みついし牛
5/26より「今週の特撰牛」が変わりまして、北海道浦河町の「みついし牛」をお出ししています。「みついし牛」をご存じの方は多くはないだろう、と思いますが、トライしています。
有名ブランド牛ばかりを売るのは、「ちんや」として、さほど面白くありません。そこで、実は、「有名産地でなくて、育て方に独自のこだわりのある生産者の牛を売りたいんだ」ということを、「ちんや」へ肉を卸してくださる、問屋の「アマイ」さんにしていました。
特に、「①子牛から出荷まで一貫生産をしていて、②飼料にこだわっている、生産者がいいですね。」と要望をしていたら、「アマイ」さんが推薦してきたのが、この牛です。
みついし牛の産地は、北海道の浦河町・えりも町・新冠町です。みついし農業協同組合のホームページによれば、本格的に肉牛生産に取り組み始めたのは、昭和63年のことだそうなので、新しい産地です。この年から、優秀な繁殖雌牛をそろえるため、町営の和牛センターが受入施設となって、島根県経済連より毎年50頭づつを導入し、そこから各農家に供給するようになりました。
平成4年には農家6戸が牛の肥育を始め、平成6年に肥育牛を初出荷。それ以来、次第に各地の市場で高い評価を受けるようになり、農家数は、素牛生産が48戸、肥育農家が12戸まで増えてきました。総頭数については約1340頭となっているそうです。(素牛生産というのは、出産から子牛まで育てる農家のことで、肥育農家というのは、その後、出荷まで育てる農家のことです。)
品質向上を図るために平成8年から枝肉研究会を開催し、「みついし牛枝肉共励会」(=優秀牛を集めたコンクールのこと)も開催し、肉質の向上とブランド確立に向けて取り組んでいるそうです。
「一貫生産の中心に(!)経営している」、と書いてあるので、完全に一貫生産ではないのかもしれませんが、今回の牛は、もちろん、浦河生まれで、東京食肉市場へ出荷されるまで、浦河で育っています。一貫生産により、風土の特性が肉の味により濃く反映されていれば嬉しいことです。
それから、飼料についてですが、茨城県畜産農業協同組合連合会が作る「名人」という名の資料を使用しているそうです。
茨城畜連さんは、飼料の中の、ミネラル・ビタミン等無機質にこだわっています。ビタミンCを特別添加・ビタミンAやEも添加。またミネラルを強化するため、貝化石(=数百万年の歴史を持つ、魚貝類・海草・プランクトン等がそのまま化石になった、天然総合ミネラルのことだそうな)を飼料に混合しているそうです。
また面白いのは、茨城畜連さんは、配合飼料「名人」を使用して肥育・出荷された牛肉に、そのことを証明する証明書を付けていることです。「名人」を使用した、という情報が、多くの消費者に届くような、取り組みをしているわけです。こうした証明書は、実は私も初めてみました。
本当は、私としては、地元産の飼料を使っている方が良かったです。ミネラルを強化するにしても、地元由来のミネラルなら、さらに風土の特性が肉の味に、より濃く反映されて、さらに面白かったですね。
フランス人は、海風の強い土地で育った牛を珍重しますが、それはミネラルの影響だと思います。日本の隠岐牛も、同じ理由で旨いです。今回は、その点が今一歩ですが、まあ仕方ありません。北海道の飼料の、今後の発展に期待します。
今回の牛は、味事自体は旨いので、まあ、良いでしょう。
是非、ご賞味を。なお、個体識別番号は、02056-50772です。
値段についても、毎度のブランド牛より良心的です。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
*「ちんや」流の個体識別表示方法については、このブログの5/10号をご覧下さい。
毎度「こだわり」の知識 しっかりお勉強させていただいております。
いや 本当に。
あの テーマと まったくそれてしまうのですが…。
このコメントを書いています、今日(5月31日)で
松屋の屋上の遊園地が終わってしまうとか。。。
遊ばせてもらった(かすかな)記憶がある自分には
さびしい限り。
まあ これも時代なのでありましょう。
何か目玉でもあれば また違ったのでしょうけれど。
すみません はずれた内容で。失礼しました。
住吉史彦です。いつもありがとうございます。松屋の屋上の遊園地は5/31で終わりで、新聞にも大きくのってますね。スカイツリーの絶景ポイントなんですけどね。今日写真撮っておけば、かなり貴重ですよ。