高島屋宮崎フェアの食中毒
6/4付の産経新聞が次のように伝えました、
「高島屋東京店(中央区)は5月26日から6月1日まで地階で開催していた催事「日向自慢 宮崎の味めぐり」に出店していた「ホテル浜荘」で31日に販売した「ステーキ弁当」(1995円)を食べた11人が食中毒を発症したと発表した。」
ありゃあ、洒落になりませんねえ。
「中央区保健所の調査の結果、同弁当で原因物質である黄色ブドウ球菌が検出されたため、管理責任者である同店は4日から10日まで催事が行われていた地階の約28平方メートルの営業停止処分を受けた。
同弁当は31日に33個を販売。このうち同店に1日午前中に31日夜に弁当を食べた2人から、嘔吐や下痢の症状が出たとの報告があった。このため連絡先のわかる他の購入者にも確認したところ、同様の症状が出ている人が複数いることが判明した。」
うーん、営業停止、食らいましたか。当然ですが。
「1日午後からは同弁当の販売を中止し、その後、保健所に調査を依頼したところ食中毒の原因物質が検出されたという。
原因物質は左手の甲にやけどを負っていたホテル浜荘の調理人が、手袋を外して弁当を作っていたことで、肉や付け合わせに付着し、拡大したという。(中略)」
トホホ、手袋を外してたんですか。
「この日会見した谷口一人店長は、「『高島屋は宮崎県を応援します』とうたって催事を行っていたこともあり、結果的に顧客を裏切ることになって申し訳なく思う」と陳謝した。」
あーあ、とため息をはく他ありません。
手にケガを負ってる場合、そこに黄色ブドウ球菌が増殖しますので、素手で調理してはいけないことは、まとも調理人なら、常識です。予想をはるかに上まわる人出で、忙しかったようではありますが、常識を無視した、当の本人の心の中に、どういう動きがあったのか、理解不能です。
あるいは、別の推測もできます。「宮崎県を応援」という趣旨で、急に催事をセットしたため、人手のやり繰りがつかず、半人前以下の人物を厨房に入れざるを得ない状況になったのかもしれません。後者のケースだとしたら、悲劇とみなすこともできますね。
思いおこすと、平成13年にBSEの問題が起きて、食肉・畜産の業界が大打撃を受けた時も、パニック心理のせいか、おかしな行動をした人がいました。一部には、刑事事件として立件されたものもあり、業界は、さらに辛い立場になりました。
人間は、時として、大きく判断を誤るものと、あの時知りました。
逆に、私ごとですが、あの時期に右往左往せず、中長期の視点で、会社を導けたことが、今日の、事業者としての自信につながっています。自分は、BSEに鍛えられた、とすら言えます。
願わくば、今ごろ宮崎で苦労されている、皆さんの中から、後日「あの時に、オレは成長した!」という方が出てきて下されば、と思います。そこまで、なんとか辿りついてほしい、と願わずにいられません。
不肖・住吉史彦は、大したことはできませんが、心から宮崎へ、声援を送ります。
復活を、期待しています。