バージンオイル
私が会長をしている「料飲三田会」の秋例会の講師は、
「オキオリーブ」の創業者で園主の澳敬夫(おき・たかお)さんでした。「美味しいオリーブオイルとは?オキオリーブのこれまでの歩み」と題して講演いただきました。
「オキオリーブ」さんの農園は香川県高松市にあり、100%国産エクストラバージンオイルを作っておられますが、「全量手摘み」「未熟な青い果実を搾る」「収穫後4時間以内に搾る」などの方針で生産し、オリーブオイルの業界で賞をたくさん獲り、国際的に高い評価を得ておられます。
試飲させていただきましたが、深い緑色がまぶしい、濃いオイルでした。
澳さんは1990年経済学部の卒業生で、ベンチャーでオリーブ園を始めた方です。その方の話しを聞きながら私は、何故多くの人がオリーブオイルに魅せられるのだろう?と考えていました。
オリーブオイルを説明する時必ず語られるのは、オレイン酸とポリフェノールが多いということ。どちらもヘルシーな物質として知られていますので、必ず語られますが、聞き飽きた感がありますね。
今回の澳さんの話しで面白かったのは、オリーブオイルは、やろうと思えばご家庭で人力でも獲れますよ!
という点でした。ゼロから始めた生産者さんならではの話しです。
実はオリーブオイルの最大の特徴は、生の果肉を、加熱せずとも果汁を絞って放置しておくだけで、自然に果汁の表面に油が浮かび上がり、これを分離すれば立派なオリーブオイルになるという点です。他の植物油は加熱したり、場合によっては溶剤を使ったりしますが、オリーブオイルはそれが不要です。
そしてオリーブオイルの業界では、製法が原始的であるほど=臼や遠心分離機だけで作ったものを「バージンオイル」として珍重しています。澳さんの農園も「バージンオイル」だけです。
想えばワインも単純な醗酵過程で出来ますが、同じ地中海世界で単純な工程のオリーブオイルが作られ大切にされているのは面白いことだと思います。
本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は3.550本目の投稿でした。3.650本まで後100本です。