おとり広告

昨日に続き旧臘の話題で恐縮ですが、つらつら考えましたら、これまたかなり重要なことと思いましたので、あえて年始の話題とさせていただきます=日本人の、ブランド産地歯垢が、いや、ブランド産地志向が相も変わらず、問題を引き起こしているという話しです。

今回問題を起こしたのは、

関西圏の大手スーパー・イズミヤの下請けの、牛肉商但馬屋です。

報道によりますと、

「消費者庁から再発防止を求める措置命令を受けたのは、イズミヤと、イズミヤ内で食肉販売を委託されている牛肉商但馬屋です。公正取引委員会によりますとイズミヤは今年2月のチラシで月に1度の『感謝デー』として八尾店、広陵店、神戸玉津店の3店舗で、牛肉商但馬屋が神戸牛を含む全ての和牛を通常の3割引で販売すると掲載していましたが、実際には神戸牛は仕入れられておらず販売の実態はなかったということです。」

これは所謂「おとり広告」です。

「去年7月から1年間、同じ内容のチラシを使っていて同様の「おとり広告」が行われていた可能性があるということです。」

この件が報道されたのを受けて、テレビにインタビューされた買い物客は、

「それはいかんね。消費者を馬鹿にしてる!」

と怒っておられましたが、そうです、こういう業者は本当に真底消費者を馬鹿にしていると、私も思います。

消費者は、どうせ、肉の違いは分からない。

消費者の行動パターンは、ブランド産地に食いつくだけで、自分の舌で味わい分けてはいないと知っているのです。

勿論ですね、第一義的に悪いのは業者です。そこはハッキリしています。

しかし消費者が、もっと賢ければ、こうはならないと言わざるを得ません。

「ちんや」に関して申せば、誠に在り難いことに、違いの分かるお客様はおいでです。

「ちんや」は産地を特定していませんから、来店された時々で産地が違っています。しかし仕入れの方針は変わりませんから、

「ウチのお爺ちゃんは、ちんやさんの肉しか食べないのよ」

という本当に在り難いお言葉を聞かせていただくことがあります。

このような消費者ばかりであれば、産地偽装や「おとり広告」は減っていくはずだと思うのですが、さて今年は2017年。流れはどちらの方向に行きましょうか?

あまり期待はせずに、眺めたいと思います。

追伸①

年始の営業案内です。

1月1日のみ休業し、2日から9日まで休まず営業致します。

どうぞ御利用下さい。

追伸②

CSフジテレビONEの

『寺門ジモンの肉専門チャンネル』に出演させていただきます。

芸能界一肉に詳しい男」寺門ジモンさんが送る肉料理に特化した待望の肉専門番組が、これです。出られて光栄です。

放送は、1/9(月) 8:00~8:30

1/13(金) 11:30~12:00

1/18(水) 8:30~9:00

1/21(土) 9:00~9:30    です。

追伸③

今年も「ミシュランガイド東京2017」に載せていただきました。 3年連続掲載です。ありがとうございます。

追伸④

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.503日連続更新を達成しました。

 

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)