臼摺りが終わった日
ネットをいじっていて、たまたま見つけた、全く存じ上げない方のブログですが、
そうそう!いいね!是非続けて欲しい!
と思ってしまいました。
それは、こういう(↓)一文でした。
「子どもの頃の我が家だが、“すき焼き”を食べる日はまるで祝日のように決まっていたものだ。臼摺りが終わった日(米作りの最終日)と大晦日の2回だ。肉は上等なものではなかった。大晦日に“すき焼き”を食べる習慣は今でも続けている。」
ある日とある食べ物を関連付けて、毎年必ず食べるという習慣は、食文化を遺していく上で、とても良いことだと思います。
しかしながら、国民全員が同じ日に統一行動をする、たとえば、
バレンタイン=チョコ
みたいな習慣では、需要がその日に集中してしまう弊害がありますね。
だから、自分の特別な日=すき焼きというのが、最も望ましいと思います。
その日が、この方の場合は農家さんだったので「米作りの最終日」になったようで、素晴らしいです。
ちなみに、ですが、「臼摺り」または「籾摺り」とは、
お米を刈り取り、乾燥させた後に、お米(=籾)から籾殻を剥ぐ作業のことです。この作業によって獲れるのが「玄米」です。現在では臼でなくて「籾摺り機」が使われますが、相変わらず「臼摺り」と言っているようです。
このように、それぞれの仕事に、それぞれのサイクルがありますから、それが仕上がった日に特別な食べものを食べていただくのは大変良いことと思います。
例えば、酒造りは冬にしますから、3月が仕上がりの時期になります。
必ずすき焼きを食べて欲しいとは申しませんから、何か決まった物を食べる、そういう習慣を持っていただければ、と存じます。
追伸
『日本のごちそう すき焼き』は、平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
是非是非お求めください。
弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。
是非。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.897日連続更新を達成しました。