2019年9月24日
かんこう
「かんこうする」という言葉を学びました。
これは名古屋弁ですが、標準語で「勘考する(考え、思考をめぐらす)」と「敢行する(押し切って行う)」の、両方の意味をも含ませて使うのだとか。
例えば「この件をよぉかんこうしといてちょ」とか。
この言葉が出てきたのは、名古屋の豆菓子の「豆福」さんの創業80周年イベントの中ででした。80年を記念して、「豆福」会長・福谷正男さんがお好きだという落語会が盛大に開催され、落語も勿論面白かったのですが、会長が80年を振り返る挨拶の中で、創業者で先代の福谷正敏さんが「かんこう」した話しが出てきました。
「豆福」さんは戦中に創業、そして戦後、甘いものに飢えていた日本人はあらそって菓子を食べ、豆菓子も作れば売れる時代があったそうです。
しかしやがて、日本の国情は良くなってきて、作ればなんでも売れる時代ではなくなりました。
で、そうした状況を正敏さんが「かんこう」して作ったのが、「山海豆」でした。「山海豆」は、昆布と椎茸から引いたダシで大豆を調味、有明海苔で丁寧に手巻きした豆菓子です。山と海、生まれの異なる素材がひとつになった山海豆は、当時高級感があり、デパートなどで進物に売れてヒット商品になったそうです。
やがて「豆福」さんは製造だけでなく販売部門も設立、デパートや中部国際空港にも出店。伊勢志摩サミットでは記念品に採用され、パッケージデザインの分野でも賞を獲るなど御発展です。
「かんこう」がスタートとなって成功なさったのですねえ。
80年記念会も盛大で結構でした。誠にお芽出とうございました。