どぜう総理

 総理大臣が、またも交代しました。

 「どぜう総理」ことノダさんは、今のところ評判が良いようですが、私には気にいらないことがありますので、一つだけ書かせいただきます。

 自民党時代に何回も見た、派閥本位の総理選びが、今また再現されていますが、「それって、なんだかなあ!」です。「派閥政治が嫌いで、2年前民主党に入れたのに!」と思っている人、いませんか。

 ユキオ総理が倒れ、カン総理も倒れたのに、その二人を出してきた党が、今また総理を決める、しかも国会議員だけで総理を選ぶって、どうなんでしょう。

 ノダ総理の評判は良いようですが、彼を支持したのは、1回目の投票では、たかだか100人位の人数ですよね。それだけで決めるって、「なんだかなあ」ですよね。

・・・と言っても、私は元々ノン・ポリですから、政局のことではなく、制度のことを言いたいのです。

 謹んで提案いたしますが、今、憲法を改正して、衆議院は、総理を選ぶための議院だ!ということをハッキリさせ、衆議院選挙は、政権をどの党に任せるかを決める選挙だ!ということをハッキリさせたら、どうでしょう。

 どのようにハッキリさせるかと申しますと、総理大臣が辞職したら、同時に衆議院も解散するようにするのです。総理が衆議院を解散するのではなく、総理が倒れたら、衆議院が自動的に解散されて、あらたな政権党選び=総理選びが行われるようにします。

 総理大臣が辞職したら、衆議院は、自分達が選んだ総理と命運を共にして解散し、総選挙をして、その後で新総理を決めるようにします。勿論、憲法改正が必要です。

 当然、選挙区は定数=1の単純小選挙区です。比例代表は要りません。この選挙でA党かB党かの勝負をしてもらうわけです。

 なんだよ、その憲法!

と思っておいでの方は、戦前の日本政治史を思い起こしてみて下さい。

 浅草で「浅草オペラ」が流行し、盛り場としての全盛時代を迎えていた頃、日本政界は「大正デモクラシー」という時代を迎えていました。

 その「大正デモクラシー」の運営方法は「憲政の常道」。運営の重責を担ったキーパーソンは、最後の元老「園公」こと西園寺公望でした。

①ユキオさん、カンさんとは違って、総理が病気や事故で倒れた場合、

⇒園公は、与党のナンバー2を次期総理に指名しました。

②逆に、今回の様に失政で総理が倒れた場合、

⇒園公は、野党の党首を次期総理に指名しました。

 この時点では、与党はさっきまで野党だったわけですから、少数与党です。新総理は、体制を整えて、すぐに衆議院を解散し、たいていは過半数を獲得して、政権を確立していました。これが「憲政の常道」です。

 この体制は、当時の2大政党「政友会」「民政党」の勢力バランスの上に成立し、公卿の出身で皇室からの信頼が厚く、二度総理大臣を務めた経験のある、園公の個人的な神通力によって運営されていました。

 上手く運営された期間は短かったのですが、この時期が、戦前の日本政治史の黄金時代と言えるでしょう。奇しくも、浅草全盛時代と同じ頃です。

 さて、この体制と比べて私のプランは、

 園公(=元老)による総理指名⇒すぐに衆議院を解散

というプロセスを、現代では国民による投票で一回で済ませてしまおう、というものです。比較しながら、ご検討いただければ幸いです。

  しつこいですが、私はノン・ポリですから、政局のことではなく、制度のことを言っているのです。そういうことで引き続きお読み願いたいのですが・・・

 参議院も問題ですよね。

 その昔は「権力の分散」を図る必要はあったかもしれませんが、今は、それは困ります。参議院があることで政治が停滞しています。

 だいたいですよ、政権与党が過半数を取りにくい選挙制度になっている議院つまり参議院を、総理大臣は解散できないわけですから、総理と政権与党は、いつも参議院から政治運営を妨害されます。震災が来ているのに、政治が停滞してしまっています。

 しかも、それが6年間も続くのです。この体制での政治運営は難しく、コイズミ総理のような巧者を除いて、上手くやっていくことができません。政治にスピード感がなく、重要な決定が先延ばしにされる傾向があります。

 だから、参議院を総理が解散できるようにした方が良いと思います。また任期も縮めて4年にした方が良いと思います。

 ただし選挙制度は、政権与党が圧勝しにくい形にしておきます。

 どうするか、と申しますと、全ての選挙区の定数を2にします。2大政党を養うためです。これに併せて全国区も復活させます。少数党を養うためです。全国区の定数は、まあ47が良いでしょう。

 こうすると総理は、参議院を解散しても基本的には過半数をとりにくい状況です。

 しかし、選挙区選挙に2人の与党候補をたてて2人当選させることもできなくはありません。「ベテランと若手」とか「男の女」とか棲み分けして擁立すれば、勝てます。過半数をとれなかったとしても、人気があって、衆議院で勝ったばかりの総理なら相当程度勝てるでしょう。

 足りない分は、少数党をポストで釣って連立することも出来るでしょう。才能ある総理が上手くやれば、両院で政権を確立できると思います。

 逆に選挙で参議院を制覇することに失敗し、政権確立に成功しなかった場合、その総理は辞任し、同時に衆議院も解散となって、総理の選び直しをします。

 メンド臭いですが、衆議院選挙、つまり国民の政権選択によって、総理が決まるようにすることが大事だと思います。どうでしょう、このプラン?

 くどいですが、ユキオ総理が倒れ、今またカン総理が倒れたのに、その二人を出してきた党が、国会議員だけで総理を選ぶって、どうなんでしょう。

 しかも、その選び方が、自民党顔負けの派閥政治とは。

 「なんだかなあ!」

 そう思えてなりません。

 そうそう、そう言えば、もう一つ「なんだかなあ!」が。

 あれ以来、どぜう屋ばかりが繁盛しているようなんですけど。すき焼き屋には、御利益がゼンゼンないです。

 憲法を改正しましょう。政局より制度を論じたらどうでしょう。

 すき焼き総理が誕生するように。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて550連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)