急用
先日デパートの催事に出店させていただき、精肉の販売を致しました。
会期中「ちんや」のブースの様子を視に行こうと、エレベーターにB1から乗り込みますと、エレベーター嬢にブリブリと文句をつけている男性がいました。
年齢はこちらと同じくらいか、もう少し上でしょうか。何を言っているのかと思いましたら、
急いでいるのにエレベーターがなかなか来ない!
と言っているのです。このデパートは、だいぶ以前からエレベーター1基が地下まで行かないように設定していて、何か都合があるに違いないのですが、それについても文句をつけていました。
悪いことに、その籠には結構乗り合わせた人数が多く、
2階お停めします、4階お停めします、5階もお停めします、6階にもお停めしちゃいます!
となかなか進みません。
その間、男は大きな音で、
ちっ!ちっ!
と舌うちをしていました。大人げないとはこの事です。
私もいい加減イラついて来て、
そこのお兄さん、彼女は彼女の仕事をしてるだけでしょう。
意見があるなら、私にお言いなさい。
ここの社長さんなら面識がありますから、キチンとお伝えして差し上げますよ。
ハッキリお言いなさいよ。
と口まで出かかりましたが、おっとっと、今週は出店させていただいているんだった。業者の立場じゃないですか。客と悶着とか起こせません。
うーん。
そう私が悔しがっていると、男は7階催し場で降りて行きました。
私も7階が会場ですから、EV嬢に、どんまい、どんまいとだけ言って降りました。
さて、私と同じ階で降りた男、いったいどんな急用があるのかと思い、視線で追っていきますと、
ん? ん?! んんん?!
「ちんや」のブースに向かって行くではないですか!
マズイなあ、ウチのスタッフにもイヤな思いをさせる気か!
と凍りつきましたが、結果はウチのお隣りさん。
「ちんや」のすぐ隣に出ている、鰻の「前川」さんで鰻弁当を買って行きました。
う、鰻って、そんなに急いで買うものなのか?死んだ鰻が浮かばれないなあ・・・
これが落語ならオチがあって、野暮な者は懲らしめられますが、この話しはセチ辛い現代のデパートの話しです。
ああ、オチがつきません。
お後がよろしいようで、ごめんなすって。
明日は面白く致します。
追伸
『日本のごちそう すき焼き』は、平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
是非是非お求めください。
弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。
是非。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.918日連続更新を達成しました。