銀座ウエストのひみつ
単行本『銀座ウエストのひみつ』を拝読しました。
非常に参考になり、勉強になる御本です。
「ウエスト」とは、「リーフパイ」や「ドライケーキ」といった焼き菓子があまりにも有名で、それから西銀座に在る喫茶室の居心地良さもまた有名な「洋菓子舗ウエスト」さんのことです。
この御本では、そうした製品や居心地の背景に、“真摯な”企業哲学が在ることを、木村衣有子さんという方が描いていきます。
木村さんは1975年栃木生まれの文筆家。「お酒を題材にしたミニコミ『のんべえ春秋』編集発行人」だそうですが、甘い方もイケるのですね。
その方が最初に注目したのは「ウエスト」さんのツイッターだったそうです。私もフォローしていますが、実に感心することが書いてあります。
私も存じ上げている御主人御本人が、ツイッターをやっておいでです。内容はおりおりの商品やイベントの紹介が中心ですが、その背景にある哲学が垣間見えるもので、木村さんも、これに注目なさったようです。
ごく最近は、こんなことも
「今月から新社会人となり、張り切っている方がおられる一方で、仕事が合わないと早々に諦めてしまう方もおられます。そんな方に申し上げたいのは「どこの登山口から入ろうと、同じ頂上には辿り着ける」という事です。その為に必要なことは「先ず与えられた仕事に全力を尽くす」これ以外にはありません。」
そのアカウントをフォローしてもフォロー返しはされはしません。御主人はつぶやいて行くのみ、です。
さてさて、肝心の本の内容です。ネタバレは良くないですが、一つだけご紹介します。
先代(=今の御主人の御父上)の口グセの、
「そんじょそこらにないもの」
という言葉が私には印象的です。
「そんじょそこらにないもの」
つまり質が良いもの=近隣の商店街には無いけど銀座にだけは在る、という位品質の良い物を作りつづければ、銀座のお客様は必ず買って下さる、という信念です。
さらにまた、その品物は「飾らない」品物です。値付けも正直にしていくので、自然と「飾らない」物に成ります。
そうして人々から「あそこは変なことをしない」と信用されるようにする、ということです。
非常に参考になり、勉強になる御本でした。
ご購入は、こちらから。
追伸
浅草・浅間神社の、「お富士さんの植木市」は今日・明日です。
浅草4、5丁目一帯の道路上に近県の植木商や露店がたちならびます。
古来ここで買った植木はよくつくとされていますから、ガーデニングをなさる方は是非。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.553日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。