宝塚ホテル

ああ、壊してしまうんですか、宝塚ホテルを。

阪急阪神ホールディングスが今月15日、そう明らかにしたそうですが、残念なことです。

戦前に創業し、かつ戦前の建物を使って営業しているクラシック・ホテルは全国に13軒しかなく、その内関西圏は宝塚ホテルと六甲山ホテルと奈良ホテルしかないのに、壊してしまうんですね。

なんとかならないんでしょうか。

だいたい、宝塚ホテルは兵庫県の「景観形成重要建造物」に指定されていた筈ですが、「重要」でも壊してOKだったんですねえ。そんなら最初から指定しなきゃ良いのに。

もちろん私も経営者の端くれですから、老朽化した建物の維持にどれだけ経費が要るかは分かります。こんなにカネかけて修繕する位なら建て替えちまえ!(お詫び=関東弁ですみません。阪急阪神さんだから本来関西弁でしょう。)

と思うのも分かりますよ。

詳細は存じませんが、耐震問題とか消防基準の問題があったのかもしれません。

しかしです、全国で13軒の内の1軒です、公共性が、そこら辺の建物と違うと思うんです。

それにですよ、日本産業史上に輝く稀代の名経営者・小林一三の遺した建物です。鉄道事業と温泉地開発・歌劇団経営と一体と成ったホテルというのも稀有の存在だと思います。

最近は外資系ホテルがポコポコとオープンし、皆お洒落なものですから、たしかに目移りはします。クラシックなホテルが忘れられがちなのかもしれません。

でも、近代日本の黎明期に、欧米のライフスタイルを覗き見る窓口としてホテルに憧れた人々の気持ちを忘れたくはないですよね。

なんとかならないんでしょうか?

追伸

日本橋三越本店の催事「お江戸日本橋 EDO style展」で精肉の販売を致します。

どうぞ、お出かけ下さい。

会期:5月20日(水)~25日(月)

会場:本館7階催物会場

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.909日連続更新を達成しました。

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東京観光

「東京シテイガイドクラブ」(TCGC)という、ボランティアで東京ガイドをする皆さんを相手に、講演をすることになりました。

この皆さんは、まず「東京シテイガイド検定」という、なかなか難しい試験に合格し、さらに、個々に古典芸能文学・神社仏閣・美術・商店街・産業観光といった専門分野を持ち、さらにさらに英語・各国語での案内も請け負う、という素晴らしい皆さんです。

今回私がお話しするのは、その内の勿論「グルメ専門グループ」の皆さんです。

さて、そういう次第で、「観光」とか「ガイド」ということについて、私も久しぶりにつらつら考えてみました。

さて実は、「東京観光」は未だ黎明期と言えます。東京が観光誘致に力を入れ始めたのは、ごく最近のことです。

まず2002年の、サッカーのワールドカップ日韓共催の時に、受け入れ体制の不充分さが指摘され、2003年東京観光財団設立。やがて国全体でも2006 年に「観光立国推進基本法」が制定されました。

力を入れ出したのは、その辺りからです。TCGCさんがNPO法人の認可を獲ったのも2007年とお聞きしております。

その後スカイツリー開業やオリンピック招致やらで勢いを増していますが、「東京観光」は未だ黎明期を抜けていないと思います。

もう少し平たく・分かりやすく申せば、「遅れている」のです、東京観光は。

他の観光地で以前から指摘され続けている、「マス・ツーリズムの弊害」が、今東京観光に該当している、と断言しましょう。弊害ツーリズムの行先が東京に代わっただけです、ハッキリ申して。

だいたい、「旅行業」って、なんであんなに不勉強でも開業できるんでしょうか。

しかしそれなのに、何しろ大量の送客をしてくる取引先なので、地元受け入れ業者の皆さんが、あの連中の都合に合わせてしまいがちです。嘆かわしいです。

たびたび弊ブログで指摘しておりますが、極端な短時間で客に食事をさせようとする業者が実に多いです。

1卓にビールを3本ずつ、事前に栓を抜いて置いておけ、とか言って来る輩も多数。

麦を育てている生産者の方のことを、少しでも考えたことがあるんでしょうか。

それを弊店が拒否すると、すぐさま紛争の種と成りますので、私がいちいち交渉に乗り出すハメになります。

ああ、メンド臭。でも、いつでも絶対妥協せず、

そういうことでしたら、今からでも御予定を変えていただいて、余所の御店にいらしていただいて結構ですよ!浅草には良い御店がいっぱい在りますからね!

と脅迫致します。

旅行の前日の話しですから、困るのは先方です。ひひひひ。

だって、お客様の楽しみが優先ですからね。業者風情の言い分を、私は聞きません。

この現象は「マス・ツーリズムがもたらす観光地の疲弊」と説明されるようです。曰く、

「多量に観光客をさばくには、必然的に専門的事業者たる旅行代理店等を介在する必要がある。」

「送客側の立場が相対的に強くなり、その要求に合わせた設備投資や手数料の支払い・販売促進協力金負担などの商慣行から、観光地の事業者の疲弊が見られる。」

とも説明されます。

誰が本当の御客様で、何が御客様の本当の楽しみなのか、考えないからそう成るんです。

さらに申せば、ネットの普及によって、「ネット受けの良い」事業者だけが流行る現象も起きていますね。

そんな御時世ですから、私は期待してます、ボランティアガイドの皆さんに。

追伸①

「ぴあMOOK 旨い肉 2014 首都圏版」

~感涙必須の旨い肉200軒 に「レストランちんや亭」の、ハンバーグとサイコロステーキを載せていただきました。

ご購入は、こちらです。

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

現在の笑顔数は353人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

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毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

Filed under: 今日のお客様,困った質問 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

笹豆腐

 お客様からの御質問は得てして、非常に不正確です。

(質問)寅さん記念館はどこですか?

(正解)台東区浅草にはなく、葛飾区柴又に在ります。歩いて行くには非常に遠く、電車で移動していただく必要があります。

 この質問の不正確さを笑ってはいけません。かく申す私も、石巻と気仙沼のどっちが北でどっちが南か、完全に位置関係を把握したのは、大震災以降です。それまでは「両方とも宮城県の太平洋側で、漁獲高が多い所」くらいに記憶していました。

 だから、寅さん=下町=浅草という把握の仕方を笑えません。

 次の質問は、さらに難解です。

(質問)「笹豆腐」の店はどこにありますか?

(正解)「笹豆腐」というのは、「笹豆腐プチオンリー」という忍者漫画の中に出てくる、実在しない品名です。

 「笹乃雪」という豆腐屋さんならございますが、台東区浅草にはなく、台東区根岸に在ります。台東区内ではありますが、歩いていくには非常に遠く、電車で移動していただく必要があります。

 神奈川県の箱根には「笹豆腐」を売っている実在の豆腐屋さんがあるようですが、お客様がお探しなのは、たぶん「笹乃雪」さんだと思いますよ。(正解終わり)

 テレビ・漫画・ゲームなど画像から入った情報は、得てして不正確です。キチンとお客様の脳に定着していないので、受ける我々にとっては難解な質問になってしまいます。

 ここでとても難しいのは「浅草には無い!」と言い切ることです。

 お客様から、「そういう店が浅草にあるって聞いたんだけど・・・」と、さも浅草に間違いなく在るかのように言われてしまうと、不安になってしまうスタッフがいます。

 自分が知らないだけで、あるのかなあ。最近のお客様はネットで情報を取られるから、浅草に勤めている自分より詳しいことがあって、やりにくいよなあ。

と思って、私のところへ聞きにきます。

 社長! 浅草に「笹豆腐」の店ってありますか?

 こう聞かれて、「浅草には無い!」と言い切れないと、浅草の飲食店主は務まりません。

 思えば「自分の知る範囲で、そういうものは無い!」と言い切るのは、どのジャンルでも難しいと思います。学者さんが特にそうでしょう。

 さらに言えば、放射能の学者さんが特にそうでしょう。

 「この程度の被爆で病気に成ったヤツは、自分の知る範囲で、一人もいない!」と言い切れる先生がいたら、尊敬しますが、いないですかねえ。  

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 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

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婚活パーテイー

 11/11に浅草料理飲食業組合主催の婚活パーテイーがあったので、役員としてお手伝いをしました。

 はああ、料飲組合で婚活パーテイーだって? 他にやる事あるんじゃないの!

と、お思いの方に申し上げますが、婚活パーテイーはダンゼン優先順位の上位です。大事な活動なのです。

 その理由をご説明しますと、浅草人は、生活時間が世間の人と逆転しているので、「出会い」の機会が寂しいのです。

 浅草の街は、世間の人が休みをとっている時間が忙しいですから、そこで働いていると、世間の人とは時間が逆転しています。世間の合コンは土日曜・祝日などに行われているようですが、参加できません。平日の夜の合コンであっても、料理屋に勤めていれば仕事がありますから、ダメです。

 じゃあ、浅草人どうしで合コンすれば? というアイデイアも有りは有りですが、定休日が違うので、それも難しかったりします。例えば「ちんや」は火曜定休ですので、もし合コンをしようと思ったら、都合がつくのは、火曜定休の御店の人に限られます。

 そこで! 組合主催の連合合コンすなわち婚活パーテイーをする必要性があるのです。この日に限っては、若い方々には店を休んで来ていただきます。

 さて、そういう次第で開催されたパーテイーですが、60人弱の若い男女が参加して盛況でした。また東京新聞さんや地元紙のヒノデ新聞さんが、このパーテイーに興味をお持ちになったようで取材に見えました。

 その、取材に見えた記者さん、最初は若い人達に、「浅草の店にお嫁に行ってみたいですか?」とか、質問しておいででしたが、

 やがて、その矛先は受付近辺に居た、役員達へ。ご質問の内容は、

 奥さんとは、どこでどうやって出会ったんですか。とか、

 奥さんと一緒に働いていて、ケンカはしないですか。とか・・・

 そんなヤバいこと聞かないで!

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1.000円ランチ@浅草

 先日、知人から「浅草で@1.000円で、何か他の場所になくて、旨いランチを食べたいので、教えてほしい」と言われ、困ってしまいました。

 浅草は一応、天下の一等地ですので、天丼とか天蕎麦でも、1.400円〜1.500円くらいする所です。「@1.000円で」となると、もんじゃ焼きかモツですかねえ、とお答えすると、その方は、そういう食べ物はあまりお得意でない方のようでした。

 実は「ちんや」でも、「ちんや亭」という、リーズナブル値段の、系列の飲食店をやっていまして、ハンバーグなら、@1.200円です。当然そこを、おススメしたいところですが、あいにく、「ちんや亭」はカウンターだけの店でして、ゆっくり長居できる、というタイプの店では、ありません。

 残念ながら、今回のランチは、「ゆっくり」がメインの趣旨とのことでしたので、結論として、ご質問にバッチリフィットした、お答えにはなりませんでした。

 @1.200円で、旨くて、ゆっくり長居できる、という店があれば、繁盛するに違いありませんが、「ちんや亭」で優先しているのは、「ゆっくり長居できる」ことではありません。

 本家の「ちんや」の方は、店として「ゆっくり長居して、すき焼きを食べていただく」ことを優先していますが、「ちんや亭」で店として優先しているのは「出来立て」であることです。

 「ちんや亭」は、カウンターだけで、16席しかない、小さい店ですので、焼いたハンバーグを即座に、ご提供できます、5秒以内に。

 肉が旨くて、出来立てのアツアツを5秒以内に食べれば、マズイわけはありません。そこを大事にしている店、ということでご理解いただきたいと思っております。

  ついでに宣伝しておきますと、「肉が旨くて」の理由ですが、肉が「ハンバーグ用の肉」でないから!です。

 すき焼き用の肉を精肉する時にできる切れ端を保存しておき、あとでミンチして、ハンバーグを作ります。もともとが、すき焼用の上等な肉で、熟成させたものですから、すき焼き同様の、旨味のあるハンバーグができます。「ハンバーグ用の肉」(通常はランクの低い肉)は仕入れていないのです。そこが、旨い理由です。是非、お召し上がり下さい。

  そう言えば、先日、「国際観光日本レストラン協会」で御一緒する、N社長が新しく、開店させた、「神田仏蘭西料理聖橋亭」さんを見学させていただいたのですが、そこには、なんとお客様用の、「お昼寝部屋」がありました。「ちんや」の、はるか上を行く、ゆっくり度です。

 「聖橋亭」さんは、もともとが、一戸建ての民家で、上層階もあるのですが、料理を上げ下げするリフトがないため、食事のスペースとして、上の階は使いにくく、それなら、思い切って、「お昼寝部屋」にしてしまって、くつろいでもらおう、ということのようです。

 N社長に、お客さんが本当に寝込んでしまって、いつまでも帰らなかったら、困りますよね、と聞くと、

 「イヤ、そうでもないよ。寝ていいよ、って言うと、逆に以外と人間寝ないもんだよ」と呑気なお答え。

 うーん、それならウチも、今使っていない、店の上の、高い階を「お昼寝部屋」にしてしまうか!

   *「ちんや亭」については、いったんこちらを開けた後、「関連店舗ご紹介」を開けて下さい。

友三角、上三筋

 私が日頃お世話になっている、「浅草うまいもの会」のK子会長(=鰻「川松」社長)から、質問メールが来ました。

 「ある焼肉店に行ったら、「座布団」とか「友三角」「上三筋」など部位がメニューに書いてあるんです。店の人から、モノ凄く貴重な部位と聞かされたんですが、どういう部位なんですか?」という御質問でした。

  「友三角(トモサンカク)」「上三筋(ウワミスジ)」・・・ですか。

  肉の業界で、一般に表示することを求められているのは、「もも」とか「かた」とか「リブロース」とか、そういう大分類でして、表示方法が決まっています。しかし、最近、さらに細かい、小分類の部位名を消費者に表示することによって、それがとても旨い部位であるかのように思わせる手法が、一部で流行っているようです。小分類の部位名が消費者になじみがないのを利用しているわけです。

  もちろん、細かく表示して悪いわけではありませんし、「友三角」「上三筋」というのは、マズい部位ではありませんが、「友三角」は「もも」の一部、「上三筋」は「かた」の一部でして、たしかに焼肉向きの部位ではあるものの、「格別上等」の部位というわけではありません。

 モノ凄く貴重な部位、というのは、チョッと言い過ぎでしょう。言葉のパフォーマンスのような気がします。

 「座布団」「徳利」なども、やはり部位やパーツを示す隠語ですね。これも「格別上等」と言うのは、少し大げさと思います。

 「友三角」(「もも」の一部)

 「上三筋」(「かた」の一部)

と表示するのが、最も正確かつ正直と思いますが、そうはやらなそうですよね。

  一般の方が、肉のことを体系的に学習する機会などはほとんどありませんから、こういう手法を考えつく業者がいるのだと思います。

  「大人の食育」もしないとなあ、と思う今日この頃です。

 特に、焼肉店などに行く機会の多いのは、男性ですから、「男が肉を学ぶ会」なんていうのを、やらないといかんのかなあ、と思ったりしています。

 あ、しまった、K子大明神は女神様だったか!

 「肉を学ぶ会」には、もちろん、御参加いただけるようにいたしますので、御許しを!

 御気の短いのはいけませんよ。 乱暴なことは御考え直しを! ぎゃあああ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*「浅草うまいもの会」については、こちらです。

逆転の発想=浅草寺平成本堂大営繕美観プロジェクト

 中学時代の友人が、このブログの5/17号に、こんな投稿をしてくれました、

 「浅草寺の葺き替え工事、あの防音幕というのでしょうか、あの幕の竜の絵、あれはあれで迫力があり、終わったら処分してしまうのか、もったいない と思ってしまいます。
だからと言って、「じゃぁ 持って行くか」と言われても、即答でお断りするしか。。。
11月末までですか…、完成する前に、カメラ持って行かないと。」

  この「幕」というのは、いま本堂周囲を覆っている工事壁のことですが、その工事壁に素晴らしい加彩がされているのです。以下、浅草寺のホームページから転載ですが、

  「この度の本堂大営繕では、ご参詣の皆様の安全を第一に考え、また建築上の必要性を満たすため本堂周囲を完全に工事壁で覆っております。
  当山といたしましてはこの外観に彩り(いろどり)を添えたく考え、この度「平成本堂大営繕美観プロジェクト」 としまして、多くの企業・団体のご奉納を受け、日本を代表するデザイナー山本寛斎氏率いる「株式会社寛斎スーパースタジオ」にご協力を依頼いたしましたところ、本堂外陣天井にあります、川端龍子画の「龍之図」 をモデルとした巨大な金龍の絵が山本寛斎氏のプロデュースにより本堂正面に掲げられることとなりました。」

 そういう次第で、本堂正面の工事壁に描かれた、金の龍は、縦:10.2m×横:32.7mもあって、それ自体が、かなり立派で見ごたえあります。(その写真は、浅草寺のホームページでも見ることができます。)

 実は、浅草に居る我々としては、「今年は観音様(=浅草寺のこと)が工事中だから、観光客が減るに違いない、当然営業的には寂しいだろうなあ。」と思っていたわけです。

 でも、発想を逆転すると、この龍は、この時期(=今年の秋まで)しか見られない、期間限定の、貴重なものです。本堂が完成してしまうと、なくなってしまいます。

 東京スカイツリーについても、「建設中の姿を見ておきたい」という方がたくさん見えていますから、建設中の、期間限定の龍を見ておきたい、と思う人がいても当然ですよね。

 そういう発想がなかったですね、浅草的には。

 このブログを読んだ方が、龍見物に、お越しいただけたら有り難いです。

 ところで一番気になる、本堂が完成した後、龍の命がどうなるのか、ですが、

  それはですねえ、

 「天空に舞いもどる」ということで、よろしくお願いいたします。

 正確にお答えすると夢を失っちゃいますからね。仲見世商店街のF会長に確認したところ、捨てるわけではないそうですので、ご安心を。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*観音様(=浅草寺のこと)のホームページはこちらです。龍の写真も載っています。

このブログの5/17号も、お読み下さい。

今ごろ神輿はどの辺りですか?

 昨日5/15は、浅草神社例大祭(=三社祭)の2日目でした。午前中に、例大祭式典が行われた後、この日のメイン行事は、午後の、各町神輿の連合渡御(れんごう・とぎょ)です。

 「氏子四十四ケ町」と申しまして、三社様の氏子の領域は広いのです。北は日本堤、西は合羽橋、南は寿町までの広い範囲が領域です。そして、この領域が細かい町会に分かれていまして、それぞれに神輿を持っています。連合渡御の際は、それらの神輿が浅草寺裏に、まさに連合して、集まって来ますので、壮観な景色となります。

  集まった神輿は、昼12時から町に繰り出しますので、その辺りから、浅草の町は喧騒に包まれます。祭囃子が熱くなり始めるのも、この頃です。

  ところで、お客様から、よく「今ごろ神輿はどの辺りですか?」というご質問があります。

 3日目の日曜日に担ぐ、「本社の神輿」なら、ルートが事前に公開されていて、位置がわかるのですが、土曜日は「各町会の神輿」ですので、町会ごとに担ぎまわっているわけで、「今ごろ神輿がどの辺りか」がわからないのです、土曜日は。

  でも、一般の御観光の方は、「本社の神輿」と「各町会の神輿」が別物だ、という細かいことは、おわかりにならず、

「え? 神輿にGPSがついていて、位置がわかるって、新聞に書いてあったわよ。なんでわかんないの? わかるハズでしょ!」

  それはですねえ、「本社の神輿」のことでして、「本社の神輿」は、土曜日は出ないんですよ。とお答えすると、すごくがっかりする方がいます。だから、「本社の神輿」と「各町会の神輿」が別物だ、ということは、土曜日に見えた方には、こちらからはなるべく、言わないのですが、質問されてしまった場合は仕方ありません。

  明日もお越しいただければ、有り難いのですけどね。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Filed under: 困った質問,浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 9:36 AM  Comments (0)

鍋の洗い方

 このブログの4/7の号で、「ちんや」には「お客様に聞かれて困った質問」収集委員という委員がいると書きました。この委員は何をする委員か、と申しますと、お客様から聞かれて、答えられずに困った質問をメモしておき、週に1回月曜日に提出するのが仕事です。その委員の連中が収集した「困った質問」はブログネタの宝庫でして、今日は、その第3弾です。

  「すき焼き鍋を使った後の、取り扱いはどうしたら良いんですか?」というご質問があったようです。ご家庭で、すき焼きをした後、鍋の後始末でお困りの方は多いかもしれません。鉄は重いし、管理が悪いと錆が出てしまうので、敬遠されがちのようですが、やはり、すき焼きには鉄鍋です。このブログを借りて、扱い方法をお教えしましょう。

 ①まず脂はなるべく溶かしましょう。牛脂の融点はさほど高くないので、お湯で、ある程度は溶けます。

②脂が溶けたら、洗剤で落とします。普通の中性洗剤でOKです。

③すき焼きをしている最中に、固形化してしまったものは、洗剤で落ちない場合がありますので、実力で落とす他ありません。クレンザーをつけて、ナイロンたわしで、こすります。それでも落ちない場合は「焦げ落とし」(スクレイパー)も使います。

④水分を良く切り、さらにペーパータオルなどで完全に拭き取ります。

⑤鍋に食用油を塗りつけ、なじませます。保管中に塗りつけるのには牛脂は使いません。すぐに油を塗らないと、鍋が酸化し、変色が始まりますので注意しましょう。

⑥保管する時は、油が流れ出ないよう、上向きにします。

<鍋の裏や側面に、焦げがこびりついてしまった時は、>

・鍋をそのまま、直に火にかけ、焦げを焼き落とすことができます。ただし、その後は油を塗りつけても、鍋になじみにくい状態になりますので、塗りつけ作業を、時間を置いて2〜3回繰り返します。

  牛鍋屋、桜鍋屋、どぜう鍋屋などは、上記のような作業を日々繰り返しています。このブログの4/22号にも書きましたが、鍋屋は鍋を「動態保存」しているのです。この作業をキッチリできる「洗い場さん」がいないと、成立しないのが鍋屋です。お客様がお帰りになった後の深夜に、とっとと家に帰りたい気分の中で、この作業をキッチリできる「洗い場さん」がいないと、成立しないわけです。

  ですから、ご家庭で、すき焼きをする場合は、是非とも旦那様が、この「洗い場さん」を買って出るのが良いでしょう。簡単に奥様に感謝され、さらに、ここに書いてあることを受け売りで語りながら作業すれば、チョッと見直されちゃう可能性すらあります。おススメしておきます。

  「ふーん、そうかい、ということは、住吉家でも、洗い物はダンナがするわけ?」

  そりゃしてますよ。鮮明な意識が、その時点であれば、ですけどね。

 良く言われてるのは、「アナタは、もう寝ていいから! ヨッパライは邪魔だし!」ですけどね。

  ところで、この原稿がUPされる頃=5/14は、浅草神社例大祭(=三社祭)の初日です。

 例年、祭礼期間3日間(5/14〜5/16)の内、1日は必ず雨が降りますが、今年はどうでしょう。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

津軽びいどろ

 このブログの4/7の号で、「ちんや」には「お客様に聞かれて困った質問」収集委員という委員がいると書きました。この委員は何をする委員か、と申しますと、お客様から聞かれて、答えられずに困った質問をメモしておき、週に1回月曜日に提出するのが仕事です。今日は、その委員の連中が収集した「困った質問」の第2弾です。

  さて、「ちんや」さんで使っている、冷酒グラス(ぐい呑み)は、どこで造っているグラスですか?」というご質問があったようです。お答えは、「津軽びいどろ」です。

  「津軽びいどろ」は、古くから受け継がれてきた「宙吹き」の技法で作られているのが特徴です。熟練した職人たちが、硝子を灼熱の、どろどろに溶けた状態で吹き竿にすばやく巻き取り、息で膨らませます。そうして硝子のカタチを整えるのが、「宙吹き」の技法です。

 ただ、「宙吹き」自体は、「津軽びいどろ」オリジナルというわけではないので、「津軽びいどろ」を名乗るメーカーは複数あるようです。

  「ちんや」では、「津軽びいどろ」の冷酒グラスを、色違いで用意していて、季節によって、使いわけています。

  初夏は緑

 真夏は青

 秋・冬は茶色

 春はピンク 

 年末・年始は冬ですが、慶祝ムードでピンクにします。

 逆に、ご法事の場合は、春でもピンク以外にします。

  すき焼き自体が1年中ほぼ同じなので、少しでも季節感が出るよう、こういう所で工夫をしています。

  ここで面白くないのは、そもそも日本酒をご注文いただかないと、このグラスを出せないところです。ところが実際は、「とりあえずビール」派の方が圧倒的に多く、「最後までビール」派の方も少なくありません。

  日本酒の売れ行きがショボいのは「日本酒は悪酔いする」という巷説が信じられているせいなのかなあ? 

 チェイサーを注文して、水をしっかりお飲みになればいいんですよ!そうすれば、そんなに悪酔いしないと思いますけど。

  「え? 住吉、アンタにそういうこと言われたくないよ。」

 「アンタが、水をしっかり飲めば、日本酒さんざん呑んでも、悪酔いしないって、言いながら呑んで、結局泥酔してたの見たことあるぞ、観音裏で。」

  おっと、困るなあ。 そういう浅草のインサイダー情報を、勝手に書いてもらっちゃあ。 

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*「ちんや」で使っている、「津軽びいどろ」については、こちらです。

* 「困った質問」の第1弾は、こちらです。

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