松屋さんの屋上遊園地
5/30付の、毎日新聞が以下のように伝えました。
「東京都台東区の百貨店「松屋浅草」の屋上にある遊園地「プレイランド」が、31日の営業を最後に閉鎖される。日本最古の屋上遊園地とされ、東京名所として知られた。30日は曇り空となったが、大勢の親子連れらが訪れ、名残を惜しんだ。
同店が開業した1931(昭和6)年にオープン。7階建て店舗の屋上(約2650平方メートル)の一角にあり、全国の百貨店が屋上遊園地を作るさきがけになった。今回、営業戦略の見直しで閉鎖が決まった。
現在は昭和の香りが漂うメリーゴーラウンドやゴーカートがあり、隅田川の対岸で建設中の東京スカイツリーも望める。この日もツリーを背に来場者が写真撮影を楽しんでいた。」
「松屋」さんの屋上遊園地については、私も幼き日の思い出がありますので、とても残念です。「松屋」さんは、屋上だけでなく、4階から上にある、全売り場を閉鎖するそうで、景気の悪いこと、この上ありません。来年まで頑張れば、80周年だったのに、惜しいことをしました。
それにしても、閉鎖が決まると、話題になって騒がれるのに、それまで普段は完全に放っておかれて、応援してもらえず、その間に衰退していってしまうものが多いですよね。今回の新聞記事も、閉鎖の前日に「もうすぐ閉鎖になっちゃいますよ!」というニュアンスで伝えています。記事文中に「・・・東京名所として知られた。」とありますが、今頃持ち上げてもらってもねえ、という感じです。
「世の中に、無いと寂しいけど、しかし無くても、ものすごく困るわけではない」というものが、そういう展開になりがちですよね。「無くても、ものすごく困るわけではない」ものを売る人間は、相当工夫しないと、放っておかれる存在になってしまいます。
屋上遊園地についても、お子様の成長に必須なプログラムを体験できる場として、衣がえするとか、なにか、そういうアイデアを出せたら、生き残ったかもしれません。
すき焼きも、やはり「世の中に無いと寂しいけど、しかし無いと、ものすごく困るわけでもない」と思われがちですから、気を引き締めないといけません。
遅ればせながら、「ちんや」も国際観光日本レストラン協会が開催する、食育プログラム(=「夏休み親子体験」)に去年から参加させていただき、今年も同様の催事を、8月に開催します。また、台東区役所が作っている、見学・体験が可能な、工房のリスト(=「手作り工房マップ」)にも参加しています。
もちろん、「一家の団欒の時はゼッタイすき焼きを食べる⇒だからすき焼きは日本人には、無いと、ものすごく困るもの」という風に子供の頃から、すり込んでおこう、という作戦です。
ご高配を賜りたく、お願い申し上げます。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。