イチゴ狩り
とあるイチゴ農家さんがネットにUPした画像が大問題に成っているそうです。
「本日営業終了後の苺のヘタのゴミ箱の様子です。まだ食べられる部分がある苺が沢山捨てられておりました。最近こういった食べ方をなさるお客様が目立っております。お店側としてはとても悲しいです。」
画像を見ますると、イチゴ狩りの食べ放題にやって来た客が、イチゴの粒の、甘味が強いとされる先端だけを食べ、残りを捨ててしまっているのです。実に酷い話しです。
「この様な事態が続きますと今後苺狩りを停止も考えざるを得なくなってしまいます。みなさまどうか苺を最後まで食べて頂けると幸いです。お店側からこんなことを申すのは大変失礼で申し訳ないことですが、ご理解とご協力をお願い申し上げます。」
この画像は世間の憤激を招き、怒りの拡散が起きました。
そこへ炎上狙いの不届き者も参入して、「美味しくないのでは」と書き込んだらしく、さらに炎上=「クソリプ文化みたいなのって、2ちゃんの便所の落書きよりタチ悪いな。」
さてさて、先端以外を捨てた客には、いずれ天誅が加えられると思いますから、首を洗って待っていていただく他ありませんが、こうした問題は、食べ放題の飲食店では今に始まったことではなく以前から起きていました。
そこを指摘した方もいて、
「飲食の食べ放題でもあるよね。寿司のシャリを残す、ピザの端を残す、ケーキの底面のスポンジを残す等々「元を取る」の意味合いが同じ払うなら金額以上量を食ってやる!じゃなく美味しい箇所だけ食ってやる、なんだろうなこの苺も」
そう、そう、そうなんです。
辛い思いをした農家さんには申し訳ない気もしますが、食べ放題という仕組みがこうした事態を引き起こしたと私は指摘しておきたいです。
店側が食べ放題の設定をした時点で、こういう客が来てしまうことは覚悟しないといけません。農家さんは、これまで飲食店と違って、世の中で一目置かれる存在でしたから、こういう目に遭う機会が少なかったかもしれませんが、相手になる客の精神構造は同じですから、やがてこういう「被害」に遭うことは確実でした。
対抗策は一つしかありません。
どんなに売り上げが苦しくても、食べ放題だけはやらないこと。それしかありません。
人間不信に陥りたくなかったら、それしか方法はありません。
追伸、
拙著が発売になりました。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』
浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。
四六判240頁
価格:本体1600円+税
978-4-7949-6920-0 C0095
2016年2月25日発売
株式会社晶文社 刊行
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