葱は葱屋②

久しぶりに葱問屋さんを訪ね、葱について色々と教えて貰いました。

葱問屋「葱雅」の岡本さんが今回大切だと強調しておられたのは、

第一に、葱の根を切らずに輸送・保管すること

第二に、タテに置き、箱に詰めずに輸送・保管すること

でした。第一は一昨日書きましたので、今日は二。

まず「タテに置く」のは、野菜の保管の基本ですね。特に根を残して保管している場合は、自然界に在った状態に、なるべく近い状態で置くのが良いです。

土から抜かれても野菜はまだ死んではいませんので、水分を循環させようとします。それまでタテに生き、タテに循環してきたのに、ヨコの状態になるとそれが上手く行かなくなってしまいます。

また光のある方に自分の体を向けようとするので、寝かせておくと起き上がってしまう=曲がってしまうこともあります。

「箱に詰めずに」の件は、葱の良し・悪しを見るためです。

箱に入れてしまうと、そとから覗けるのは表に出ている数本だけですし、葉の上の方や根が隠れて見えません。葉が傷んでいないか、根が切られずに付いているかを確認したいのに困りますよね。

「葱雅」さんでは50本ほどの葱を束にして、それを縄でしばって置いています。

それだけの数の葱を遠くから眺めると、その生産者さんが、どう栽培してきたか、おおよそ想像できると言います。

根は細くたくさんついているか、白い部分の巻きは良いか、

といったことが箱の中では見えないのですね。

勉強になりました。

やはり餅は餅屋から、葱は葱屋から買うのが良いようです。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.249本目の投稿でした。

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通の日

毎年10月15日は「すき焼き通の日」です。

 日本記念日協会に正式に認定されている記念日なのです。

「すきやきどおりの日」じゃあ、ありませんよ。そんな道路はないですね。「すきやきつうの日」です。

では、なんで毎年10月15日が「すき焼き通の日」なのか、ですが、それをご説明するには、2005年(平成17年)に話しを遡らせないといけません。

その当時、すき焼きについてまとまった本がないことを残念に思っていた私が、どなたか高名な方が、すき焼きのことを書いて下さらないかなあ、と思っていたところ、それを聞いて書いて下さったのが向笠千恵子先生でした。

最初発表されたのは、雑誌の連載『すき焼き ものがたり』で、その連載は、月刊「百味」誌上にて、2006年(平成18年)3月から2008年4月まで掲載されました。

 この連載がその後、加筆・修整されて、平凡社新書『すき焼き通』としてまとめられました。それが、2008年(平成20年)10月15日のことです。

そしてさらに、その日この御本の、出版のお祝いの会を私の店「ちんや」で開いたことが、「すき焼き通の日」正式認定につながり、またすき焼き屋とすき焼き愛好家のグループ「すきや連」の発足へとつながっていきます。

このお祝いの会の時、初めて全国からすき焼き屋さんが集結し、せっかく面識が出来たのだから、1回コッキリで終わらせるのはモッタイない。「すき焼きを味わいながら、日本の食文化を語り合う会をつくりたい」との話しが期せずして盛り上がり、「すきや連」が発足しました。

2008年、最近のことなのに「今は昔」感があります。

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葱は葱屋

久しぶりに葱問屋さんを訪ね、葱について色々と教えて貰いました。

葱問屋「葱雅」の岡本さんが今回強調しておられたのは、葱の根を切らずに輸送・保管することの大切さでした。

岡本さんは根を切ってから三日ほど経った葱を保管していて見せてくれたのですが、葱の「巻き」の部分が完全にズレて、芯が飛び出してしまっていました。業界ではこれを「出べそ」と言うそうです。

当然乾燥してしまうので、美味しくありません。

「葱雅」さんが日頃取引している、近県(埼玉、千葉、茨城)当たりの農家さんなら、根を付けたまま配送してくれるのでOKなのですが、遠方の農家さんだと輸送の都合で根が切られてしまうことも多いとか。

根を少しだけ残して切る機械もあるものの、機械の精度が高くなく、切る場所が上過ぎて根がまったくなくなってしまうこともあるとか。

そういう物が箱詰めされて流通すると、外から中が見えませんから、残念な葱を買うことになってしまいがちです。

やはり餅は餅屋から、葱は葱屋から買うのが良いようです。

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名古屋名物

弊ブログの9月29日号で、

「エビフライの尻尾は食べる?」

という件を採り上げましたが、後日同じ件をテレビでやっていました。

そのコーナーでは、食べる割合=食べない割合を調査するために、名古屋へ出張したようでした。そして分かったこととして、

全国的には食べる割合は70%弱、しかし名古屋では90%弱。さすがエビフライは名古屋名物!!

と結論づけていました。

が、

エビフライって、名古屋名物でしたっけ?!

結論から申しますと、現時点では、そう言えなくもないようです。

しかし「名物」に成るまでには、1980年代から、変わった経緯をたどって、そうなったようです。

主犯はタモリさんでした。

80年代のタモリさんは、今より毒舌キャラを「売り」にしていて、嘲笑ネタの一つとして、名古屋方言を選んだのでした。そのネタの一つが、

「名古屋ではエビフライのことを『エビフリャー』と言う」

でした。それが大ウケしたというわけです。

実際には、名古屋人にとってエビフライは別に特別な食べ物という意識はなく、「エビフリャー」という言葉を日常的に使用する者はいなかったと言われます。そのため県民の中には、名古屋を揶揄するネタに反発する人もいました。

「名古屋弁を馬鹿にしている」

「語尾に『みゃあ』などとはつけない」

「今の名古屋人は、『みゃあみゃあ』などとは言わない」

タモリさんに反発する市民がいる一方で、名古屋の飲食業界には、エビフライが名古屋名物と勘違いされる風潮に注目した人もいました。エビと、名古屋城の金のしゃちほこのイメージを重ねて、「しゃちほこ丼」を出した店もあったとか。

そして、1990年にはクルマエビが愛知県「県の魚」選定委員会により「愛知県の魚」に選定されてしまいました。

うーん。エビは魚じゃないですけどね。

「エビフライは名古屋名物」のイメージが出来たのは、そういう経緯でした。

タモリさんがテレビで言い始めたことなので、テレビで「名物」と言うのは、まあ、いいでしょう。 でも、文章に書く場合は「」を付けておいた方が良さそうです。

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社内政治

この方はカレーすき焼きを召し上がったことがないのだろうと思います。

ある日の、ある方のツイートに曰く、

【マーケターなら”カレーすき焼き”は作るな】

「 社内政治では お偉いさんA「カレーが良いのでは?」 お偉いさんB「すき焼きが食べたい」 これらの落としどころは 「カレーすき焼き」 お客に「社内政治の産物」である カレーすき焼きは売れるわけがない だって、お客はカレーが食べたかったんだから」

結構、美味しいですよ、カレーすきやきは。

映画の小津安二郎監督も好きでした。

「ちんや」では、それを改良して、すき焼きの卵にカレーオイルを入れておりました。その卵をご飯にかけると「〆」として最高でした。

食べ物の世界では、味が遠いAとBを混ぜることは結構ありますから、社内政治の妥協の産物に例えるのは、考え物と思います。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.245本目の投稿でした。

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酒解禁

緊急事態が明けて10日経ちましたが、皆さんは飲みに行きましたか?

私は未だです。

なんか、解禁明けすぐって、多くの人が飲み屋に殺到しそうで、さらに嬉しさのあまり大声を出しそうで、危険な感じがするんですよね。

ワクチンは済んでおりますが、ブレークスルーすることもあるらしいので、個人の行動としては、ゆるゆる解禁して行きたいと思います。

「ゆるゆる」とは、

・「飲み」には行くが「飲み会」は避ける

・単価の高い酒を飲む

酒解禁と言いながら、まだまだ時間制限、人数制限があって、お店は大変です。ハイサワーは避けて純米酒くらい飲んで協力したいものです。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.244本目の投稿でした。

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品川駅

緊急事態が明けて、テレワークしていた方々が出勤するようになりました。

そして、その出勤風景を撮る場所の定番は、品川駅港南口(東口)ですね。

長い通路を、引いたアングルで撮影すると、人々が集団で雲霞のごとく進む様子が撮れます。口の悪い人は「社畜回廊」と言うそうです。

実は、この通路を、私もたまに利用します。

港南口に東京都の食肉市場があるからです。

以前、2000年頃まで港南口には市場と東京水産大学くらいしか、目ぼしい建物がありませんでした。

今「回廊」になっている所には、広大な貨物ヤードがあり、通路は地下に設けられていました。その通路は、肉の市場に行く人くらいしか利用しないので、やたらと暗くて寂しく、陰気な気分にさせられたものでした。

街はすっかり近代化し、ビルが立ち並び、働く人も増えましたが、市場は今でも同じ所にあります。

1936年に市場が開場した時は、駅の東側は埋立地だったとか。当時の輸送手段は鉄道がメインでしたから、牛さんは貨車で運ばれてきて、直接市場に乗り入れ出来るようになっていました。

様変わりとは、このことです。

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物理学賞

ノーベル物理学賞には少々驚きましたね。

ノーベル財団が、地球温暖化問題に賞を出しそうな予感は、していなくもなかったですけど、出すなら平和賞だろうと思っていました。

ところが物理学賞で出すとは奇策ですねえ。気象も物理現象なので、間違っちゃいないですけど。

そして、このインパクトは、平和賞で出すより強いかもしませんね。今後温暖化問題に後ろ向きな人は、皆「非科学的!」と言われることになるわけですから、インパクトは強いと思います。

私を含め、肉の業界は、温暖化問題にフォーカスが当たると不都合です。これまでずっと後ろ向きでした。

牛たちが、消化の際に吐き出すメタンガスが温暖化を進めるからですね。メタンの影響は二酸化炭素より強いというから困ります。

やがて、生きた牛から牛肉を獲るのは止めて人造しようと言い出す人が出て来るでしょう。

それは避けがたいですが、肉の美味しさはキープして欲しいです。

人は肉を栄養補給の為だけに食べるのではないです。喜びの為でもあり、食の喜びがないと人はストレスに負けてしまいがちです。

人造肉を造るにしても、今食べられている牛肉の内で、最高に美味しい肉の味を分析して、その味を実現できる肉を人造してもらいたいものです。

末筆になりますが、真鍋淑郎先生、ご受賞誠にお芽出とうございました。

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築地梁山泊

今だに酒に関して「8時まで」「4人まで」と言われている現代東京ですが、

かつては国家の大事を酒席で決めていた時代がありました。

大河ドラマ「青天を衝け」の第29話には、こんな(↓)シーンがありました・・・

大隈重信と渋沢栄一が酒を飲み、殖産興業について激論し、やがて大隈は、

「よし!官の中で養蚕のことば一番知っとるとは渋沢や!養蚕のことは君に任す!」

と言って、渋沢を明治政府の養蚕担当者に決めてしまいます。

渋沢は元々養蚕農家の出身だったので、従弟の尾高惇忠を説得して政府に入れて、官営富岡製糸場を開設します。

このように幕末から明治の「志士」「国士」たちは酒が好きでした。

大隈と渋沢が飲んでいた大隈の、築地の私邸は「築地梁山泊」と言われ、夜ごと宴会が繰り広げられていたと言います。その場所は、今は料亭「新喜楽」になっています。

現代日本も早く酒を解禁しないと、国家の大事が決まらないかと・・・

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飯がマズくて

昨今話題の4コマ漫画『妻の飯がマズくて離婚したい』。

で最近あまり聞かくなくったセリフを見つけました。

「お腹に入れちゃえば、全部同じだからさ~☆」。

「入れちゃえば」とは勿論「食べ物を」ですが、この信念は「妻」が母から継承したもので、妻はそれを夫だけでなく、自分の子供にも強制して行きます。

「妻」は、これによって節約が可能になるとも考えているので、美味しいものを食べたい「夫」との価値観のズレは大きく、「離婚したい」となるわけです。

まあ、漫画だからデフォルメされているのでしょうけど、

節約が出来たとしても、マスい食事を食べ続けるデメリットが二つあると思います。

・ストレスに弱くなる

・社会性が乏しくなる

人は生きていればたいていストレスを受けますが、それに対抗する有力な方法は、心地よい時間を持つことです。

心地よさの代表が「快食」で、それを治療に活用している先生もいます(詳しくは2010年5月18日の弊ブログ)

次に社会性ですが、それは「食材への感謝」「生産者への感謝」「流通事業者への感謝」を感じることによって養われると思います。

美味しいものを提供しようと頑張っている人の仕事を「全部同じだからさ~☆」と片付けるのには、相当心を冷酷にしないと出来ないのでは・・・と思います。

「夫」は離婚すれば「妻」から逃れられますが、お子さんが、ストレスに弱くなり、社会性が乏しくなった場合の悲惨さは計り知れないと思いますね。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.240本目の投稿でした。

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