あん肝すき焼き

職掌柄「すき焼き」と名がつけば何でも調べることにしていますが、

最近茨城県の旅館と大学が共同で

「あん肝すき焼き」

の開発に乗り出したと聞きました。

「すき焼きは、外国人が好む日本食の代表格」だから海外に向けてPRして行くとか。

へえ。

既存のあんこう鍋は、牛鍋に近い方法ですので、違和感はなかったのですが、今回の新商品は、

特上のあん肝を常陸牛で包み、割り下で似て、通販商材にするとか。

な、なるほど。

鍋ではないんですね。

フレンチでは「ロッシーニ風」と称して、牛フィレ肉ステーキとフォアグラとトリュフを一緒に食べることがありますから、似た発想ですね。

できれば肝以外のあんこうの部位も有効活用すると良いですね。

あんこうは、俗に「七つ道具」と言って、全部が食べられますからね。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.598日目の投稿でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 1:30 PM  Comments (0)

福とら

最近このブログで何回か書いてきた、

温暖化で魚が獲れる海が変わってきた

という件です。

漁獲量は3年で約30倍!? 福島県で高級魚トラフグの水揚げが激増」

という記事を発見しました。

フグと言えば大阪、フグと言えば西日本

で獲れる県の順位は、

福岡

山口

島根

長崎

愛媛

と圧倒的に西でしたが、そうした県では漁獲量が減り、東で増えているとか。

アンコウの業界でも似た話しがあると、アンコウ鍋店の方に聞きました。

福島では、このフグを漁業復興のキッカケにしたいと作戦を練っているそうです。

まずネーミングを決めました。福島のトラフグなので、

「福とら」!!!

そ、そのまんまですねえ。

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Filed under: ぼやき部屋,色んな食べ物 — F.Sumiyoshi 2:14 PM  Comments (0)

月見の戦い

猛暑の後に台風シーズンが来て、9月も残り少なくなりました。今月は日本近海に台風がいない日の方が少なくなかったとか。

なんだか、季節感を感じにくいと思った人は私だけではないと思います。

そんな中ハンバーガー業界では、今年の秋は「月見系バーガーの戦い」の秋だったようです。

31年も「月見」を続けているマクドナルドさんを筆頭に、「バーガーキング」さん以外の、ほとんど全社が「月見」を発売していました。

秋=卵で月見というのは、普通の日本人にはない季節感ですが、その起源は「秋は卵が安定的に供給できるから」だとか。私は、そんなに大量の卵を仕入れたことがないので、存じませんでした。

それでも、ここまで各社が宣伝すると、なんだか、

秋=卵

とすり込まれそうです。

すき焼き店にも卵はありますから、なんか、やった方が良いかもと思い始めました。例えばTKGとか。

卵が本当に美味いのは、大寒とかの冬季なんですけどね・・・

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Filed under: 色んな食べ物 — F.Sumiyoshi 4:47 PM  Comments (0)

中村座

「平成中村座」が来月浅草に帰ってきます。

「平成中村座」は、江戸時代の芝居小屋「中村座」の雰囲気を再現したいという、中村勘三郎さん(十八代目)の夢を実現したものでした。最初は2000年に浅草で始まりました。

この方法は、演者と観客の距離が近くて大好評。

その後毎年のように、日本各地や海外へも進出しました。

途中で勘三郎さんが惜しくもなくなってしまいましたが、当代の勘九郎さんが遺志を継承しておられます。

今回は2018年以来の浅草での公演ですので、地元の飲食店としても支援しようということになり、

「ちんや」の店で「中村座」のチケットをご提示くだされば、ワンドリンクサービス致すことになっております。

どうぞ、おでかけ下さいませ。

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Filed under: 浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 11:29 PM  Comments (0)

近親交配

最近の日経新聞に

「霜降り至上主義、和牛受難 過度な近親交配招く」

という記事が出てました。

近親交配については業界にいる者には常識ですが、日経新聞を読むような普通の経済人が関心を持って下さるのは良いことです。

さて近親交配の件ですが、肉牛として飼われている黒毛和牛は、人間で言えば皇族のようなものです。

皆が、何世代にもわたって選抜されたDNAを持っています。

猫と違って、牛に「野良牛」はいませんで、ほとんど全ての黒毛和牛は人間の管理下で生きています。ごく少数の、人間に気に入られたオス牛だけが子孫を遺せます。

それ以外の大多数のオスは去勢されて肉になりますから、子孫は遺せません。気の毒なことです。

そうしたDNAの選抜を繰り返した結果、日本の黒毛和牛は、皆が似たDNAを持っているのです。

この点をご存じない方は、〇〇県産と××県産はDNAが違うと思っておられますが、違うんですね。似たようなもんです。

だから産地なんかより、育て方や、と畜後の取り扱い方の方が、味に影響を与えるわけです。

近親交配は、もちろん種としての弱さにつながりますから、なるべくDNAの遠いオスとメスを掛け合わせる研究もなされているようですが、その積み重ねは厚くなく、味につながるかは、「これから」ですね。

さしあたっては、育て方や、と畜後の取り扱い方に注目していただくのが宜しかろうと存じます。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.594日目の投稿でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 11:12 PM  Comments (0)

土地柄

東京はどこでも同じと思っていただくと困ります。

下町と東京中央では「土地柄」が大いに違います。

そして、その土地柄の違いはすき焼き店の様子の違いにも現れています。

東京中央のお客様は、自分で鍋奉行をすることに自信がおありでないようです。特に接待の場で鍋奉行をしくじると、自分の昇進に響きますので、手を出したくないようです。

で、「店の人に最初から最後までやって欲しい」ということになります。

私に言わせれば、すき焼きを作れない人なんて、ほとんどいませんけどね。

下町のすき焼き店では、様子がだいぶ違います。

下町でも接待はありますが、下町の接待の主役である中小企業の社長連中は、幼い頃からすき焼きに慣れていますから、鍋奉行は得意中の得意。接待先の人を感心させることなんて、お茶の子さいさいです。

むしろ、自分が奉行として活躍したいから、すき焼き店を接待の場に選ぶのです。

結局、土地柄の違いはすき焼き店の様子の違いにも現れています。

店の人に最初から最後までやって欲しければ、東京中央のすき焼き店へ。

自分が活躍したければ、下町のすき焼き店へ、行かれるのが宜しかろうと存じます。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.593日目の投稿でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 11:28 PM  Comments (0)

行き当たりばったり

「無計画」「日帰り」旅行が流行っていると聞きます。

行き当たりばったりで観光地に行き、アドリブでどうするか決めて行くとか。

「ちんや」にも良く、かかってきます、

10分くらいで行けるんですが、大丈夫ですか?という電話が。

大慌てで席を用意すると、

見えないんですよね・・・

10分では。

時間の感覚だけは、行き当たりばったりでなくして欲しいです。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.592日目の投稿でした。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 9:45 PM  Comments (0)

2週続けて

9月は台風が多い月なので仕方ありませんが、2週続けて3連休に丁度合わせてやって来るとは、いまいましい話しです。

それに最近の台風は、どうも日本に近い所で発生します。

海水温がいまだ高いからだとか。

きっと、その海にいる魚の生態系も変わっているに違いないと想像します。

どの時期に、どこの魚が美味いのか、今までの常識が変わることも覚悟しないとですね。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.591日目の投稿でした。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 11:26 PM  Comments (0)

原点

浅草の飲食店主の人達が、コロナ中にどう考え、行動したかを聞き取る事業をしています。

週に一人のペースでお目にかかり、毎回2時間ほどの聞き取りをさせていただいています。

基本的には、衛生面や資金繰りなどの苦労話なのですが、2時間も話していると、不思議なもので、いつの間にか「良い話し」「勉強になる話し」に変わっていることが多いです。

コロナの最中に、飲食業の原点に回帰した、という方もおいででした。それは、

お客様との接触を地道に増やすこと。

お客様のテーブルに伺う回数を、とにかく増やすこと。

そうした繰り返しを通じて、「常連さん」になっていただくこと。

コロナ前の2019年はインバウンドが盛んでしたので、そうした原点を忘れてしまうこともあったようです。

しかし、コロナでインバウンドを含めた観光のお客様が去ったので、「常連さん」を増やさないといけない。その為には、とにかく「接触の回数だ」。

そろそろまたインバウンドが戻ってくるとかですが、以前と同じことをしてはダメですね。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.590日目の投稿でした。

日本の食をつなぐ

今朝の日本経済新聞に私のインタビュー記事が載りました。

伊藤記者の「日本の食をつなぐ(3)」と題した、事業継承を扱った連載でして、「ちんや」の事業継承について記事にして下さいました。

実際のインタビューでは恰好悪いことも沢山話したんですが、記事では体裁良くなっており、若干居心地は悪い感じです。

お読み下さって、早速予約までして下さった皆様、ありがとうございました。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.589日目の投稿でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 4:25 PM  Comments (0)