それから7年

2007年を最後に見えなくなったお客様がいました。

その時点で既にかなり御具合が悪く、

「今日は病院を一時退院出来たので食べに来た」とか聞いていましたから、見えなくなった時、その理由の想像はつきました。

それから7年。

今年の9月のある夜、その方のお孫さんが食べに見えました。

在り難いことでした。

でも、お爺様は去年亡くなったと。

去年までお元気だったんですか。

そんなに長く闘病されていたとは。

南無観世音菩薩。

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生花の持込み

他業界のことながら心配になる話しです。

病院が生花の持込みを禁じるようになって来たようです。見舞いと言えば花なのに。

報道によりますと、

「感染症の予防などを理由に、見舞い用の生花持ち込みを禁じる病院が各地で相次ぎ、感染症対策を踏まえた花の需要回復が求められていることが、日本花き卸売市場協会のアンケートで分かった。院内で店を開いていた生花店が撤退を余儀なくされたケースもある。」

「花には人の心を癒やす効果もあるといわれているだけに、事態を重く見た花き卸側は、生花店での実態把握や改善策の検討を始めた」・・・

・・・そうです。うーん。

生花がダメとなると果物もダメになる可能性もあります。

自然界で育った花や果物が無菌ということはありえないからです。

その汚れている果物の皮を、我々は取り除いて、さらに中身を洗浄することで安全に食べているのです。

下処理後すぐに食べない場合は、菌の増殖を防ぐために冷蔵します。それで食べられるのです。

既に6割程度の生花店が病院への持込みを拒否されており、今後全国的にひろまるのは確実でしょう。きびしいですねえ。

たしかに重篤な患者さんは病源菌から護らないといけません。

でもある程度良くなってきたら、一般社会は菌だらけなのですから、移行期間を設けて少しの菌に接する病棟で過ごすとか出来ないもんでしょうか。

無菌からイキナリ一般社会に出るのは、それはそれでどうなんだろうって私は思います。

店におりますと、

病院を退院したからオタク(=「ちんや」)へ直行して来たんだよ!

という、お客様の声を聞かせていただくことがあり、それはもちろん嬉しいのですが、ウチは決して無菌でなないので、心配になってしまいます。

どなたか良い方法を考えていただきたいです。

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フィガロの結婚

学校の同期生がオペラ歌手に成っていて、公演があるというので出かけてきました。

演目はモーツァルトの「フィガロの結婚」。

「フィガロ」は私にとって、とても懐かしい曲です。私のオペラ鑑賞デビューが、この曲だったからです。中学生でした。

父からオペラの券を買ってあげるよ、と言われてから公演当日まで間がありましたから、当時50~60回はCDを聴き込み、譜面も読み込んで、曲をほとんど暗記した記憶があります。

そう、このブログでは歌舞伎とか邦楽のことを書くことが多いですが、私はかつてクラシック小僧だったのです。

私自身の結婚式の時も、楽団を雇って、BGMに「フィガロ」を流してもらったものでした。

さてさて私の話しはそれ位にして、今回の話しですが、同期生の演じる役はスザンナでした。フィガロと結婚する娘の役ですから、主役ですね。

でも主役なのにアリア(=独唱する場面のこと)は、全28曲中、第27番の一曲だけです。

これは冷遇というわけではなく、この傑作には脇役に面白いキャラクターがたくさん出て来るので、モーツァルトはそのキャラクター達にも名場面を割り当てないといけなかったのです。それでスザンナのアリアは一回だけなのです。

ですので、当夜の拍手要員である私の、最も重要かつ唯一の任務は27番が終わったところで、正しいタイミングで勢いのある拍手を叩き入れることです。まあ、歌舞伎の「おおむこう」みたいなものです。

フライングも遅すぎもNGですから、私は前夜書棚から以前使っていた総譜を引っ張り出し、予習をすることにしました。27番は消え入るように終わりますから、間違えたらかなり格好悪いです。しっかり覚えないといけません。

そうして向えた当日、完全に曲を覚えたつもりだったのですが、公演中私は急に不安になってしまい、25番の辺りで持参した総譜をカバンから引っ張り出して、暗い客席で確認をしないといけませんでした。

うーん、客が緊張してどうするんだ・・・

と思っていると、もう彼女は27番に先行するレチタテイーヴォ(=語るよう歌う部分のこと)を歌い始めました。

やがて美しいメロデイ―の第27番「さあ早く来て、いとしい人よ」が始まり、後半に出て来る高音の難所もクリアして、無事終了。

うん、いいね、良かった、おめでとう。

パチっ!パチっ!パチパチパチー

いやいや、チト緊張しましたが、こちらも無事任務完遂。

後は打ち上げで飲むだけですな。

Tutti a festeggiar!

あ、最後になってしまいましたが、スザンナ役は富永美樹さんでした。

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旅行カウンター

松阪へ行くとか、私鉄の特急券を買おうという場合、JRの「緑の窓口」では買えず、隣の「旅行カウンター」へ行けと言われます。

JRの快速「みえ」なら、「緑の窓口」で買えるのですが、「みえ」は遅いし、本数が少ないですからねえ。やはり伊勢・松阪へは近鉄が便利です。

オリンピックもやることだし、そろそろ発券システムを接続するべきだと思うのですが、現状はつながっていないので、「旅行カウンター」へ行かないといけません。切符を買うだけでも、カテゴリーとしては「旅行相談」なのです。

カウンターへ行けば当然、私以外は相談の皆さん。いつ果てるともなく、相談が続いています。

失礼なことながら聞き耳を立ててみますと、いったん申し込みした旅行プランの一部分をキャンセルしたいという相談のようです。

一部分をキャンセルして、早めに次の目的地に移動したいのだそうです。

はい、じゃあ、これはキャンセルしましょう。出来ました。そうすると連動して特急も予約し直しですね。

はい、調べてみましょう。

と・こ・ろ・が、そうはポッポ屋が卸しません。

その早めの特急は満席なのです。あららー

信じられない!!!

って叫んでもダメだと思いますよ。その日は11月の勤労感謝の3連休の中日じゃないですか。混んでて当然と思いますよ。

ちょっと、待ってて。お父さんの携帯に電話するから・・・

夫婦で協議することしばし。

結局その方は、全てを元に戻して、帰って行きました。

やがて茫然としている私の整理券のナンバーが読み上げられました。

504番でお待ちの方~

それでは、この伝票に、

お名前と

特急の便名、

発駅名と時間、

乗り継ぎ駅名と時間、

執着駅名と時間、いや終着駅名と時間、

を書き込んでいただけますか?

帰りの特急の便名、

発駅名と時間、

乗り継ぎ駅名と時間、

終着駅名と時間、

も書き込んでいただけますか?

げげげー

そういうことは待ってる間に言ってよ、もう。

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建設ラッシュ

たまに東京都心に参りますと、至る所建設ラッシュです。

現場に貼りだしてある建設計画を見ますると、25階とか30階とか、スーパー超高層ビルばかり。

え?! 「スーパー」を日本語に訳すと「超」だろう って?

そういう野暮なことを言いなさんな。こういう文章は感じが出れば良いんです、感じが。

もとい。このようにちょっとした「バブル」が都心で起きています。

金融はジャブジャブ緩和ですし、高度成長期に出来たビルが寿命をむかえつつある、という事情もあるようです。

いいね!アベノミクス!

と単純に礼賛は出来ませんよね。バブル世代の私としては、このバブルが崩壊することが、今から心配です。

心配し過ぎですかねえ。でも、この国の政策当局は、かれこれ20年間しくじり続けていますから、このバブルがはじけた時に、本当に上手く経済をコントロールしてくれるのか、心配になっちゃうんですね。

この件が私はスゴく心配なんですけど、まあ、お上の批判は短く済ませまして、今日はもう一点。私が寂しく思うのは、「一国一城」的なビルが消えて行っていることです。

昭和な昔、本社ビルは企業が自力で建てるものでした。土地を買い、建設会社に依頼して建ててもらい、出来た後は総務部のおじさんがビル管理をしました。

8階だてで、エレベーターが3基在るようなビルを建てれば、もう、その会社の社長さんは、一国の主の気分=殿様気分を味わえました。

そんなビルが今どんどん壊され、ついでに周りのビルも数棟壊され、更地になって、やがてスーパービルがたちます。

昔はスーパービルを建てる技術がありませんでしたが、今はありますから建てた方が土地の利用効率が良いわけです。そういう次第でどんどんスーパービルがたちます。

天下の「東京会館」すら壊されて周りの会社と合体する計画です。うーん。

仕切るのは勿論スーパー超大手デベロッパー。

え?! 「スーパー」を日本語に訳すと「超」だろう って?

そういう野暮なことを言いなさんな。こういう文章は感じが出れば良いんです、感じが。

かつての殿様は、そのスーパービルの2フロアほどを借りて、店子として収まっています。なんだか、オーナー社長がサラリーマン社長に成ったみたい。総務のおじさんは、もう必要ありません。

世の流れだから仕方ないですけど、ものの哀れを誘いますね。

もし、今時「一国一城」ビルを建てたい!という社長さんがいるなら、どうぞ都心はあえて諦めて台東区へお越しください。

こっちの水は、甘辛いよ。

 

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クオカードつき宿泊プラン

ムカっと来ませんか?そういうセコい話し。私はムカっと来ます。

何がセコいって、

出張で人気の「クオカードつき宿泊プラン」 会社に黙ってカードをもらっても大丈夫?

っていう議論です。弁護士ドットコムニュースというサイトに掲載されていました。

同じ弁護士ニュースの、その前の回は、

出張のついでに観光しても大丈夫か?という議論。

セコい!

立派な弁護士さんがするような議論じゃないと思いますよ。

一応結果をご紹介しますと、会社に黙ってクオカードをもらうことは・・・

「法的には、クオカードは会社に帰属する財産と考えるべきです」

「あくまで出張者は、会社の経費を立て替え払いしたに過ぎません。つまり、クオカードを処分できる立場にないと考えられます。極端なことを言えば、その人は会社からの懲戒対象になるでしょう。また、民事上の損害賠償に加えて、横領や詐欺という刑事罰を受ける可能性も否定できません。」

はいはい、ご立派な議論です。

そう言えば、ウチの板場の連中も、忙し過ぎて材料を切らした時、大急ぎで近所のスーパーに買いに走ることがあります。取引先の八百屋さんがゆるゆるやって来るのを待つより、緊急の場合は、その方が早いからです。

で、その時にスーパーのポイントを溜めています。民事上の損害賠償に加えて、横領や詐欺という刑事罰を受ける可能性を否定できません・・・

いいじゃないですか、その位。

私は見逃してますよ。

そのポイントのことを私は把握してませんけど、きっと、大掃除の時のジュース代とかに使ってくれていると思います。

それにだいたい、クオカードで客を釣るようなホテルなんて、泊まっても何の勉強にもならないと思います。

どうせ泊まるなら、クオカードなしでも集客出来ているホテルに泊まって、どういう努力をしているのか、社員に勉強させたら良いと思います。

まったく、コンプラ万能もいい加減にしてもらいたいです。

どこの弁護士が書いてるんですかねえ、このニュース?

略歴を見ると、

あ・・・我が義塾の・・先輩ですか、著者の先生。

大変失礼しました。

先輩、こういう場合はやっぱり懲戒ですよねえ♡

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オール群馬de上州牛すき焼きプラン

ツイッターで、また地方のすき焼きを見つけました。

「四万温泉柏屋旅館は群馬県の「すき焼き応援県宣言」を受け、オール群馬de上州牛すき焼きプランを発売」というツイートです。

ツイ主は、

四万温泉柏屋旅館 柏原益夫さん(@ShimaKashiwaya)という方でした。

詳しくお宿のサイトを拝見しますると、

「四万温泉柏屋旅館では、群馬県が上州牛や下仁田ネギ、コンニャクなど、すき焼きの具材になる良質な食材の宝庫であることに着目し、冬の限定プランとして、主要素材に群馬県産食材をほぼ100%使用した【オール群馬de上州牛すき焼きプラン】を2012年から実施しています。」

「3年目の今年は、群馬県が「すき焼き応援県」を宣言したことを受け、よりたくさんのお客さまに群馬の冬の味覚を味わってもらえるよう、集客を行います。」

群馬県が「すき焼き応援県」を宣言したことは、このブログの9/18号に書きましたが、もう追随する人が登場したんですね。

しかも、この県をプレスリリースなさっています。一介の旅館でもどんどんPRする姿勢には感心しますね。

頑張っていただきたいです。

なお食材は群馬県産で、

上州牛、下仁田ネギ、しらたき、豆腐(中之条町産)、醤油(中之条町産)、たまご(中之条町産)、きのこ、などだそうですが、

ここで「上州牛」というのは「上州和牛」とは異なりまして、和牛と他種の掛け合わせ(F1種)です、念のため。

 

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妄想の世界

興奮しているクレーマーに説明・弁解ということを致しますと余計興奮してしまうことがありますから、普通はそういうことをしないのが上策です。しかし、

オージービーフを使っただろう!とか、

成形肉を使っただろう!とか言い始めた場合は、完全に妄想の世界ですから、会話を続ける時間が無意味と判定されます。

本当にそういうことを言う人がいるんです。

以前このブログに私は「お客様の舌を信用する」と書きましたが、それは60年間利用して下さった方の舌なのであって、弊社と偽装業者の区別がつかないような方については、ベル薔薇です、いや別腹です。

今日は、そういう場合に効き目のある文言をご紹介しましょう。

あのですね、教えて差し上げますけどね、客だからといって、何を言っても良いってもんじゃあございませんよ!

これ、オススメです。かなり効きますから、私は使ってます。

「文句があるならベルサイユへいらっしゃい!」(ポリニャック公爵夫人のセリフ)

あーあ、また食△ログの点が下がるなあ。

 

追伸、

本日9/23は火曜日ですが祝日ですので臨時営業いたします。どうぞ、ご利用下さいませ。

 

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体験型観光

観光には、

名所・名物観光と、

○○体験の2種類があります。

前者は以前から「観光」と言われてきたタイプのもの。典型的には浅草寺や歌舞伎座に行きます。

一方後者は例えば、普通の日本人のように過ごす体験を面白がるものです。商店街やコンビニ、百円ショップで買い物したり、銭湯に入ったりします。満員の通勤電車に乗りたい!という人もいるとか。

旅行業界では、前者を「サイトシーイング」と呼び、体験型観光の方は「ツーリズム」と呼び分けるようになって来ているようです。

この二つの内、最近流行っているのは勿論、生活体験です。テレビでは、こんな所に外国観光人が殺到!というニュースを連日やっています。

ネットがこの状況を煽っているようで、影響力のあるブロガーが、

××商店街がクールだ!

と書くと、そこに外国人が大挙して向かうのだそうです。

以前は日本にやって来る外国人と言えば、日本人より日本文化に詳しいような方々で、当然能や歌舞伎を観たり、美術館に行ったりなさっていましたが、最近では様変わりして百円ショップに向かうのです。

うーん。

百円ショップは「失われた」日本の20年のシンボルですから、あれだけは止めていただきたいところですよね。

自分達の気づかない、クールな日本が発見されて良いとか言っている人がいますけど、なんだかなあ、です。百円ショップの、すぐに壊れる文房具をクールだと言われるのは面白くないです。

この状況で、すき焼きがクールだと書いてもらるように努力しないといけないんでしょうけどね。

やる気でないなあ、どうも。

 

追伸、

明日9/23は火曜日ですが祝日ですので臨時営業いたします。どうぞ、ご利用下さいませ。

 

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すき焼きで法事

知人のお身内の方に御不幸があって、法事の会食が弊店でありました。

で、その知人から、親戚にすき焼きの話しをして欲しい、と言われて弱ってしまいました。

話すこと自体は嫌いではないんですけどね。

そもそもすき焼きはナマグサだし、昔は仏教の戒律で牛を食べなかったっていうのが、すき焼きの歴史ですからねえ。下手に話すと、そんな店で法事やって良いんですかねえ・・・っていう展開になってしまいます。弱りました。

部屋に行ってみますと、皆さん、黒服。新しい仏様ですからねえ、弱りました。

でも浅草で「すき焼きで法事」が普通のことであるのは事実です。

他の土地の料理屋の人に、このことを話しますと、

ええ?!すき焼きで法事するの?!

と言われますが普通のことですよ、浅草では。

鰻の場合もありますし、天麩羅の場合もありますし、洋食の場合だってあります。

たいてい故人が、その料理を好きだったからです。

今回のケースも実はそうでして、故人が弊店を利用して下さっていて、喜寿のお祝いもして下さる予定でしたが、体調がお悪いとかで中止となり、しばらくして訃報に接したという経緯でした。

浅草という土地は、お寺と繁華街が接して在るので、この辺りにお墓を持っている御家族は、お彼岸にお盆に年始にとお墓に通って来て下さいます。

そして墓参の後は、お孫さんにご褒美として何か食べさせようと、すき焼き屋・鰻屋・天麩羅屋へと向かうのです。

その営みが何世代にも渡って普通に繰り返されているので、

大変だ、法事だ!⇒食べ慣れないけれど精進だ!という展開にならないのです。

法事でも「いつもの店がいいよ!」なのです。

「いつもの」と言っても、毎週通うという頻度の「いつも」ではなく、年に2~3回という頻度の「いつも」なのですが、人の三世代=60年~90年というスパンを前提に考えているので、やはり「いつもの」なのです。

私達は在り難く、その流れの中で商いをさせていただきます・・・

・・・という話しをさせていただきましたが、ご要望の「すき焼きの話し」からはチトずれましたかねえ。

すみませんでした。

 

追伸、

明後日9/23は火曜日ですが祝日ですので臨時営業いたします。どうぞ、ご利用下さいませ。

 

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