伊勢参り④
お伊勢様に参拝して参りました。
午前中の参拝でしたので、その前夜は鳥羽の旅館「戸田家」さんの御世話になりました。
「戸田家」さんは、国際観光日本レストラン協会の会員さんなので、遷宮でお忙しい最中なのに、協会の団体旅行を受け入れて下さいました。天保元年ご創業の歴史のある御宿で、お料理もお湯も、おもてなしも大変結構で、感心しながら過ごさせていただきました。
滞在中、色々なことが結構だったのですが、私が楽しかったのことの一つは、伊勢弁の鑑賞です。
特に深い理由はないのですが、私は女性が関西弁を話すのを聞くのが好きです。そう、深い理由は断じて無いのですが、好きなのです。
え、伊勢弁は関西弁なの って?
そうなんです、言葉は関西圏なんです。
伊勢は太平洋に面していて、現在は名古屋市と経済的繋がりが強いため、名古屋圏・中京圏という印象が強いですが、古い時代=名古屋が今ほど強大でなかった時代は関西圏の影響を強く受けていたようです。
「斎宮(いつきのひめみこ)」という女性皇族が伊勢に常駐していた時期もありました。天皇が代わるごとに、未婚の女性皇族の中から斎宮が指名されて伊勢に下っていたのです。
「伊勢弁は三重県北中部の旧伊勢国で話される日本語の方言で、近畿方言(=関西弁)の一種である。」
「伊勢弁は、概ね他の近畿方言と共通した特徴を持っており、発音やアクセントは京阪神のものに近い。」
ですので、みゃあみゃあ言わないのです。
二次会の席で、旅館が手配して下さった、接待係のコンパニオンのお姐さんが、一生懸命標準語を話そうとするので、
伊勢弁は話せないの?
と尋ねますと、
今日はチャンとしないとダメ!って、女将さんからクギ刺されてるんですう~
いいの、いいの、こっちは伊勢弁が聞きたいんだから!
伊勢弁は関西弁と同様に1拍の単語は殆ど無くて、
「蚊」は「かあ」、「毛」は「けえ」、「目」・「芽」は「めえ」と2拍になります。
「いえ」の音が動詞中に現れた場合に「ええ」に変化します。
例えば「見えへん」は「めえへん」に。
ほら、関西弁でしょう!
動詞の打ち消しは、「ん・やん」と「へん」の2種類を併用します。
例えば、書かん、書かへん、見やん、見やへん。
「〜ている」にあたる表現には「〜とる」を用います。
やっぱり、関西弁でしょう!
さて二次会が盛り上がってきました。勿論私は伊勢の食文化に興味があるのですが、こうした場合、ウカツにそういう話題を持ち出すのは気の毒なことになりかねません。今時はザンネンな食生活を送っている若い子が多いからです。
じゃあ、男にデートに誘われて行きたくない場合は、伊勢弁でなんて言うの?
ごめんなあ、やめとくわあ。
うう、気の毒な男。
追伸①
単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。
21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。
時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。
くわしくはこちら↓です。
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は361人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.278日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。