ヤバイすき焼き後日譚

 このブログの4/29号「ヤバイすき焼き」の、登場人物ご本人様から、ご投稿をいただきました。

 「住吉さん、本当にすき焼き美味しかったです。ただ美味しいだけじゃ無くて、なんだかとてもリアリティのある美味しさ。あれは何だろう…と考えていたのですが、昨日の母からの電話で判明しました。

「ちんや」さんでお肉買ったから、取りにいらっしゃい。

あ、成程そうか実家に居た頃偶にちんやさんのお肉食べていたからだ!と。美味しく楽しい一時を本当にありがとうございました。」という御投稿でした。

 浅草の地に、店を代々続けてさせていただいていて、こういう話しを聞かせていただけるのは、何より有り難いことです。味覚が継承されていることほど、我々にとって、有り難いことはありません。同時に、安易に味を変えてはいけないなあ、と思う瞬間でもあります。ご投稿ありがとうございました。

 ところで、この時の、ご自宅での召し上がり方ですが、

 「ブログで見た様に、味噌を少し隠し味で入れてみました。美味しかったです;-)」という方法だったとか。

 そうです! 鍋に味噌を入れるのも「有り」なのです。というか、明治初期には、味噌を入れる店の方が多かったと思われます。このブログの3/3に書きました通り、今でも横浜末吉町の「太田なわのれん」さんは入れていますし、牛鍋ではありませんが、日本堤の桜鍋の「中江」さんも入れてます。両国の猪鍋の「ももんじや」さんもです。味噌入りも旨いものですよね。

 また、4/11号に書きました通り、神田仏蘭西料理「聖橋亭」さんでは、ビーフシチューのソースに、隣の、神田明神の参道にある甘酒屋さんから、糀をもらって入れているそうですが、これも、すき焼きの鍋に、やはり発酵食品である味噌を入れるのと、同じ作戦です。ハッキリ言って、大スキです、そういう傾向の味。

 「すきや連」の事務局をしているせいか、最近、こうした御料理を出している御店のご主人さん達と、いろいろお話しする機会が増えました。そういう会話の中で聞いた情報を是非皆さんにご紹介したい、というのも、このブログを始めた動機の一つであります。ご愛読いただければ、と存じます。

 どの御店も、「ヤバい」ですよ!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。