偽装ハラル
ハラル・フードを巡る状況がトホホなことになっています。
報道によりますと・・・
「この数年でハラルビジネスがカネになるとみて、ハラルマーク発行団体が乱立。かつて1ケタだった団体数が、今や80とも90ともいわれるほどに増大している。イスラムの教えに厳格な団体もあれば、明らかにブームを当て込んで設立されたとみられる団体など、まさに玉石混淆状態なのである。」
「ある認定団体は醤油でも「アルコール分が最終的に1%未満なら問題ない」と言い放つ。日本国内では厳格なハラルを担保するのは困難だし、おもてなしの心があるので大丈夫と、独自に提唱する基準を“ローカルハラル”と呼び、認定を与えているのだ。」
「旅行中ならば、ある程度戒律を逸脱しても、大丈夫だと聞いている。だから厳密なハラルフードでなくてもいいはず」と、決めつける飲食業者もいる。」
はああ?!
先日私の所へ取材に見えた某国営放送の方も、偽装ハラルあるいは「いい加減ハラル」についての懸念を言っておられました。
トホホです。
これまではムスリム世界に真剣な関心を抱いた方々だけが、採算度外視で食事の世話をなさっていたのですが、オリンピックを契機に、完全に流れが変わって来たのを感じます。
飲食業界は、これまでさんざん偽装をやって来たのに凝りませんねえ、イヤ懲りませんねえ。
普通の松阪牛とかの偽装と違って、ハラル偽装をやったら外交問題に成りかねないので危険なことですよ。
この状況の中で、自店がムスリムフレンドリーだと自称することは、かなり危険だと言わざるを得ません。
たとえ善意で、やれることだけでもやろう!おもてなししよう!と思っていても、
「偽装ハラルだ!」「このネタで儲けようとしている!」
と思われてしまう可能性があります。
体制がキチンと出来ていない中で迂闊に歓迎姿勢を打ち出すと、意図に反して批判されそうです。
結局、弊店は「ムスリムフレンドリー」は、キッパリ断念いたしました。
ハラル食の中でも、動物を食べる場合のルールは特に厄介なものがあります。
また、キチンとハラルにするには、やはりハラルの厨房と普通の厨房を別にした方が良いです。同じ所でやると食材が混ざってしまいますからね。それも、実際問題としてなかなか難しいです。
ですので、「ムスリムフレンドリー」は、キッパリ断念いたしましたので、ご報告申し上げます。
追伸、
弊店で収録されたTV番組が明日朝放送されます。
第178回 林家たい平 人生と落語と食卓
BSフジ 明日9/13の朝9:30~10:00です!ご覧ください!
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毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。