建設ラッシュ

たまに東京都心に参りますと、至る所建設ラッシュです。

現場に貼りだしてある建設計画を見ますると、25階とか30階とか、スーパー超高層ビルばかり。

え?! 「スーパー」を日本語に訳すと「超」だろう って?

そういう野暮なことを言いなさんな。こういう文章は感じが出れば良いんです、感じが。

もとい。このようにちょっとした「バブル」が都心で起きています。

金融はジャブジャブ緩和ですし、高度成長期に出来たビルが寿命をむかえつつある、という事情もあるようです。

いいね!アベノミクス!

と単純に礼賛は出来ませんよね。バブル世代の私としては、このバブルが崩壊することが、今から心配です。

心配し過ぎですかねえ。でも、この国の政策当局は、かれこれ20年間しくじり続けていますから、このバブルがはじけた時に、本当に上手く経済をコントロールしてくれるのか、心配になっちゃうんですね。

この件が私はスゴく心配なんですけど、まあ、お上の批判は短く済ませまして、今日はもう一点。私が寂しく思うのは、「一国一城」的なビルが消えて行っていることです。

昭和な昔、本社ビルは企業が自力で建てるものでした。土地を買い、建設会社に依頼して建ててもらい、出来た後は総務部のおじさんがビル管理をしました。

8階だてで、エレベーターが3基在るようなビルを建てれば、もう、その会社の社長さんは、一国の主の気分=殿様気分を味わえました。

そんなビルが今どんどん壊され、ついでに周りのビルも数棟壊され、更地になって、やがてスーパービルがたちます。

昔はスーパービルを建てる技術がありませんでしたが、今はありますから建てた方が土地の利用効率が良いわけです。そういう次第でどんどんスーパービルがたちます。

天下の「東京会館」すら壊されて周りの会社と合体する計画です。うーん。

仕切るのは勿論スーパー超大手デベロッパー。

え?! 「スーパー」を日本語に訳すと「超」だろう って?

そういう野暮なことを言いなさんな。こういう文章は感じが出れば良いんです、感じが。

かつての殿様は、そのスーパービルの2フロアほどを借りて、店子として収まっています。なんだか、オーナー社長がサラリーマン社長に成ったみたい。総務のおじさんは、もう必要ありません。

世の流れだから仕方ないですけど、ものの哀れを誘いますね。

もし、今時「一国一城」ビルを建てたい!という社長さんがいるなら、どうぞ都心はあえて諦めて台東区へお越しください。

こっちの水は、甘辛いよ。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.670日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)