国技館②
<この話しは昨日から続いています>
「触れ」が来ると、相撲好きだった私の祖父が楽しみにしていたことを思い出します。あの頃は国技館が蔵前と浅草の間に在りましたから、今よりもっと浅草と相撲が親密でした。
今の国技館が立派過ぎて、蔵前国技館のことを忘れてしまった方も多いと思いますから、念のためここに書いておきますが、昭和の相撲の名勝負の数々は蔵前国技館~現在の東京都下水道局処理場と「蔵前水の館」が在る所で展開されたのです。
そもそも大相撲は、江戸時代に本所回向院の境内で行われた興業に起源がありますから、蔵前には仮設の意味合いがありました。
戦後GHQによって、元の両国国技館が接収され、相撲興業が出来なくなった為、相撲協会は明治神宮外苑の野天相撲や、後楽園球場などで興業を続けていたそうですが、本格的な場所を求めて、蔵前の地に1949年より建設を開始、翌年「仮設」のまま「蔵前国技館」として開館しました。
旧海軍戦闘機組立工場の鉄骨を安価で購入・流用したと聞きます。
この国技館で、現両国国技館が完成する1984年(昭和59年)まで東京場所が開催されたのです。
蔵前時代に相撲史に残る数多くの出来事がありました。
「栃若時代」「柏鵬時代」「輪湖時代」皆蔵前時代のことです。蔵前国技館が使用されていた時代は、戦後の大相撲で最も活気ある時代でもあったと言えるような気がします。
相撲が父祖の地・両国に戻って行ったことに文句がある筈もありませんが、なんか、素直になれないのが隅田川西岸の私達です。
追伸①
年始の営業案内です。
1月1日のみ休業し、2日から12日まで休まず営業致します。
どうぞ御利用下さい。
追伸②
一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。
タイトルは『日本のごちそう すき焼き』、平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
是非是非お求めください。
弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。
是非。
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