諭吉かるた
このブログの5/20号に書きました通り、先日の慶應義塾「料飲三田会」総会では不祥・私が幹事長に選任されましたが、この総会では実はそんなことより余程重要なことも決議されました。
「諭吉かるた」の商標権を、「料飲三田会」から中津市の「福澤旧邸保存会」に譲ることを決議したのです。
このかるたは、文字通り福沢先生の教えや生涯をかるたに仕立てたもので、製作したのは十年以上前のことです。会の50周年記念事業として藤井正二先輩が中心になって話しを進め、当時「連合三田会」会長だった故・服部禮次郎先輩(=セイコー会長)の文案をベースに作りました。
(ら)蘭学やめて英語と取り組む
(み)みずから実践「独立自尊」
・・・という具合です。
で、それを記念パーテイーの出席者や義塾関係者に配ったのですが、やがてこれを使って、中津市がかるた大会を催すようになりました。
今年2月にも、福澤諭吉記念第6回「諭吉かるた」大会が開催され、市内小中学校から30チーム(小学校低学年10チーム、小学校高学年14チーム、中学校6チーム)の参加があり、総勢102人の児童生徒が競いあったと聞きます。素晴らしいことです。
この大会には市役所も本腰です。だいたい「旧邸保存会」の理事長は現職の中津市長が兼ねているのです。
この様子を観て「料飲三田会」としては、ここまで中津に定着したからには、我々が元々の製作者ではあるものの、この際、権利を中津にお譲りして、発展的に使っていただいた方が良いと考えるに至りました。
かるたを増刷・販売する時も、その利益が権利者である「旧邸保存会」に落ちれば、先生の御実家の保全に資するわけで、義塾OBとしてこれ以上の名誉はありません。
心から喜んでお譲りした次第です。
だいたいですね、各種団体の執念事業などと申すものは、いや周年事業などと申すものは、派手な宴会をやって、記念品として高価な品にロゴを入れて客に配り、それで「めでたし!めでたし!」と自画自賛して終わるのが通例です。
しかし、そうした記念品は大して喜ばれもせず、物置の占拠者に成るものです。
対するに、このかるたは製作から十年以上の時を経て、市役所主催の盛大なかるた大会に使われています。
観察しまするに、他の記念品と違う点は、
オリジナルであること、
知的であること、
しかし愉快であること、大衆性があること
だと思います。ここは誇れる点です。
もちろん、それだけで必ず拡がりを見せるかと言うと、それはそうでもなく、今回、
何か福澤がらみのイベントをやりたい⇒それを町興しに繋げたい
という市役所サイドの意向にピタリ一致したからこそ、こう成ったのだと思いますが、ともかく、あまり類例の無い結構な話しだと自負しています。
中津のかるた大会がますます盛大になることを祈念いたします。
めでたし!めでたし!
この文を読んで「諭吉かるた」が欲しくなった方は、そういうわけで私ではなく、
福澤旧邸保存会 大分県中津市留守居町586 TEL:0979-25-0063
へお問い合わせ下さい。
追伸
『日本のごちそう すき焼き』は、平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
是非是非お求めください。
弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。
是非。
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