帰宅難民②

(この話しは長いので、昨日から続いています)

 従来、私は飲食店あたりが「ホスピタリテイー!」と叫ぶのには「他にピッタリな言葉はないのかなあ」と思っていまして、ホスピタリテイーという言葉は、飲食店じゃなくて宗教者、医療・福祉関係者、公務員が使う言葉と思っています。

 ホスピタリテイーという言葉は、縁も所縁もない他人のために、自らの身や財産を犠牲にしてでも献身することを言う、と私は習いました。だから大げさなニュアンスの言葉と認識しています。

 飲食店が「ホスピタリテイー!」を標榜していて、官僚がそうしない世の中はヘンじゃないでしょうかね。

 飲食店あたりが使うと、ホスピタリテイーという言葉の重みが減ってしまうような気がして違和感があります。その飲食店のご主人が医師免許を持っておいでなら、まあ結構ですが、普通の人は自分が出来る仕事の、身の丈にあったニュアンスの言葉を使っていただいた方が良いのにな、と思っています・・・

 さて話しが脱線しましたので元に戻しますが、「ホスピタリテイー!」を標榜していない飲食店主の私であっても、台風という緊急事態なら話しが別です。

 営業を続行して、電車の復旧が遅れて深夜になれば、その時はスタッフを泊めないといけません、あるいはお客様さえ、お泊めしないといけないことになるわけですが、この状況でのホスピタリテイーの発揮として、それは当然のことです。

「何か事故があったら責任はどうなるのか」

ですが、その責任は不肖・私がもちましょう。多少の薬もあるし、医者の知り合いもいるので、なんとかなります。どんなことがあっても、翌朝までお護りして当然でしょう。

 厄介と言っても、この日一晩だけの話しですから、是非そうしよう・・・

と思っていましたが、結局、ここに書いたようなことは、全て杞憂に終わりました。

 台風は急ぎ足でぬけて行き、電車も復旧しました。夜9時半まで店にいた人は、スタッフもお客様も、問題なく帰っていき、私が頭の体操をしただけに終わりました。

 こうしてあれこれ考えた後は、どうも頭が冴えて寝つきが悪いので、やがて結局「一杯」という展開になりました。

 うーい、ひっく。(また、この落ちか・・・)

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて574連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)