かっこいいスキヤキ

テレビ東京の「孤独のグルメSeason3」が始まったせいで、久住昌之さんに注目が集まっているようです。

久住昌之さんは漫画の原案作者です。

「孤独のグルメ」では作画担当の谷口ジローさんとコンビを組んでいますが、以前は泉晴紀さんと組んで「泉昌之」と名乗り、数々の異色の作品を発表して来ました。

「泉昌之」さんがデビューしたのは1981年。当時サブカルチャーの総本山的な位置を占めていた漫画雑誌『ガロ』からのデビューで、今でも「ガロ出身の漫画家」と分類されているようです。

泉さんのタッチは暗~い劇画風。で、久住さんの原案は細かいコト、特に食べ物には徹底して過剰にこだわる主義で、その合作がユニークな漫画を産みだしてきました。

「泉昌之」を代表するキャラクターは、ハンフリー・ボガートをモデルにしたハードボイルドな「トレンチコートのおじさん」です。この男が、初期の作品『夜行』では、駅弁の幕の内弁当を美味しく食べる方法にこだわりまくります。

同じ時期の、すき焼きを採り上げた作品『最後の晩餐』も、勿論その路線です。

「トレンチコートのおじさん」が未だ若い頃、男ばかりですき焼きを食べるのですが、すぐに肉の取り合いが始まります。

「俺はそんなに肉ばかりを食べていないよ」と他の男に見せかけるため、シラタキの中に肉を隠して食べる場面は、実に笑えます。

やがて争いは醜さを増し、肉を多く食べる男の出身地をバカにして「このブタ!」と叫ぶなどエスカレートしていきます。

実に下らなくて、私はこういうのが好きです。

ビールを飲む様が非常に上手に描かれているのも良いですね。

この頃の作品が集められて文庫本に成り、『かっこいいスキヤキ』という題で売られていまして、13刷りまで刷られていますから、今でもファンがいるのですねえ。

是非、どうぞ。

 

追伸①

単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。

21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。

時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。

くわしくはこちら↓です。

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

現在の笑顔数は361人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.294日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)