住吉史彦の会!
<大震災6ヶ月―全ての食材を東北+北関東から集めた、住吉史彦の会!>
を開催しました。
この会は、やはり昨年9月に開催し、「超盛り上がった!」と本人が思っている、
<すき焼き「ちんや」創業130年記念「住吉史彦の会」>の変形版です。
「御偉方」をおよびせず、年齢の近い皆様(プラスマイナス10歳)にお声かけさせていただく会という点は昨年と変わりませんが、今年はご案内先を、飲食業界・食品製造業界の方に変更し、さらに会名の最後に!を付けてみました。
以下が店主(=私)の挨拶全文です。
・・・本日は「住吉史彦の会!」に、大勢でご来場いただきまして、有難うございます。
最初に三分間だけカタい話しをさせて下さい。三分間だけですので。
今夜は、食べ物に関係している皆さん、つまり食品の売り手の皆さんにお越しいただいていますが、今時、食べ物はとてもややこしいことになっていますね。「これは食べられる」「あれは食べられない」とか「これは安全」「あれはキケン」とか、困ったことです。
困ったくらいで済めばまだ上等ですが、ある日急に、自分の売っていたものが、非常にヤバいものだったかもしれないから、公表して謝罪しろ、とか言われたりします。
牛肉の業界で、この7月に実際に起こった話しです。「ちんや」は、あやうく免れましたが、今日お見えの「人形町今半」さんは、アンラッキーな口に入ってしまわれました。「三嶋亭」さんもアンラッキーな口でした。
東京都食肉市場で、9/5から全頭検査が開始されましたので、この問題は「一件落着」を見たわけですが、7月のはじめから今月までの2ヶ月間、私自身も生きた心地がしなかった、というのが実感です。店の売上は、当然ながらガタガタでした。
そういう時に、食品産業の経営者として、どう対応するのか、というのが当然問題ですが、これは予習をして、覚悟を決めて臨める話しではなくて、ある日イキナリ、そういう局面に自分が入っていたりするわけです。イキナリ人生観とか価値判断を要求されるのが、今という状況だと思います。
その意味で、「人形町今半」さんは、堂々と対応されて、しかも今日はわざわざ、東北の食材の会に来ていただいてですね、私は密かに「偉い人かも!」と思っているのですが、今日お越しの牛肉以外の皆さんも、今後イキナリそういう目に遭うかもしれないわけで、これをヒトゴトと言い切るのは難しいと思っています、脅かしときますけど。
でも、ですよ。そういう状況に、イヤだ、参ったと文句を言っても、何もいい事ないですし、状況は良くなりませんよね。
むしろ、この状況をですね、無理やりでも面白がって生き抜くしかないのかな、と私は思っています。
今相当数の日本人がビクビクしているわけですが、この人達にも東北の食材を、安全を確認しつつですが、食べさせたいですよね。そういう仕事は、ギリギリの仕事ですが、やり甲斐があるわけです。
何十年か後になって、あの頃は、本当にヒドい時代だったけど、まあ、やり甲斐もあったね、俺達がいちいち、ギリギリの判断をして、今日というものを切り開いて来たんだぜ、って言えるようにできたらいいな!と思ったりする今日この頃です。
できましたら、今日の席で、そういう話しができれば最高ですが、まあ、泥酔して、大した話しができなくても、それはそれで、楽しければOKと思ってます。最後までよろしくお願い申し上げます。(挨拶終わり)
え?
それで、結局どうなったって?
決まってるじゃあないですか、「泥酔」の方に。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて569連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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