転禍為福

まずもって昨日までに「ちんや」にお越しいただいた皆様、関わって下さった皆様に心より御礼申し上げます。

で、今日は今後のことでございますが、在り難いことに、実は最短時間(目標「来春」)で「ちんや」再開が叶いそうです。

「ちんや」再開は、「株式会社WDI」さんと御縁が出来たことにより、WDIさんが主体となって実行されます。

その中で、現スタッフにも雇用の道があるので、今の味やノウハウも継承して行けると思います。

私自身も勿論全面的に関わります。オーナーの立場ではなくなりますが、元々身内に後継者がいないことから、いずれ「ちんや」は事業継承が必要と考えておりました。それが少し前倒しになった形です。新店舗が安定軌道に乗るのは見届けたいものだと思っております。

今の店舗は、財政的事情や設備の老朽化、耐震強度不足により閉めました。しかし「ちんや」のノウハウや信用=所謂「暖簾」は今後も活かす道があると信じて、私はスポンサーになって下さる方を探してきました。

今の「ちんや」の残党だけで事業を再開できぬこともないが、小さくショボく再建しても展望は明るくない、できれば、資本力があって組織体制が整っていて、未来を見通している会社さんと御縁が結べないものか・・・そう模索してきました。

その中でWDIさんは、これまで海外ブランドを日本に導入することに実績のあった会社さんで、清水社長とも面識もあったことから、最初から候補と考えておりましたが、外食中心の業態であることから、コロナでやはり大変なのではないか・・・と思い、連絡を差し上げたのは、少し時間が経ってからでした。

ところが連絡を致しますと、WDIさんはコロナ禍に上手に対応できて状態は悪くなく、むしろ反転攻勢に出たい、それも従来の海外ブランドに加えて、日本の良いブランドを手がけたいと考えておいでとのことでした。

「日本のブランドを手がけたい」だって!

その後の話し合いは予想外の速さで進展し、「ちんや」営業休止の8月15日とほぼ同時に、両者の合意がまとまりました。在り難いことでした。

お話しをさせていただく中で、WDIさんの、これまでのブランド導入事例は、息長く成功した例も多く、その裏には徹底した「ブランド理解」、それから高いオペレーション力があることを私は知りました。打ち合わせで何回か幹部さん達とも会合しましたが、社内の雰囲気も大変結構と感じました。

私が「ちんや」の未来をWDIさんに託そうと決断するまで、そう時間はかかりませんでした。このタイミングで御縁をいただけたことは、「ちんや」にとって幸運と申すほかありません。

「事業継承」「ブランド承継」と聞くと、単に法律的、経済的に移転しただけで実質は伴わないと思う人が多かろうと思いますが、今回は「暖簾の継承」と申しても良いカタチがとれ、これまで「ちんや」を愛して下さった、全ての皆様に喜んでいただけるようになると確信しております。

そしてさらに、これまでの会社の体制では、私自身の力不足や資本不足で実現できなかったことが今後実現して行くかもしれません。

その意味で、私としては、今回のことは「転禍為福」だと思っています。

引き続きご声援下さいませ。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.188本目の投稿でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (2)