人形芝居
休暇を利用して有馬温泉に行きましたら、兵庫県の総合観光パンフレット(のようなもの)が置いてありましたので、何気なくパラパラとめくってみました。
めくってみまして、私的には大不満。
私の嫌いなB級グルメについては、やたらと詳しいのに重要なことがゼンゼン載っていません。
まず淡路島が、松阪牛の子牛の非常に重要な産地であることが載っていませんが、まあ、それは「良し」としましょう。あくまで消費者は松阪牛として食べているのですからね。
しかしですよ、淡路の人形芝居についてまったく触れないというのは、いかがなものなんでしょう。
念のため、ここで淡路の人形芝居について・・・
「最盛期の18世紀初めには40以上の座元が覇を競い、人形役者が千人もおり淡路島のみならず日本全国を巡業し、各地に人形芝居を伝えました。大阪に出て「文楽」を創始した植村文楽軒も淡路出身です。」
そう、大阪と言えば文楽で、その元祖と言えば植村文楽軒ですが、その文楽軒がそもそも淡路なんですね。それ以前の時代は、
「鎌倉時代、淡路島に大阪四天王寺より舞楽など神事を生業とする楽人が移り住み、その後西宮の戎神社に属したエビスカキから人形操りの人気が高かったため神事を人形操りで行うようになったと考えられています。」
現在は国指定重要無形民俗文化財で、「淡路人形座」という常設の劇場もあります。
そして、その三味線の大師匠で人間国宝の鶴澤友路さんは、なんと、すき焼きがお好きなのだとか。
友路師匠の、芸と長生きの秘密は、
「よく食べ、よく寝る。エビの天ぷら、すき焼きが好物。晩酌を欠かさず、睡眠は12時間。義理の息子夫婦と同居している。」
「三味線の音を聞くと背筋が伸びるそうで、「年のことは忘れてしまうわ」。
「いまも20人以上の弟子に稽古をつける現役だ。自ら三味線を弾いて手本を見せる。一音のずれも聞き逃さない。「耳が全部覚えてるんや」。補聴器は使っていない。」
その友路師匠が、今年・御年100歳に成られました。素晴らしいです。
なんで、こういう文化を割愛して、「あさぢえカレー」とか「あんちょくヌードル」とかを、淡路の名物として推奨するのでしょう。
まあ、日本国民の文化度は低いとみて、B級食でも食わしておけ!という営業方針なのでしょうな。
ザンネンですな、兵庫県。
商品化したいのなら、「友路姐さんのすき焼き」の方がダンゼン良いと思うんですけど。
あ、最後に補足ですが、
私が「B級グルメが嫌い」と申しましても、正確には、B級・C級・D級の精神で造られた「グルメ」が嫌いなんです。値段がB級でも精神がA級なら、それは嫌いではありませんので、念の為。
追伸①
単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。
21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。
時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。
くわしくはこちら↓です。
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は361人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.286日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。