?のロゴ・バッジ Endless Discovery
政府観光庁が推進している、「ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)」の、ロゴキャッチフレーズが付いたピンバッジを、いつも背広の胸に付けています。5/19の国際観光日本レストラン協会の理事会に、観光庁の課長さんが、このピンバッジ持って見えて、「これは出来立てですよ!」と下さったので、それ以来いつも付けています。
寸法がヨコ30mm×タテ15mmと、やや大きめで目立つせいか、これを付けていると、住吉さん、そのピンバッジ何ですか? とよく聞かれます。
ええっと、これはですねえ、2003年の小泉政権の時にですね、国をあげて、外国人観光客をよびこむために「VJC」っていうのを始めましてね、2010年までに訪日外国人旅行者数を1000万人に増やすというのが目標でして、ツベコベ・ツベコベ(=観光庁の資料の受け売り)、このバッジはそのシンボルでして、ツベコベ・ツベコベ(=さらに受け売り)、などと我々・観光業界の取り組みを、一般の方にご説明するのは、勿論やぶさかでありません。
また初対面の方や、さほど親しくない方と同席した時、このバッチの話題で座持ちすれば便利なので、そういうわけで付けているのです。
しかし問題は、そのキャッチフレーズそのものなんです。2003年以来使用してきた、 「Yokoso! Japan」 がこの4月、「モデルチェンジ」つまり廃止となり、
「Japan. Endless Discovery.」という新キャッチフレーズが選定されたのです。
えんどれす、ですかばりー、だって?
なんでも「尽きることのない感動に出会える国、日本」という意味合いで、海外の方々に何度も日本にお越し頂き、その都度、桜に代表される我が国の豊かな自然、あるいは伝統文化や現代の文化、地域の人々の暮らしといった日本の多種多様な観光資源を是非深く知って頂きたいという気持ちが込められている、のだそうです。
私は、当然ながらネイテイブ・ジャパニーズなので、この言葉のニュアンスを完全にわかることは難しいです。でも、なんだか、大仰ですよねえ。「Korea Sparkling!」とか「Amazing Thailand」の方が、クールです、ハッキリ言って。まさか国のやることだから、和製英語ではないんでしょうが、うーん、という感じです。
もちろん、私は国際観光業界の一員ですし、タダでピンバッジをもらってしまったことですし、このキャッチの普及に尽くそう、とは思いますが、苦戦しそうです。
それに、私はそもそも「外人さんに、日本語を話させる主義者」なのです。「ちんや」の店には、実は「Would you please try to speak Japanese!」と題した、対訳表が置いてあります。
対訳表の左には、店内で良く使う、英語の会話文が載せてあり、右には、その日本語訳とそれに加えて、日本語訳のローマ字表記が書いてあります。つまり「I have enjoyed my dinner.」と言いたい外人さんは、この対訳表にしたがって、「Gochiso-sama Deshita!」と言うわけです。外人さんの発音がタドタドしかった場合も、「Gochiso-sama Deshita!」の上に、「ごちそう様でした」と日本語も記載されているので、そこを指させば、意思は通じます。
この方法は、15年ほど前に、日光の参道の定食屋さんに行った時、こうした対訳表が置いてあって、それを外人さんが、楽しそうに使っているのを見かけまして、以来それを改良して使っています。この方が、お互い楽しいですよ、ゼッタイ。
そういう意味で、「Yokoso! Japan」の廃止は残念ですね。「ようこそ」は日本語だぞ、外国に向けて「ようこそ」はないだろう、どこに向けて発信してるんだ、という批判もあったようですが、しつこく、しつこくPRすれば「Sayonara!」とか「Sukiyaki」「Sushi」「Judo」のように普及したかもしれません。
「ちんや」の対訳表に、実は「Sayonara!」は載っていないのですが、帰り際に、「Sayonara!」と言われる外人さんは多いです。結構普及しているのです、実際。
なんてことを、思っていたら、徽章業界で社長をしている知人が教えてくれました・・・
「住吉さん、トリビアなことを教えてあげますけどね、ピンバッジって言うのは、日本人だけなんですよ。国際標準はピンズ(pins)なんです。」
げげ、そっちも和製英語だったんだ!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。