風評被害
箱根町役場の動き方を見ていて、BSE問題を思い出してしまいました。
BSEは日本初の本格的な、食の安全ショックでしたが、ショックという意味では噴火もショックですね。
火山活動の活発化を受けて、町役場と観光業界の対策会議が開かれたそうで、報道によりますと、
「山口昇士町長は「ごく限られた大涌谷周辺での警報。箱根全体が危ないという風評被害が一番怖い」と懸念している。」
実際宿泊キャンセルがどんどん入っているようです。
しかし安全アピールを猛烈にやるとむしろ反感を買ってしまいます。
BSEの時も、政治・行政と一部の民間業者が安全アピールを猛然と展開しましたが、上手くいきませんでした。全容が見えない内に安全だ!と言い切ってしまい、その後から安全とは言い切れない事実が判明して、結局逆効果でした。
下手な訴え方をすると「自分達さえ良ければいいのか? 」って思われてしまうのです。
今回も既にネットでは、
「だからさ…風評被害じゃないって言ってんの。今は来ない方がいいですよ」くらい言った方が箱根観光の信頼性が上がると思うよ。」
「町長自ら単に大涌谷だけの問題、箱根は大丈夫だから観光しろってすごい違和感ある、観光組合もそうだが商売やお金のこと考え過ぎ、普通の常識ある人間だったら箱根湯本行くのも躊躇うよ。」
箱根の皆さん、さぞお辛いと思います。
世の中全体は平穏なのに自分達だけに災難が降りかかるというのは実に辛いものです。BSEの時、牛肉以外は何の問題もないのに、自分達だけが・・・というのは私も身にこたえました。
しかし、辛くても下手な安全アピールはいけません。
客観的なデータをネットや駅で見られるようにするとか、具体的なことをしない内に、「風評被害が一番怖い」と言ってしまうのは、とてもとても危険です。
怖いのは、風評被害ではなくて、やっぱり火山です。
それから政治家の下手な言動が怖いです。
黒岩祐治・神奈川県知事は「人的被害はゼロ、風評被害もゼロを実現したい」と宣言したそうですが、
「風評被害ゼロ」ということは、なるべく火口近くまで観光させよう!っていうことを意味しますよね。そんなデンジャラスなことを言ってしまうのは、選挙民が苦しむのを見ていられないからだとは思いますが、此処は落ち着かないと、です。
テレビも困った存在です。
テレビはトラブっている人を撮りたがりますから、安全PRをしようとインタビューに応じたら、損害の大きさが強調されて放送されてしまったりします。
必要なのは、冷静に怖がることが出来るような形にもって行くことだと思います。温泉と火山はセットですから、国民もやがては慣れてくれます。
それまでの間、お辛いとは思いますが、逆効果になりかねない言動は避けるべきです。
どうか、BSEの教訓が箱根の皆さんに伝わりますよう。
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