マッサン
ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝とその妻リタを主人公にした朝ドラが始まりました。
タイトルは『マッサン』。
リタが竹鶴のことをそう呼んでいたことにちなんだタイトルだそうです。
放送はまだ始まったばかりで、竹鶴はスコットランドへのウイスキー留学から帰ったばかり。現地で結婚したリタを連れて、実家である広島の蔵元に帰省しますが、そこで外人の嫁を断固認めない母=泉ピン子さんからイジメられているところです。
芸能ワイドショー的なポイントは、
・朝ドラ史上初の、純外国人ヒロイン。
・ピン子さんのイジメ演技が怖すぎる~リタが家族と一緒に食事することを認めず、女中部屋に食事を支度させる、など。
といった点なのでしょうが、私がこの回で気になったのは、竹鶴が、跡取り息子なのに蔵を継がずウイスキー造りに賭ける理由です。
父から、その理由を問われた竹鶴は、
新しかことをやってみたいんじゃ!
と言います。
(広島・竹原方言が正確でないことはお許し下さい)
父さん達も、広島のやわい水では良か酒ば造れない、と言われとる中で、みんなで協力して良か酒ば造れるようにしたじゃなかとー!
だから自分も新しいこと=ウイスキー造りに挑戦したいと言うのです。
分かりましたか?
分からない人が多いんじゃないですかねえ。
「良か酒ば造れるようにした」とは、広島杜氏が明治30年頃に「軟水醸造法」を開発したことを言っています。
それが日本酒醸造技術の歴史の中で、どの位画期的なことだったかは、このブログの8月22日号をお読みいただきたいのですが、そういう説明がないと、視聴者はおそらく、父の酒造りがウイスキー造りに匹敵する位に「新しかこと」だったのか、理解できないと思うのです。
リタが竹鶴について来た理由については、
・恋に落ちたから。
・愛する男の夢を叶えてあげたかったから。
で説明がつきますが、竹鶴が酒蔵を継がない理由は、もう少し丁寧に説明した方が良いように思います。
え? 朝ドラの主役は女優なんだから、そんなことはどうでも良いんだよ って?
うーむ。
そう言えば、そうでした。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.676日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。