幹事会

料飲三田会の幹事会を開催しました。

私が会長に成りまして、最初の幹事会ですので、基本的な考え方を申し上げました。

<目指すところは>
会員が皆で三つの「脈」を共有していくことです。
人脈=こんな素敵な人(講師)を識っている。
店脈=こんな美味しい店を識っている
酒脈=こんな旨い酒を識っている
各会員が持っている、「脈」を個人のものにせず、共有する会にしたいと思います。
それが三田会の醍醐味だと私は思っています。
<脈のつくり方>
まずは、副会長さん達に例会の講師を出していただきます。例会場の店も設営していただきます。(年に一回担当していただきます)
幹事さん、会員さん方にも、いずれはご自分のネタを出していただきます。
各種の会には、人脈・情報を自分だけゲットして、逆に自分からは出汁惜しみする人が、いや、間違えた、出し惜しみする人がいたりするものですが、この会はなるべくそうならないようにしたいと思っています。
そうすることで、会の雰囲気も必ず良い感じになるものと確信しております。
どうぞ、2年間、よろしくお願い申し上げます。

追伸1

6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。

今回の特集は、なんでも婦人画報社さんが「総力をあげた特集」だそうですが、題して、

「世界が恋するWASHOKU」。

旨味とか醗酵とかを採り上げた後、しんがりがWAGYUです。

 

追伸2

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.657日連続更新を達成しました。

 

 

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るるぶキッチン

JTB グループの出版会社JTBパブリッシングさんが、初めての飲食店editor’s fav 『るるぶキッチン』をオープンするそうで、私の知人が関わっています。

このお店は、地域食材の販促や観光プロモーションを店内で展開して、その地域に行ってみたくなるようにさせようというのが特徴だそうです。例えば、メニューブックに観光情報が載っていて、それを持って帰って良いのだとか。

期間ごとに特集地域を定め、その土地の旬の食材を活かしたオリジナルメニューを提供するとかで、オープンから1ヶ月間は、岩手県宮古市がテーマだそうな。

結構なコンセプトと思います。

シェフは、毎月食材が変わると大変だと思いますけどね、やりがいがかなりありそうです。

615日「赤坂バル横丁」内にオープン。

期待しましょう。

 

追伸1

6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。

今回の特集は、なんでも婦人画報社さんが「総力をあげた特集」だそうですが、題して、

「世界が恋するWASHOKU」。

旨味とか醗酵とかを採り上げた後、しんがりがWAGYUです。

 

追伸2

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東若会

東都のれん会「東若会」の例会を、浅草駒形「前川」さんで開催しました。

「東若会」は文字通り「東都のれん会」の青年部です。今回は私が幹事長に成って初の例会なので、当然会場を浅草にもってきました。今年度は全部の例会を浅草でやろうと思っています。

さて「前川」さんは言わずと知れた、文政年間創業の老舗。

会員である若旦那に卓話「東若会にだけ話せる鰻の裏話し」をしていただいた後、早速宴会です。

窓の向こうは隅田川。そして、その向こうはスカイツリー。ベタではありますが、悪い気分の筈がありません。

今回少しだけマイナーチェンジを致しました。

まず席次。今までは、なんとなく先輩から座っていましたが、今回よりくじ引き。

乾杯の発声もくじ。〆の言葉もくじ。皆さん、地元では「若旦那」と呼ばれる存在ですから、こういう機会に練習したいただきます。

若旦那の卓話に対するコメンテイターもくじ。当たってしまった方、お疲れ様でした。

そして、その後は浅草観音裏の花柳界で四次会まで。結構飲んじゃったな。うーい、ひっく。

 

追伸1

6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せて頂きます。ありがとうございます。

今回の特集は、なんでも婦人画報社さんが「総力をあげた特集」だそうですが、題して、

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旨味とか醗酵とかを採り上げた後、しんがりがWAGYUです。

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株式会社晶文社 刊行

 

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長澤鼎ワイン

長澤鼎ワインをいただきました。

長澤鼎(ながさわ・かなえ)というのは人名です。ワインのラベルを見ますると、日本人男性が写っています。一見して強情そうな人物ですが、この人物が長澤です。

1852年生まれ、1934年没。薩摩藩士出身のワイン醸造家です。強情そうなのは薩摩だからですね。

13歳の時に藩命でイギリスに留学し、後にカリフォルニアに渡り「カリフォルニアのワイン王」「葡萄王」「バロン・ナガサワ」と呼ばれようにまでなった方です。

イギリスからアメリカに渡ったのは、キリスト教系新興宗教「新生兄弟社」に入って、信者らと共同生活を送るためで、ワインを始めたのも教団の経営のためです。薩摩であることに加えて、宗教的信念が強烈なのですから、この顔つきは当然かもしれません。83歳で亡くなるまで生涯独身を貫きました。

そんな長澤ですが商才もありました。

ワインの品質を上げ、米国内のワインコンクールで好成績を納めました。フランスに特約店を設け、イギリスに輸出された最初のカリフォルニアワインも長澤ワインでした。ワイナリーは広大な広さに成長しました。

しかし長澤が亡くなる少し前より、アメリカの世論は排日に傾きます。長澤の財産やワイナリーは排日土地法のため相続できず他人の手に渡り、彼の名もまた、1983年にレーガン大統領が日米交流のシンボルとして演説で採り上げるまで、忘れ去られてしまいました。

現在はワイナリーの一部が「パラダイスリッジ・ワイナリー」として継承され、少量の生産が行われています。

日本へは「布袋ワインズ」社が輸入しており、またレストランで飲みたい!という方は、大手町フィナンシャルシティの中に在る、私の知人の店Orchestra vino で飲むことができます。

品種はシャルドネ。

ほど良い苦みは、日米の歴史の苦みでしょうか。

 

追伸1

「ブーストマガジン~人生の楽しさを加速するメディア~」(ネットメデイア)に「適サシ肉」の件を載せていただきました。ありがとうございます。

追伸2

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題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

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四六判240頁

価格:本体1600円+税

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2016年2月25日発売

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ネノネ

近江八幡のすき焼き店「毛利志満」の森嶋さんが会社のPR誌を発刊されました。

名付けて「ネノネ」。

歴史的な「ルーツ=根」から聴こえる音。もうひとつが、周辺のさまざまな生産業者さんとの「繋がり=根」から発する音。「ネノネ」とはこの二つの音色を意味しているのだそうです。ユニークですね。

タイトルがユニークなら中身もユニークです。私の知る限り、すき焼きのPR誌の中で、こういうのを見たことがないです。

初回から、すき焼き業界の、忘れられた偉人を採り上げます。

その偉人とは、浅草「米久」二代目・竹中久太郎。

なぜ「毛利志満」さんが「米久」さんの店主を採り上げるかは、説明が必要と思いますが、森嶋家と竹中家はご親戚です。親戚の内で森嶋家が近江に残って牛を出荷する側。竹中家は東京に進出して牛を牛鍋にして売る側だったのです。

その「米久」竹中家は初代・久次の時に既に大を成し、東京の食肉業界を代表する人物でしたので、業界関係者なら知っているのですが、二代目・久太郎については、私もまったく知らなかったものですから、事績を知って、かなり驚きました。

関東大震災後の、階級対立が深刻化する世相の中で、久太郎は社会事業を行う決意をして、地元・近江に図書館や公会堂、庭園、娯楽場を建設して一般に開放したのです。

事業の趣旨と決意を語った著書「米久の真生命」(1926年)は、国会図書館に収められていて、デジタル化されているので、ネットで全文読めます。拝読しましたが、社会への問題意識がとても高い方だったようです。

久次ではなく久太郎に注目したところが、今回の着眼点の面白さだと思います。かなりマニアックですけどね。

大変勉強になりました。「ネノネ」発刊お芽出とうございました。

それにしても、あの時代の牛鍋屋って、本当に儲かったんだなあーと思います。私の曾祖父も議員とかをしていました。今では信じられないことです、まったく。

 

追伸1

「ブーストマガジン~人生の楽しさを加速するメディア~」(ネットメデイア)に「適サシ肉」の件を載せていただきました。ありがとうございます。

 

追伸2

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.634日連続更新を達成しました。

 

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第3回⑨

国際観光日本レストラン協会の「第3回青年後継者の集い」が開催され、不肖の私がセミナー講師を務めさせていただきました。

「適サシ肉」の話しを聞きたいということでしたので、以下のような内容になりました。長いので、4/21から8回に分けて公開していますが、本日が最終回です。さて、

<以下本文>

そして、ついでにもう一つだけ申し上げますと、世間の皆さんが内心やって欲しくて仕方なかったのに、誰もやってくれる業者がないことをパっとやってあげると、こんなにもウケるということです。

リアルな私の身の回りの体験でも、適サシ宣言、良かったです! 私も以前から、絶対そうだと思ってたんです!俺も同じこと思ってたんだけど、自分の年のせいだと思ってたんだよね。でも、違ったんだね。原因が分かって良かったよ!

皆さん、目を輝かせてそう言います。皆さん、内心、今の霜降りは行き過ぎて美味しくないと思っていたのに、言えなくて黙っていたのです。自分が少数派ではなく、多数派だと分かったことが嬉しくて仕方ないのです。そう、多数派に属していることはやたらと嬉しいことなのです。日本的ですけどね。

そして話しはまたまた膨らみますが、商いの歴史を調べてみましても、皆(多数派)が内心そう思っていたのに、言えなくて黙っていたこと、それを実現した人が結局成功しています。

最近「100年経営研究機構」という学者さんのグループと仕事をしているのですけど、そこで学んだことに、例えば「正札販売」というのがあります。

商品に、値段を書いた札(=正札と言う)を付けて販売することを正札販売と言い、今日では当たり前ですが、それが始まったのは1876年。アメリカ・フィラデルフィアの商人ジョン・ワナメーカーによって始められたそうです。それまでは客の様子を見て、値段を変動させていたのです。

現代でも「ぼったくり寿司屋」に行けば同じ目に遭います。またイスラム圏では正札販売が普及していないので、客は店員と駆け引きして買います。駆け引きは面倒だし、それに不公正ですよね。

そういう「ぼったくり」はイヤだと、それまで庶民は皆思っていたのに、言えなくて黙っていました。それが多数派でした。

そして、言えなくて黙っていたことを、アメリカ人より先に実現した日本人がいました。三越さんの前身の越後屋が1673年(延宝1)に実施しているのです。スゴいことです。

やや遅れて1726 (享保11)、大丸さんの前身も大阪心斎橋筋で現金正札販売を始めます。どんな人間にも現金正札販売する、この店の姿勢は支持されまして、どの位支持されたかと申しますと、1837 (天保8)に大塩平八郎の乱が起きた時に「大丸は義商なり、犯すなかれ」と、焼き討ちを免れたのです。

これはドラマティックです。他の商人は幕府と結託していたので、「義商」ではないと見做され焼き討ちされましたが、大丸さんだけが免れたのです。現金正札販売が、どれだけ人々に革命的なことで、支持されたか、良く分かります。今日でも通用する教訓だと思います。

さてさて、もう時間ですので、最後に「適サシ肉」に戻りますが、この大ブームを観て、嬉しい言葉を贈ってくれた方がおいででしたので、ご紹介します。

私は2008年から食文化研究家の向笠千恵子先生と一緒に「すきや連」という会を年に3回催しています。すき焼き屋とすき焼き関係者、すき焼き愛好家が全国から集う、美味しくも楽しい会で、レス協の、今日おいでの、藤森さんや荒井さん、藤本さんも参加してくれています。尾川会長にも参加していただいたことがあります。

その向笠先生も、今回の「適サシ肉宣言」に大変共感して下さいまして、こうおっしゃいました。先生の流石の文才を感じさせる言葉です。

「適サシ肉」は「素敵サシ肉」。

お後がよろしいようで。本日はご清聴誠に在り難うございました。(終わり)

追伸

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第3回⑧

国際観光日本レストラン協会の「第3回青年後継者の集い」が開催され、不肖の私がセミナー講師を務めさせていただきました。

「適サシ肉」の話しを聞きたいということでしたので、以下のような内容になりました。長いので、4/21から8回に分けて公開しています。さて、

<以下本文>

そしてついにA5等級を止めて、「適サシ肉宣言」をするにつき、店のスタッフが支持してくれたことは支えになりました。

実は201610月より12月中旬まで「全社員一対一肉の話し面談」を行いました。パートさんに至るまで全員に今後「ちんや」の肉の仕入れ方針をどうするのか、牛の性別・月齢と脂の融点の件、熟成期間とアミノ酸の増加率の件、肉の加熱方法と和牛香の件など・・・完全に分かるまで、紙を一切使わずに説明し、耳から聞いて分かるように努めました。

およそ1時間半かけて説明するので、一日一人しかできず、師走になってようやく終わりました。この過程で全員の認識が統一できたことで、すべての環境が整いました。

結局、宣言を敢行したのは、2017115日でした。そして大拡散したのは、28日。その後の成り行きは、先ほどお話しした通りです。

この顛末を経験して、私はある想いを強くしました。

「単純化と数値化は嫌いだ」「二元論は嫌いだ」という想いです。

「霜降VS適サシ」「改革派VS守旧派」というテレビの「二元論仕立て、対立仕立て」の手法は、本当にウンザリです。そして、なぜ牛の業界は「A5等級イ―コール高級」という、あまりに単純なメッセージを平押しに押して来てしまったのか、ここが本当に疑問です。

今、家畜改良技術研究所が策定しようとしている「肉のおいしさ総合指標」では数十にも及ぶ物質が肉の美味しさに寄与していると想定しています。美味しさは複雑なんです。

それなのに、各県の畜産試験場の行政評価の尺度は「A5等級の出現率」です。単純過ぎます。本来畜産試験場は美味しい肉を造るのが使命なのに、「A5等級の出現率」を上げることが自己目的化してしまったのです。本末転倒の一語です。

皆さんも会社を経営しておいでですが、単純な数値目標を設定して、それを追いかけることの弊害に、さし出がましいですが、ご留意いただけたらと思います。

このように美味しさは複雑です。だから単純化に馴染みません。しかし「複雑です!」と叫んでいては、お客様から「わからないよ!」とそっぽを向かれます。どこかで妥協して、複雑と単純の間をとらないといけません。

味の世界が結局は「塩梅」であるのと同様に、お客様とのコミュニケーションも、また塩梅だ、今回の顛末で私が経験したのは、まさにこの点でした。本日は、それを発表する時間をいただけましたので、一つの体験談として紹介させていただきました。

そして、ついでにもう一つだけ申し上げますと・・・

<続きは明日の弊ブログで>

追伸

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題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

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第3回⑦

国際観光日本レストラン協会の「第3回青年後継者の集い」が開催され、不肖の私がセミナー講師を務めさせていただきました。

「適サシ肉」の話しを聞きたいということでしたので、以下のような内容になりました。長いので、4/21から8回に分けて公開しています。さて、

<以下本文>

さて話しを戻しますが、同じ頃つまり2000年代の初頭、私は牛の個体識別制度に注目していました。BSE対策として、国は全ての牛に10桁の背番号を付け、その牛の生年月日、屠畜日、移動履歴、親牛の番号といったデータを、ネットを通じて公表するようになったのです。

この仕組みを見て、私は考えました、おお、これからはデータに基づいた仕入れが出来るぞ!ヤマ勘の時代が終わり、美味しい牛がデータで分かるようになったんだ!

実は、この頃私はBSE問題をきっかけに、どうせ苦労するのなら、本当にお客様を喜んでいただける仕事をしたいと願うようになっていたのです。

で、美味しさのことを考えたら、どうしても生化学に入って行き、データに基づいた仕入れが出来ることを、ものすごく便利に思ったのでした。

もともと私は文系の学生で、店の個室に明治時代の錦絵を飾ったりして、文化的な店・歴史を感じさせる店ということで押して行こうと思っていたのですが、ここで関心の方向が大きく変わりました。

今では、何カ月の肥育期間の牛の脂肪の構成がどうなっているか、詳細な研究結果が公表されています。だから、美味しい脂を求めたければ、何カ月の肥育期間が必要なのか分かるのです。すばらしいことですよね。

ところが、です、美味しさを科学できて来たと言うのに、残念なブランド化つまりサシの過剰化も同時期に進行し続けました。

最近では、「霜降り肉」というメニューをお客様にお勧めしようとすると拒否されてしまう在り様です。

「いやあ、俺も年だから、霜降りは無理だよ・・・」

「いやいや、「ちんや」の「霜降り」の脂は、霜降りと言っても、モタレないんです。なぜなら、不飽和脂肪酸が多いから・・・」と申しまして、お客様に伝わりません。それほどに「霜降り」はネガテイブ・イメージの言葉に成っていたのです。

一番高いメニューが売れないのではビジネスとして本当に困ります。事此処に至っては「霜降り」という言葉を廃止するしかない、私はそう思い至りました。

しかし、いつやるのか?

失敗したら、どうなってしまうのか?

そう簡単に決断できる筈もありません。「霜降り」というビッグワードを廃止するのですから、かなりのリスクです。

いたずらに日が過ぎて行きました。そんな私に決断を促したのは、自分が出した2冊の本でした。

1冊は、「ちんや」創業135年を記念して、2015年に出版した『すき焼き思い出ストーリーの本』です。そこに掲載されているストーリーは、一般の皆様から投稿していただいたものです。人々の思い出と一番つながっている料理はすき焼きではないかと考えて、2010年から投稿を集めて保存してきたのですが、それらを纏めて本にしたのです。

内容は、感動して落涙を禁じ得ないものから、クスっと笑ってしまうものまで、様々なストーリーが約70本集まりました。そして、皆様の思い出ストーリーを全部読み終えた時、私は気づきました、牛の産地が出てこない。等級も出てこない。

そうか、それらは皆、売り手側の都合だったんだ!この時、それがしみじみと分かりました。

もう1冊は、2016年に刊行した『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』(㈱晶文社刊行)です。この本は、浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集で、「浅草ならではの商人論」を目指した本です。戦争で丸焼けになり、その後1970年代に「イケていない街」と言われて没落した浅草で、生き残って来た先輩方の人生に迫った本です。

これらの対談で分かったことは、危機に遭遇した時に小手先の対処をせず、商いの本質に迫って行った人だけが生き残っている、ということでした。どんな寿司が美味しいのか、どんなおでんが美味しいのか、どんな洋食が美味しいのか、料亭とは、どうあるべきか、商いの本質に迫って行った人だけが生き残っていたのです。

私も後を追う以外に選択肢はありませんでした。

そしてついにA5等級を止めて、「適サシ肉宣言」をするにつき・・・

<続きは明日の弊ブログで>

追伸

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第3回⑥

国際観光日本レストラン協会の「第3回青年後継者の集い」が開催され、不肖の私がセミナー講師を務めさせていただきました。

「適サシ肉」の話しを聞きたいということでしたので、以下のような内容になりました。長いので、4/21から8回に分けて公開しています。さて、

<以下本文>

次に、私の2001年から2017年、つまり店を継いでから、適サシ肉に至るまでの年月の話しをしてみたいとおもいます。

学生時代はそのまんまバブル時代という温い環境に育ち、8年間のサラリーマン生活を体験し、6年間父の下で修行した後、私が社長に成ったのは、20018月、36歳の時でした。自分の将来・自分の人生について危機感などというものは勿論持ち合わせていませんでした。

その私が就任翌月に遭遇したのがBSE問題でした。所謂「狂牛病」ですね。忘れもしない、2001910日(=NYのテロの前日)に BSE の疑いがある牛が発見されたと農水省が発表したのです。「牛を食ったら死ぬかも・・・」という話しですから、大変です。売上は半分になって、3年間は回復しませんでした。

日本で最後にBSEの牛が確認されたのは20091月で、それ以降は発見されていませんから、完全にBSE問題が終結したのは2009年だと言って良いでしょう。

2001-2009は、景気が悪かったこともあり、牛の業界にとっては、本当に苦しい日々でした。

牛の業界の苦難は、それだけではありませんでした。2010年には宮崎県で口蹄疫が流行し 30万頭弱の牛が殺処分となりました。2011年の東日本大震災では、原発から飛散した放射性物質が付着した餌を食べた牛が体内被曝して、その肉が流通してしまいました。観光客の激減や飲食自粛もあり、これまた本当に苦しい日々でした。

このように牛の業界が深いダメージを蒙った結果、打開策として、各県は牛の「ブランド化」を進め始めます。1980年代から、アメリカの牛と競争する為、日本の畜産業界は肉にサシを入れる努力を続けて来ましたが、この頃から、その傾向がエスカレートするようになったと記憶しています。

この時に「ブランド化=サシを入れること」と考えるのは単純過ぎやしないか?ひたすらサシが多い肉は本当にお客様に喜んでいただけるのか?脂肪の質も考慮しないといけないのではないか?といった問題提起が行われていれば、今日のような事態に至らずに済んだと思うのですが、なぜだか、問題提起は行われませんでした。業界に重くのし掛かった危機感が異論を封じ込めたのかもしれません。

同じ頃DNA鑑定やビタミンコントロールの技術が登場したことで、サシは行き過ぎてしまいました。やがて、お客様から嫌われる水準にまで過剰なサシが肉に入るようになったのです。

ここでまた話しは逸れますが、この残念なブランド化あるいは、残念なマーケテイングは「失敗学」の研究対象に成るのでは?そう私は考えています。

そもそもですが、ブランドの基礎はお客様への「お約束」であり、その裏返しとしての、お客様からの信用・信頼である筈です。私が今回宣言したのは「適サシ肉だけを売ります」「過剰なサシを売りません」という「お約束」であって、それを私は「ちんや」というブランドの基盤にしたいと願っています。

しかし、××牛の産地の人達や県庁の人達は違いました。消費者向けには、青い空や生産者の純朴な笑顔を使ったCMを打っておいて、実際には脂の多い肉を売り込もうとしていました。あるいはロゴを創ったり・ゆるキャラを創ったりして、実際には脂の多い肉を売り込もうとしていました。

そのブランド化に無理はなかったのでしょうか?そのマーケテイングに無理はなかったのでしょうか?私は、かなりの無理筋だったと思います。

その無理筋の作戦を、こんなにも長期間、皆がなぜ平押しに押し続けてしまったのか?「失敗学」の教材として良いのではないでしょうか?

思えばですね、話しが膨らむのが私の悪い癖ですが、昭和の戦争がなぜ起きたかを考えますると、関東大震災に辿り着きます。震災で被災した企業を救済する為に発行した「震災手形」が不良債権化したことが昭和の恐慌の原因で、そこから日本は大陸進出へ突き進んでしまいました。

サシの過剰化の「そもそも」も辿っていけば、この17年間に業界が被ったダメージに行き着きます。昭和の戦争を、サシの過剰化を、なぜ誰も止められなかったのか、私が学者ならやってみたい研究テーマだと思いますし、皆さんが自分のお店のブランドを育てて行く時には、決して、絶対にマネてはならない事例だと思います。

さて話しを戻しますが、同じ頃つまり2000年代の初頭、私は・・・

<続きは明日の弊ブログで>

追伸

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題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

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価格:本体1600円+税

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第3回⑤

国際観光日本レストラン協会の「第3回青年後継者の集い」が開催され、不肖の私がセミナー講師を務めさせていただきました。

「適サシ肉」の話しを聞きたいということでしたので、以下のような内容になりました。長いので、4/21から8回に分けて公開しています。さて、

<以下本文>

さて、かなり話しが逸れました。ともあれ、28日を境に「適サシ肉」が大ブレーク、大拡散しました。先ほどの繰り返しですが、本人としては店とお客様の間の、ミニ・コミュニケーションを意図しただけの宣言でした。しかし、まったく予想外の展開と成りました。

理由はよく分かりませんが、まず第一に、どうしても感じたのは、テレビ特有の、持ちあげておいて→急に落とす傾向です。これまで霜降肉を、崇め奉っていたのはテレビ局自身なのですが、それを今回急に落とし、凋落する様を楽しもうとしたのだと思います。これまでも数えられないほどの芸能人が、この憂き目に遭って来ましたが、今回霜降肉がそのネタに成ったのだろうと思います。

この方々は、とにかく霜降肉を落としたかったので、適切な伝え方をしてくれなかったのだろうと思っています。霜降肉を廃止したのではなくて、過剰な霜降を廃止しただけです、適度な霜降を使って行きます、と言っても、話しが通じないようでした。残念なことでした。

第二に、造語が成功したこと。これまで「ちんや」では、過剰ではない霜降肉です!

モタレない霜降肉です!と繰り返し言って来ましたが、なかなか聞く耳を持っていただけませんでした。「適サシ」という一語で分かる言葉を持ち出したことが、拡散を起した第二の理由だろうと私は考えていますが、そんなことは事前にはまったく想像しておりませんでした。心底驚くと同時に、今となっては、発言者の責任の重さを、ひしひしと感じる日々です。

寛容のご見物を、ひらにお願い申し上げる次第です。

 次に、私の2001年から2017年、つまり店を継いでから、適サシ肉に至るまでの年月の話しをしてみたいとおもいます。

学生時代は・・・

<続きは明日の弊ブログで>

追伸

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題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

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四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.613日連続更新を達成しました。

Filed under: すき焼きフル・トーク,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)