牛肉名刺入れ
精肉売店で「牛肉名刺入れ」の販売を始めました。
「牛肉名刺入れ」って、なんだ?!
と思われた方は多いかもしれませんね。
お答えします。それは、牛肉と見まごう名刺入れです。
タネ明かしをしますと、これは合羽橋の「佐藤サンプル」という食品サンプル屋さんが、サンプル製作の技を活かして作った名刺入れです。だから、牛肉と見まごう名刺で、当然なのです。
合羽橋の、食品サンプル製作という仕事は、ほとんど一種の食文化とすら言える存在で、食材を本物以上のリアルさで作る技術があります。
たまにテレビで、サンプルと本物を一緒に並べ、外人さんに、その中から本物を見つけさせる、というような趣向の番組をやってたりしますよね。たいていはサンプルの方を選び出してしまいます。実際、最近は観光気分でサンプルを買いに来る外人さんも多いそうです。
そのサンプル技術で作った、名刺入れが「ちんや」の売店に並んでいると、本当に、肉に見えます。
なにしろ、肉の霜降りの部分は印刷ではなく、樹脂の中に樹脂を入れ込む、という手間のかかる作業で作られているそうです。もし霜を印刷で表現したとすると、何度も名刺入れを使用しているうちに剥げてしまう心配があるそうで、サンプル職人さんは、そういうことにもコダワルのです。
しかも「ちんや」で販売しているのは、限定オリジナルバージョンでして、従来品の「牛肉名仕入れ」とは違い、熟成させた肉の風合いで作ってあります。コリ杉です。
私は、このような合羽橋のサンプル技術がもっと世に知られても良いでのでは、と思い、販売させていただくことにしました。世に知らしめるのには小売するのが一番ですからね。
でも販売させていただくことにした理由はそれだけでありません。私は根本的に、こういう馬鹿馬鹿しいものが好きなのです。馬鹿馬鹿しいものを真剣に作っているところが、なんとも素敵です。この素敵さをわかっていただける方がたくさん現れることを期待します。
さらに、ですよ。言わせていただきますと、この「牛肉名刺入れ」には、
・目立てる。
・名刺交換した相手に強い印象を残せる。
というレッキとしたベネフィットもあります。
例えば、佐藤商事という会社で営業を担当している、加藤一郎さんは、あまりにお名前が平凡なため、営業先で自分の名前を覚えてもらいにくいですよね。
「牛肉名刺入れ」を使ってみてはいかがでしょうか。相手に強い印象を残せます。加藤という名前は覚えてもらえなくても、
ほらほら、あの、何ておっしゃったっけ、ほら、牛肉の名刺入れ使っている人いたよね、あの人に注文しようよ。
(⇒電話をかけて)「スミマセン!牛肉名刺入れの営業さん、いらっしゃいますか?注文があるんですけど・・・」
と、いうような展開で、社業繁栄の御役にたてましたら、望外の幸せです。
この名刺を購入なさった方の、ご繁栄・ご多幸を心より祈念申しつつ、乾杯させていただきます。うーい、ひっく。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて570連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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