御乱心
最近、精肉売店で「ホンモノの醤油」とか「100%柚子しぼり」とかを販売しておりまして、このブログにも書いてきました。近々、味噌も売ります。それを読んでいて、
どうも、住吉のヤツ、肉が売れないもんだから、
血迷ったみたいだなあ、とか、
御乱心ですか、
とか思っている方もおいでかもしれません。
9/5から東京食肉市場では、牛肉の放射性物質の、全頭検査をしていますから、牛肉に関しては、安全な体制がとれています。しかし報道では、そのことは小さくしか採り上げられず、安全でありながら、「安心」に至っていないのが現状でしょう。
しかし、だからと言って、私は相い変わらず、牛肉を売ろうと考えていて、調味料の類を売るのも、牛肉を美味しく・楽しく食べていただくための工夫の一環です。
せっかく美味しい肉を販売していても、ご自宅で、
「ちんや」の肉に、そんな醤油をかけちゃうんですか?!それって醤油というより、「醤油に似せた調味液ですよ!」という感じの液体をかけていただくと困るのです。
この件を書くと長いので後日に譲りますが、日本の醸造技術は、どんどん醸造工程を端折る方向で進歩しています。「進歩」と言って良いのか、疑問ですけどね。特に醤油の熟成工程が端折られる方向です。
せっかく「ちんや」の熟成させた肉に合わせるのに、熟成工程を端折った醤油では、ザンネンですよね。
それで「ホンモノ」の醤油を売るのです。あくまで肉を美味しく食べていただく為です。
自然とお高い醤油ですが、それで儲けようという意図ではありません。でも、お高いにもかかわらず、結構、ポチポチと売れています。有り難いことです。
さらに申しますと、醤油の造り方にも、多少の違いがありまして、その違いが分かったら、とても楽しいことです。
一方、考え方を少し改めたこともあります。
美味しいだけでなく、楽しく食べていただかないと×だ、ということです。特に、今時はそうです。
従来「ウチの肉は、塩・コショウだけで食べていただけば、それで最高です。余計なことはしないで下さい!」という売り方をしていましたが、それって楽しくないですよね。
1年中「塩・コショウだけ」ではつまりません。
たまには酸味を利かせて食べたいこともありますよね。熟成させた肉は味が濃厚ですので、少し酸味を利かせるのは×ではありません。
だったら、そういう時のために柑橘系のものも売ったら喜ばれますね。それが「100%柚子しぼり」です。
今準備をしている、「牛肉の味噌漬け用の味噌」もそうです。お客さまがご自分で漬けてみること、それ自体が楽しみなのです。
お子さんがおいでなら「食育」にもなると思いますよ。
「江戸時代は冷蔵庫が無かったら、肉は味噌漬けにしてたんだ。この貴重なものを食べられたのは、その頃は将軍様と副将軍様だけだったんだぞ。」などとお子様に「食育」しつつ食べたら、楽しいだけでなく、教育上大変よろしいかと思います。
どうも最近「食」という単語には、「の不安」という単語とセットに成ってしまいましたが、皆さん、それでいいんでしょうか。
一日に一度は、ああ美味しい!と感じる食事をしないと、人間の脳の、その日のストレスが解消されない、という学説の先生もいます。なるべく美味しく・楽しい食事をしていただきたいと思います。
少なくとも、東京の牛肉は安全ですので、あとは気の持ちようです・・・
あ、そう、なるほど、そういう理屈ね。血迷ったわけじゃあないのね。
でも「牛肉名刺入れ」はどうなの?あれはやっぱり血迷ったんじゃないの?
うーん、あれは、まあ、多少血迷ったかもしれませんね。
でも理屈だけじゃ、楽しくないですから、なんか、オカシいものは要りますよ。それに好評なんですよ、あれが一番。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて577連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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