看板猫

新聞に「ジロリ」が大きく採り上げられていました。
紙面の四分の一位が、浅草演芸ホールの看板猫「ジロリ」に使われていました。2年前に『ジロリの落語入門』(河出書房新社)という本が出て以来、すっかりスターです。
本業はネズミ退治で、実績は6匹。
最近は本業より切符売り場での接客に力を入れています。と、言っても売り場のガラスの向こう側で寝ているだけですけど。「癒される」と会いに来る人が多いんだとか。
これからも、かげニャがら浅草支えてもらいたいものです。
が、この記事に付けられた写真で、私が気づいたことがあります。寝ている「ジロリ」の横に、
「木戸銭、売店等のお支払いは現金のみとなります / 浅草演芸ホール」
と注意書が掲出されています。
キャッシュレス社会なんか、軽く無視しています。
流石だね、ジロリ君。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は3.502本目の投稿でした。

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リクエスト食

淀川キリスト教病院の「リクエスト食」の件が文庫本になりました。
『人生最後のご馳走 淀川キリスト教病院ホスピス・こどもホスピス病院のリクエスト食 』(青山ゆみこ著、幻冬舎文庫)
この病院の緩和医療内科ホスピスつまりガンなどの終末期の患者のケアを担当する部門では、2012年の設立時から毎週土曜日の夕食に「リクエスト食」という取り組みを行っていて、素晴らしい医療だと評判になっています。
2013年5月放送のNHK『クローズアップ現代』でも採り上げられて評判でしたが、その時は最後の食事としてすき焼きを注文した、ガン患者の男性が登場しました。
その方は末期の食道ガンで、ほとんど食べることができない状態でした。腸から直接栄養をとる、腸ろうを付けていますが、口から食べることにこだわっていました。闘病生活を支えてくれる妻に、食べている姿を見せてあげたいと思ったからです。
そして、すき焼きをリクエストしました。
「嫁はんも一緒に私も一緒に、一緒にお鍋を突っつこうねって、2人で。2人だけにとって、いい思い出が出来れば、もうそれで」と。
その夫婦は鍋が大好きでした。しかし病に襲われ、ゆっくりと鍋を囲む時間を持つことができませんでした。それで、食べられなくても、鍋を囲んで久しぶりの夫婦の時間を持ちたいと、すき焼きを希望なさったのでした。
結局、この方が食べられたのは豆腐一口だけでした。
しかし「2人で温泉かどっかに来てるみたいだね」と喜んで、10日後に亡くなりました。
このように、できるだけ選べるようにしていくということが、その患者さんの、その人らしさを支えると、この病院では考えて、「リクエスト食」を実践しています。
そして、患者さん達が要望する食は一人一人の人生の思い出と結びついたものです。
食の力が人の心を向上させ、癒すことができるという実例ですね。素晴らしいことだと思います。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
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アクションプログラム

「東商オリンピック・パラリンピック アクションプログラム」の一環だとかで、東京駐在の外国人記者の方々が東京の魅力に触れるツアーが開催されました。
在り難いことに、その一部に「ちんや」も選ばれまして、商工会議所本部の方が外人さん達を連れてみえました。
なんでも、この活動には「4つの柱」なるものがあるそうです。
・東京のホスピタリティを世界に発信する
・地域の魅力・文化を世界に発信する
・中小企業の底力を世界に発信する
・2020年大会に向けて、東京が抱える課題を解決する
それに「ちんや」が該当するかは分かりませんが、とりあえず、すき焼きだけは自信がありますから、食べていただきました。
加えて、ご主人も何か話してくれと申します。明治以来のすき焼きの歴史などを話させていただきました。
大勢様でご来店、ありがとうございました。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
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13冠達成

やりました、なんとか13冠を達成しました。
肉の食べくらべキャンペーン「めざせ13冠 ちょい食べGO!」の13冠を、私自身が達成しました。
ちんやビル地下の直営レストラン「ちんや亭」のメニューを改訂して「肉の食べくらべレストラン」ということに致しましたのが昨年8月。それから1周年を記念して、ちょい食べGO!を先月から開催させていただいております。
これはいったい何かと申しますと、
「ちんや亭」の肉メニューを召し上がった方にスタンプカードをお渡しし、1種類食べるたびにスタンプを1個押して行くキャンペーンです。
5種類、7種類、13種類を召し上がった時点で、それぞれ称号と特典がもらえます。
《3冠(3種完食)》特典=「ちょい食べマグネット」進呈
《5冠(5種完食)》称号=牛五段、特典=ちんやお食事券1,000円進呈
《7冠(7種完食)》称号=牛聖、特典=ちんやお食事券2,000円進呈
《13冠(13種完全完食)》称号=永世牛王、特典=ちんやお食事券5,000円または肉1㎏進呈
で、私は週二回のペースで食して来て、8週で達成したという次第です。
私より先に13冠達成したお客様がおいでなのは、驚き、在り難いことだと思います。皆様もよろしかったら、ご参加を。
実施期間は2019年8年1日~2019年11月30日までです。
*ちょい食べサイズはもちろん、 レギュラーサイズを召し上がった場合でもOKです。
*「食べくらべ」が主眼ですので、同一料理を再度召し上がった場合は、スタンプの追加はありません。悪しからず。
<このキャンペーンを通じて、住吉史彦が皆様にお伝えしたいことは>
肉は「ガッツリ」ばかりが良いのではなく、「ちょい食べ」も楽しく、そして世の中の為(フードロス削減)にもなる、ということです。

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東京食材ビストロ

渋谷の「ミニヨンTOKYO」さんに行ってきました。
「ミニヨンTOKYO」さんは「東京食材ビストロ」です。
「東京野菜」を中心に東京産食材にこだわり、様々な創意工夫をこらしたビストロ料理を提供しています。味つけの基本はフレンチ。
「東京野菜」を普及させている青果店「大治」さんの紹介でお訪ねしました。
実は東京都内には結構、野菜の生産者さんがいます。生産規模が大きくないので、知名度のあるブランドには仕立てにくいものの、バラエティーは豊かで、その理由は、この辺りが南の野菜の北限で、北の果物の南限でもあるからです。
住宅地に隣接しているので、農薬の散布量も控えめだとか。
それを「大治」さんが流通させ、「ミニヨンTOKYO」で料理として食べられるという次第です。(野菜料理専門ではないです。東京の魚や豚もあります。)
気軽に行けて、隠れ家感もあり、しかし食材はちゃんとしている、こういうお店って、意外と少ないかもしれません。
御馳走様でした。

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ニッポンチ!③

小学館の文芸雑誌「qui-la-la」(きらら)で河治和香先生の新連載「ニッポンチ!」が始まりました。
和香先生が、「駒形どぜう」の三代目を主人公にした小説『どぜう屋助七』(2013年)にウチのご先祖を登場させて下さって以来、新しい連載が始まるのを楽しみにしておりますが、今回は明治の浮世絵師を主人公にした小説です。登場する絵師の作品がウチにあったりしますので、なおさら楽しみなことです。
登場するのは歌川国芳門下の絵師たち。国芳には歌川芳虎、芳艶、芳藤、落合芳幾、さらには月岡芳年、河鍋暁斎といった弟子がいましたが、国芳が幕府に逆らう位の人だったので、弟子達の性格も皆ユニークで。その人物描写もまた、この小説の面白いポイントだと思います。
連載3回目の10月号の中心になったのは、暁斎でした。暁斎が国芳の門下にいたのは短期間だったので「弟子」とは言い難いのですが、生き様が明治の絵師の中では国芳一門らしいと言われます。
さて、その暁斎のことで今回嬉しかったのは、暁斎が『安愚楽鍋』(あぐらなべ、1871年)の挿絵を描くことになるまでの経緯が書かれていたことです。
今では外国でも評価の高い暁斎ですが、この頃はまだそれほどでもありませんでした。
第2回内国勧業博覧会(1881年)に出品した作品が百円という破格の値段をつけたり、
浅草十二階を設計した、お雇い外国人ジョサイア・コンドルが暁斎に弟子入りし、コンドル経由で評価されたりして行きますが、明治初年はまだ。暁斎は滑稽本の人気作家・仮名垣魯文と組んで、挿絵を描きまくっていました。
国芳門下から出て武家出入りの絵師の家に婿入りし、しかし不品行で、その家を離縁されたので、描きまくるしかなかったのです。その内の一作が『安愚楽鍋』だったというわけです。
当時「牛屋」と呼ばれたすき焼き店に集う客を描きながら、当時の風物を巧みに描いた一作で、すき焼き屋のバイブルですね。
後半の暁斎だけを知っていると、この人がなんで滑稽本なんかに描いたのかなあ・・・と思ってしまいますが、経緯はそうしたことでした。面白い話しです。

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弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は3.497本目の投稿でした。

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かんこう

「かんこうする」という言葉を学びました。
これは名古屋弁ですが、標準語で「勘考する(考え、思考をめぐらす)」と「敢行する(押し切って行う)」の、両方の意味をも含ませて使うのだとか。
例えば「この件をよぉかんこうしといてちょ」とか。
この言葉が出てきたのは、名古屋の豆菓子の「豆福」さんの創業80周年イベントの中ででした。80年を記念して、「豆福」会長・福谷正男さんがお好きだという落語会が盛大に開催され、落語も勿論面白かったのですが、会長が80年を振り返る挨拶の中で、創業者で先代の福谷正敏さんが「かんこう」した話しが出てきました。
「豆福」さんは戦中に創業、そして戦後、甘いものに飢えていた日本人はあらそって菓子を食べ、豆菓子も作れば売れる時代があったそうです。
しかしやがて、日本の国情は良くなってきて、作ればなんでも売れる時代ではなくなりました。
で、そうした状況を正敏さんが「かんこう」して作ったのが、「山海豆」でした。「山海豆」は、昆布と椎茸から引いたダシで大豆を調味、有明海苔で丁寧に手巻きした豆菓子です。山と海、生まれの異なる素材がひとつになった山海豆は、当時高級感があり、デパートなどで進物に売れてヒット商品になったそうです。
やがて「豆福」さんは製造だけでなく販売部門も設立、デパートや中部国際空港にも出店。伊勢志摩サミットでは記念品に採用され、パッケージデザインの分野でも賞を獲るなど御発展です。
「かんこう」がスタートとなって成功なさったのですねえ。
80年記念会も盛大で結構でした。誠にお芽出とうございました。

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あか牛

土佐あか牛が手に入ったので、すき焼きにしてみました。
土佐あか牛は褐毛和種という、和牛4種の内の一つで、高知県の山間部で飼われています。
元々頭数が少なく貴重なものでしたが、昨今の赤身ブームでさらに希少感が増し、高値で取引されています。
が、土佐あか牛は真っ赤な赤身肉ではないです。
黒毛和種よりはサシが入りにくいという、比較の話しでして、それなりにサシは入ります。赤身とサシの両方あるのが土佐あか牛なのですが、赤身ブームに乗っているのは、名前が「あか牛」だからでしょうか。
さて、食してまして、結構ではあるのですが、脂の甘味や甘い香りがやや物足りなく、すき焼きにするには、やはり黒毛だよなあと思ってしまいます。どうしても。
なんでも、土佐あか牛のサシは不飽和脂肪酸が多いとかで、であれば融け方は良いはずなのですが、それと甘味は違うのですねえ。
勉強になりました。

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交差点

何故そんなに撮影に手間どるんだろう? 時間がかかるのだろう?
と思ってしまいました。
その外国の人はスカイツリーを撮っていました。雷門前の交差点の、車道の中央に立つと、スカイツリーがちょうど道路の延長上に重なるので、それを撮っていました。
しかし撮影にやたらと時間がかかるので、信号が変わって車が流入してきました。それでも仁王立ちで撮影を止めません。
雷門前には交番があり、警察の人がスピーカーで
撮影してる人、危ないですよ!歩道に上がって下さい!
と叫んでいますが、日本語なので通じません。
何故そんなに撮影に手間どるんだろう? 時間がかかるのだろう?
と私が思ったのは、私が日頃動画撮影ということをあまりしないからでした。
その外国の人はスカイツリーを撮っていたのではなく、スカイツリーを背景に、交差点を行きかう人達の動画を撮っていたのです。
うーん、撮影は旅の楽しみとは思いますけど、事故らないことを祈念するばかりです。

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PR動画

「全料連」(全国料理業生活衛生同業組合連合会)で、日本料理のPR動画を撮ることになり、すき焼きの部分は弊店で撮っていただきました。
加盟店の中から、「料亭」「和食店(割烹・日本料理)」「専門店(天ぷら・ふぐ・うなぎ・すき焼き)」業態ごとに各1店舗撮影し、Facebook、YouTubeなどに上げて行くという流れです。
直接の制作意図としては、消費税増税によって外食の消費低下が予測されるので、それをカバーしたいということですが、せっかく、それぞれの料理分野で日本を代表する店が揃いますから、広く見ていただけたらと思います。
お採り上げありがとうございました。

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