山形県 恐るべしー「浅草うまいもの会」研修旅行

 6/23〜6/24「浅草うまいもの会」の研修旅行で、山形県を訪ねました。

 近年世界的な評価を得ている「タケダワイナリー」さん、蒟蒻づくし料理が有名な「楢下宿こんにゃく番所」さん、さくらんぼう生産者の「黒田果樹園」さんなどを訪問し、夜は、かみのやま温泉の「名月荘」さんで1泊しました。

  山形の皆さんは、当然みな山形弁で朴訥な話し方ですが、料理や食べ物の水準は言うと、まったく田舎っぽくはなく、結構なもので、品質とセンスが感じられるものばかりです。一同、「山形、恐るべし」と言い合って、現地を後にしました。

  今回私が、嬉しかったのは、「こんにゃく番所」の若旦那Tさんと、久しぶりの再会が出来たことです。と思っていたら、「こんにゃく番所」の料理長は、若いころ浅草の鰻の「川松」さんで修行した方だとか。「川松」の社長K子さんも料理長との再会を喜んでおられました。奇遇ってあるんですねえ。

 今回、Tさんご家族にはスッカリお世話になりました。御礼申し上げます。

  二日目の夕刻、会のメンバーが帰りの新幹線に乗り込み、缶ビールが配られて、最後の宴会(?)が始まる頃、私は一人団体を離れて、米沢で途中下車、もう1軒の訪問先へ向かいました。

 行き先は、米沢牛の名店として天下に知られた、「登起波(トキワ)牛肉店」さんです。若社長Oさんがいつも「すきや連」にご出席下さるのですが、こちらからは御店を訪問したことがなく、「機会があれば是非」と思っていました。今回、米沢のすぐそばの、かみのやま温泉まで来ましたので、寄らない手はなく、Oさんに連絡を入れると、駅まで出迎えて下さいました。

  米沢牛は、言うまでもなく有名ブランドですが、「登起波」さん以下の、現地の肉屋さんや、すき焼き屋さんが元気なので、牛は皆、米沢市の食肉市場で買われてしまいます。東京の肉屋から見ると、有名なのに、実は良く知らない産地・良く知らない市場なのです。

 今回Oさんの御店の個室で、結構な御肉をつまみながら、米沢の現地事情を少し教えていただいたので、今までの、米沢牛についての不勉強が多少補えました。実に助かりました。

  「登起波」さんの御肉に、オリジナルの純米酒をいただいて、良い気分になる内、Oさんが、「実は自分も明日東京に用事があって、遅い時間の新幹線に乗るので、ご一緒しましょう」

 それは、是非そうしましょう、とOさん手配の車で、駅まで送っていただき、東京行きの新幹線に乗り込みました。

 さっき、すっかりゴチになった私は、少しお返ししないといけません。車内販売の酒をとって、東京へ持って帰るハズだった、お土産を開封。東京へ着くまで2時間半、業界よもやま話しの二次会で、あっという間でした。

  あーあ、土産食べちゃった。

 ヨメのご機嫌、どうやって獲ろうかなあ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*「楢下宿こんにゃく番所」さんについては、こちらです。

*「登起波牛肉店」さんについては、こちらです。

*「浅草うまいもの会」については、こちらです。

八王子の 壇払い(だんばらい)

 暑くなってきたせいか、先週末は、ご法事のご予約が入っていました。冷暖房完備の世の中なのに、やはり寒い時と暑い時に、お亡くなりになる方が多いですね。

 ご冥福をお祈りしつつ、仕事に当たりました。

  「ちんや」は、料理自体が生臭さですし、お寺にコミッションを払うのが愉快でないため、積極的に「ご法事の食事をどうぞ!」と宣伝してはいないのですが、故人がすき焼きをお好きだったりとかで、結構「ちんや」はお使いいただいています。

 でも、法事に参加する人数自体は、減る傾向にあって、一周忌だと10〜20名様くらいが標準です。核家族化の結果でしょう。

  そう言えば、「法事の人数が減った」で思い出すのが、八王子の「壇払い(だんばらい)」です。八王子の「エルシイ」さんと「坂福」さんを、訪ねた時のことは、このブログの4/28号に書きましたが、お二人とも、「法事の人数が減った」と言っておいででした。

 ところが、驚くのは、その人数でして、「減った結果、80人しか来ない」とかいう数字なのです。

 は、80人で「減った」んですか?

  聞けば、それが八王子名物?の、「壇払い」なのだそうです。

 普通「壇払い」と言うと、葬式のあとで、設置していた祭壇を片付けることを言いますが、八王子では、葬儀の後の食事のことを言うそうでして、しかも、列席者総出で会食する、すごい食事会なのだそうです。

 これは、料理屋にとって、売り上げとしては有り難いものの、大変な難行でもあります。

 まず、人数の見当がつきません。

「爺さんが死んだ時は200人だったから、親父なら、160人かなあ」

と、いうような感じの、極めて精度の高い?予測をもとに、仕込みをするのだそうです、料理屋は。しかも、葬式ですから、時間に猶予がありません。

  あんびりーばぶる! とてもマネできません。

  話しは少し逸れますが、料理屋業界の先輩と話していて、

「ウチの先代は、自分の法事の食事のことを、細かく指示してから死んだんだよ」と聞かされ、

「ああ素晴らしいですね。それは是非、私もそうして死にたいもんですね!」と申しましたら、即座にその場で、その人に予約を入れられてしまいました。

「予約入れとくよ! ゼッタイ、食べたいからねえ、住吉君の法事の肉。」だって。

  死なないかもしれませんよ、アナタより先には・・・

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*八王子訪問については、このブログの4/28号をご覧下さい。

Filed under: すき焼きフル・トーク,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:06 午前  Comments (0)

谷中参り 四川ランチ

 6/22は、休みを利用して、知人の御墓に参るため、谷中の「明王院」に行ってきました。

 故人は、嫁が若い頃から親しくしていただいた先輩だったのですが、今年、還暦を迎えることなく、亡くなられました。仕事の都合で、納骨に行けなかったため、今回が初めての墓参で、故人のお嬢さんも同行です。

  台東区に土地勘のない方のために解説しておきますと、谷中(やなか)とは、上野台地の西北部分のことです。歴史上の有名人が眠ることで知られる、谷中墓地がある他、多数のお寺が散在する、寺町として知られています。

 また東京芸大に近いことから、ハイセンスなショップやカフェがあります。

 同じ台東区内ではあるものの、浅草から谷中へ行く便利な交通機関が、最近までなかったため、距離感がありました。気質的にも距離感があり、台東区というより「谷根千(やねせん)=谷中+根津+千駄木地域」、「文京区の根津・千駄木と一体の所」という、イメージがありますね。

  お寺に着いてすぐ、お墓を掃除して⇒線香を備え⇒花を活け⇒合掌。3人がかりですので、30分強しかかかりません。

 その後は、ちょうど昼飯時だったので、当然なにか食べることになりました。台東区民なのに、この辺りで昼飯を食べるのは、久しぶりです。結局、谷中から千駄木方向へ坂を下り、不忍通りの、四川料理の「天外天」さんに落ち着きました。

  以前から、この場所にこの御店があることを知っていたので、私は「老舗」と思っていましたが、それは、私の勘違いで、創業21年目ということでした。でも、評判は良いらしく、平日の昼なのに込んでいます。

  食事する間、当然話題は、この後やって来る、新盆や一周忌のことになりました。お嬢さんは、一人っ子だったので、お若いのに、法事を主催しないといけないのです。

 一周忌の後には、親戚と食事をしないといけませんから、この店でも「ご法事のお献立」と題したパンフレットをもらっていました。そのパンフレットをながめつつ、「いきなり大人になっちゃったわー、アタシ・・・」と一言。

  「ちんや」でも法事をなさる方が多いですが、ご遺族が若くて、法事慣れしていない場合もあります。そういう時は、親切にして差し上げないといけませんね。

  合掌。 アーメン、じゃなかった、間違えた。 はんにゃあしんぎょう。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:41 午前  Comments (0)

昔のトレサビ、「今朝」

 皆さん、おはようございます。さて、「今朝」っていう漢字は、何と読みますか?

 「けさ」と読まずに、即座に「いまあさ」と読んだ人は、ちょっとビョーキな、すき焼き通です。

  その「いまあさ」という屋号の、すき焼き屋さんのことが、向笠千恵子先生の新連載『続すき焼き ものがたり』の最新号に載っていました。この連載は、月刊「百味」誌上にて、5月号より始まったもので、今回は7月号ですので、その第三回です。

 読むと、私も旧知の「今朝」のF会長・F社長のご先祖様が、店を創業した頃の様子が良くわかります。また、すき焼き屋の屋号に、なんで、よく「今」の字が付くかもわかります。

  くわしくは、「百味」をご購読いただきたいのですが、さわりだけ書きますと、

 その昔、牛の と畜場が、東京郊外の今里村にあり、「今」の字が付くということは、今里村から牛を仕入れている、優良店であることを示していたのです。

 逆に、今里村から仕入れていない場合は、正規の流通ルートでなく、怪しい肉である可能性があったわけです。畜産業がしっかり確立していなかった当事のことですので、すき焼き屋は、そういうPRの仕方をしたのだと考えられます。

 考えてみまするに、畜産の業界は、今でもトレサビに必死になっています。6/23にも、小島商店による、トレサビ法違反事件、つまり産地偽装事件がありました。

 明治13年からあまり進歩していないと思うと、かなりザンネンですね。

  「ちんや」は、トレサビをちゃんとやってますから、そのことをPRするために、この際、屋号をマイナー・チェンジして、

 「とれちんや」とか「ちんとれ屋」とかに変えますかね。

 でも、この名前だと、ちんどん屋に、間違われるかなあ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*『続すき焼き ものがたり』については、このブログの5/2号をご覧下さい。

*新連載『続すき焼き ものがたり』が掲載されている、月刊「百味」については、株式会社ビジネス・フォーラムへお問いあわせ下さい。(電話:03-3288-9180)

*牛トレサビ法については、このブログの6/26号もご覧下さい。

*「今朝」さんについては、こちらです。

 

 

 

小島商店事件 肉のトレサビ 肉のコンプラ 

 6/23、農林水産省・関東農政局東京農政事務所は、次のように発表しました。

① 平成22年4月から平成22年5月にかけて、東京農政事務所が小島商店に対し、立入検査を実施しました。

②この結果、小島商店による以下の不適正な行為を確認しました。

=平成21年11月から12月までの間、少なくとも国産牛肉約64.6キログラムに当該牛のものではない個体識別番号を表示して、外食事業者1社に販売したこと。

<措置>上記②の行為は、牛トレーサビリティ法第15条第1項に違反することから、農林水産省は、同社に対し牛トレーサビリティ法第18条第2項の規定に基づく勧告を行いました。

 報道によれば、山形県産の肉を「松阪牛」と偽って販売したとか。

 あーあ、こんな古典的な偽装を、今でもやる人がいたんですねえ。

  自分のホームページでは、

「産地偽装や異物混入という言葉が報道をにぎわす中、「食」に携わる企業人として強い憤りを禁じ得ません。食べものへのいたわりと感謝、―そうした小島森治の遺志を受け継ぎ、「ひとかけらの肉も生命なのだから」と、肉の一つ一つを小島商店は心を込めて取り扱っています。」

と書いているのに、この体たらくです。何をか言わんや、とはこのことですね。

  ちなみに、この会社、会社名は「商店」ですが、店というよりは、食肉の卸売がメインの会社で、規模も小さくはない企業です。それでも、トレーサビリテイーやコンプライアンスは、念頭になかったことがわかります。

  トレサビとかコンプラとか、横文字で、意味が良くわからなかったんですかね。

 わび錆び とか 金毘羅って言いますか、これからは。

「金毘羅様管主」なら、有り難く、従わないといけない感じがします・・・よね?

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*牛トレサビ法については、このブログの4/27号もご覧下さい。

Filed under: すき焼きフル・トーク,ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:03 午前  Comments (4)

浅草ぐるめトランプ

 「浅草ぐるめトランプ」なるものを作るとかで、「コーセンドー」という会社の方が見えました。

 このトランプは、その会社がオリジナル制作するトランプで、成田空港や秋葉原などの土産物店や、ネット通販でも販売するのだとか。

 載せていただくのに、費用がかかるわけでもなし、取材も簡単=商品名、店舗名、英語訳と写真撮りだけなので、お受けしました。

  どういうわけか、ジョーカーは東武鉄道の特急列車の写真だそうですが、それ以外は食べ物です。浅草のいろいろな食べ物の店が、エースからキングまでの全52枚に、ふり当てられるようですが、どの御店の、どの食べ物が、どのマークの何番になるのか気になりますよね。

 どの御店も、「4」とか「2」でなくて、エースとかキングになりたいでしょう、たぶん。

  渡された資料に付けられていた、カラーのデザイン案では、スペードのエースが天丼になっていましたから、そういうイメージのようです、「コーセンドー」さん的には。

  浅草にはスイーツも多いですが、スイーツは、やはり女性のイメージなので、クイーンは甘いものでしょう。「舟和」さんの芋ようかんとか、「西むら」さんの栗むし羊かんとかが、クイーンでしょうかね?

 浅草は、日本一のすき焼き屋の集積地でもありますから、まさか、すき焼きは粗略にはされますまい。キングしかないですよね、すき焼きは。

  うーむ、ということは、いろいろ考えていくと結局、ハートのキングか、オレ様は。

 ハートのエースは、こっ恥ずかしいから、遠慮しといて、「Kバー」のK社長に譲ってやろう。 

 え? おこしの「TW堂」のH社長も、スイートな人だって? 

  もうメンドくさいから、どうぞ勝手に、決めて下さい、その辺は。

   本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

にわかサッカーファン

 6/25は、日本=デンマーク戦です。この日、デンマーク軍の海兵隊が日本に上陸して来る、わけでは勿論なく、FIFAワールドカップの、日本=デンマーク戦です。

  ワールドカップは、テレビの視聴者数では、オリンピックを凌ぐ世界最大のスポーツイベントだそうで、今回も、開催前は盛り下がり気味だったのに、カメルーン戦に勝ったら、急に盛り上がってきました。

  ここで、いきなり申しますが、私はワールドカップが、あまり好きでありません。

 中継も見ません。だから、何で日本軍にマリオがいるのか、今も良くわかりません。 

  どこが好きでないかと申しますと、それは「にわかサッカーファン」の皆さんの、テンションの高さについて行けないのです。

 日頃Jリーグの試合に足を運んでいるような方は、サッカーのことや選手のことを良くご存じでしょうから、こういう機会に熱くなるのは自然と言えます。騒いでも結構です。

 しかし、普段そういうことに御縁のない方が、こういう時だけ、「ニッポン!ニッポン!」と騒いでいるのを見ると、「本当に、サッカーのファンなの?」と言いたくなります。

  スポーツに国対抗という意識を、過度に持ち込むのがイヤなのです、私は。

 「日本人同志で一緒に応援して、一体感が楽しい」とか、

  「ワールドカップをきっかけに日本という国を愛せるようになった」とか、言っておいでの方をテレビで良く見かけます。

  うーん、なんで今まで愛せなかったんでしょう、この素晴らしい国を。

 サッカーのナショナルチームの応援を始めるまで、国を愛せなかった・・・

 そこが違うんですね、ワタクシと。 私なんぞ、しょっちゅう、国を愛してます。

 味噌椀を飲んだ時、鰻を頬張った時、天麩羅をかじった時、日本酒の香りをかいだ時・・・こんなに素晴らしい食文化を持った国が他にあろうか、と誇らしい気持ちになります。

  グローバル化を遂げたスポーツと違って、食文化は、国とか地域社会に帰属するものです。だから、戦う敵がいなくても、すぐに簡単に、愛国心を感じられるのです。

  FIFAさん、ワールドカップはうまくいってるようですので「やめろ」とは申しませんから、儲かったら、食文化にも少しお金をまわして下さいね。よろしくお願い申し上げます。

  あ、それから、私がワールドカップを嫌いな理由が、もう一つありました。

  それは、試合のある日、自分の店がとてもヒマだから・・・

 あーあ、言っちゃた!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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OFF会の勧め

 5月15日の 読売新聞「よみうり寸評」に次のような文が載っていました。

 「今週公表の日本PTA全国協議会の調査結果(中略)=携帯電話を持つ中学生の6人に1人が「食事中や団らん中でも携帯電話は手放せない」という。

 友人のメールにすぐ返事できるようにということか。しかし、携帯を気にしながらの団らんでは、家族同士の対話は希薄になる。週末は家族で食事という機会も多いだろう。最近は大人でも携帯電話を手放せない人が多いが、たまに忘れてみるのもいい。家族で話せば分かることもある。」

 この記事は、5月15日の記事なので、文の最後の「話せば分かる」から1932年の5・15事件の時の、犬養首相の言葉へとつながるのですが、それはさておいて、今日は携帯電話のことを書きます。

 「ちんや」のように、お客様に邪魔が入ることなく、ゆっくり食事をしていただきたい、と考えている、飲食店にとって、携帯は天敵と言えます。せっかく、一家の記念になるような食事をしていただいているのに、そういうところに電話やメールが着信するのは、本当に残念です。

 またせっかく、暖かい物を暖かく、冷たい物を冷たくお出ししても、そのタイミングを狙ったかのように着信することがあり、腹立たしいこと、この上ありません。

 タイミングの問題だけでなく、通話時間がやたらと長い人がいます。携帯の電池が切れるくらい、信じられないほど長く通話する人がいます。しばらく前にも、夜遅く閉店時間を過ぎても、いつまでも通話していて、お帰りにならない方がいらしたので、いい加減に通話を止めて、お帰りいただくよう、「この際モメることになってもやむなし」と覚悟を決めて、強行に申し入れをしたところ、幸いモメずに済み、お帰りいただけた、という事件がありました。

 しかし、その御方は私がいろいろ申しても、あくまでも通話はお止めにならず、首の上下動で「分かった、分かった、帰るよ!」と示して、通話しながら帰って行かれます。

 その御方のお席は、4階だったのですが、エレベーターに乗ると電波が途切れてしまうので、通話しながら階段を4フロア分降り、玄関ホールもやはり通話しながら通り抜け、今度は、あくまでも通話しながら靴を履き、さらにまだまだ通話しながら暖簾をくぐって去って行きました。その間、お連れ様(=カノジョ)もおいでなのに、当然無視となります。

 嘆かわしい!

 そこで、「ちんや」では、お食事中、携帯電話の電源をお切りになったお客様に特典をつけようかと思っています。そうです、特典をつけて、その御席を「OFF会」にしてみませんか、と提案してみるわけです。

 本心としては、「携帯通話お断り」の店にしたいところです。店として、せっかく誰にも邪魔されることなく、ゆっくりすき焼き召し上がっていただきたいのに、途中で携帯では、台無しですから。

 でも、実際問題としては、それは難しいでしょうから、逆に、通話しない方の人を優遇するようにしたいと思います。もちろん、その組の、全員のお客様が電源をお切りになって下さる場合に限ります。

 店としての考え方を示せると思いますので、この案は、本気でやるつもです。

 請う、御期待。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 午前  Comments (0)

マッコリブーム、にごり酒

 御酒の「菊正宗」の、営業マン氏が見えました。何のご用かと聞けば、新商品「にごり」を買って欲しいとか。

「どぶろく」気分!?の甘酸っぱくて濃厚なお酒です。」とキャッチコピーがついています。

  サンプルを試すと、うーん、本当に甘酸っぱいなあ。「濃厚」と書かれていますが、アルコール度数が7〜8%と低いので、カクテル感覚の飲料ですね。酒の分類としては「リキュール」です。

  どうして、この酒を開発したんですか?と聞けば、「いやあ、マッコリがブームなもんですから・・・」

 そうか、マッコリがブームなら、そいつには「ちんや」も、是非乗らせてもらおう!と、私が思うハズもなく、酸味の強い酒は、すき焼きには合わないので、丁重にお断りしました。

  「そんなことおっしゃらないで下さいよ。これをキッカケに日本酒に入って来てくれる若い人もいると思うんですよ。」

 うーん、そうですかねえ。現存の、他の酒と比べて味の開きが大きいと思いますよ。

 むしろ、そっちよりも期待できるのは、酒に弱いが、宴会には出たい、あるいは出ないといけない、タイプの人じゃないですかね。

  「低アル商材」っていうことですか?

 そうそう、そうですね。そういう売り方なら、有りかもしれませんけど・・・

 「低アル商材」とは、アルミニウムの含有量が少ない酒のこと、では勿論なく、普通の日本酒(度数:15〜17度)に比べて、アルコール度数が低い酒のことです。最近の若者は、酒に弱くなってきたので、メーカーとしても、対応が必要ということです。

 私などは「最近の若者は、酒に弱い」というより、「鍛えられなくなったのでは」と思ったりします。私が20歳代前半のころ、つまり今から20年前には、アル・ハラ全開のハードな飲み会を、数え切れなく経験し、相当飲めるようになりました。

  でも、昨今の若い人は、簡単に「ボク、飲めないんですよ!」などとぬかします。

 なにい、そちは余の下す酒が飲めぬ、と申すか! 腹を切れい!(この行だけ時代劇)

などど言えば、今時訴えられかねません。要注意です。

 そういう場合に、「低アル商材」があれば、弱い人は、そっちを頼めば良いわけで、そもそも、そういう悶着がなくて済みますね、たしかに。

 先日も、とある若手経営者グループの飲み会が開かれた居酒屋に、ハイボールに蜜柑をしぼって入れたドリンクがありました。わざわざ、メニューを1枚、そのドリンクのために別に用意して、「是非売り込みたい」という風情です。

 そのメニューを見て、もともとハイボール懐疑論の、私は叫びました、

  ウイスキーは、それだけで美味いものなのに、炭酸を入れるなんて、如何なもんかと思うね、そこにさらに蜜柑を入れるなんて、アンビリーバブルだよ、誰が飲むんだろう?

  と、わめいていたら、私の隣に座っていた、宗教用具店ご経営の、H恵女史があっさり注文しました、

 「アタシ、これ下さい! 蜜柑の入るハイボール!」

  あ、いいんですよ、もちろん、姫様は。

  兵隊どもは、許さんぞ、ちゃんとした酒を飲めえ!

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

特別リハーサル、「浅草うまいもの会」研修旅行

 7/3に開かれる、ヴィオラ・アルタの、平野真敏さんのコンサートのチラシを配りまくっています。何を隠そう、私はこのコンサートに出演して、「お話し」をすることになっているからです。

 チラシを配りまくっていたら、料理屋の仲間に、「へー、どういう内容なの?」と聞かれましたので、それはですね・・・

 「饗応・居留地・牛鍋」というタイトルで、日本の近代食文化の、起源の話しをしようと思ってるんですよ。

 例えばね、最初にクイズを出しますけど、日本の国のトップが、外国人のゲストを饗応(=超高級な接待)するのに、日本料理ではなく、西洋料理を初めて使ったのは、いつ・どこで・誰がやったのか、ご存じですか? 

  と、さわりの部分を話してさしあげたら、結構皆さんの食いつきが良く、興味を持って下さったようでした。

  そんなやりとりをしていたら、ちょうど、6/23〜6/24の予定で、「浅草うまいもの会」の研修旅行が予定されており、その研修タイムに何をするか、「うまいもの会」のK子会長(=「川松社長」)が、プログラムを探しておられました。

 この研修タイムを使って、何か勉強になる話しを聞きたいとかで、急遽私が、「饗応・居留地・牛鍋」の「特別リハーサル」をすることになりました。その時間に充て込むものとして、私の話しは、長さが15分ですし、丁度良かったわけです。

  そういうわけで、「浅草うまいもの会」の皆さんを想定客にして、7/3と同じ話しをすることになりました。

  私の方も、丁度良かったのは、他人の前でリハーサルをできて、準備万端で当日を迎えられることです。人の前で話すのは、さほど苦ではありませんが、有料となると別です。

 今回のことは、定価@2.500円でチケットを売っている、コンサートの一部が私の出番です。2時間のコンサートの内、15分ということは、8分の1の時間ですから、単純計算してみると、@312円(税込み)が私の部分です。

 312円と言えば、食べ物なら、お菓子一個くらいは買えますから、それ以上の価値が、私の話しにないとNGです。もちろん、私目当てのお客さんなどいないでしょうから、割引いて考えますが、それでも、200円くらいの価値はないとねえ。

 そういう意味で、稽古できる「公開リハーサル」の場は、とても有り難い次第です。

  そういうわけで、ここ2〜3日は、6/23を目指して、稽古に励んでいます。

 もちろん、ジョークの稽古も・・・

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*このコンサートについて、くわしくはこちらです。

*このコンサートについては、このブログの3/10号4/30号もご覧下さい。