叱られる

全国の社長さん、貴殿の部下がこんな↓事件を引き起こしたら、どうなさいますか?

・貴殿の部下はデパートの催事を企画しています。各地のパン屋さんを集めた催事を企画したのですが、人気のパン屋さんから出店を断られてしまいました。しかしチラシは、その店が出る前提で出来上がってしまいました。それで出店交渉が不調だったと言い出せなくなり、なんと、別のパン屋さんのパンを、人気店のものであるかのように偽装して出品してしまいました。あらら。

・貴殿の部下は旅行会社のツアコンです。修学旅行用のバスの手配を忘れてしまい、直前にそのことに気づいたのですが、あいにくGW連休中で、どうしてもバスが手配できません。そこで、なんと、「修学旅行が実施されれば自分は自殺する」と生徒さんが書いたかのように偽装した手紙をデッチ上げて、学校に送りつけました。あららら。

以上の2件は、この日本で今年の4月下旬に起きた実話の事件です。

そんなウソがバレない筈がないのですが、とにかく、この二人の人物は、自分の不手際が発覚して叱られるのが怖くて仕方なかったようで、「怖い」の一心で、このような破天荒なことを仕出かしてしまったようです。

信じがたいですが現実です。全国の社長さん、貴殿の部下がこんな事件を引き起こしたら、どうなさいますか?

そんな社員を雇わないよう、ウチの会社は採用の時点で気をつけているよ!と言いたいですか?

いやいや、2つの事例とも零細企業ではなく、それなりに採用面接を経て採用していたみたいですよ。

頭が悪いのではなく、心が弱いだけなので、面接を通る可能性がありますよ。

だいたい今時は教育がおかしんだよ!教育改革をすべきだよ!と言いたいですか?

ご尤もです。生徒にダメなものはダメとキチンと伝え、もしダメなことをやってしまったら、その時の身の処し方もキッチリ教え込む学校を作るべきだと、私も思います。

そのように逆に「厳しさ」を「売り」にして生徒を集めれば、不人気どころか、大勢の生徒さんが集まるのではないか、私もすき焼き屋でなければ、そういう学校経営をしてみたいなあと思ったりしますが、まあ、しかしそんな学校がすぐ出来る筈もありません。

だから、貴殿の会社が、こういう部下を雇ってしまう可能性はありますよ。どうなさいますか?

即刻懲戒解雇にしますか?

2件とも立派な犯罪で、会社の信用をここまで傷つけたのですから、可能でしょう。

しかしです、その部下は二度と再起できないでしょう。前職の解雇理由がこれだと知ったら、まともな会社が次に雇う筈もなく、食いっぱぐれるか、あるいはアングラ・ビジネスの世話になるしかないでしょう。

結局その部下は闇社会に身を沈め、そして貴殿の会社の信用回復も難しいでしょうな。お疲れ様です。

そんな中、私も社長なので、心の準備をしておくことにしました。

叱られることを怖がるな、社内の風を通そう、と言っても、とにかくここまで心が弱いとなると、今後は理解しがたい事件が起こるかもしれません。

こういうことがもし起きたら、最終的には解雇も仕方ないかもしれませんが、チャンスは与えようと私は思います。

チャンスとは謝罪と再起計画作成のチャンスです。

ご迷惑をおかけした全ての方に誠意が伝わるように謝るには、どのようにしたら良いか、考えさせ・実行させます。

再起計画とは例えば、毎朝・毎晩仏壇の前で「今後決して嘘はつきません」と唱えて⇒その様子を動画に撮って⇒社長に提出するとか、そういうことです。

そこまでやって、それが出来なければ、その時は仕方ないですね。

ともあれ、叱ること・叱られることに、人々が慣れていない社会が到来したようです。

滑稽な事件が起こるのですね、この社会では。

追伸

ムック本『江戸っ子に学ぶ! 浅草本』に載せていただきました。ありがとうございます。

 「枻(えい)出版社」刊行、エイムック2855。

<内容>浅草寺を中心に発展してきた“浅草”は、江戸の文化と今が混在する街で、歴史とグルメと情緒を肌で感じる場所がそこかしこにあります。100年、200年と続く老舗のうなぎ、どぜう、そば、天ぷら、すき焼など和のお店をはじめ、絶妙の味を伝える洋食屋さんや女性にとって嬉しい甘味処など目白押しです。いっぽう、かっぱ橋周辺に足を伸ばせば、木札や手ぬぐい、櫛といった職人の技が織りなす伝統の工芸品に出会うことができます。そこで本書は、浅草をまるごと楽しむために「食・技・遊・祭」の4つを徹底的に紹介しました。また巻頭では、浅草在住のたいとう観光大使をつとめる、なぎら健壱さんといとうせいこうさんに登場をいただき、浅草の魅力を語っていただきました。

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本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.526日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)