ブランド

最近、ずーっと考えて来たことで、でも表明することを避けて来たことがありますが、突然、何の前置きもなく本日表明いたします。それは・・・

生き物を「ブランド」って言うのをやめませんか?!

地域を「ブランド」って言うのをやめませんか?!

ってことです。

「ブランド」って、鞄や靴に付けるものでしたよね。そのまま牛に付けても良いんでしょうか?考えてみませんか。

ここでまず、ウイキをコピペーしてみましょう。

「ブランド(英: brand)とは、ある財・サービスを、他の同カテゴリーの財やサービスと区別するためのあらゆる概念。」

「当該財サービス(中略)と消費者の接触点(タッチポイントまたはコンタクトポイント)で接する当該財サービスのあらゆる角度からの情報と、それらを伝達するメディア特性、消費者の経験、意思思想なども加味され、結果として消費者の中で当該財サービスに対して出来上がるイメージ総体」

ウイキは色んな人が書き込むので、どうしても、独特のなんだか良く分からん文章に成りがちですが、とりあえず、

有名なもの=ブランドではないことは分かります。

「ブランドを冠して財やサービスを提供する側の意思を端的に表現するものとして、文字や図形で具体的に表現された商標を使用することが多い」

要するに、ブランド提供者の意思思想~言い換えれば主の信念~が消費者の意思思想に届いて、それでイメージが形成されるということでして、当然そうまで成るには、充分なやりとりが必要です。

だから当然、有名=ブランドなどという簡単なものではないことが分かります。

しかし、今時は

ブランド=有名=高く売れる=儲かる

とだけ考える人があまりに多く、結果提供者の意志思想も、それに反応する消費者の意志思想も軽視されているように思えてなりません。

その原因は、提供側と消費側の両方に在ると思います。

そもそも意思思想などいうものに無塩な提供者が、いや、無縁な提供者が、目立つことだけを念じて「ゆるキャラ」などというものを創ったり、マーケテイングごっこに金銭を費やして、「ブランド化」「ブランドビジネス」に勤しんでいますが、それで何かが伝わる筈もありません。

仕様・スペックの過激化も感心しません。所謂「こだわり過ぎ」のことです。

必要なことよりも、かなり過剰なことを行って、それを、さも重大なことのようにPRして目立とうとする人がいますね。そんなに重大なことなら、御社だけでなくて、他社も以前から取り組んでいたはずだと思いますよ。

日本酒の原料の酒米の70%を削って捨てて、芯の30%だけで酒を造るとか、モッタイなさ過ぎですし、それに芯の純粋な部分だけで造っては、かえって造り手の個性が表現できないと思います。

一方、消費側も自分の舌というものを信用せず、マスメデイアやネットを盲信して従っているのだから、銭失いをしても文句は言えません。

今時はこんな在り様なので、可愛いそうなんですよ、ブランドにされる牛さんが。

だから生き物を「ブランド」って言うのをやめませんか?!

先日「特産松阪牛」の生産者にお目にかかった時ボヤいておられたのは、

共進会(=コンクールのこと)で高値がついたことばかり報道されて不本意だ。

共進会の値は「ご祝儀相場」なのであって、私達はいたずらに高く売ろうと目論んでいるわけではない。

私達が、どれだけ牛さんに愛情を注いでいるか、それを知っていただいて、平素の取引の中で、理解してくれる買い手の方に適切な価格で買って欲しい、そう思っているだけなんです・・・

こうして育てられた牛さんのことを「ブランド」という言葉では表現しにくいと思います。

「ブランド」「ブランド」と唱えているのは県庁の「ブランド推進部」とその下請けの広告会社です。とほほ。

ついでに地域を「ブランド」って言うのもやめませんか?!

地域というものは人様が生まれ・住んできた大切な場ですよね。

ブランドの本来の意味合いにしたがって、地域の人情が広く伝わるならまだしも、やっていることは「ゆるキャラ」づくりですよね。

あれで全体を代表されてしまって皆さん、OKなんでしょうか。

なんだかなあ、です。

追伸

一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。

タイトルは『日本のごちそう すき焼き』、平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

是非是非お求めください。

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

是非。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.795日連続更新を達成しました。

 

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出身地別にみる「よく食べる鍋の種類」ランキング

ネットで、出身地別にみる「よく食べる鍋の種類」ランキングというのを発見しました。

まあ、さほどサンプル数が多くないようですが、一応見てみますと、

【総合結果】

1位…キムチ鍋(496票)

2位…寄せ鍋(380票)

3位…水炊き(357票)

ええー!

キムチ鍋がトップなんですかあ。

理由は「手軽に作れて具材の幅も広い」だそうです。

地域別に傾向が違うそうで、

北海道や東北、関東、中部は『キムチ鍋』、

北陸や関西は『寄せ鍋』、

中国・四国から九州にかけては『水炊き』が多いとか。

秋田県では『きりたんぽ鍋』、

石川県では『鶏野菜鍋』、

福岡県では『もつ鍋』と、“ご当地鍋”が1位を獲得している県も。

また、沖縄県では、気候が温暖なためか、『すき焼き』が1位となっている。

「気候が温暖」だとすき焼きになるんでしょうか?

それに、このブログの2014年2月4日号に書きました通り、沖縄の「スキヤキ」は鍋料理ではないんですよね。

スキヤキはすき焼き屋のメニューではなくて食堂のメニューで、皿に盛られて出てくる一品料理です。調理されて皿に盛られて出て来るもので、卵は、たいていその皿の中心に半熟の状態で乗って来るようです。

皿に盛られて来るので、鍋とは言えないんです。

沖縄以外で、すき焼きが上位に来るのは、千葉県と大分県。

???

どちらもすき焼きが好きという評判はないですけどねえ。

ネットには色んな情報が出ていて、すき焼きに関する情報を、私は一応チェックはしているんですが、色々ですね。

内閣支持率じゃないですけど、一喜一憂しないのがよろしいようです。

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大和言葉

最近、警視庁の創設者・川路利良が書いた『警察手眼』を読んでいることは、このブログの1/21号に書きました。

読みますと、国家建設に邁進した明治人の、ストレートな言葉の数々に圧倒されます。

例えば、警察官というものは、

「おのおの、その陋心を断絶して、天然固有の良心に復すべし」

いやあ、よく言うよ!と突っ込みたくなる位ストレートです。しかもこれを言っている川路は当時40歳代。

最近では「大和言葉で美しく話しましょう」と呼びかける本が売れているそうで、たしかに「感動した」と漢語で言うより、「心にしみた」「心を打たれた」と言った方が、ニュアンスが伝わると思いますが、私個人は実は漢語がわりと好きです。

このブログも、読み易くするために漢語を減らしていますが、書いている本人は文語loverなんですよね。読んでいてリズムが良いですからね。

『警察手眼』では「陋心(ろうしん)」と「良心」という漢語が音感のポイントです。

『五箇条の御誓文』では、

「旧来の陋習を破り、天地の公道に基づくべし」

→「陋習(ろうしゅう)」「公道」がポイントですね。

ロシアとの日本海海戦では、

「本日天気晴朗なれども波高し」

→「晴朗」がポイントです。

好きなんですよね、こういう感じが。

理想を語る時って、どうも、漢語が合うような気がします。

しかし、その文語が昭和・戦前に下って来ると、「大風呂敷感」が出てきてしまいます。

太平洋戦争の開戦の詔書は、

「東亜永遠の平和を確立し、もって帝国の光栄を保全せんことを期す」

→「永遠の平和」「帝国の光栄」って、どうにも浮ついてますよね。理想と大風呂敷って違うと思うんです。

こういう昭和の漢語が嫌いで、それで漢語全体が嫌いになった人も多いのではないかと思います。

そう、私は明治の漢語が好きで、昭和の漢語が嫌いです。

司馬遼太郎が解明しようとした一大テーマは、明治がどうして昭和に変容したのか、でしたが、私なりに回答すれば、それは、そこに理想が在ったか、の違いだと思います。

要するに、言葉は表現ではなく内容なのではないのか、それが『警察手眼』を読んだ感想です。

追伸

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大阪のすき焼きはオトンが主役

『秘密のケンミンSHOW』がついに「大阪のすき焼き」を採り上げるようです。29日夜9時放送だそうです。

日本テレビ系の『ケンミンSHOW』はこれまでも「高知のすき焼きには葉ニラが入る」といった、すき焼きネタを使って来ましたが、ついに本丸とも言うべき「大阪のすき焼き」がやって来ました。

今回の大阪特集は二週連続だそうで、前編の「ボケとツッコミだけやないんやで!大阪府民のホンマの姿見せたるわSP」は22日、関西地区で視聴率24.4%を獲得し、2007年の番組開始以来の最高記録を更新したそうです。関東地区でも15.7%を獲得し、今年度最高視聴率を記録したとか。

さて、それに続くのが29日の「大阪スペシャル第2弾」「大阪のすき焼きはオトンが主役!?」です。

私としては、これでも良かったのですが、関東でもやはりすき焼きは「パパが主役」なので、次回は、

「関西の学生コンパは料理がすき焼き!」というのをやって貰えないかなあ?!と思います。

何故って、関西の方が関東より、大勢ですき焼きをすることが多いと思うからです。

このブログの1月22日号で阪神タイガースの「虎風荘」の話しを書きましたら、関西出身の知人SEKさんから、

「関西の大学のコンパ、運動部の納会などはだいたいすき焼きだったと思います。つくるのは席の誰か」というコメントが来ました。

甲子園球児が泊まる「ホテル竹園芦屋」さんの食事がすき焼きであることは有名ですが、その他にも地元の大学のコンパは料理がすき焼きであることが多いそうです。ホテルの元調理長で『巨人ナインが愛した味 – 情熱料理人「梅ちゃん」のおいしい交遊録』の著者である梅田茂雄さんからも、そういう話しを聞きました。「竹園」さんですき焼きなんて贅沢なことです。

ネットでTwitterを見ていても、京大ボート部の新歓コンパがすき焼きなのを発見したりします。

いかがでしょうか、日本テレビさん、

「関西の学生コンパは料理がすき焼き!」

やってみませんか?

追伸

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神戸ビーフ

次回「すきや連」は「ホテル竹園芦屋」さんで開催することに決まっていますので、先日うちあわせと会場の下見に行って参りました。

さて「竹園」さんはホームページのトップに「JR芦屋駅前にある美味しいお肉(特選但馬牛)を食べることの出来るホテルです」と表記しています。さすが肉屋発祥のホテルと思いますが、ここで質問です。

「但馬牛」って何でしょう。

兵庫県とは言えば「神戸牛」が有名ですが、「神戸牛」は「但馬牛」ではないんでしょうか?

はい、もちろんそれも調べて来ました。

答え=「神戸牛」は「但馬牛」です。「但馬牛」の中の、一定の基準を満たした牛を「神戸牛」と言っているのです。

基準は「神戸肉流通推進協議会」が定めています。コピペしますと・・・

・兵庫県内の繁殖農家(指定生産者)のもとで生まれた

・兵庫県内の肥育農家(指定生産者)が最低月齢28カ月以上育てた

・メスでは未経産牛、オスでは去勢牛

・脂肪交雑(「サシ」の入り具合)はBMS値No.6以上

・枝肉重量がメスでは230kg~470kg、オスでは260kg~470kg

です。

これについて私見を言わせていただけば、

・仔牛の生産者を県内に限っているのは良いことです。他県から仔牛を導入している所が多いですからね。

・肥育期間を定めているのは良いことですが、28ヵ月では米沢牛の32か月以上に比べて見劣りしますね。

・性別は、やはりメスに限って欲しいところです。経産牛(出産を経験したメス牛)でも良いと私は思います。肥育期間が短いのも、オスの去勢牛をOKにしているからでしょう。

・体重制限が在るのは良いことですが、450kg以下だった重量基準を2006年に470kg以下に上げてしまったのは気にいりません。これ以上増やさないで欲しいものです。

・・・このように高級但馬牛=神戸牛と思っていただいてもOKなのですが、高級但馬牛をあえて「神戸」と言わず「但馬」として売ることも出来ることは出来るので、完全に高級但馬牛=神戸牛とは言えません。

そもそも、こういう奇妙なことが行われている理由は二つあります。

第一の理由は、海外で「Kobe-Beef」が有名だからです。

このブログの2013年9月11号に書きました通り、神戸に牛肉を普及させ「神戸ビーフ」の基礎を築いたのは、明治時代の外国人キルビーとハンターでした。以来「神戸ビーフ」は海外で有名です。

神戸で牛は飼っていないのにね。

もちろんブランドというものは産地ブランドに限ったものではなく、「千住葱」のように千住で葱は育てていないのに葱市場のある地名をブランドにしている場合もありますから、別に不当なものではありません。

「神戸」は「千住」に近いケースで、飼っていないのに有名だったものだから、やはりそれはブランドとして整備しようということになったわけです。

第二の理由は、但馬の公使が有名、いや、但馬の仔牛が有名だったからです。この血統は、脂の融点がとても低い血統で、おそらく世界一低いです。

この血統の仔牛は、以前は地元で最後まで肥育されるより、むしろ、松阪や近江へ連れて行かれました。仔牛のブランドとして有名だったのです。

但馬すなわち兵庫県北部から、はるばる松阪まで牛を連れて行ったわけで、大変なことです。それだけ但馬の仔牛が欲しかったのです。

このように「神戸ビーフ」はそもそも産地ブランドではなく、流通地のブランドであったのに、同じ県内に仔牛のブランドがあったので、それを定義に取りこんだのです。

・そもそも流通地のブランドであった

・同じ県内に仔牛の有名な産地があった

という二重の特殊性の故に、牛がいない土地(=神戸)の地名を冠したブランドが出来たのです。

但馬国が摂津国と合併して兵庫県に成らなければ、こういうことには成らなかったかもしれませんね。

分かりにくいぞ!

と思った方、文句は初代兵庫県知事の伊藤博文に言って下さい。

以上のことは、私のようにブランドにこだわらず「旨い牛や旨い」という立場の人間には、さして重要なことではありませんが、一応、まあ弊ブログの読者の皆さんの為に解説しておきました。

あー疲れた。

追伸

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訃報と抱負

訃報というものは大抵FAXで送られてくるものです。

当会会員の○○様、かねて療養中のところ薬石効なく、×月×日逝去されました。享年△歳でした。通夜・告別式は・・・というアレです。

形式が整っている分だけ、くわしい経緯は良く分からないことがほとんどです。

一方、数は少ないですが、私の場合店でお客様と接していて、口頭でご遺族から直接訃報を聞くことがあります。

今年ももう1件・・・

ある日曜に、いつもご夫婦で見える方~お医者様だったのですが~の奥様とご子息が見えました。見えるのは決まって病院が休診の日曜・祝日でしたが、その日は日曜なのに御主人がお見えでないので、おや?と思っていると、なんと、

ご主人は昨年の暮れに亡くなったと言います。

ええ?!

12月にもたしか一度見えましたよね。

ああ、その4~5日くらい後でしたかね。死ぬ前日まで診察してたんですよ。それが次の朝気づいたら、亡くなってましてね。まあ、最後まで仕事が出来て、好きなものが食べられて良かったと思ってますよ、と息子さん。

そうでしたか。お悔み申し上げます。永いこと在り難うございました・・・

このブログを続けて読んでいる方は、

お客様が亡くなった、という記事がたまに出て来ることにお気づきになったと思います。

それは、私が実は疫病神だから、では勿論なく、ハッキリとした理由があります。

お年寄りが食べ易い肉を提供しているからです。

人間胃腸が衰えるとタンパク質を消化しにくくなりますが、熟成させることでタンパクが減ってアミノ酸が多く成っている肉なら消化し易いです。また肝臓・胆嚢が衰えると脂肪を消化しにくくなりますが、元々融点の低い(=融け易い)脂なら消化しやすいです。

アミノ酸が多く+脂の融点が低い肉=消化し易い肉=それこそが「ちんや」の肉です。

・消化力が落ちても肉はやはり食べたい

・しかし世の中に高齢者が食べ易い肉は少なく、食べると気持ち悪くなってしまうのが辛い

・この先長くないのだから、貴重な食事の機会には美味しいものを食べたい

だから、

ウチのお爺ちゃんは「ちんや」さんの肉しか食べないのよ!

ということになります。その状態で長生きして下さり、「ちんや」に通い続けて下されば良いのですが、絶対に死なないという人は存在しないので、やがて悲しい報せに接することになります。

それで、お客様が亡くなったという記事がこのブログにたまに出て来るのです。

ここで突然に、私の今年の抱負ですが、

今年はますます、お年寄りが食べやすい肉を提供して参りたいと思います!

うーん、それってビジネスとしては将来性がないよね。気持ちは分かるけど、商売人なら冷徹に、将来有望な若い人をメイン客層にした方が良いのでは?と思った方に申し上げます、

Non, Non, Non! (時節柄、急にフランス語)

それは正しいようで正しくありません。

何故って、「客」というものは一代限りではありませんから。

ある方の個体が亡くなっても、お子さんに継承されるのです。

別のお客様のことですが、去年のある日、私は一組の若いカップルを玄関から個室へ案内しようとしました。そのエレベーターの中で、カレシがカノジョに話しかけていたことは・・・

この店はねえ、死んだ爺さんに連れて来られた店なんだ!

嬉しい話しですね。

「死んだ爺さんと来た」店に連れてくる女性なのだから、おそらく本命のカノジョなのでしょう。

上手く行けば「ゴールイン」して、お子さんが出来、いつかそのお子さんと一緒に来て下さるかも。

上手く行って欲しい。是非。

その子が来れば、「ちんや」の客としては「死んだ爺さん」から数えて四代目になります。このように「客」という立場は継承されるのです。

少し話しは反れますが、私は自分がこの店の六代目だということを、さして自慢に思っていません。何の努力もせずにそう成ったからです。

しかし、この店で「客の四代目」「五代目」「六代目」が誕生するなら、それは誇るべきことです。

いや、この世でこれ以上に誇らしいことは無いと思います。

「主の六代目より客の六代目」です。

だからますます今年は、お年寄りが食べやすい肉を提供して参りたいと思います。

今日1月26日は、1872年に明治天皇が初めて牛肉を召し上がった日ですので、だいぶ遅れた、今年の抱負を申し上げました。

お後がよろしいようで。

追伸

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福井の伝統野菜

向笠千恵子先生が「校長」をしている「郷土料理伝承学校」を聴講して来ました。

「郷土料理伝承学校」は、食の最前線で活躍している生産者、食品流通業者、食材研究家、料理人などが地元の郷土料理を語るもので、今年で3年目。

日本各地の農山漁村において、その風土や歴史、先人の知恵とともに脈々と受け継がれてきた郷土料理を、伝え広めていくことを目指しています。

さて私が聴いた回のテーマは福井の伝統野菜で、講師は元福井県農業技師の玉井道敏さんでした。

伝統野菜は、淘汰を繰りかえしながら何百年も生き続けてきた野菜ですが、近年食材の流通が画一化・標準化する中で、すっかり居場所を狭めて来ました。

しかし1980年代に、その傾向を憂えた故・高嶋四郎・京都府立大学名誉教授の指導の下「京の伝統野菜」が定義付けされました。

今回の講師の玉井さんは、その高嶋教授の薫陶を受けた後福井県庁に入り、福井の伝統野菜を掘り起こす活動をなさって来ました。

今では東京都を含む20県ほどが伝統野菜に力を入れていますが、福井県は早い事例と申せましょう。

福井の場合、伝統野菜を「その地域で自家採種しながら、100年以上作られている野菜」と定義していて、種を自分で獲ることをポイントにしています。

伝統野菜の農家さんは、最近では「DNA遺産」として関心を持たれるようになり、行政や市民団体の支援を受けられるようですが、指定野菜28種の中には「継承者が一人だけ」「いったん断絶して復活した」というのもあったりして、現実はなかなか厳しいようです。

そこで県庁は、そうした野菜を製品化・六次産業化して、ブランドにしようと考えているようです。

と、いう次第で野菜を製品化することになるわけですが、福井は蕪の名産地なので、出来上がりは、

漬物。

試食の漬物をたくさん食べている内に、私は、

うーん、すき焼きの付け合わせにしたいなあ!

と思いました。

「ちんや」の店でも最近すき焼きの付け合せにマイタケのピクルスを出していますが、偶然にも福井の人も赤蕪のピクルスを製品化していました。これもすき焼きに合いそうです。

すき焼きは甘!辛!旨!の三味が圧倒的なので、酸・苦が足りません。そこを蕪の酢漬けが補って良いと思います。

言い方を変えますと、酸・苦が無いと牛鍋などと申すものは、ジャンクフードと変わらない存在に成ってしまいます。是非漬け物・ピクルスと一緒に食べていただきたいと思います。

それにしても、漬物オンパレードはチト辛かったですなあ。

奥井さんの昆布も在るわけだし、試食は鍋が良かったかと・・・

追伸

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すき焼きをくわな!

く、桑名を「すき焼きのまち」として有名にするんですか?!

そういうサイトが既に出来ています。

たしかハマグリのまちでしたよねえ。

まあ、「柿安」さんの本店が在りますけど。

そのサイトによりますと、「柿安」さん以外にも、

「桑名市は、お正月に家庭ですき焼きを食べる地域で、日常的にもその味が親しまれています。」

・・・だそうで、おそらくはギョウザ消費量日本一を宇都宮と浜松とが争っていることに、アイデイアを得たのでしょうが、もう少しパッとした根拠が欲しいですな。

キャッチコピーは、

「桑名に来たら、すき焼きをくわな!」ですか。

まあ、いいんじゃないですかね、私のジョークと同程度に。

で、

「すき焼きのまち」として桑名をプロデュースするための仕掛けを考えてください!」

ほお、アイデイアを募集しているんですか!

「たとえば嬬恋=妻恋として愛妻家の聖地を名乗る長野県嬬恋市のように、これまでの地方自治体では考えられなかったような、新しい視点、ユニークな方法の提案をお待ちしています」

嬬恋村なら、たしか群馬県ですけど細かいことはスルーしまして、

企画のポイントは、

①何があったらすき焼きのまちとして、知名度を上げられるか考えてください。

②なぜそれを、みんなが話題にしたくなるか教えてください。

③プロデュースの方法について、具体的に書いてください。

んで、

「すき焼きのまち」として桑名を売り出せそうなアイデアは、市の施策として実行いたします」

んああ。「行政がらみ」ですかあ。

去年から群馬県が「ぐんま・すき焼きアクション」をやっていますが、ライバルが登場してしまいましたねえ。

弊案ですが、

「桑名市民はおせちを桑名い!」

ということで、時季を正月に限定した上で、

「日本一正月っぽい」すき焼きを創ってみてはどうでしょうかね。

このコピー、我ながらG.J.だと思いますが、おせち業者から異論が出るから、行政さんにはこういう尖がった企画はムリでしょうな。

「ちんや」で貰いました、その企画。

ひひひひ。

追伸

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配信中止

音楽好きの父に宛てて、某大手レコード店から連日メルマガが届くのだそうです。

日に1通ならまだ許せるけど、日に3通も4通も来るのだそうで、さすがに鬱陶しく思って父が配信中止を申し入れたところ、驚くべき返事が来たそうです。

まず配信中止は了解。

しかし個人情報をQQ社とPP社に譲渡してしまったので、そちらからの配信は止まりません、悪しからず。という内容だったそうです。

企業が個人情報を貰う時って普通「弊社の販売促進以外の用途には利用致しません」って誓約してから貰う筈です。

なのに平然と「譲渡してしまったので止まりません」とは近頃驚いた話しです。

父には裁判に踏み切るよう勧めておきました。たぶん勝訴して3.000円位貰えると思いますが、さてその後どうなったかは関知しておりません。

それにしても、こういうことをする業者がいるから、世間が個人情報に過敏に成って、普通の商売すらやりにくくなるんです。

やれ、個人情報を置く部屋を決めて、

施錠して、

その鍵を扱える人を選任して、その名簿を作って・・・

あー、めんど。

弊社も「ちんやメンバーズカード」に入会した方の名簿を持っています。DMを送るために住所を書いていただいているだけですが、それでも立派な「個人情報」です。

でも、この際ハッキリ申しますけど、買った情報は1件もありません。むしろ会員さんは入会金を「ちんや」に納めて=金を払った上で情報を登録します。

こちらも不要な情報は採りません。住所が必要なだけです。

それから、もう一つだけ。お客様の記念日=誕生日とか結婚記念日、あるいは先代の命日。それを教えていただき、その直前にDMをお送りしています。

年収が多いのか、偉い人なのか偉くないのか、そういうことは私は知りたくもありません。

その方が、結婚記念日に奥様とすき焼きを食べたいと思う方なのか、それだけを店に教えて下されば嬉しいのです。

なのに個人情報保護!のかけ声の下、どんどんメンドウな状況に成っています。

元はと言えば「情報は金で買えば良い」と考える業者がいるからなんですけどね。

実に見下げ果てた会社です。それにコスパだって悪い筈です。その名簿に載っている人がオタク様の会社を愛してくれる確率はとてもとても低いと思いますよ。

こうなったら、名簿を売ること・買うこと自体を全面的に禁止するべきなんじゃないでしょうか。

そうすればスッキリしますよ。マジで。

追伸

一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。

タイトルは『日本のごちそう すき焼き』、平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

是非是非お求めください。

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

是非。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.787日連続更新を達成しました。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

虎風荘

ほおお、「虎風荘」の初日は、すき焼きが恒例なんですね!

「虎風荘」というのは、プロ野球「阪神タイガーズ」の選手寮のこと。今年も新人5人が入寮、その初日に恒例のすき焼きが振る舞われたそうです。

肉は神戸牛。

今年のドラフト1位・横山選手は、

「すごかった。びっくりした」

と感激していたそうですが、どこがどうすごかったんでしょう?

気になって、スポーツ各紙をチェックしてみましたが、

「すごい」

「神戸牛」

以外の情報は得られませんでした。まったく取材が浅いですな。

それ以前に、神戸であれば関西風すき焼きの筈ですが、誰が作るのか。寮の食堂の人がやってくれるのか。

関西人なら自分で関西風に作れるかもしれませんが、阪神には各地から選手が入る筈で、実際横山選手も新日鉄住金鹿島の出身。出来たんでしょうか。

疑問は解決しません。

時に、阪神と言えば巨人ですが、その巨人が甲子園球場で阪神戦に臨む際の定宿「ホテル竹園芦屋」さんは、以前からの「すきや連」のメンバーで、次回(=第20回)「すきや連」例会は、「竹園」さんで開こうと考えています。

「竹園」さんは、肉屋から発祥したホテルという大変珍しい存在で、それだけに肉料理が美味しいことで評判です。元調理長の梅田茂雄さんが、

『巨人ナインが愛した味~情熱料理人「梅ちゃん」のおいしい交遊録』という本を出しているくらいです。

阪神の方も対抗して、是非本を出して欲しいものです。

追伸

一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。

タイトルは『日本のごちそう すき焼き』、平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

是非是非お求めください。

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

是非。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.786日連続更新を達成しました。

Filed under: すきや連,すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)