動し、自分の会社はもうダメでも仕方ない、と思ったのに、やがて近隣の皆さんに支えらえて復活を遂げた経営者は、絶対にその体験を書き遺したいと思うはずです。社訓とはそうした文書だと思って読まないとリアリテイーが今いち感じられません。

そして、そうした体験の無い人に社訓を分かってもらうのが難しい理由は、そこだと思います。利他的な社訓を社員さんに理解させるには、たぶん、毎日暗唱させるのも結構ですが、災害ボランティアに行かせるのが良いのです。平時に、経済学っぽいホモ・エコノミクスの頭で読んでも、全然心惹かれないが利他的な社訓だと思います。

今この話しは、いつの間にか完全に先生方に向けて話していますが、老舗研究の焦点は、利他主義だと私は思います。

利他主義の文言が経営理念や社訓に盛り込まれているか、いつ誰がどういう経緯で入れたのか、利他主義の精神が経営者の心に刻まれているか、が重要なことで他のことは、マーケテイングも組織設計も従属的なことだと思います。

私は、IQも学識も時間もないので出来ませんが、私が学者なら利他主義の件を、集中的に調べたいと思います。もちろん日本の石門心学、西洋のカルヴァン主義がバックボーンという具合に真面目に捉えるのが定説で結構とは思うのですが、たまには違う読み方をしてみてはいかが?と今日は申し上げてみました。

さてさて、時間も押してきました。日本は災害大国なのに老舗が多い、のではなく、災害大国だからこそ老舗が多いということは、今やパラドックスでもなんでもなく、納得的な話しとなりました。

『老舗企業の研究―100年企業に学ぶ伝統と革新』(横沢利昌・編著)の68ページには「ピンチの裏にチャンスあり」というように、ある面で危機はチャンスといえる。危機の「危」は脅威を意味するが、「機」は機会である。実際、創業以来の危機を転機として乗り切った老舗企業も数多く存在する。」と書いてありますが、同じことと思います。

そして災害の記憶は、この国に「木の発想」として継承されて来て、今後も継承続けるだろうと思います。が、では、さて、平時はどうなりましょうか。そこが今日の最後のポイントです。

災害と老舗の関係を考えてみた結果、リスクを経験しないことは・・・

<今日の分は終わり。続きは明日の弊ブログにて>

追伸1

6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。

今回の特集は、なんでも婦人画報社さんが「総力をあげた特集」だそうですが、題して、

「世界が恋するWASHOKU」。

旨味とか醗酵とかを採り上げた後、しんがりがWAGYUです。

 

追伸2

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.675日連続更新を達成しました。

Filed under: すき焼きフル・トーク,憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

100年経営アカデミー⑮

100年経営研究機構さん、ハリウッド大学院大学さんが主催する、

「100年経営アカデミー」で、ゲスト講師として講演をさせていただきました。

「100年経営アカデミー」は“100年経営を科学する”をテーマに、長寿企業から長く続く経営の秘訣を体系的に学び、経営の中で実践していくことを目的とした、日本で初の講座です。

6/11から講演全文を公開しています。長いので16回に分けて少しずつUPしております。

<「100年経営アカデミー」住吉史彦講演(2017.6.10)>

 

100年経営論」「老舗論」を論ずるには、どうしても逆境を経験した時の、経営者の心を論ぜざるを得ない(つまり人間論=脳科学にまで行ってしまう)と私は思うのです。

例えば、震災、戦災のように人間が非常に悪い環境に直面した時に、利己的な行動をせず、逆に普段はしないような、とても善良な行動をする人います。

この傾向を指す学術用語はないそうですが、脳科学の知見では、大きな災害が起きた時など、危機が迫ったとき、脳で造られ、分泌されるホルモンの1種「オキシトシン」の感受性がどうやら変わると言われています。これは「絆ホルモン」とでもいうべきものです。関係性が濃くない他人をも深く信用するからです。

その「絆ホルモン」が人に利他的な行動をとらせて、個人が生き延びることより、集団が生き延びようとすることを優先させようとします。東北の地震の時、自分の会社が津波にやられたのに、高台の倉庫に残っていた備蓄を被災者に提供した社長さんがいました。誰それ、ということではなく、多くの方がそうしました。備蓄が残ったことを隠して、自分だけ生き残れば良いのに、そうはなさいませんでした。

脳が、共同体全体に奉仕せよと命じたからです。そして、共同体はその会社を忘れませんでした。会社と市民の絆は津波を経験して深まったのです。逆に、自分だけが生きようとした人はバッシングを受けました。バッシングもまた脳の命令だからです。

こうして組織が良く行きのびるのは、日本が災害大国だからなのです。それで日本に老舗が多い、というのが、私が今日ご提示する仮説です。

実はこれは、ごく最近私が、脳科学者で人気コメンテイターの中野信子先生とやりとりする中で盛り上がって来たネタなので、先生から「断定的な言い方はダメですよ」と釘をさされてはいるんですが、脳科学的に大間違いな話しではないと講演で言ってOKですよ!と言っていただております。

私自身の経験に照らしてもこの筋は納得的です。

2001年のBSE問題で売上が半分に成った時、まずストレスで金玉、いや精巣が縮みました=リアルに臓器の機能に影響が出ましたね。次に助けてくれる方や優しくしてくれる方に無常の愛を感じて、なんとかしてこの人達のお役にたちたいと思いました。本来自分の会社を守ることが優先の筈ですが、そんなことは後回しにしてもOKだと思いました。

これが私の利他主義の原点ですが、今思えば、ストレスに対抗しようとして、脳が絆ホルモンを出したからかな・・・と思えます。

ここでオキシトシンについて、もう少し説明しますと、このホルモンは「幸せホルモン」「愛情ホルモン」とも呼ばれ、ストレスを緩和し幸せな気分をもたらします。人に人を信用させるホルモンでもありまして、その効果のスゴさは実験でも確かめられています。

オキシトシンをヒトに投与する実験が行われたことがあるそうですが、鼻から吸引させますと、金銭取引において相手への信頼感が増すことが判明したそうです。相手が詐欺師で、その取引で損害を蒙ってもオキシトシンが再投与されると、なんと再び詐欺師を信頼し、不利な取引契約を締結してしまうのだそうです。「盲目的に信頼した」とも言えるレベルで、実に恐ろしいですが、実験で確かめられています。

また、このホルモンは、愛撫や抱擁などの皮膚接触による刺激によっても放出されるため、「抱擁ホルモン」と呼ばれることがあります。性行為では大幅に分泌が増加されオーガズムの瞬間には男女ともに分泌されます。

平たく申しますと、これは逝く時のホルモンです、はい。つまりですね、自分の会社が津波で被災しているのに、備蓄を被災者に放出した社長の脳の中は、逝ってしまってるんです。SEXしてないのに、です。じゃなければ、虎の子の備蓄を放出なんてしません。

それが脳にとっては気持ち良いんですし、このホルモンが出ないと人はストレスに負けてしまうのです。私も、BSEの時に「このままで推移した場合ウチはいつ頃行き詰るのか」という計算をしましたが、そんな計算からは出来れば逃れたいですね。そして、逃れさせてくれるのが、この絆ホルモンだったろうと思います。

とにかく、状況が津波でも戦争でもBSEでも経済合理的に対処していない、というところがポイントでして、それは社会科学的には説明しがたい現象ではないかと私は考えています。

さて、次に老舗の社訓を考えてみます。老舗の社訓に書いてある利他主義あるいは後利主義(ベンサムの功利主義じゃなくて後の利益の後利)の文言は、平時に読むと・・・

<今日の分は終わり。続きは明日の弊ブログにて>

追伸1

6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。

今回の特集は、なんでも婦人画報社さんが「総力をあげた特集」だそうですが、題して、

「世界が恋するWASHOKU」。

旨味とか醗酵とかを採り上げた後、しんがりがWAGYUです。

 

追伸2

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.674日連続更新を達成しました。

Filed under: すき焼きフル・トーク,憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

100年経営アカデミー⑭

100年経営研究機構さん、ハリウッド大学院大学さんが主催する、

「100年経営アカデミー」で、ゲスト講師として講演をさせていただきました。

「100年経営アカデミー」は“100年経営を科学する”をテーマに、長寿企業から長く続く経営の秘訣を体系的に学び、経営の中で実践していくことを目的とした、日本で初の講座です。

6/11から講演全文を公開しています。長いので16回に分けて少しずつUPしております。

<「100年経営アカデミー」住吉史彦講演(2017.6.10)>

このようにして、この本の皆さんは、元の位置に留まり続けました。

皆さんがそういう人生を選んだ理由は、やはり戦争という危機の記憶だと私は思います。人間の、へなちょこな合理性など吹っ飛ばしてしまう経験を経て、皆さんは自分の人生の目的として儲け以外のもの・非経済的なものを考えるようになったのだろうと私は想像しています。

以上浅草の話しをさせていただきましたが、さて、ここから今日の話しは、いささか踏み込んだ話しになります。

老舗の話し、特に老舗が危機を突破してきた話しに、これから脳科学を採り入れて論じようと思います。

実は、私としては、この発想で長年の疑問が氷解した感があり、実は内心自慢たらたらです(笑い)

さてその「疑問」とは勿論、なぜ災害の多い日本に老舗が多いのか、

なぜ老舗の社訓にはたいてい利他の精神が掲げられているのか、という件でして、私はずっと気になっていました。皆さんもそうだろうと思います。

そして、その疑問が、初めて脳内ホルモンであるオキシトシン(所謂「絆ホルモン」)で納得的に説明できるかもしれないのです。

後藤先生の事例集を眺めてみますると、100年経営を実現出来ている会社の中には、大災害で被災して、前より良い会社に成ったところがたくさんあります。所謂「ピンチをチャンスにした会社」です。

昭和の戦争で大空襲を経験した浅草の店も勿論そうです。だから「100年経営論」「老舗論」を論ずるには、どうしても逆境を経験した時の、経営者の心を論ぜざるを得ない(つまり人間論=脳科学にまで行ってしまう)と私は思うのです。

例えば、震災、戦災のように人間が非常に悪い環境に直面した時に、利己的な行動をせず、逆に普段はしないような、とても善良な行動をする人います。この傾向を指す学術用語はないそうですが、脳科学の知見では、大きな災害が起きた時など、危機が迫ったとき・・・

<今日の分は終わり。続きは明日の弊ブログにて>

追伸1

6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。

今回の特集は、なんでも婦人画報社さんが「総力をあげた特集」だそうですが、題して、

「世界が恋するWASHOKU」。

旨味とか醗酵とかを採り上げた後、しんがりがWAGYUです。

 

追伸2

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.673日連続更新を達成しました。

Filed under: すき焼きフル・トーク,憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

100年経営アカデミー⑬

100年経営研究機構さん、ハリウッド大学院大学さんが主催する、

「100年経営アカデミー」で、ゲスト講師として講演をさせていただきました。

「100年経営アカデミー」は“100年経営を科学する”をテーマに、長寿企業から長く続く経営の秘訣を体系的に学び、経営の中で実践していくことを目的とした、日本で初の講座です。

6/11から講演全文を公開しています。長いので16回に分けて少しずつUPしております。

<「100年経営アカデミー」住吉史彦講演(2017.6.10)>

この「木の発想」は、勿論浅草独自のものでも江戸独自のものでもなく、日本全体にありますね。なにしろ、この国は伊勢神宮を二十年に一度建て替える国です。

京都だって、昭和の戦争では焼けていないものの、幕末の戦いや応仁の乱では焼けていて、平安時代の建物は残っていません。しかし平安時代のイメージの街です。そういう国にこの発想はしっかりと根づき、それを基盤に日本の老舗は存続してきたのだろうと思われます。

戦争以前から地震・津波・噴火・台風と何でもござれの災害大国である日本が同時に世界一の老舗大国でもあるというパラドクスがハッキリと存在していて、本当に考えさせられます。そして浅草はその中でも典型的な例・典型的な土地柄だと言ったら良いのかもしれません。

ソフトウエア優先の発想=木の発想が元々ある所へ、関東大震災と昭和の戦争を経験し、特に街の中心である浅草寺と神輿が焼ける体験をしたことが、浅草を浅草たらしめたと私は考えています。

その後も和装業界、花柳界といった個別の業界でも浮き沈みがありました。神輿の業界のように高度成長した後に、祭りが省みられなくなって危機がやって来た業界もありましたし、どじょう屋さんは、1960年代からどじょう資源の枯渇に悩まされました。

ここで、どじょう屋さんのついて考えてみますと、そもそも商いというものは、原材料が豊富に獲れるから、という所からスタートする場合があります。かつてどじょうは日本中の田んぼにたくさん棲んでいましたので、どじょう料理屋さんは、気軽に安く栄養を摂るための便利な店=ファーストフード感覚の店でした。

代々の中で一番ご苦労なさったという先代の渡辺繁三さんはご著書の中で自分が店を継いだ頃の客層について「気が荒くって、職人肌のお客が多かったように思います。」と書いています。戦前は朝7時から営業していて「朝は天秤かついだ人、薬売り、金魚売り、苗売り、それと近在の農家が市場に荷を運んだ帰りに寄って下さる・・・」という感じです。

しかし1960年代から農薬の影響で仕入れ難の時代になりました。どじょうが田んぼにいなくなったのです。結局、幾多の困難を乗り越えて、どじょうをわざわざ養殖し、お店もわざわざ文化体験として行くような店に仕立て直さねばなりませんでした。

今では「駒形どぜう」さんと言えば「江戸文化を食べる店」です。また当代の渡辺孝之さんと言えば江戸文化の伝道師です。「江戸文化道場」の継続的な開催が評価されて、2001年には「企業メセナアワード地域文化賞」を受賞されています。

もし1960年代にどじょうを諦めていたら、こうは成らなかったと思います。

このように簡素な物を文化にまで仕立て上げて、しかし過度に高級にはしない、それも「お客さまを巻き込んで面白可笑しく」という所に、私は浅草っ子の真骨頂を見る思いがします。

「駒形」さんのキャッチコピーの「お値打ち」とは、単に料理と価格の間の「コスパ」のことを言っているのではなく、江戸文化を満喫できるという価値をも含めた「値」だと考えないといけません。そういう感覚を持てる店を創り上げる為に渡辺さんが積み上げてきた努力の量は、本にあります通り、圧倒的と言う他ないものです。

「駒形」さんが企業メセナアワードが獲った時、同時に「メセナ大賞」を獲った会社の資本金は584億円強でした。対するに㈱駒形どぜうさんは 2.000万円。そう、文化を創り成すのに資本は2.000万円で充分なのです。この両社が今でも並んで掲載されていることが私は痛快でなりません。

このようにして、この本の皆さんは・・・

<今日の分は終わり。続きは明日の弊ブログにて>

追伸1

6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。

今回の特集は、なんでも婦人画報社さんが「総力をあげた特集」だそうですが、題して、

「世界が恋するWASHOKU」。

旨味とか醗酵とかを採り上げた後、しんがりがWAGYUです。

 

追伸2

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.672日連続更新を達成しました。

Filed under: すき焼きフル・トーク,憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

100年経営アカデミー⑫

100年経営研究機構さん、ハリウッド大学院大学さんが主催する、

「100年経営アカデミー」で、ゲスト講師として講演をさせていただきました。

「100年経営アカデミー」は“100年経営を科学する”をテーマに、長寿企業から長く続く経営の秘訣を体系的に学び、経営の中で実践していくことを目的とした、日本で初の講座です。

6/11から講演全文を公開しています。長いので16回に分けて少しずつUPしております。

<「100年経営アカデミー」住吉史彦講演(2017.6.10)>

このように伝統と申しますものは、ずっと連続して継承されるものではなく、時には失われて、しかし再建されて続いているものなのだというところが、浅草の話しのポイントです。

それが浅草の場合戦争であり、そのわずか二十二年前に起きた関東大震災でした。二十世紀の前半のごく短期間に焼け野原を二度体験したのが浅草なんです。

その状態から伝統を再建するという過酷な作業を経験する中で現代浅草が形成されたことは間違いなく、本を読んでいただけば、お分かりいただけると思うのですが、その記憶は今でもこの街の人々の間に保存されています。

戦争で浅草寺と神輿が焼けてしまったことは、やはり現代浅草に大きな大きな影響を与えていると思います。街の中心・心の拠り所が失われたことの喪失感は勿論大きく、しかし観音様ご本尊だけはなんとか焼失を免れたので、再度観音様を中心にお寺を再建することが出来ました。

信仰があればお寺が再建できたわけですが、商店も同じことです。

店舗は焼けてしまいましたが、人が逃げのびて、その人が信用や技術つまりソフトウエアを持っていれば商いは再建できたのです。心の拠り所が徹底的に破壊され、自分の店も跡形もなくなった時に、浅草の店主達は諦めませんでした。いや、再建をやり遂げねば悔しくて仕方がないというのが当時の浅草でした。

建物がなくなっても、自分達には腕がある、お客様もいる。きっと人の力で伝統を復活させてみせる。そうかたく心に誓ったのだと思います。

店にとっての本当の資産は土地でも建物ではない。本当の資産は目に見えないもので、財務諸表に載っていない~そう言われたりします。それと根本的には同じ内容なのですが、浅草の場合はその感覚がずっと深刻でした。

「おでん」の舩大工さんのお父様が言った「牛のよだれ」の決意が、その典型だと思います。本当の資産は腕とお客様だ~そう信じなければ立つ瀬がない。そんな状況を皆が通りぬけて来た、その経験が現代浅草の原点だということを、この対談で私は痛切に再認識したのでした。

本当の資産はソフトウエアだという発想は、「木の発想」と言い換えることが出来るかもしれません。リアルな資産はどれだけ堅牢に建てても燃えてしまうことがある、だからそういう場合に常日頃から備えておかねばならない、という発想です。

今回「駒形どぜう」さんと「宮本夘之助商店さん」で、戦争中木材を別の場所に用意して戦災に備えていた、という話を聞きました。敗戦を予測して準備していたのです。負けるだろうと公言すれば即逮捕ですが、密かに用意しておいででした。

これは喧嘩と並んで火事が「華」だった江戸の発想・江戸の知恵ですね。江戸時代の江戸の人口は世界一で、人がやたらと密集して、木の家に住んでいたので、こういう知恵が発達したのだと思いますが、それが昭和の戦争でも活きたというのは、ちょっとビックリでした。

そう言えば、「ちんや」の前の雷門通りが広いのは、元々「火よけ地」だったからです。火事の延焼を防ぐために道路を広くしたもので、以前は「浅草広小路」と言っていました。「木の発想」を忘れないために、「広小路」という名前も忘れたくないものだと思っています。

この「木の発想」は、勿論浅草独自のものでも江戸独自のものでもなく、日本全体にありますね。なにしろ・・・

<今日の分は終わり。続きは明日の弊ブログにて>

追伸1

6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。

今回の特集は、なんでも婦人画報社さんが「総力をあげた特集」だそうですが、題して、

「世界が恋するWASHOKU」。

旨味とか醗酵とかを採り上げた後、しんがりがWAGYUです。

 

追伸2

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.671日連続更新を達成しました。

Filed under: すき焼きフル・トーク,憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

100年経営アカデミー⑪

100年経営研究機構さん、ハリウッド大学院大学さんが主催する、

「100年経営アカデミー」で、ゲスト講師として講演をさせていただきました。

「100年経営アカデミー」は“100年経営を科学する”をテーマに、長寿企業から長く続く経営の秘訣を体系的に学び、経営の中で実践していくことを目的とした、日本で初の講座です。

6/11から講演全文を公開しています。長いので16回に分けて少しずつUPしております。

<「100年経営アカデミー」住吉史彦講演(2017.6.10)>

次に、ここから浅草の先輩方の話しをしようと思います。どうも今日は、自分のことばかり話ししたことを今少し反省しております。

浅草人の共通体験は、関東大震災・太平洋戦争の大空襲・1970年代の衰退の三つですが、70年代の話しからしてみようと思います。当時の浅草をリアル覚えておいでの方は、今日ここにおいでの方の中でも少なかろうと思いますが、それはひどいものでした。

特に浅草六区一帯は、戦前から集積していた映画産業がテレビに敗北した影響で、廃墟のようでした。子供心に怖い感じすらしました。

そんな映画館の一つ・「電気館」の真裏に在った洋食の「ヨシカミ」さんは当然苦境に立たされました。興業街が衰退したのなら「では他の土地に移ろう!」そう考えてもおかしくはなかったと思います。そう考える方がむしろ自然と思います。

しかし、そうはなさいませんでした。そして、ここでラッキーなことに営業品目は洋食でした。それが幸いしたと私は思うのですが、その話を進める前に、ここで日本の洋食のことを一度思い起こしてみたいと思います。

現在「洋食」と言った場合、日本で独自に進化した西洋風の料理のことをさします。それは「進化した」とも言えますが、「以前の形態を保っている」とも言えます。

本家のフランス料理が1970年代にバターや伝統的なソースを使わない「ヌーベルキュイジーヌ」に転じたからです。ポール・ボキューズ、トロワグロ兄弟といった人達が、そのリーダーでした。

一方日本の街の洋食屋さんは、かつて導入したものを、ひたすら日本人の舌に合うように、ご飯や日本酒に合うようにと念じて改良し続けて来ました。そうこうしている間に洋食は日本人の口になじみ切ってしまい、今やカレーライスやトンカツを和食だと思っている人が増えました。

何故でしょう?懐かしいからではないでしょうか。東京に生まれ下町に生き、田舎を持たない都民二世や三世が懐かく思う料理と言ったら、洋食だったからです。そう、浅草の洋食って、近代東京そのものだと私は思います。それで興業街が衰退しても、洋食を食べようと繰り返し浅草に行く人はいたのです。

くわしくは本をお読みいただきたいのですが、ヨシカミさんではリピート来客を促す方策が成功したので、結局浅草の洋食は残りました。まず、すべてが手作りという努力。そしてご主人いわく「なんとかしなければだらしがない」という精神で生き残ったのです。

次に戦争の時どういうことがあったかを観てみましょう。

仲見世の江戸趣味小玩具の店「助六」さんの先代は、終戦後の闇市の時代、同業者が次々に生活に必要な物資を売る店へと転業する中で、玩具を置き続けました。

物資不足の時代ですから、物資を置けば飛ぶように売れるのですが、「助六」さんが売ったのは、江戸趣味小玩具。闇物資には目もくれず、この最悪の時代には玩具のことばかり考えていたのが「助六」さんの先代でした。

実は、江戸時代から仲見世には玩具の店が何軒もあり、その中で「助六」さんは幕末開業の後発組なのですが、この時期職人さんを手放さなかったことで、現在唯一仲見世に残る玩具店は「助六」さんです。今や完全にオンリーワンの存在と成りました。

その理由を、先代が「不器用で融通が利かなかった」からだと当代は私に語ってくれましたが、不器用もここまですごいと世の中に貢献できるという一つの事例だと思います。

「助六」さんが戦後営業を再開できたのは、もちろん昭和20310日の大空襲を生きのびたからです。東武浅草駅の地下に入って助かったと聞いています。

そして、その体験が「現代浅草の原点」と言えます。皆さんは浅草=江戸時代のイメージの街と思っていたでしょうから、戦争が原点と聞いて、いささか戸惑ったことと思いますが、実際そうなんです。

このように伝統と申しますものは、ずっと連続して継承されるものではなく・・・

<今日の分は終わり。続きは明日の弊ブログにて>

追伸1

6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。

今回の特集は、なんでも婦人画報社さんが「総力をあげた特集」だそうですが、題して、

「世界が恋するWASHOKU」。

旨味とか醗酵とかを採り上げた後、しんがりがWAGYUです。

 

追伸2

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.670日連続更新を達成しました。

Filed under: すき焼きフル・トーク,憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

100年経営アカデミー⑩

100年経営研究機構さん、ハリウッド大学院大学さんが主催する、

「100年経営アカデミー」で、ゲスト講師として講演をさせていただきました。

「100年経営アカデミー」は“100年経営を科学する”をテーマに、長寿企業から長く続く経営の秘訣を体系的に学び、経営の中で実践していくことを目的とした、日本で初の講座です。

6/11から講演全文を公開しています。長いので16回に分けて少しずつUPしております。

<「100年経営アカデミー」住吉史彦講演(2017.6.10)>

サシを短期肥育で入れることは、サシ(脂肪)の質の劣化を招きます。質の劣化とは「霜降り」を食べるとモタレて気持ち悪くなってしまうことです。

実はサシについては、量が増えたこと以上に質が劣化したことが問題なのですが、それを説明したりメカニズムを解明したりするには、小難しい食品化学を持ち出さないといけないので、詳しいことは、「後で時間があったら」ということに致します。とにかく、お客様が「霜降り離れ」を起すほどに現代日本の牛肉の質は劣化しました。

若い方なら、なんとか、そういう脂も消化できるかもしれません。しかし手前どもは、お客様に、ご家族づれで、リピートしていただく、それも10年に30回、20年に60回、30年に90回といったペースでリピートをしていただく、ということを目指しておりますから、当然お爺様、お婆様が見えます。肉がモタレては絶対にダメです。

 

で、「適サシ肉」宣言だったのですが、その頃同時にここで観た通り肉の業界は、危機に対処する方法が適切でなかったために、さらなる危機を自ら招き寄せてしまいました。そういう失敗事例を研究することは、とても大事で、成功した人の話しなんかより余程大事だよねと私は思っています。

そして、ついでに申しますと、「伝統と革新」の「革新」って、店主が主体的に決められることではないような気がしています。それは客あるいは世間が決めるのだと思います。世間が、過剰な霜降りはもうたくさんだ!と考えているのなら、店主は、その頭の中を忖度して行動する他選択肢はないと思います。

28日の「適サシ」ブレーク以降、私は道端で大勢の人に声をかけられました。「適サシ宣言、良かったです! 私も以前から、絶対そうだと思ってたんです!」「俺も同じこと思ってたんだけど、自分の年のせいだと思ってたんだよね。でも、違ったんだね。肉が原因だって分かって良かったよ!」皆さん、目を輝かせてそう言いました。

そう、皆さん、内心、今の霜降りは行き過ぎて美味しくないと思っていたのに、言えなくて黙っていたのです。自分が少数派ではなく、多数派だと分かったことが嬉しくて仕方なくて私に声をかけてきたのです。

逆に申しますと、自分が少数だと思っている間は口に出さなかったのですから、結局、その心の内は、店主が忖度する他ないわけです。日本的ですけどね。

さて、一気に「適サシ宣言」まで話してしまいまして、私が宣言に踏み切ったキッカケを話し忘れました。「霜降り」というビッグワードを廃止することに決めたものの、実行できかねていた私に決断を促したのは、自分が出した2冊の本でした。

1冊は先ほど申しました『すき焼き思い出ストーリーの本』です。様々な約70本のストーリーを全部読み終えた時、私は気づきました、牛の産地が出てこない。等級も出てこない。そうか、それらは売り手側の都合だったんだ!

また「思い出ストーリー」の段階で、接待需要を捨てていたので、より決断し易くなりました。それが一つ目のキッカケです。

もう1冊が、『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』(2016年㈱晶文社刊行)です。戦争で丸焼けになり、その後1970年代に「イケていない街」と言われて没落した浅草で、生き残って来た先輩方の人生に迫った本でしたが、これらの対談で分かったことは、被災したりピンチを経験した時に小手先の対処をせず、商いの本質に迫って行った人だけが生き残っている、ということでした。

どんな寿司が美味しいのか、どんなおでんが美味しいのか、どんな洋食が美味しいのか、料亭とは、どうあるべきか、商いの本質に迫って行った人だけが生き残っていたのです。私も決断をしなければいけない局面で、浅草の先輩方に習うことにしました。これが「適サシ」決断までの流れです。

次に、ここから浅草の先輩方の話しをしようと思います。

<今日の分は終わり。続きは明日の弊ブログにて>

追伸1

6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。

今回の特集は、なんでも婦人画報社さんが「総力をあげた特集」だそうですが、題して、

「世界が恋するWASHOKU」。

旨味とか醗酵とかを採り上げた後、しんがりがWAGYUです。

 

追伸2

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.669日連続更新を達成しました。

Filed under: すき焼きフル・トーク,憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

100年経営アカデミー⑨

100年経営研究機構さん、ハリウッド大学院大学さんが主催する、

「100年経営アカデミー」で、ゲスト講師として講演をさせていただきました。

「100年経営アカデミー」は“100年経営を科学する”をテーマに、長寿企業から長く続く経営の秘訣を体系的に学び、経営の中で実践していくことを目的とした、日本で初の講座です。

6/11から講演全文を公開しています。長いので16回に分けて少しずつUPしております。

<「100年経営アカデミー」住吉史彦講演(2017.6.10)>

「霜降り」というビッグワードを廃止するのですから、これはかなりのリスクでした。「霜降り」という言葉を廃止するしかない、と心に決めたものの、いつやるのか?失敗したら、どうなってしまうのか?そう簡単に決断できる筈もありません。

数年悩み、いたずらに日が過ぎて行きましたが、今年のはじめに敢行しました。

反響は、私の予想を遥かに超える、ものすごいものでした。

私が今回宣言した相手先は、手前どものお客様だけでした。お客様に向けて「適サシ肉だけを売ります」「過剰なサシを売りません」という「お約束」をしたのであって、それを私は「ちんや」というブランドの基盤にしたいと願っただけ、つまりミニ・コミュニケーションをしたかっただけなのですが、ある日それが、猛烈なマス・コミュニケーションになってしまいました。

それは28日のことでしたが、その日寝坊してモタモタしておりましたら、知人から次々にメールが着信して、YAHOOのヘッドラインにオタクのことが載っているよ!そう言われて初めて分かったんですが、本当に予想外でした。

「文春オンライン」の掲載日であることは分かっていましたが、「文春オンライン」は開設されたばかりのサイトで、読者もこれから増やしますという説明だったので、そんなに期待していませんでした。ところが、その記事がYAHOOのトップページにリンクされたから大変です。

店のサイトはダウンし、ブログに30倍のアクセスが来るほどの大反響となりました。コメント欄も凄くて、3.000件以上でした。

嬉しかったのは3.000件のコメントの内15対1で私の「適サシ肉」という考えに賛同する方が多数派でした。これは嬉しいことだと思いました。

それに続いて大小メデイアから取材の申し込みが殺到しました。 

日本テレビ「スッキリ!!」、

TBSテレビ「白熱ライブビビット」、

テレビ朝日「スーパーJチャンネル」、

産経新聞、東京新聞、婦人画報、日刊ゲンダイ、

テレビ朝日「週刊ニュースリーダー」、

TBSテレビ「ぴったんこカン☆カン」、

読売テレビ「そこまで言って委員会」、

TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」、

TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ!」、

NHKテレビ「所さん!大変ですよ」とメジャーな番組ばかりです。

結局テレビ7回、ラジオ3回、新聞3回、雑誌3回、その他ネットメデイアもありました。

テレビに出たことで、ネットでの拡散にも拍車がかかったようでした。大変な事態でした。

ここで皆さんに考えていただきたいのは、同じ時期に同じ業界の中にいた人間が、かなり違う動きをしたということです。私は、記念写真の掛け声を「スキヤキ!」にして、記念日割引を始めて、思い出ストーリーの本を創り、あ、それからさっき言い忘れましたが、「すき焼き川柳包装紙」というのを創りました。

これはお客様から川柳を投句していただいて、入選作を「ちんや」の包装紙に刷り込んで、実際に店でそれを使う、という企画です。もちろん店の客の間の関係性を濃くすることを意図したものです。

私は、そういうことをしてきましたが、同じ時期に一部の産地の方や県庁の方が目指したのは、とにかくサシを入れること、そしてそれをブランド化することでした。さらには、そのサシを短期肥育で入れることを目指しました。

サシを短期肥育で入れることは、サシ(脂肪)の質の劣化を招きます。質の劣化とは「霜降り」を食べるとモタレて気持ち悪くなってしまうことです。実はサシについては、量が増えたこと以上に質が劣化したことが問題なのですが、それを説明したりメカニズムを解明したりするには、小難しい食品化学を持ち出さないといけないので、詳しいことは、「後で時間があったら」ということに致します。とにかく・・・

<今日の分は終わり。続きは明日の弊ブログにて>

追伸1

6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。

今回の特集は、なんでも婦人画報社さんが「総力をあげた特集」だそうですが、題して、

「世界が恋するWASHOKU」。

旨味とか醗酵とかを採り上げた後、しんがりがWAGYUです。

 

追伸2

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.668日連続更新を達成しました。

Filed under: すき焼きフル・トーク,憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)