三体の観音様

三社祭の日の朝、テレビの情報番組では、

三社様とは三体の観音様のことである、と放送していました。

間違っていますね、完全に。

そこで今日は、三社様(正式名称は「浅草神社」)の公式サイトをコピペーしつつ正確な情報をお届けしたいと思います。さて、

「推古天皇の三十六年三月十八日のことでした~漁師の桧前浜成・竹成兄弟が隅田川で漁労に精を出していましたが、その日に限り一匹の漁もなく網にかかるのはただ人型の像だけでした。幾たびか像を水中に投げ捨て、何度場所を変えて網を打ってもかかるのは不思議と人型の像だけなので、最後には兄弟も不思議に思い、その尊像を捧持して今の駒形から上陸し、槐(えんじゅ)の切り株に安置しました。」

(えんじゅ)というのはマメ科エンジュ属の、木の名前です。

駒形(こまがた)というのは浅草のすぐ南の地名で、現在は「駒形堂」という御堂が立っています。さて、

「そして、当時、郷土の文化人であった土師真中知にこの日の出来事を語り、一見を請うたところ、土師氏は、これぞ聖観世音菩薩の尊像にして自らも帰依の念心仏体であることを兄弟に告げ、諄々と功徳、おはたらきにつき説明しました。」

「兄弟は初めて聞く観音の現世利益仏であることを知り、何となく信心をもよおされた二人は、深く観音を念じ名号を唱え、「我らは漁師なれば、漁労なくしてはその日の生活にも困る者ゆえ、明日はよろしく大漁を得させしめ給え」と厚く祈念しました。翌十九日に再び網を浦々に打てば、願いのごとく大漁を得ることができました。」

うーん、チト図々しいなあ、現世利益から入るのねえ、と思いますが、それはさて置いて先に参ります。

「土師真中知は間もなく剃髪して僧となり、自宅を改めて寺となし、さきの観音像を奉安して供養護持のかたわら郷民の教化に生涯を捧げたという。いわゆるこれが浅草寺の起源です。」

そう、最初の浅草寺は個人の家だったのです。壮大に成るのは後に徳川家光の祈願寺に成ってからと言われています。

「土師真中知の没した後、間もなくその嫡子が観世音の夢告を受け、三社権現と称し上記三人を神として祀ったのが三社権現社(浅草神社)の始まりであるとされています。」

はい、ここでやっと三社様の祭神が分かりましたね。

桧前浜成(ひのくまのはまなり)(漁師)

桧前竹成(ひのくまのたけなり)(漁師)

土師真中知(はじのまつち)(郷土の文化人)

の3人の人間が神様なのです。

この3人(=三社様)が観音様を祀って浅草寺を創ったわけですから、三社様が観音様である、というのは違っていますね。明確に訂正しておきます。

さて、ここまでは浅草寺の縁起(=寺の起源を記した書物)を根拠にしていますが、本当に年代は推古天皇の頃なの?と思った方も多いと思います。

それについては三社様の公式サイト自体が疑問を呈していて、以下もコピペーですが、

「これによると創建は今を去る千三百五十年程の昔ということになりますが、これは少々無理のようで、平安の末期から鎌倉にかけて権現思想が流行しだした以後、三氏の末裔が崇祖のあまり浅草発展の功労に寄与した郷土神として祀ったものであろうと推定されます。」

太平洋戦争で浅草寺が焼失した時に、遺構の考古学的な調査をしましたら、奈良時代と思われる柱の跡が見つかったと報告されています。

また土師氏は古代に古墳を造っていた技術者の一族で、「鳴くよウグイス平安京」の桓武天皇によって貴族に昇格させられた、と言います。

ですので、本当の年代は、その辺りと考えるのが妥当なようです。

次に浅草寺と浅草神社の、その後の関係ですが、もちろん長らく一体のものでした、しかし、

「奇しくも明治維新の神仏分離令により浅草寺との袂を分かち、明治元年に三社明神社と改められ、同6年に現在の名称に至ります。」

「奇しくも」という表現に、一体であった寺と社を無理やり分離しようという、この政策への反感が込められています。

神仏分離とは権現思想を完全否定するドラステイックなものでしたが、当時の浅草寺はどちらかと言うと新政府方より佐幕方で弱い立場でしたから、時勢の勢いには勝てず、受け入れさせられたのだと思います。

この体制は、無理筋とも見えましたが、結局現在まで続き、同じ敷地に在りながら一方は仏教界・隣は神道界という体制が維持されています。

一体だった頃は寺から神社へ職員が派遣されていましたが、現在神職の方は国学院とかの神道学科を出て、余所の神社で修業した後に奉職するようです・・・

・・・テレビのレポーターさんは、こんな話しより、その後やっていたメンチやカレーのレポートに一生懸命なようでした。

その店は、ごく最近、スカイツリーが出来てから出来た店なんですけどねえ。

追伸

日本橋三越の催事に出店します。詳細はこちらです。

「EDO style展」

日時:5月21日(水)~26日(月)

会場:日本橋三越本店・本館7階催事場

精肉の販売をいたします。どうぞお出かけ下さい。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.543日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

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同情

全く同情するつもりはないのですけど、気の毒に思ってしまいます。

あ、イヤ、それを同情と言うのですね、撤回します。なんとも思いませんね、はい。

私がなんとも思わないのは、浅草に進出しているチェーンストアやチェーンレストランのことです。そういう店に、彼のアジアの超大国から団体客が押し寄せていて、現場の皆さんが大変そうです。

日本人なら浅草に行った時くらい浅草らしい店あるいは日本らしい店に行こうとするでしょうが、彼の国の人は違うようです。有名で大きい会社が魅力的に見えるようです。

まあ、要するに、そういう価値観なのでしょう。そういう次第で団体客が押し寄せています。

勿論彼の国の人はルールとか順番とかは守りません。

まず一人がレジに場所を占め、そこに仲間が選んだ品物を横から持ち込みます。後ろに地元の日本人が並んでいますが、どんどん品物が持ち込まれるので前に進めません。

注意すると言葉が分からないフリをします。

彼らの買い物は早朝や深夜です。旅行日程が非常にタイトで、日中は移動につぐ移動だからです。

つまり店側から見ると、要員が絞り込まれた時間帯にやって来るのです。いやはや。

浅草の地元の店なら商店連合会や料飲組合に対応方法を相談出来ますが、チェーンストアの場合、頼るべき本部からの支援はありません。

本部が言って来るのは効率の話しばかり。だって儲けるためだけに浅草に居るんですから。全く現場は気の毒です。

イヤまた間違えた。私はなんとも思いませんね。

むしろ愉快かも。

ひひひひ。

追伸

日本橋三越の催事に出店します。

「EDO style展」

日時:5月21日(水)~26日(月)

会場:日本橋三越本店・本館7階催事場

精肉の販売をいたします。詳細はこちらです。

どうぞお出かけ下さい。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.542日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

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アン・ジャービスの日

今年の5/11「母の日」は忙しく営業させていただきました。

GW連休中より、客数は少ないものの、売り上げが上回って少し驚きました。

実際私の知人二組が「母の日」をするために御来店、その次の日に「母の日」しに見えた、浅草の天麩羅屋のMさんを入れれば、知り合いの「母の日」は3件でした。その他のお客様も「母の日」らしきムードの方が多いと観察できました。

え? 「母の日」はカーネーションでしょう! すき焼きなんて変だよ!

と考えるのが普通と思うのですが、意外に「母の日」はすき焼きという方がいらしたのです。

本来の「母の日」が、家族で外食する日ではないことは、私だって知っています。

念のため確認しますが、最初の「母の日」はアン・ジャービスを顕彰する日でした。

アン・ジャービスはアメリカのウェスト・ヴァージニア州の人。公衆衛生や社会的弱者のために活動した社会運動家でした。特に南北戦争中に、負傷兵を敵味方の区別なく介護したことが知られています。

そのアンの死後2年経った1907年に、アンの娘のアンナが亡き母親を偲んで、教会で記念会を催したのが、そもそもです。

アンが白いカーネーションを好きだったので、「母の日」はカーネーションと成ったわけです。

ジャービスの「母の日」が日本に導入されたのは、第二次大戦後のことのようです。

以来60年あまり、今の日本の「母の日」は「主婦の休業日」といった様相です。

お母さんがこの日位は主婦業を休ませてもらえる日なのですから、勿論食事は作りません。外食するか、お父さんが食事を作らないといけません。

お父さんが家で食事を作るのがベストでしょうが、なかなか大変です。それに洗い物も面倒ですね。

で、結局外食をするわけですが、そうなりますと、お父さんが家で食事を作るパターンと比べて、手抜き感が感じられてしまいます。座って運ばれてきたものを食べるだけですからね。

そこで、すき焼きなのです。

すき焼きなら食べるだけの料理より、お父さんが活躍できる余地がありますからね。

ジャービスの「母の日」が日本で「主婦の休業日」に変質した結果、すき焼き屋が繁盛するようになったわけで、「風がふけば桶屋が・・・」のような話しですが、まあ、日本人は他国の文物をアレンジするのが好きですからねえ。

バレンタイン・デーだって、チョコの件は和製でしたよね。

不思議な国です。

追伸

日本橋三越の催事に出店します。

第10回「味と技の大江戸展」

日時:5月21日(水)~26日(月)

会場:日本橋三越本店・本館7階催事場

精肉の販売をいたします。どうぞお出かけ下さい。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.541日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「飲む」「買う」

三社祭の最中ですので、予約投稿にて、脱力ネタをどうぞ。

ネットで発見した、「今ドキ会社員の仕事のストレス発散方法トップ5」

という記事が気になったので開けてみました。それによりますとトップ5は、

1位「美味しいものを食べる」

2位「寝る」

3位「買い物」

4位「お酒を飲む」

5位「家族と過ごす」でした。

ストレス発散と言えば「飲む」「買う」が定番だと思うのですが、今ドキは「食べる」「寝る」だとはねえ。

その傾向を年齢別に見ると、

「食べる」は20歳代が73.3%、30歳代が61.2%、40歳代が50.5%。

「寝る」は20歳代が67.5%、30歳代が53.4%、40歳代が60.2%となり、

20歳代がもっとも「食べて寝る」ことでストレスを発散している傾向にあるそうなのです。

うーん。最近の若い人って本当に飲まないものねえ。

私としては「食べる」のが首位なのは嬉しいような、そうでもないやら。

さて、この先が、この調査の面白いところです。

これは弁護士法人による調査でして、ストレス発散方法の傾向と、その会社が「ブラック」かどうかを統計的に関連付けようと試みているのです。

で、「自分の会社をブラック企業と思うか?」という質問も併せて行っていて、

「ブラックと思う」と答えた人(54人)、「思わない」と答えた人(209人)、それぞれのストレス発散方法を確認しているのですが、「美味しいものを食べる」「寝る」共に、「ブラックと思う」という人の70%以上が選択しており、「思わない」人の方より10%以上も、その発散方法が多い結果となったそうです。

つまり、

「今、社会問題となっているブラック企業は、若者を低賃金で朝から晩まで酷使しており、残業代の未払いやパワハラも問題となっている。20歳代や、ブラック企業で働いていると思う人に、「美味しいものを食べる」、「寝る」でストレスを発散する人が多いのは、そのような過酷な労働環境を強いられている人が多いからではないだろうか?」

「精神的にも肉体的にもクタクタになるまで働いているから体を休めたい、生活に余裕がないからお金をかけてストレス発散できない、とも考えられる。」

うーん。

そうな・・・の・・?

追伸

ムック本『江戸っ子に学ぶ! 浅草本』に載せていただきました。ありがとうございます。

 「枻(えい)出版社」刊行、エイムック2855。

<内容>浅草寺を中心に発展してきた“浅草”は、江戸の文化と今が混在する街で、歴史とグルメと情緒を肌で感じる場所がそこかしこにあります。100年、200年と続く老舗のうなぎ、どぜう、そば、天ぷら、すき焼など和のお店をはじめ、絶妙の味を伝える洋食屋さんや女性にとって嬉しい甘味処など目白押しです。いっぽう、かっぱ橋周辺に足を伸ばせば、木札や手ぬぐい、櫛といった職人の技が織りなす伝統の工芸品に出会うことができます。そこで本書は、浅草をまるごと楽しむために「食・技・遊・祭」の4つを徹底的に紹介しました。また巻頭では、浅草在住のたいとう観光大使をつとめる、なぎら健壱さんといとうせいこうさんに登場をいただき、浅草の魅力を語っていただきました。

お求めは、こちらです。

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割り下在りき

三社祭の最中ですので、予約投稿にておはようございます。

さてイキナリ重厚な話題ですが、「ちんや」のすき焼きは、まず最初に「牛在りき」でしょうか。

このブログの読者の皆さんなら、そうではないことをご存知かと思います。

牛の産地は日によって違っています。

どこそこという産地にこだわってはいないです。ほとんどのブランドが玉石混淆だからです。

では、どのような牛を仕入れるのでしょうか。

「ちんや」の割り下に合う牛です。

そう、「ちんや」のすき焼きは、「割り下在りき」で、その味に合う牛を仕入れるのです。

ご存知の通り「ちんや」の割り下は甘さが濃いのが特徴です。割り下だけ飲むのが難しいほど甘いのですが、それを使って肉を煮て食べていただくと、皆さんたいてい、

甘いけどあっさりとした甘さだ、とか、穏やかな甘さだ。

とかおっしゃいます。

このように「あっさり」と感じる理由は、肉の濃い旨みと割り下の濃い味がバランスしているからです。

そう、旨みのしっかりある肉でないと×なのでして、旨みの乏しい肉の場合、やたらと甘辛く感じてしまいます。

だって、元々甘辛いんですから。

だから肉の旨みがしっかり感じられるまで、牛を長期肥育して貰う必要があります。若いメスではダメなんです、はい、牛に限っては。

もとい。

また肉の脂肪が良く融けないといけません。脂の融け方が速いと、口の中で割り下と混ざって美味しく感じますが、融けが遅いとそうはなりません。

脂肪が良く融けるように牛を育てるには、飼料に気を遣い、やはり長期肥育する必要があります。またそれ以前に性別が雌である必要があります。特定の血統を選ぶ必要があることも知られています。

・・・と色々書きましたが、要するに「割り下在りき」で、それから牛なのです。

そこに「ちんや」の大きな特徴があるのですが、それを現状では広報しきれていないかもしれません。

取材などでは詳しく説明していますが、たいていの記者さんは「牛在りき」の発想しか持っておいででなく、伝わらないことも多いです。

今後は、何か割り下に焦点が当たるような方法を考えないといけないですね。

例えば、浅草らしいネーミングを考えて、割り下に名を付けてしまうとか。商標を獲ればさらに良いですね。

そうですねえ・・・

「デンキ割り下!」

え? パクリは良くないぞ って?!

はい、そうでした、神谷さん。

追伸

ムック本『江戸っ子に学ぶ! 浅草本』に載せていただきました。ありがとうございます。

 「枻(えい)出版社」刊行、エイムック2855。

<内容>浅草寺を中心に発展してきた“浅草”は、江戸の文化と今が混在する街で、歴史とグルメと情緒を肌で感じる場所がそこかしこにあります。100年、200年と続く老舗のうなぎ、どぜう、そば、天ぷら、すき焼など和のお店をはじめ、絶妙の味を伝える洋食屋さんや女性にとって嬉しい甘味処など目白押しです。いっぽう、かっぱ橋周辺に足を伸ばせば、木札や手ぬぐい、櫛といった職人の技が織りなす伝統の工芸品に出会うことができます。そこで本書は、浅草をまるごと楽しむために「食・技・遊・祭」の4つを徹底的に紹介しました。また巻頭では、浅草在住のたいとう観光大使をつとめる、なぎら健壱さんといとうせいこうさんに登場をいただき、浅草の魅力を語っていただきました。

お求めは、こちらです。

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毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

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思いを包もう

今月の弊社のキャッチフレーズは、

「思いを包もう」です。

このブログの5/9号に書きました通り、「すき焼き川柳包装紙」が本日5/16三社祭の日に出来上がるからです。

この包装紙には、昨年秋に募集した「すき焼き川柳コンクール」の優秀句を刷り込みました。嬉しい句が並んで最高の気分です。(句の一覧は、こちらです)

そもそも食事の思い出を記す方法として川柳は一番素敵ですね。それに、すき焼きほど川柳に合う料理は他にないとも思います。川柳は、日本人とすき焼きの繋がりの深さを、あらためて教えてくれます。

そして何より、この店で働く私達にとってはヤル気の源になります。ここに書かれている様な幸せの為に働いているんだということを、川柳は思い出させてくれます。在り難いことです。

今秋も募集を行って、来年版も創りたいと今から考えています。包装紙の裏面が投稿欄に成っていて、それを使って来年用の投稿ができるのです。

こんな包装紙はなかなか無いと思いますよ。

さらに!ハート型牛脂『牛ゅっとハート』(=弊社の登録商標)と、この包装紙を連動させて使う考えです。

ご進物を「川柳包装紙」で包み、中に『牛ゅっとハート』を入れようと思っています。

いや、「進物」「贈答」といった漢語は、これからなるべく使わないようにします。

「贈りもの」「お祝い」「お返し」といった大和言葉を使おうと思います。

「シンモツ」「ゾートー」っていうと、なんとなく義理っぽい雰囲気が出て、思いが乗らない感じがしますからね。

私の個人的体験の範囲で申しますと、病気を経験されて退院された方に肉を贈りますと、大変喜ばれます。養生して早く全快なさっていただきたいという思いを贈るのに肉以上のものが在るのかなあ、といつも思います。

「ちんや」の肉はモタレませんから、年配の方や病後の方にも喜ばれるのです。

今回そうした思いを包む包装紙が出来て嬉しく思っています。

川柳をご投稿いただきた皆さん、ありがとうございました。

追伸

ムック本『江戸っ子に学ぶ! 浅草本』に載せていただきました。ありがとうございます。

 「枻(えい)出版社」刊行、エイムック2855。

<内容>浅草寺を中心に発展してきた“浅草”は、江戸の文化と今が混在する街で、歴史とグルメと情緒を肌で感じる場所がそこかしこにあります。100年、200年と続く老舗のうなぎ、どぜう、そば、天ぷら、すき焼など和のお店をはじめ、絶妙の味を伝える洋食屋さんや女性にとって嬉しい甘味処など目白押しです。いっぽう、かっぱ橋周辺に足を伸ばせば、木札や手ぬぐい、櫛といった職人の技が織りなす伝統の工芸品に出会うことができます。そこで本書は、浅草をまるごと楽しむために「食・技・遊・祭」の4つを徹底的に紹介しました。また巻頭では、浅草在住のたいとう観光大使をつとめる、なぎら健壱さんといとうせいこうさんに登場をいただき、浅草の魅力を語っていただきました。

お求めは、こちらです。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.538日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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マツタケの里

ああ、あそこの地名は能勢町と言ったのですね。

大阪府の地図の、一番上に飛び出している部分のことです。

その能勢町ではマツタケが名産で、

「30~40年前は山の中にござを敷き、すき焼きを楽しんでもらった。座っていても手が届くところにマツタケがあった」そうです。

能勢町は府の最北端に位置していて、町内全域が標高200m~500m。大阪市内とは5~6℃気温差があるそうです。

で、「大阪の軽井沢」「大阪の北海道」「大阪のチベット」とか呼ばれるそうです。

軽井沢とチベットは、かなり違うよねえ、と思いますが、それはさて置きまして、今日の本題はマツタケすき焼きです。

これは当然美味しいのですが、難点は勿論マツタケの値段が高いことです。

報道によりますと、この大阪のマツタケも絶滅の危機にさらされているそうなのです。

与謝野晶子も幼いころ、「取っても取ってもある」とマツタケ狩りに興じたそうなのですが、残念なことです。府は、

「府レッドデータブックを改訂し、菌類を対象に追加して今年3月に発行された。マツタケは近年発生量が激減。専門家らの評価で「府内で絶滅の危険が増大している種」を意味する「絶滅危惧II類」とされた。」そうです。

ござを敷いてマツタケすき焼き

~やってみたかったですねえ。

追伸

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強力な噴射力

「強力!」「噴射!」「浅草!」

って、なんで「浅草!」が入ってるんですかねえ。

ユニークなことでお馴染みなKINCHO社のテレビコマーシャルのことです。

ラテンでマッチョな外国人女性3人が登場して、「ハエ・蚊ハンター」を強力に噴射してみせるCMです。

3人のユニットの名前は「ハンタートリオ」というのだそうな。それぞれが漢字で「強力!」「噴射!」「浅草!」と大書されたTシャツを着ています。

画面右の「浅草」Tシャツを着ている方はアナスタシア・グラコバさんという方なのだそうですが、どこのお国の方なんでしょうか。

すぐに遠くへ逃げるハエや蚊に ブシュー!ブシュー!

すぐに遠くへ逃げるハエや蚊に ブシュー!

遠くのハエや蚊も素早く退治

ヤブ蚊にも効く!

ということで、「強力な噴射力を表現」しています。

どうも見覚えがあると思ったら、かつて2012年に放映したCMで、そのCMに「あの強力感がたまらない」という声が多数寄せられたため、今年のハエのシーズンにも再度放映と相成ったそうです。

浅草としては微妙なところで、抗議した人もいたようですが、世間では好評なのですね。

実際、朝のテレビを視ていると、この時季ずーと、KINCHO社のCMが続きます。繁忙期なのです。

そう言えば、先日も巨大なハエが帳場に飛び込んできてビックリしました。

五月蠅いなあ!

勿論だからと言って、あのCMからの連想で、「浅草はハエが多い」と考えるのは偏見ですよ。衛生には気を遣っています。

やっぱり抗議した方が良いのかなあ。

でも、面白いものにケチをつけるのは野暮ですよね。困ったな。

追伸

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 「枻(えい)出版社」刊行、エイムック2855。

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山の日

え? 祝日が増えるんですか?!しかも2016年から。知りませんでした。

正確には「今国会中で法案が成立すれば」の話しですが、既に与野党9党の賛成により衆議院を通過したそうですから、確実なのでしょう。

さて、増える祝日とは「山の日」。

8月11日が、その日なんだそうな。

へえ。

「日本山岳会」などが作った「『山の日』制定協議会」は当初、夏山シーズン前の6月第一日曜日を全国一斉の『山の日』にしようと決議していたそうです。

「6月第一日曜日は山が緑に輝いて、山開きが各地で行われる日」だからとかで、ほお、良いんじゃないですか!6月は祝日が一つも無いし。

しかし!

「会議の後発足した超党派国会議員連盟の案で、企業からの要請もあって8月のお盆の時期に『山の日』を制定することになりました。『お盆で故郷に帰って、地元の山を見つめ直すいい機会になるし、子どもとのふれあいの時間をつくるために、子どもの夏休み期間中に休日を増やすのが一番いいのではないか』

ふ~ん、なるほ・・・ど・・

しかし報道を読んでも、『山の日』制定協議会が公表している趣意書を読んでも、なんでまた「山の日」は8月11日なのか、書いてないですねえ。不思議。

「企業からの要請」が優先されたんでしょうかね。

ですから、その「要請」の本旨が問題なわけですが、推測しまするに、旧盆の休み期間を8/13から前方向に固定したい、ということでしょうか。

お盆は8/13-8/15ですが、その曜日は毎年変わります。8/11が日曜の場合、8/9金-8/15木に休む人と、8/13火-8/19月に休む人に別れてしまって会社の業務が滞ります。

8/11を祝日にしてしまえば、全員が8/9金-8/15木の方に集中しますから、そういうことがなくなる、という次第です。

結果どうなるか、お盆休みに観光地に行けば、どこもゲロ混みということになりましょう。

富士山頂には行列が出来てしまうでしょう。

まあ、財界の都合には逆らえないのでしょうけど、「山の日」を推進した皆さんは残念に思っておいででしょう。

それにですよ、そんなに盆休みを固定したいのなら、8/15を「平和の日」にした方が余程良いと思うんですけどね。

なんだかなあ、です。

追伸

ムック本『江戸っ子に学ぶ! 浅草本』に載せていただきました。ありがとうございます。

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<内容>浅草寺を中心に発展してきた“浅草”は、江戸の文化と今が混在する街で、歴史とグルメと情緒を肌で感じる場所がそこかしこにあります。100年、200年と続く老舗のうなぎ、どぜう、そば、天ぷら、すき焼など和のお店をはじめ、絶妙の味を伝える洋食屋さんや女性にとって嬉しい甘味処など目白押しです。いっぽう、かっぱ橋周辺に足を伸ばせば、木札や手ぬぐい、櫛といった職人の技が織りなす伝統の工芸品に出会うことができます。そこで本書は、浅草をまるごと楽しむために「食・技・遊・祭」の4つを徹底的に紹介しました。また巻頭では、浅草在住のたいとう観光大使をつとめる、なぎら健壱さんといとうせいこうさんに登場をいただき、浅草の魅力を語っていただきました。

お求めは、こちらです。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.535日連続更新を達成しました。

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ふるさと納税

うーむ、そういう所で肉を買っていたんですかあ。

伏兵とはこのことですねえ。しかも、相手は親方日の丸・・・

さてさて、その日の丸の相手とは「ふるさと納税」を実施している自治体です。全国で1500以上在るとかですが、その中には納税の「御礼」として肉を贈ってくれる自治体もかなり在るようです。既に、

「お得な「ふるさと納税」ランキング~牛肉編~特典に「牛肉」がもらえるコスパ最強の自治体は?」

というものがネットで公開されています。

1位:北海道鷹栖町の鷹栖牛。1万円の納税に対して→肉1kg

2位:山口県美祢市の秋吉台高原牛。1万円→1kg

3位:兵庫県宍粟市の宍粟牛。1万円→850g

4位:神奈川県南足柄市の相州牛。1万円→800g

5位:山口県山口市の徳地黒毛和牛。5000円→300g

肉の他にも、米や野菜など産物ごとにランキングが行われています。自治体同士の競合で「御礼」のお得度が増す傾向にあるとか。

え? 自分の出身地でなくても納税できるのか って?!

遅れてますねえ、まったく。

この制度は要するに、何でもアリなんです。

自分が食べたい物を「御礼」として贈ってくれる自治体をネットで探し出して、そこにネットで申し込めば良いのですから、「お取り寄せグルメ」同然です。

なんだかなあ、です。

実は、この「納税」は正確には自治体への寄付金で、確定申告の際に、その金額を申告すると⇒所得から控除され⇒自分に課税される税額を少なくすることができるようです。勿論限度額はありますが。

だから、その人が現に住んでいる自治体側から見ると、新手の徴税逃れと言えます。台東区に限っては地元を愛する人ばかりですから、あまり心配はないと思いますが、東京近郊の住民意識が希薄な市では税収が減るかもしれませんね。なんだかなあ、です。

まあ、自分の所得を自由に処分することは国民の権利ではありますけどね。

なんだかなあついでにもう一つ申しますが、こと肉に関しては、生産者だけでなくて流通業者や小売業者の役割が大きいです。

丁寧に屠殺したのか、何日目に脱骨したのか、熟成期間は全部でどの位とったのか、とかを自治体が塩梅できれば上等ですが、まあ、どうなんでしょうかね。

おおかた地元の業者に丸投げでしょう。

悔し紛れではありますが、一応、情報としてお知らせまで。

追伸

ムック本『江戸っ子に学ぶ! 浅草本』に載せていただきました。ありがとうございます。

 「枻(えい)出版社」刊行、エイムック2855。

<内容>浅草寺を中心に発展してきた“浅草”は、江戸の文化と今が混在する街で、歴史とグルメと情緒を肌で感じる場所がそこかしこにあります。100年、200年と続く老舗のうなぎ、どぜう、そば、天ぷら、すき焼など和のお店をはじめ、絶妙の味を伝える洋食屋さんや女性にとって嬉しい甘味処など目白押しです。いっぽう、かっぱ橋周辺に足を伸ばせば、木札や手ぬぐい、櫛といった職人の技が織りなす伝統の工芸品に出会うことができます。そこで本書は、浅草をまるごと楽しむために「食・技・遊・祭」の4つを徹底的に紹介しました。また巻頭では、浅草在住のたいとう観光大使をつとめる、なぎら健壱さんといとうせいこうさんに登場をいただき、浅草の魅力を語っていただきました。

お求めは、こちらです。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.534日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

Filed under: すき焼きフル・トーク,ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)