帯祝い

 先週の土曜日、「帯祝い(おびいわい)」のお客様がありました。

 「帯祝い」 について念のため、おさらいしますと、「帯祝い」とは、妊婦さんが、妊娠五ヶ月目にあたる戌(いぬ)の日に、安産を祈願して腹帯を巻く儀式のことです。犬は子だくさんで、安産の象徴と考えられているので、その犬の性質にあやかって、戌の日に、妊婦の安産を祈願する儀式が「帯祝い」です。

 この日に巻く腹帯は「岩田帯」と呼ばれます。五ヶ月目には、妊娠の「安定期」に入るので、この帯で、目立ってきたお腹を保護すると共に、「岩のように丈夫な赤ちゃんを!」という願いも込めるそうです。

 家族が集まり、この腹帯をした妊婦さんと共に、神社に出向き、安産を祈るのが一般的な形です。

 こうして神社に出向いた後、当然何か召し上がるわけですが、そういう流れで、「ちんや」をご利用いただくことがあるようです。

 今回もそういうケースで有り難いことでした。「ちんや」は「狆屋」ですので、犬関係?の方はウェルカムです、もともと。

 別に「帯祝い」のような、あらたまった御席でなくても、妊婦さんが「ちんや」へご来店になることは、実は結構多いです。肉を食べて精をつけよう、という発想は当然のことですが、加えて、こういう時くらい、ちゃんとした食べ物を食べよう、という心理もあるようです。

 これは大変、結構なことと思います。お子さんがお腹の中にいる時は、伝統的で自然な食べ物を是非、召し上がっていただきたいと思います。

 お母さんが妊娠中に、変な食べ物を召し上がることで、お子さんが、生まれる前から、食品添加物を取りこんでしまうのは、実に良くないと思います。精をつけるだけでなく、安全なものを、是非、召し上がっていただきたいですね。

 召し上がっていただきました上、無事出産されたら、もちろん、お子さんと一緒に、「ちんや」へご来店いただきたいと思います。

 ご高配を賜りたく、お願い申し上げます。

 お子さんは、きっと「ちんや」の肉を食べたいと思いますよ。なにしろ、生まれた時から、「ちんや」の味を覚えていますから。

 いやあ、それって、商売としては、理想形かもしれませんね。有り難いです。ひひひひ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。