代理
「乾杯の発声」に肩書きのある人を起用することはよくあることです。知事とか市長とか会長、理事長とかです。
そういう場合に問題なのは代理の人が来てしまう場合です。
主催者の本音は、代理なら要らない!他の人に頼むよ!
・・・だと思いますが、なかなかそうは言えません。
一番乾杯が盛り下がるのは、知事の代理で県庁の人が来る場合ですかね。
イキナリ「巻物」を取り出したりします。
念のため「巻物」について説明しますと、「巻物」とは、
「寿司の一種であり、一般的には巻き簾上の海苔に酢飯を広げてその上に具(巻芯)を乗せて巻いた料理」のことでは勿論なく、スピーチの原稿用紙を折り畳んだもののことです。
さて巻物を広げた代理の方、やおら朗読し始めます・・・
「本日は知事がよんどころない事情で欠席いたしますこと、まずもって深くお詫び申し上げます・・・」
もう!
皆さんは、主催者の方も招待客も、宴会で盛り上がりたくて集まっているというのに、お詫びから入るのは、なんだかなあ!です。
代理とはいえ人間でしょう。
まず、自分の言葉で、その宴会が盛況なこととかを褒め称えておいて、その後で、このような会に欠席せざるを得ず、知事もさぞ残念がっていることと思います、などと言ってみてはどうなのだろうかと思います。
正確さを期すべき部分は、巻物朗読もありだと思いますが、最初から朗読~しかもお詫びも朗読はいただけません。
実は最近、私も50歳が近づいて来たせいか、代理を仰せつかるケースが増えて来ました。
先日も「茨城地酒まつりin花やしき2014」で、浅草料理飲食業組合・組合長の代理で乾杯をしました。700人ほどの大勢の人が集まっていましたが、皆さんにより楽しく乾杯をしていただくのが私の務めと申すものです。
皆さーっん!
元気ですかーっ?!
飲んでますかーっ?!
飲んでますかーっ?!
今夜は飲まない人は退場ですよ!
中途半端に飲んでる人も退場ですよ!
でも飲み過ぎた人は、今度は逮捕ですからね~
ってな具合です。
もちろん巻物は使いません。巻物は自分の言葉で語っていない証拠ですからね。
巻物は寿司屋に限るのがよろしかろうと思います。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.692日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。