ちんげんさい

 この夏どういうわけか、同業者の宴会が続いたり、また同業の方が個人的に見えたりすることが多く、少々緊張を感じながら、お迎えしています。

 そういう機会に一番褒められるのは、「かわりザク」です。

 すき焼きのザクと言えば、ネギ・豆腐・シラタキ・春菊・しいたけ、と相場が決まっていますが、「それだけでは面白くない」と季節の「かわりザク」を始めたのが2年前です。

 以来、2〜3ヵ月に一度内容を入れ替えてきまして、今月はと申しますと・・・

 丸茄子・蓮根・甘長唐辛子の3点

ををお出ししていますが、これを褒められることが多いです。

 いや、驚いた。茄子をすき焼きに入れるなんて始めて見た!

などと、びっくりするようです。

 こちらは、もう2年間試行錯誤しているので、何の違和感もありません。と申しますか、すき焼きに入れて、マズい材料を探す方が大変かもしれません。

 勿論、多少は下ごしらえを工夫した方が良い場合はありますが、工夫さえすれば、たいていの具材は、すき焼きとして成立します。だから、その通りに、

 すき焼きに入れて、マズい材料って、あんまりありませんよ!

と、申しますと、さらに驚かれるようです。

 そんな中、最近試したものの中で、ヒットしたのは、まだ実売に出してはいませんが・・・

 チンゲンサイ、いや、

 ちんげんさい。

 チンゲンサイとか青梗菜とか書くと、中華料理イメージですが、実際はアブラナ科の植物で、和食の世界でも普通に使用されています。

 中華イメージを理由にこれまで避けてきましたが、「なでしこジャパン」の監督や「どぜう総理」を真似て、弊店も駄洒落に取り組むことになり、それで実験してみたのが、ちんげんさいでした。

 チンゲンサイではありませんので、念のため。

 これがなかなかのヒットなのです。定番の春菊より、すき焼き向きかもしれません。

 「ちんや」なので⇒ちんげんさい。うん、美しいです。

 その内、実売に登場させるかもしれません。

 それと、もう一つ。

 チンザノも、どうかなあ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて559連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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Filed under: すき焼きフル・トーク,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)