大警視

旧臘のことですが、運転免許を更新に行きました。

誕生日が12月なので免許の更新も12月でして、店の繁忙期に、この時間のロスはつらいものがあります。

だからロスは挽回せねばなりません。挽回すなわちブログのネタ拾いです。

もちろん免許更新センターでのネタ拾いは簡単ではありませんでしたが、トライはしてみるものです。私は通路に「警察博物館」のパンフレットが置いてあるのに気づきました。

さて「警察博物館」の2階展示室の主役は川路利良です。初代・大警視で警視庁の創設者ですね。

無理やり川路をすき焼きにつなげますと、牛鍋チェーン「いろは」を創業した木村荘平が上京したのは川路に招かれたからですが、木村のことは以前このブログで書いたので、今日は川路本人のことを書いてみます。

思いまするに、今日まで日本の治安が保たれているのは警察力に依るところが大きく、元をただせば川路のおかげと言っても大げさではないのですが、川路のことは現在ではあまり話題にならないと思います。

話題にならない理由としては、

45歳で、偉く成る前に死んでしまったことと、

薩摩出身でありながら、西南戦争で薩摩討伐の先頭に立ったこと、

があると思います。チト暗いイメージが付いてしまっていますね。

しかし警察制度創始者としての川路の評価は高いものがあります。そのことが博物館の展示にも表れている次第です。

警察の在り方を示した川路の語録は『警察手眼』として編纂され、警察官のバイブルとして現在も広く読み継がれているそうです。

川路が固く信じましたのは、警察こそ日本国を文明へと牽引する源だということでした。

今日例えば、オリンピックを招致するに当たっても、治安がポイントになりましたが、

警察=治安=文明

という川路の信念は、実際に、その後の日本の姿を決めた、と申せましょう。

その文明の前にあっては西郷すらも排除すべき存在だったのであり、だからこそ川路は西郷と戦ったのでした。

そして、さらに驚かされることは、その業績が、わずか7年ほどで成し遂げられたことです。川路がフランスを視察して警察の重要性を知ったのが明治5年。そして川路の死は明治12年。

大事を成すのに必要なのは時間ではなく、信念であることが分かります。

皆さん、信念おめでとうございます。なんちって。

追伸①

年始の営業案内です。

1月1日のみ休業し、2日から12日まで休まず営業致します。

どうぞ御利用下さい。

追伸②

一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。

タイトルは『日本のごちそう すき焼き』、平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

是非是非お求めください。

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

是非。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.768日連続更新を達成しました。

 

Filed under: 憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)