2015年5月24日
逆精進料理
仲居さん:アワビの揚げ物でございます。
ん? 椎茸じゃないですか、これ? 椎茸の味がしましたよ。
いえいえ、アワビの揚げ物でございます。
あ、良く噛むと、たしかにアワビだ。でも、たしかに椎茸の味がしましたよ・・・
よく精進料理で、アワビに見立てた椎茸(「もどき料理」)が出てくることがありますが、これはさしずめ「逆精進」ですね。
それに、実に旨いですねえ・・・
さて、私がこの「逆精進」アワビをいただいたのは、京都の名店
「木乃婦」さん。
理論派の料理人として有名な若旦那が頑張っておられます。
この話しを理屈で説明しますと、たしかにアワビと椎茸は共に核酸系の旨味に特徴があります。
核酸というと???かもしれませんが、DNAとRNAのことです。
中畑監督の野球チームじゃないですよ。遺伝情報を保存している、あれです。
これらの細胞の中にある核酸が、生体の死後に小さく分解されますと、
アデニル酸や
グアニル酸に成るわけです。
アデニル酸がアワビの旨味、
グアニル酸が椎茸の旨味です。この二つは構造が似ています。
これが「核酸系の旨味」の正体です。
聞けば、若旦那、最近は精進料理の研究が面白くて仕方ないとか。
もちろん、ただアワビを揚げただけではなく、旨味を引き出すために手の込んだ処理を施しています。
素晴らしいです。
その内、逆すき焼きも出来るのかな。
追伸
日本橋三越本店の催事「お江戸日本橋 EDO style展」で精肉の販売を致します。
どうぞ、お出かけ下さい。
会期:5月20日(水)~25日(月)
会場:本館7階催物会場
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.911日連続更新を達成しました。
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