御乱心

 最近、精肉売店で「ホンモノの醤油」とか「100%柚子しぼり」とかを販売しておりまして、このブログにも書いてきました。近々、味噌も売ります。それを読んでいて、

 どうも、住吉のヤツ、肉が売れないもんだから、

血迷ったみたいだなあ、とか、

御乱心ですか、

とか思っている方もおいでかもしれません。

 9/5から東京食肉市場では、牛肉の放射性物質の、全頭検査をしていますから、牛肉に関しては、安全な体制がとれています。しかし報道では、そのことは小さくしか採り上げられず、安全でありながら、「安心」に至っていないのが現状でしょう。

 しかし、だからと言って、私は相い変わらず、牛肉を売ろうと考えていて、調味料の類を売るのも、牛肉を美味しく・楽しく食べていただくための工夫の一環です。

 せっかく美味しい肉を販売していても、ご自宅で、

 「ちんや」の肉に、そんな醤油をかけちゃうんですか?!それって醤油というより、「醤油に似せた調味液ですよ!」という感じの液体をかけていただくと困るのです。

 この件を書くと長いので後日に譲りますが、日本の醸造技術は、どんどん醸造工程を端折る方向で進歩しています。「進歩」と言って良いのか、疑問ですけどね。特に醤油の熟成工程が端折られる方向です。

 せっかく「ちんや」の熟成させた肉に合わせるのに、熟成工程を端折った醤油では、ザンネンですよね。

 それで「ホンモノ」の醤油を売るのです。あくまで肉を美味しく食べていただく為です。

 自然とお高い醤油ですが、それで儲けようという意図ではありません。でも、お高いにもかかわらず、結構、ポチポチと売れています。有り難いことです。

 さらに申しますと、醤油の造り方にも、多少の違いがありまして、その違いが分かったら、とても楽しいことです。

 一方、考え方を少し改めたこともあります。

 美味しいだけでなく、楽しく食べていただかないと×だ、ということです。特に、今時はそうです。

 従来「ウチの肉は、塩・コショウだけで食べていただけば、それで最高です。余計なことはしないで下さい!」という売り方をしていましたが、それって楽しくないですよね。

 1年中「塩・コショウだけ」ではつまりません。

 たまには酸味を利かせて食べたいこともありますよね。熟成させた肉は味が濃厚ですので、少し酸味を利かせるのは×ではありません。

 だったら、そういう時のために柑橘系のものも売ったら喜ばれますね。それが「100%柚子しぼり」です。

 今準備をしている、「牛肉の味噌漬け用の味噌」もそうです。お客さまがご自分で漬けてみること、それ自体が楽しみなのです。

 お子さんがおいでなら「食育」にもなると思いますよ。

 「江戸時代は冷蔵庫が無かったら、肉は味噌漬けにしてたんだ。この貴重なものを食べられたのは、その頃は将軍様と副将軍様だけだったんだぞ。」などとお子様に「食育」しつつ食べたら、楽しいだけでなく、教育上大変よろしいかと思います。

 どうも最近「食」という単語には、「の不安」という単語とセットに成ってしまいましたが、皆さん、それでいいんでしょうか。

 一日に一度は、ああ美味しい!と感じる食事をしないと、人間の脳の、その日のストレスが解消されない、という学説の先生もいます。なるべく美味しく・楽しい食事をしていただきたいと思います。

 少なくとも、東京の牛肉は安全ですので、あとは気の持ちようです・・・

 あ、そう、なるほど、そういう理屈ね。血迷ったわけじゃあないのね。

 でも「牛肉名刺入れ」はどうなの?あれはやっぱり血迷ったんじゃないの?

 うーん、あれは、まあ、多少血迷ったかもしれませんね。

 でも理屈だけじゃ、楽しくないですから、なんか、オカシいものは要りますよ。それに好評なんですよ、あれが一番。

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挨拶

 挨拶はシッカリするものです。それは当たり前です。

 でも、その相手が自分の知っている人かどうか、ビミョーな時はどうしますか。

 浅草の街を歩いていると、しばしばそういう状況になります。

 あれ?

 見たことある人だなあ。

 この前××を買った時に相手をしてくれた、「○○屋」の人だったかなあ。

 違うなあ。7月に呑み屋の「△△」で偶然居合わせて、□□さんに紹介された人だったかなあ。

 いや、待てよ、先週の金曜日の7時に5人でウチに食べに見えたお客さまかも。

 思い出せないないなあ。

 こっちに気がつかないと良いんだけどなあ。

 あ、マズイ。接近して来た。

 分からないないなあ。困ったな。

 ゲ、マズイ。こっちに気付いたぞ。

 向こうの表情が変わったってことは、やっぱり知っている人か。

 こっちも大至急で笑顔にならないとマズイぞ。

 面倒だなあ。たいして良く知ってないのに。

「オっハヨウございまーす!涼しくなりましたね!」(ビッグ・スマイル)

 実は、浅草の人同士では名刺交換をしないのが普通です。

 「紹介しますけど、こちらはN丁目の○○屋の△△さんです。」で、人の紹介が終わってしまいますが、これが私にとってはとても不都合です。

 私の脳は、画像情報を保存するのがあまり得意でなく、画像単体つまり人の顔を覚えるのが得意でありません。だから画像情報と文字情報と組み合わせることで、しっかり脳に定着させたいところなのですが、名刺が無いとそれができないのです。

 あ、マズイ。

 また、見たことある人が接近して来たぞ。

 分からないないなあ。困ったな。

 逃げちゃおうかな。

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味噌漬けすることを応援し隊

 「ちんや」は、味噌漬けすることを応援したいと考えています。

 はあ?「味噌漬けする」「ことを応援」だって?

 そうです。そのために、精肉売店で「味噌漬け用の味噌」を売り出し、お客様がご自分で、肉の味噌漬けを漬けることができるようにします。

 味噌漬けした肉は既に売っているのに、なんでまた、さらに「味噌漬け用の味噌」を売るのか、ですが、それは「味噌漬けを漬ける」という体験そのものを楽しんでいただきたいからです。

 例えば、お子様の食育の一環で、味噌漬け体験をさせてみたら、どうでしょう。

 お子様と料理を一緒に作るのも悪くはないですが、すぐ終わってしまいますよね。味噌漬けなら、時間がかかるわけなので、その間ずーっと楽しみにしていることができます。

 お子さんの誕生日に味噌から取り出して食べたら、誕生日が二重に楽しくなると思います。

 もちろん、大人の方にも挑戦していただきたいです。

 舌が肥えた方の中には、店で売っている既成の味噌漬けの味を、少し変えてみたい、という人がいるかもしれません。味噌の配合の割りを変えて、自分の舌にジャストフィットする漬け方をするのも、一つの楽しみと思います。

 また既製品と違う部位で作ってみたい、という方がいてもおかしくありません。

 味噌漬けの最中に、脂身が酸化するとよろしくないので、味噌漬けには、霜降り肉より赤身肉が良く、主にモモなどが使われますが、フィレであっても、やはり赤身ですので良いかもしれません。既成品では、値段的にフィレは使えませんが、グルメな大人がチャレンジしてくれたら面白いことになります。

 少し前の、阿部寛さんが主演したテレビドラマ「結婚できない男」では、主役の、高収入でイケメンなのに結婚できない男(=阿部寛さん)が、ひとり自宅で手巻き寿司を作るシーンがあって笑えましたが、手巻き寿司でなくて味噌漬けなら、もっと「結婚できない感」がリアルだったと思います。

 勿論、一人でそういうことが可能なように、手引き書も付けて売ります。味噌本体より、その手引き書の方に価値があると言っても良いと思います。10月半ばには登場予定です。

 自称「わが町のアベカン」の皆さん、一人で味噌漬けしてみませんか。

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帰宅難民②

(この話しは長いので、昨日から続いています)

 従来、私は飲食店あたりが「ホスピタリテイー!」と叫ぶのには「他にピッタリな言葉はないのかなあ」と思っていまして、ホスピタリテイーという言葉は、飲食店じゃなくて宗教者、医療・福祉関係者、公務員が使う言葉と思っています。

 ホスピタリテイーという言葉は、縁も所縁もない他人のために、自らの身や財産を犠牲にしてでも献身することを言う、と私は習いました。だから大げさなニュアンスの言葉と認識しています。

 飲食店が「ホスピタリテイー!」を標榜していて、官僚がそうしない世の中はヘンじゃないでしょうかね。

 飲食店あたりが使うと、ホスピタリテイーという言葉の重みが減ってしまうような気がして違和感があります。その飲食店のご主人が医師免許を持っておいでなら、まあ結構ですが、普通の人は自分が出来る仕事の、身の丈にあったニュアンスの言葉を使っていただいた方が良いのにな、と思っています・・・

 さて話しが脱線しましたので元に戻しますが、「ホスピタリテイー!」を標榜していない飲食店主の私であっても、台風という緊急事態なら話しが別です。

 営業を続行して、電車の復旧が遅れて深夜になれば、その時はスタッフを泊めないといけません、あるいはお客様さえ、お泊めしないといけないことになるわけですが、この状況でのホスピタリテイーの発揮として、それは当然のことです。

「何か事故があったら責任はどうなるのか」

ですが、その責任は不肖・私がもちましょう。多少の薬もあるし、医者の知り合いもいるので、なんとかなります。どんなことがあっても、翌朝までお護りして当然でしょう。

 厄介と言っても、この日一晩だけの話しですから、是非そうしよう・・・

と思っていましたが、結局、ここに書いたようなことは、全て杞憂に終わりました。

 台風は急ぎ足でぬけて行き、電車も復旧しました。夜9時半まで店にいた人は、スタッフもお客様も、問題なく帰っていき、私が頭の体操をしただけに終わりました。

 こうしてあれこれ考えた後は、どうも頭が冴えて寝つきが悪いので、やがて結局「一杯」という展開になりました。

 うーい、ひっく。(また、この落ちか・・・)

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帰宅難民①

 台風が東京を直撃した日の、「帰宅難民」のことが話題になっていますね。渋谷駅近辺では、暴風雨が吹き荒れる中、何万人という人が立ち往生していたとか聞きます。しかも、その時間が3時間とか5時間とかなので、それはキツかったことと思います。

 そんなことが起こってしまった原因について、テレビには都市計画の専門家の方が登場して、「都市型災害が、どーの、こーの」と論じておられましたが、私は「?」と思いました。最大の原因は他にあったのでは、と思います。

 午後3時半に東急線が止まったことを知った、各企業の経営者の皆さんは、泡を食って従業員に帰宅を命じたようですが、それがサイアクだったようです。

 従業員さんは仕事を続行中ですから、すぐに終わらせられず、4時とか4時半まで仕事をして、それから駅へ向かったわけですが、その頃には、地下鉄以外の電車は、皆止まってしまっていました。しかも、その頃が風雨のピークだったのです。これはサイアクです。

 弊店でも、遠くに住むスタッフを帰そう、という話しが上がってきましたが、私は、

 今帰るのは、どうなのかな、途中で電車止まるかもよ。

と思いました。後で聞きますと、結局、無事帰れたらしいのですが、それはむしろラッキーなケースだったのであって、結論は店に居た方が安全だったのです。

 この日、予約のお客様に、かたっぱしから電話を架けますと、3組のお客様から、

 行くよ!

というご返事でした。それなら、むしろこのまま営業している方が良い状況です。台風なんてものは、3〜4時間も我慢していればぬけるわけですから、夜9時半まで仕事して帰れば丁度良いのです。

 電車の復旧が遅れて深夜になれば、その時はスタッフを泊めないといけない、あるいはお客様さえお泊めしないといけないことになるわけですが、それは当然のことです。3.11大震災の当日も数人のスタッフが店に泊まったことを思い出し、私は覚悟を決めました。

 営業続行。帰れないヤツは泊まればいいし、帰る途中で止められたら、店に戻ってくればいいさ。

 たしかに、スタッフとは言え他人が夜中に店に居るのは、面倒をしょったような気がします。何か事故があったら責任はどうなる、とか考えてしまいますね。

 ましてお客様となると厄介です。でも、3.11の夜に、料亭を経営する知人が、お客様を店にお泊めした、と聞いていましたから、この日判断に迷いはありませんでした。

 帰れない状況になったら、泊まってもらうのが、最良のホスピタリテイーの発揮であった、早く帰すことではない、「帰れ、帰れ、というのは違うよな」と考えました。

 従来、私は飲食店あたりが「ホスピタリテイー!」と叫ぶのには「他にピッタリな言葉はないのかなあ」と思っていまして、ホスピタリテイーという言葉は、飲食店じゃなくて宗教者、医療・福祉関係者、公務員が使う言葉と思っていますが、緊急事態なら話しが別です。

(この話しは長くなるので明日に続きます)

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牛肉名刺入れ

 精肉売店で「牛肉名刺入れ」の販売を始めました。

 「牛肉名刺入れ」って、なんだ?!

と思われた方は多いかもしれませんね。

 お答えします。それは、牛肉と見まごう名刺入れです。

 タネ明かしをしますと、これは合羽橋の「佐藤サンプル」という食品サンプル屋さんが、サンプル製作の技を活かして作った名刺入れです。だから、牛肉と見まごう名刺で、当然なのです。

 合羽橋の、食品サンプル製作という仕事は、ほとんど一種の食文化とすら言える存在で、食材を本物以上のリアルさで作る技術があります。

 たまにテレビで、サンプルと本物を一緒に並べ、外人さんに、その中から本物を見つけさせる、というような趣向の番組をやってたりしますよね。たいていはサンプルの方を選び出してしまいます。実際、最近は観光気分でサンプルを買いに来る外人さんも多いそうです。

 そのサンプル技術で作った、名刺入れが「ちんや」の売店に並んでいると、本当に、肉に見えます。

 なにしろ、肉の霜降りの部分は印刷ではなく、樹脂の中に樹脂を入れ込む、という手間のかかる作業で作られているそうです。もし霜を印刷で表現したとすると、何度も名刺入れを使用しているうちに剥げてしまう心配があるそうで、サンプル職人さんは、そういうことにもコダワルのです。

 しかも「ちんや」で販売しているのは、限定オリジナルバージョンでして、従来品の「牛肉名仕入れ」とは違い、熟成させた肉の風合いで作ってあります。コリ杉です。

 私は、このような合羽橋のサンプル技術がもっと世に知られても良いでのでは、と思い、販売させていただくことにしました。世に知らしめるのには小売するのが一番ですからね。

 でも販売させていただくことにした理由はそれだけでありません。私は根本的に、こういう馬鹿馬鹿しいものが好きなのです。馬鹿馬鹿しいものを真剣に作っているところが、なんとも素敵です。この素敵さをわかっていただける方がたくさん現れることを期待します。

 さらに、ですよ。言わせていただきますと、この「牛肉名刺入れ」には、

・目立てる。

・名刺交換した相手に強い印象を残せる。

というレッキとしたベネフィットもあります。

 例えば、佐藤商事という会社で営業を担当している、加藤一郎さんは、あまりにお名前が平凡なため、営業先で自分の名前を覚えてもらいにくいですよね。

 「牛肉名刺入れ」を使ってみてはいかがでしょうか。相手に強い印象を残せます。加藤という名前は覚えてもらえなくても、

 ほらほら、あの、何ておっしゃったっけ、ほら、牛肉の名刺入れ使っている人いたよね、あの人に注文しようよ。

(⇒電話をかけて)「スミマセン!牛肉名刺入れの営業さん、いらっしゃいますか?注文があるんですけど・・・」

と、いうような展開で、社業繁栄の御役にたてましたら、望外の幸せです。

 この名刺を購入なさった方の、ご繁栄・ご多幸を心より祈念申しつつ、乾杯させていただきます。うーい、ひっく。

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住吉史彦の会!の、すき焼き川柳

<大震災6ヶ月―全ての食材を東北+北関東から集めた、住吉史彦の会!>

を開催しました。

 この会には余興もございまして、それは・・・

 すき焼き川柳コンクール!

 ? それってツイッターでやってるヤツかって?

 ああ、たしかに似てますけど、少し違います。こっちはですね、この宴会だけのために、参加者の方に、すき焼き川柳を作っていただきまして、その中から面白い句を選んで、当日現場で表彰する、という趣向のものです。

 普通、宴会というと、出席して飲み食いするだけですが、それだけでは「今一つ」なので、皆さんにも「川柳を作る」という形でご参加いただく、「参加型」の余興にしてみました。

 面白い句を選ぶ、その選び方も「参加型」です。川柳は事前にメールで送っていただいて、リストを作っておき、宴会の現場で、全員で投票して順位をつけます。「参加型」でしょう!

 ではここで、その川柳を発表します。本当は、作者も公表したいところですが、うかつにも、集める時に「川柳をネットに出します」と断っておかなかったので、お名前を勝手に好評できず→川柳だけの公表です。

  どぜう連 肉を食うノダ すき焼きだ (政治漫談)     
 鍋喧嘩 箸を交えて 生焼けだ  (早いもの負け)
 割り下と野菜しいたけ 肉がない(健忘症詠む)
 ご当地の 絆強まる すき焼き道(割り下連詠む)
 鉄鍋の 重さ重ねる 父の愛 (晴れの食卓)
 ネギ先だ 牛肉先だ 焦げちゃった(根回し不足)
 隣家より 香るすき焼き ほのぼのと(凡事幸あれ)
 膝を打つ うまさ弾ける ちんや会 (ご馳走様でした)

 グツグツと文明開化の音がする
 明治の世男女を問わず肉食系

 すきやきを 食べる子供と 奪い合い

 鉄鍋に 染入る香味 秋の宵

 鍋底に 佇む豆腐 いと旨し

 割下に ちょっぴりポン酒 混ぜてみた(い)

 すき焼きを ちんやで食す 幸せを!

 すーすき焼きで みー右も左も 吉ーよき笑顔

 すき焼きはいつの時代も薬食い
 関西に負けてたまるか江戸魂
 すき焼きをみんなで食べれば怖くない
 すき焼きを好き好き好き好き一休さん
 大晦日心に灯す家族の日
 小伝馬で明治の薫り喰らうべし
 牛は無理我が家のすき焼き豚か鶏
 俺達の仲人したのはすき焼きさ
 ちょっと待て先ずは肉だろすき焼きは
 溶き卵溶いて絡めて午前2時
 野田総理どぜうでなくてすき焼きで

 地下鉄の 駅をおりると 腹が鳴る
 午前様 空鍋だけが おでむかえ
 男前 眼鏡が光る ちんやさん

 割り下と 肉と野菜で すき焼きを

 変わりざく どんなものかと 楽しみに

 舌鼓 美味いすき焼き 腹鼓

 かわりザク ちんやのなべで 変わり咲く
 すき焼きは 四角い肉も 丸くおさめる
 酔い酔い宵 主食かつまみか すき焼きは 

 すきやきを二人で食べるともっと好き

 深浦で食べられぬ牛 夢のちんや

 テレビなしスキヤキもなし一人深浦

 検定後ますます体重増すばかり

 ネギ焼いて 肉の味増す ちんやかな

 どうしよう  すき焼きも天ぷらも  好きやねん!
 伝統の 割り下丼たれ  老舗の家宝
 おもいっきり  今宵は食らうぞ  モーウシシ
 素晴らしき  仲間とつっつく すき鍋の妙
 朝 昼と  飯抜くも  後悔なし!!

 誰知るぞ 語源が農工具 鋤とは…

 世界重鎮 唸る馳走へ逆輸入

【昭和篇】〜何となく懐かしい日本の風景をイメージしてみました〜

 すき焼きと 分かれば急ぐ 日暮れ坂

 すき焼きを 笑顔で囲む  給料日

【異国編】〜海外でふと思う、懐かしい日本の味〜

 異国にて すき焼き真似て 母想う

「sukiyaki」と 話せば分かる 共通語

【お笑い系】〜すき焼きは多くの笑いとバトルを生みます〜

 すき焼きだ!(*^_^*) 勇んで食べたら ヤケドした(>_<)

 ちょっと待て 順序が逆だ まず野菜

 ダイエット すき焼きなのに 肉が無い・・・(涙)

【恋愛編】〜ちょっぴり苦い、物悲しい思い出〜

 すき焼きの 食べ方見たら 興醒めた 

 初七日に すき焼き食べる 一人酒

【望郷篇】〜一人暮らしも馴れたけど、時折ふっと寂しくなる〜

 知らぬ者 すき焼き囲み 友となり

 初デート なかなか肉に 手が出せず

【ちんやPR編】〜勿論、最後は綺麗にキメますよ♪〜

 浅草で すき焼きだったら 「ちんや」だね♪

 めでたいな 今日は「ちんや」で ご馳走だ!

 さあ行こう ここまで来たら 「ちんや」でしょ!

 川柳は以上です。そして、このような多数の句の中で、公正な投票の結果、優勝した句は・・・

 フライング生煮え覚悟で肉狙い

→粋な感じで、私も結構と思います。おめでとうございました!

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住吉史彦の会!の、メニュー公開

<大震災6ヶ月―全ての食材を東北+北関東から集めた住吉史彦の会!>

を開催しました。

 40人以上の、食品関係の皆さんばかりにお集りいただき、全ての食材を東北+北関東から集めたメニューを召し上がっていただきました。今日は、そのメニューを公開します。

<先付け>〆秋刀魚(宮城)・菊花(秋田)添え 

<お造り>かつお(宮城)・ニンニク醤油(青森)  

<すき焼き>肉=黒毛和種、雌、山形県産、

        個体識別番号:08271-30935

        平成20年8月15日生まれ⇒23年8月17日と畜

       *山形県知事による安全証明書付き

    ザク=葱(青森)、豆腐(岩手)、シラタキ(群馬)、春菊(宮城)、

        椎茸(岩手)、仙台麩、たまご(秋田)

    変りザク=ナス(栃木)ナス、蓮根(茨城)、ちんげん菜(茨城)

<香の物>長芋たまり漬(青森)、おみ漬(山形)、半割り大根(岩手)

<お食事>ご飯(会津)、

       味噌(秋田)・若布(岩手)・油揚(栃木)

       醤油漬(数の子、昆布、のり、大根)(岩手)

<甘味>かぼちゃ羊羹(群馬)、ずんだ茶巾造り(秋田)

<日本酒>「笹の川酒造」(郡山市)(当日蔵元ご本人様御出席)

       「磯蔵酒造」(笠間市)(当日蔵元ご本人様御出席)

       「白菊酒造」(石岡市)(当日蔵元ご本人様御出席)

<日本茶>静岡(お茶は元々東北で生産が少なく、最近埼玉が出荷停止となっため、お茶だけは「東北+北関東」を断念しました。残念でした。)

 この日の参加者は、私の知り合いばかりですので、このメニューには実験的な意味もあります。やってみて「・・どうもなあ・・」というのも中にはありましたが、東日本支援というのが趣旨ですので、ご容赦いただきました。

 逆に、初めてやってみて上手く行ったものは、当然、普段の営業に活かすつもりです。

 皆さん、「実験台」有難うございました。ひひひひ。

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住吉史彦の会!

<大震災6ヶ月―全ての食材を東北+北関東から集めた、住吉史彦の会!>

を開催しました。

この会は、やはり昨年9月に開催し、「超盛り上がった!」と本人が思っている、

<すき焼き「ちんや」創業130年記念「住吉史彦の会」>の変形版です。

 「御偉方」をおよびせず、年齢の近い皆様(プラスマイナス10歳)にお声かけさせていただく会という点は昨年と変わりませんが、今年はご案内先を、飲食業界・食品製造業界の方に変更し、さらに会名の最後に!を付けてみました。

 以下が店主(=私)の挨拶全文です。

・・・本日は「住吉史彦の会!」に、大勢でご来場いただきまして、有難うございます。

 最初に三分間だけカタい話しをさせて下さい。三分間だけですので。

 今夜は、食べ物に関係している皆さん、つまり食品の売り手の皆さんにお越しいただいていますが、今時、食べ物はとてもややこしいことになっていますね。「これは食べられる」「あれは食べられない」とか「これは安全」「あれはキケン」とか、困ったことです。

 困ったくらいで済めばまだ上等ですが、ある日急に、自分の売っていたものが、非常にヤバいものだったかもしれないから、公表して謝罪しろ、とか言われたりします。

 牛肉の業界で、この7月に実際に起こった話しです。「ちんや」は、あやうく免れましたが、今日お見えの「人形町今半」さんは、アンラッキーな口に入ってしまわれました。「三嶋亭」さんもアンラッキーな口でした。

 東京都食肉市場で、9/5から全頭検査が開始されましたので、この問題は「一件落着」を見たわけですが、7月のはじめから今月までの2ヶ月間、私自身も生きた心地がしなかった、というのが実感です。店の売上は、当然ながらガタガタでした。

 そういう時に、食品産業の経営者として、どう対応するのか、というのが当然問題ですが、これは予習をして、覚悟を決めて臨める話しではなくて、ある日イキナリ、そういう局面に自分が入っていたりするわけです。イキナリ人生観とか価値判断を要求されるのが、今という状況だと思います。

 その意味で、「人形町今半」さんは、堂々と対応されて、しかも今日はわざわざ、東北の食材の会に来ていただいてですね、私は密かに「偉い人かも!」と思っているのですが、今日お越しの牛肉以外の皆さんも、今後イキナリそういう目に遭うかもしれないわけで、これをヒトゴトと言い切るのは難しいと思っています、脅かしときますけど。

 でも、ですよ。そういう状況に、イヤだ、参ったと文句を言っても、何もいい事ないですし、状況は良くなりませんよね。

 むしろ、この状況をですね、無理やりでも面白がって生き抜くしかないのかな、と私は思っています。

 今相当数の日本人がビクビクしているわけですが、この人達にも東北の食材を、安全を確認しつつですが、食べさせたいですよね。そういう仕事は、ギリギリの仕事ですが、やり甲斐があるわけです。

 何十年か後になって、あの頃は、本当にヒドい時代だったけど、まあ、やり甲斐もあったね、俺達がいちいち、ギリギリの判断をして、今日というものを切り開いて来たんだぜ、って言えるようにできたらいいな!と思ったりする今日この頃です。

 できましたら、今日の席で、そういう話しができれば最高ですが、まあ、泥酔して、大した話しができなくても、それはそれで、楽しければOKと思ってます。最後までよろしくお願い申し上げます。(挨拶終わり)

 え?

 それで、結局どうなったって? 

 決まってるじゃあないですか、「泥酔」の方に。

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AK98

  中国に「AK98」という美少女グループができたそうです。

  日本のテレビ番組が「またもや中国人のパクり商法発見!」とばかりに報道していました。拝見しますと、大勢の美少女が制服を着て踊るので、一定のインパクトがあります。

 しかし詳細に比較すると、「AKB48」と完全に同じではないようです。

  「98」は、杭州地区に在学する、女子大生から構成されるグループなのだそうです。本家「48」のような、厳しい成り上がりシステムがあるわけではないらしく、気のせいか、本家よりカワイイような気がします。

  美少女多数に制服を着せて躍らせる、という点は同じですが、このように中国側は、パクりと断定されないように、工夫をしているようです。日本のテレビ局から取材を受けた関係者は、

  「98」は女子大生であって、大学のイベントで活動しているので、「48」とは、まったく違います。パクりではありません。

と主張していました。

 しかし、ですよ。どう見ても似ています。直感的にはソックリです。

 これが「パクり」として断罪されなくて、果たして良いのか、と思います。AKとは、アキバではなく、“angel kiss” の略だそうですが、「良く言うよ」とはこのことですね。

 思いまするに、芸能と料理は、知的財産の中で、一番保護されていない分野だと思います。

 以前、特許がご専門の方に、

 「ノーパンしゃぶしゃぶ」というアイデイアは知的財産として保護されないんですか?

とお尋ねしましたら、

 いやあ、微妙なところですねえ。

というご返事でした。

 しかし、この、ノーパンとしゃぶしゃぶを結びつける、というアイデイアは秀逸です。 「ノーパン焼き鳥」でも、「ノーパン天麩羅」でも流行らなかったはずで、しゃぶしゃぶしかあり得なかったでしょう、断じて申しますが。知的財産としては無理でも、痴的財産としては、かなりのレベルです。

  保護するにはバカバカし過ぎ、それ以前に風俗的には問題あるかもしれませんが、どんな脳の持ち主なのか興味をそそられます。

 そう言えば、このブログでも、痴的財産風の思いつきを書き散らしていますが、どこかの店でマネさせているかもしれません。

 同業者の読者が結構多いんですよ、このブログは。

 そういうのを見つけたら、是非ご通報下さい。特虚庁に。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて568連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)